ガールズHマインド(女の子だってスケベ心いっぱい)

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ラッキースケベは自らの手で作るモノ

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ラッキースケベは自らの手で作るモノ


「美和、ちょっと」

 昼休み、誰もいない校舎裏でユリが相談とかいう話を切り出した。

「軽くでいいからさ、わたしの背中を押して」

「へ?」

「いいから早く」

「わ、わかった……」

 美和が言われた通りにすると、まるで躓いたように数歩だけヨロヨロっと動いたユリ、「きゃ!」とか声を出し、見えない誰かに抱きつくみたいな仕草を取ったりした。

「え、え、え? ユリ……それ何? 一体何をやっているの」

 理解できませーん! と美和が表情を固めると、ユリは大真面目な顔でDカップの胸に腕組みを当て、少しプライドが揺れているみたいに顔を赤くしながら言った。

「ラッキースケベをやろうと思って」

「はい?」

「だからラッキースケベをやるんだよ」

「ちょっと待って、意味がわかんない」

 美和いわく、ラッキースケベというのは偶然に男子が女子の乳を揉んでしまう的な授かり物エピソード。だからラッキースケベをやるという言い方は、それは男子がやるべきものではないかと美和は思わずにいられない。

「ま、まぁ、そうなんだけどさ、ちょっとね、その、悠人に抱きついてみようかと思って」

「えぇ!! それってユリの巨乳を悠人に押し付けるってことなんじゃ」

「ま、まぁ、そうだね、おほん!」

「うそ、ユリどうしたの? だってそんなのユリらしくないじゃん。ユリだったらさ、ラッキースケベした男子を殴り殺すようなタイプじゃん」

「そんなことするか! ったく、なんでみんな私が性格の悪い女だと思うのか理解できないよ」

 ユリは若干顔を赤らめながら、悠人の意識をこっちに向かせるためには、まっすぐな女、つまりあざとくなる必要があるとつぶやいた。

「え、悠人を好きになったの?」

「それに近い感じで興味が沸いている」

「なんで、悠人って地味男子じゃん、しかもあいつおっぱい星人のはず。由良みたいな巨乳が幼馴染みなんだからさ、ユリが横から入る必要なんて」

「そう思っていたんだけど、悠人っておっぱい星人としては筋金で邪念がない。そこまでまっすぐだと逆に惹かれてしまうというか」

「なんと……ユリにそんな事を言わせるとは」

「だから演技の練習」

「なんで練習しなきゃいけないの? きゃ! と言ってすぐ抱きついたらいいじゃん」

「いやそれではダメだと思うんだ」

「なんで?」

「思いもしない……という、まさにこれが重要なはずで、あっさりしたラッキースケベってきっと心が震えないと思う」

「なんとまぁ……」

「だからさ、美和はふつうにわたしの後ろを通り過ぎるようにして、少し躓いたっぽくしてわたしの背中に肩をぶつけるとしかして欲しい。そうしたら納得のラッキースケベに出来るから」

「わたしまで演技しなきゃいけないわけ?」

「この間、BLのコミック貸してやったじゃん、そのお礼とか考えて欲しいな」

「うわ、ユリって根性がヤクザ……」

 こんな会話をした後、2人は偶然を装った事故を男子に振りかけるための練習に励んだ。そうしてわざとらしさが消せるようになったところで、後はすべての授業が終わって放課後! となるのを待つ。

(今日は悠人とまったりウォーキングして帰りたい)

 もうすぐ最後の時間も終わると、机上に置いたカバンを色白むっちりな指でつついたりする由良だった。そして担任がこれで終わりと言って全員が立ち上がった時、突然教室のドアが開いて、ユリが声をかけたのである。

