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真治が巨乳な女の子になっちゃった4

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 真治が巨乳な女の子になっちゃった4


「ふわぁ……」

 午前8時10分に重はアクビをした。そうして中野家の前に立つとインターホンに向けて手を動かす。

 昨日、真治は学校に来なかった。風邪がどうのって話だからべつに気にもしてない。だから事前連絡もせず、今日はだいじょうぶでしょう! ってノリでやってきた。そしてアクビをくり返しながら白いボタンをグッと押した。

「あ、橘高ですけど……真治くんは?」

 そう言ってまたひそかにアクビ。この時点までは代わり映えしない日常と思っていた。ドアが開けば真治が出てきて、一緒に歩きだしたらちょっとエロい話をして……という風に。ところが今日という日は脳内革命の記念日だった。

 がちゃ! 音がしてドアが開いた。真治だろうと思って玄関に目を向ける重。しかし次の瞬間、まるで生クリームが放出されたみたいに戸惑った。

「え? 誰……」

 重の脳は理解ができない。真治ではないし姉の優子でもない。それは明らかに初見キャラクター。そして一発で目に感情を引っ張られた。

(か、かわいい……)

 まず最初に思ったのはそれ。同じ歳であろう少女には、やわらかいかわいさが満ち溢れている。それはまるで愛さずにいられない特別製のマカロン。

(し、しかも巨乳っぽくね? けっこう乳がイケてるんじゃない?)

 当然だがそこもしっかり見取った。小6にしてあこがれの優子には及ばないが、同じ年の女子というならまちがいなく巨乳の部類。谷間とか乳揺れってキーワードが脳内ローリングする。

 カチャっと門が開く。シワ加工のロングスカート、プレーンなホワイトTシャツ、その少女からはかわいい光が放たれていた。まさにエンジェル、ほんとうにエンジェルそのもの。

(う、うゎ……)

 目にした重の胸に放たれる銃弾。

ーバキューン! バキューン! バキューン! バキューン! バキューン! バキューン!ー

 恋のリボルバーってやつは6発もの弾を重に食らわせた。でもそれだけじゃぁ全然足りなかったのである。

「や!」

 テレくさそうに微笑む少女。地球上で一番愛されるべき女の子にしか見えない。

「え? え? お、おれ?」

 重は本気でキョロキョロしまくった。中野家の近くはもちろん、この通りには2人しかない。初見エンジェルが微笑んだのは自分しかいないってことだ。

「あ、あの……」

ーバキューン!ー

 7発目が重の心臓をぶち抜く!

「あは、わかんない?」

「え、えっと……」

「じゃぁ橘高くんに質問です! わたしは誰でしょう?」

 ここで女の子がクスっとやるものだから、バキューン! 8発目が来る。

「えっと……中野家の人だよね?」

「そうだよ」

「もしかして今まで別の場所で生活していたという存在」

「ちがうよぉ、わたし橘田くんがよーく知ってる人だよ」

「えぇ? わ、わかんないよ……」

 すると少女がピーチ色に照れた笑みで言った。真治だよ! って言った。橘高重の脳は、それをすんなりとは受けいられない。

「し、真治って?」

「中野真治、一昨日に生まれ変わっちゃったんだ。えへ♪」

「は? 冗談やめてよ」

「冗談?」

「だ、だって……そんな……いくらなんでも……」

「いくらなんでも、なに?」

「あんまりにもかわいいし、しかも巨乳っぽいし」

「あは、かわいいとか巨乳って言われると嬉しいなぁ。でもさ、ほんとうに真治なんだよ。なんなら橘高くんの事、あれこれ言い並べてあげようか?」

 かわいい! あまりにもかわいい! バキューン! バキューン! と2発連続で食らった。重にとって眼前の女の子は、人類史上最高のまぶしさ。

「えっとね……」

 萌え度1000%の笑顔で、少女は重の事を言い並べた。それはたしかにすごい事だったのである。親とか兄弟みたいに知っているわけではない。だが単なるクラスメートではありえないほど、深い部分を知っている。よく心得ているって言い方でもよい。それは真治が重を理解しているって心そのものなのだ。

「う、うそ……だ」

「ウソじゃないよ、びっくりした?」

 バキューン! バキューン! バキューン! もう何発目かわからない銃声が響く。重はすぐそこにある電柱に右手を当てた。そして左手を心臓に当てると、真っ赤な顔で友人を見る。

「だいじょうぶ?」

 やさしくかわいく気遣ってくれるエンジェル。

 バキューン! バキューン! バキューン! バキューン! バキューン! バキューン! バキューン! バキューン!

