息吹アシスタント(息吹という名の援護人)

jun( ̄▽ ̄)ノ

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219・自分VS自分8

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219・自分VS自分8

 
 雨がひたすら降り続ける暗い世界で、Ⅰ人の男と3人の女がとあるビルの屋上に到着した。

「見ろ、あれが息吹の氷漬けだ」

 ザーザー降りの床に着地したブラック息吹、ざまーみやがれ! 的な表情を女3人に向けて言い放った。

「息吹......」

「息吹くん」

「息吹が氷漬けって......」

 閻美、かすみ、団子は分厚い氷の中に閉じ込められている息吹の姿におどろく。それは物悲しい印象的であって、実際に見てみればうつくしいとかいうモノではない。

「こんな分厚い氷......どうやって砕くの?」

 団子は絶望的なキモチで氷漬けの息吹を見る。

「さぁ、どうするよ? おまえら3人がかりでおれと戦うか? それとも、戦う前から勝負をあきらめて潔くおれに抱かれるか、好きな方を選べ」

 ブラック息吹、戦闘だろうとセックスだろうとどっちだろうとハデにやってやるぜ! とゲスイ高揚を顔面に書き表している。

「その前に10分ほど譲ってもらえないかな」

 ここで閻美が一歩前に出てブラック息吹と向き合う。

「10分? 譲るとはどういう意味だ?」

 男は白い着物って女の顔と胸を見ながら、さっさと食わせろよ! とイラ立って見せる。

「10分で息吹を救出する。わたしらはそれに全力をかける。だから10分で息吹を救出できなかったら......その時は負けを認めよう」

「もっと具体的に言えよなぁ。負けるってどういう事だよ?」

「ぅ......そ、それは......」

「負けたらおまえら3人はおれに食われるんだよ。意味わかるよな? まさか魔物が人を食らうみたいなホラーを連想したりしないよな? おれがおまえらを食うっていうのは、男と女の営みって色艶のいい話なんだぜ」

 雨の音を蹴散らすようにブラック息吹が声高に笑えば、閻美もかすみも団子も怯みかける。しかしここで怖気づいては女が廃る! とし、ブラック息吹にいまから10分測

れと言ってからかすみの方へ向く。

「子ども巨乳、わたしと両手を合わせろ」

「え、な、なんですか急に......それにかすみって名前で呼んでください。子ども巨乳って言い方はイヤです」

「こんな時につまらない事へこだわるな。早く両手を開いて前に出せ」

 言われて仕方なく指示に従った。すると双方の色白むっちりな両手が合わさる。

「よし、そうしたらお互いにギュッとつよく握り合う」

「えぇ......女同士でそんな......不本意」

「アホか! この非常事態に話を変な方向へ持って行くな」

 そうして今度は2人の手がグッと互いを意識するように握り合う。そうすると手が熱いとなり、からだ全体の温度も上がっていく。

「これで、どうするんですか?」

 かすみが素朴な疑問って顔をすると、閻美は言った。握り合う両手を正面の氷に向かって上下に開き、気合の熱を光線にするのだと。
 
「気合入れろよ、子ども巨乳」

「わかりました!」
 
「よし、では正義とプライドの熱量で氷を溶かす。これより息吹救出作戦を開始する。

いくぞ、乙女Wスパーク!」
 
 閻美が叫んだらかすみが思わずずっこけた。せっかく溜まっていた気合がグワンと押し戻されるように消えてしまった。
 
「何をやっている!」
 
「だって......乙女Wスパーク! とか名前が恥ずかしいじゃないですか」
 
「そこにこだわってどうする! ったくこれだから子ども巨乳は......」
 
「わかりましたよ......言いますよ、わたしもちゃんと言いますよ」
 
 そういうわけで仕切りなおし。2人は気合を入れ直すとぐぅっと息と気合を吸い込み、同時に同じ事を叫んで吐き出す。
 
「乙女Wスパーク!」

 すると混ざり合った2人のエネルギーが太い筒みたいなピンク色光線となって放たれる。

「おらぁ!」

 もっと気合を入れろと促す閻美。

「いっけぇ!」

 かすみ、ダサかっこういい感じの技にちょっと興奮。そして氷が溶けて息吹が戻ったら、真っ先に駆け寄り自分の胸に抱きしめるという予定絵図も描いておく。氷の上っ面が少し汗をかきはじめた。効いている、たしかに光線の温度が氷の厚さを揺さぶっている。

「このまま溶かす!」

 閻美はかすみの両手をつよくにぎる」

「溶かしましょう、溶かしちゃいましょう」

 2人は勢いづく。体からボッとオーラが生じるほど熱も上がる。しかし、息吹を閉じ込めている分厚い氷は手ごわかった。

「ぅ......」

 閻美の色白美人って頬につーっと汗が浮かぶ。

「やだ、手ごわすぎ......」

 かすみの顔にもほんのり汗が浮かぶ。

 氷は表面だけ泣いている。それは分厚い図体が溶けて消えるには全然足りないわけであり、エネルギーを光線に変換している2人の疲労数値だけが上がっていく。

「おいおい、それじゃぁ全然足りないぞ。そんなモノかよ、女のプライドとか熱意なんてよぉ。プライドがどうとか言っても、しょせんは欲望の方が勝つんだよ。だからおまえらムダな努力は止めておれに抱かれろって」

 ブラック息吹はケラケラっと笑い、奮闘する2人に何度も言う。ムダ、ムダ、それすべてムダ、ムダな努力は人生のムダ遣い! と。

「ぅ......」

 ここでかすみが閻美から手を離した。

「バカ......離すな......」

 そんな風に言う閻美だが、ハァハァと息切れ。そして口にはしないが、その豊かな胸の内側で思った。これは......ちょっとヤバいかも、どうする、どうする、どうする!

 と。

 だがこのとき、だまっていられないと声を出したのが団子。自分ひとりだけ成す術なしというのは耐えられない。かといって特殊能力を有するブラック息吹にふつうの女である自分が真正面から戦いを挑んでも勝ち目なし、たとえ柔道の達人であるとしても。

「閻美、かすみ、わたしも参加するよ」

「え、団子さんが?」

 かすみはそれってどうなのだろうと思った。しかし閻美はよし来い! と参加を認める。なぜならこの技は持っている熱量の消費が激しい。たとえふつうの人間であっても、熱をもらうという話では役に立つ。

 女、3人が腕を伸ばし両方の手をにぎり合って輪を作る。そして閻美を真ん中、氷と真っ直ぐ向き合うって位置になる。

「よし、2人とも思いっきり体に力を入れて熱をぶち込め。それわたしが引き受ける」

 閻美が気合十分な声を出すと、それに触発されたかすみと団子にも気合がこもる。特に団子は、自分も役に立ちたいとはげしく心を燃やしている。ゆえに3人の輪からは先よりも断然に高い温度が立ち始める。
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