「悠人」

 それは当然目立つ。巨乳女子のひとりがデカい声で名前を呼び、かわいくクイクイっと手招きなんぞすれえば、周りは悠人とユリを祝福するような空気に流れる。

「ちょ、何やってんの」

 友人を追いかけようと、スクっと立ち上がる由良、ブレザーに浮かぶ豊かなふくらみがフルっと揺れる。

「来た、美和、よろしく」

「わかった」

 悠人がやってくるのを見てあざとい巨乳のユリが構える。そしてあざとさを後押しする美和が名も無きエキストラに扮する。

「話ってなに?」

 教室から出た悠人が、正面にいるユリに少し近づいたとき、ユリの後ろを美和が歩く。そして少し足を滑らせグッと肩を当てる。

「きゃ!」
 わざとらしくかわいい声を出したら、女はなんでもできるとばかりすぐさま顔を赤らめながら前によろけていき、ドキッとしている悠人に抱きついた。

「ぁんぅ……」

 悠人にユリが抱きつくと、むっはーといいニオイ。でもってDカップのふくらみが悠人の胸板にムニュウっと押し付けられる。

「こらー何やってんの!」

 由良が顔を赤くして怒ったのを見たら、ユリはすぐさま悠人から離れなきゃ……と思っているような演技をして、もう一度ギュウっと乳を押し付ける。

「あ、ごめん……」

 謝って悠人から離れるユリ。

「い、いや、べ、別に」

 悠人、キモチよかったぁ……と思っているから、つい手が動く。自分の胸板に手を当て顔を赤くするのは、あのふくらみがどうのと頭が惚けているから。

「それで用事っていうのはさ、前にちょっと話をしたとき悠人が好きだと言っていたマンガ、貸してあげようかと思って持ってきた(このためにブックオフで安く買っていた)

「あ、ありがとう」

 こうしてユリは悠人の前から立ち去るが、由良と目を合わせたとき、ざまーみろ! とか言っているような笑みを見せつけたりする。

「悠人、悠人!」 

 由良が言うと、ポーっとなっていた悠人がハッと我に返る。

「あ、あぁ……由良」

 由良がそこにいれば由良の巨乳に目がいく。だがその素直さは変わらないとしても、今はユリのふくらみが与えた生きた学習のよろこびが忘れられない。

(おのれユリ……あざとい事を)

 怒りに燃える由良は決心した。こうなったら自分もラッキースケベを悠人に与えるしかない。そうすれば悠人の意識は100%Fカップに向くはずと。

(どこで仕掛けるか……階段を下りた辺りが位置的にバッチグーかも)

 頭の中があざとい女になっている由良、わざと悠人からちょっとだけ離れて階段を下りる。そして先に悠人が階段を下りて少し歩いたところで、自らもラッキースケベという時間をこしらえた。

「きゃ!」

 つまづいた、我ながらいい感じ! と思う由良。そしておどろいた悠人が振り返る。今まさにFカップのふくらみが必殺技になる! と思われた。
「おっと」

「え?」

 低い男の声と慌てて顔を上げる由良、どうやら偶然そこにいた中年の男教師に抱きついてしまったらしい。

「あ、あぁう……ご、ごめんなさい」

 慌てて男教師から離れる由良、これはない、これはひどい! と神さまに文句をつぶやく。

「しかし……」

 男教師が由良を見つめる。

「な、なんですか?」

 何を言われるか、なんとなく想像出来ると思いつつ身構える由良。

「おまえってほんとうにボインだなぁ」

「先生!」

「あぁ、ごめんごめん」

「セクハラで訴えますよ」

 こんな感じで微笑ましいやり取りを1分ほどやった後、由良が気付くと悠人の姿はなかった。悠人は由良と男教師が1分間も仲のよいやり取りをかましたことにつよく嫉妬してしまったのだ。だから一人だけでさっさと家にかえってしまったのだ。

「くぅ……悠人、そんなのってないよ、いつもわたしの巨乳っておっぱい見つめまくりのくせに、もうちょい大きな心を持ってよぉ」

 Fカップの巨乳女子はひとりさみしく、大いにイライラしながら家に向かって歩くだけだった。
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