 もうムチャクチャだった。重の心臓は穴だらけかもしれない。だからテレ隠しをするためにも、あえて荒い口調で言うしかなかった。

「真治だったら、なんでそんなにかわいいんだよ!」

「そ、それは……神さまがそう決めたから」

「ぅ……」

 重はハァハァ息を切らしながら、説明しにくい何かに戸惑った。いま真治はありえないほどかわいい女の子、しかも巨乳。でも外見のかわいさだけではないと思った。なんというか内側が問題なのだろうと思う。並の女の子より何百倍も中身がかわいいと伝わってくるから。それがきっと魔法の根源ではないかと思った。

 チラッと目を向ける。白いTシャツの下に潜むブラと谷間。あれは明らかに天然物。中野優子のモノより少し小さくしたって感じのモノ。

「な、なぁ真治……」

「うん?」

「その顔と声と乳……だったら下はどうなってるんだ?」

「下? あぁ……アレは……ないよ」

「ない!? だったらつまり……その……」

「うん、女の子の持ち物だけだよ。あんまり詳しくは言えないけど、わかって欲しいな」

 ドカーン! と今度はバズーカー砲を食らった。これでは一向に学校へ向かっていけない。とりあえず歩こうと重は誘った。むろん話をするために遠回りコースをチョイスしてである。

 共に足並みをそろえて歩き出した。新生女子はかわいさもリズムもあれこれ安定している。一方の重は不安定そのもの。メジャーコードとマイナーコードがクロスしっ放し。

「あのさぁ、真治、まずはちょっとでいいから手をつないでほしい」

「わ、わかった」

 人目を気にしながら両者が手を取り合う。すると重は脳の皮がベロベロめくれるようだった。その手は男子の代物ではない。やわらかさとやさしさをたっぷり含んだ極上の女子ハンド。一瞬心を奪われてしまったので、ついついぐっとつよく掴んでしまった。

「いたいよ……」

「わ、わるい……」

 信じられないってキモチが重の胸を埋め尽くす。隣にいるのはSSカードって言ってもいいほど別格な女の子。神さまからの贈り物と表現しても足りないほどだ。それが真治だなんて、考えれば考えるほど理解が遠ざかっていく。

「真治、いったい何があったのか聞かせてくれ!」

 ここでやっとすさまじい物語の始まりを知りたいと申し出る。

「えっとね……」

 真治はできるだけていねいに語った。それを耳にする重側からすると、染色体ハプニングとかいうのは理解不可能。でも事故にあったという箇所で、大体は納得できてしまった。事故なんていうのは、あたらしい世界を作るためには都合のよいモノだから……と。

「それでその……女の子になって困ったりとかしなかったのか?」

「それがスーッと気持ちよくオーケーだったよ。ほら、シュガーがきれいに溶けていくって、あんな感じかな」

 えへ♪ っと笑う真治のかわいいこと。大方の男子は冷静でいられないレベルだ。カベに押し付けムリヤリにでもキスしたいって、そんな妄想さえしてしまう。

「あのさぁ、真治……ちょっとかわいすぎだぞ……」

「ほんとう?」

「ほんとうも何も……今のおまえと比べたら、クラスの女子なんてスッポン以下だし」

「あ、そんな風に言ったらダメだよ。それに橘高……」

「な、なんだよ?」

「そんなにホメたって、なんにも出ないよ?」

 そう言ってまたクスっとマシュマロ笑顔を振りまく。もしそれをユーチューブに公開したらどうなるだろう。世界中で大勢の男子がバキューン! を食らうだろう。ラブレターが10億通はやってくるだろう。

(くそ……心臓のドキドキがぜんぜん収まらない)

 重の心臓はもう遊ばれているみたいなモノだった。そんな中で、やっぱりこれは無視できないっしょ! という話を切り出す。

「し、真治……本当の女の子なんだろう? その乳はホンモノなんだろう?」

「乳って言い方はなんか恥ずかしくてイヤだなぁ……」

「そ、それって触った?」

「もちろん、自分のモノだから好きなだけいっぱい触ったよ」

「そ、それでどんな感じなの」

「う~ん、けっこう大きくてやわらかい弾力がいっぱい。お姉ちゃんに負けてないって感じかな。けっこう気持ちいいから、夜は自分でいっぱい触っちゃうっていうか」

 屈託のないエンジェルの言葉を聞いていると、重は黙っていられず言ってみた。触らせてほしい! と言ってみた。ついでに、おっぱい星人ならキモチは分かるだろう? と、同士の苦しみを訴えてみたりする。

 しかし……いまのとびっきりにかわいい女子たる真治には、そんな小賢しい訴えは通用しないのである。

「だ、ダメだよ……それはダメ」

 守りに入った少女の赤らむ顔は、絶対に犯してはならないモノって空気に書いてある。

「そ、そうなの? や、やっぱり……女になったら乳を触られるとかはずかしいの?」

「当たり前だよ。こ、これは女の子の特別なんだよ? そんなかんたんにオーケーとか言える話じゃないんだよ」

 テレ隠しにフン! と赤い顔で拗ねたりする真治。あまりにもカンペキだった。冗談でムリヤリ乳を触ってみようって、そんな考えを実行には移せなかった。それをやったらこの世で一番かわいい女の子を泣かせてしまうと、重は思わずにいられなかった。

(なんでこんなにかわいい巨乳女子になるんだよ……)

 橘高重がハァハァと苦しそうに息を吐く。あまりにも、あまりにも、甘くいとしい切なさだった。そうして2人は学校に到着する。


ー女子になった真治のかわいさバクハツ中 次回に続くー
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