114 / 125
怪獣が出た 2
しおりを挟む
怪獣が出た 2
夜、警察から解放された雪がいた。そしてショックを受ける。
「先に帰った?」
一足早く解放されていた彼氏の直進が帰っていた、つまり雪を待っていなかった。
「ふざけるな!」
すぐさまスマホを取り出したが、そこで画面に直進からメールがあると見た。そして開いてみると実にシンプルな一言がつづられていたのだ。
―さようならー
「え?」
一瞬ドキッとした雪、警察署の外に出ていないというのに取り乱しながらスマホで電話。すると着信拒否されていると知って2回目のショック。
「うあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
発狂して叫んだりしたあげく、近くにあるモノを破壊するような行動に出たからダメだ。今さっき解放されたのが取り消され、一晩のお泊りとなってしまう。
「ウソだ、わたしが……女が男にフラれるなんて、そんなことあるはずがないんだ」
一晩中、みじめなところの隅っこにうずくまったまま、女が男にフラれるなどあってはいけないと呪文みたいに言い続けた。
そして朝、雪は厳重注意を受けて外に出されたが、やる事はひとつ。
「直進がわたしを捨てるなど許さない」
爆進するような勢いで直進の家に向かっていた。そして直進の家に到着すると、バカみたいにインターホンを連打。
「はい?」
「直進! 出てきて、話をしよう」
「おまえとはもう終わったんだ」
「はい? なによ、なに偉そうなこと言ってんの? 出てきなさいよ」
直進は雪と付き合いだしたとき、雪のことは雪と呼ぶようになっていた。おまえって言い方をしたことは一度もなかった。ゆえに3回目のショック。
「おのれ……」
雪、だまって引き下がるわけがないだろうと門を開けて敷地内に侵入。そして玄関ドアを開けようとしたがカギがかかっている。
「開けろ、開けなさい!」
命令調を発しドンドンとドアを内側から声が聞こえた。それは直進と母親の声であり、絶対に出たらダメとか言っている。
「直進!」
横に回った雪、居間のガラス戸が割れそうなほど激しく叩く。
「ひぇぇ……」
青ざめる直進と母親、カーテンを閉めて見えないようにした。
「卑怯者!」
雪がガラスに向かって石を投げつけ始めた。どうやら本気でガラスを砕き、家の中に入ろうと考えているようだ。
「警察に電話しないと」
直進が電話するとすぐさまパトカーが―サイレンを鳴らしながらやってきた。そして庭であれ狂っている女を捕獲する。
「直進!」
魔物みたいに大声でわめきながらパトカーに放り込まれる雪だった。それからしばらくすると家に電話がかかってきて、直進が出ると警察が言った。
「直進を連れて来いと騒いで手がつけられないのです。ご足労かけますが来ていただけませんか? そこで話をして、最終的にストーカー認定するという流れでどうでしょう」
直進はこの提案に応じた。というより、そうしないと収まるわけがないとしか思えなかった。
「直進!」
元彼氏の姿を見ると殺意すら沸せて襲い掛かろうとする雪、それは2人の婦人警官に抑え込まれている。それは直進の目にとっても哀れでおそろしいモノに見えた。
「はぁ? ストーカー認定? ふざけるな、卑怯だぞ直進!」
近くのモノを蹴り飛ばそうとするから、雪はますますつよく抑え込まれる。
「わたしを愛していないの? こんなのおかしいよ、だって恋人なのに」
少しかわいい感じの声で泣きを入れる雪。でも一度切れた絆を結びなおすのは容易ではない。
「ストーカー認定してください。ヒビの入ったガラスの弁償はしなくていいから、付きまとうのを止めて欲しい」
直進に言われた雪、涙目で警察におかしいだろうと訴えた。
「こんなに早くストーカー認定するっておかしいでしょう。こんなのがまかり通ったら、恋人がケンカできなくなるでしょう」
しかし警察はこう返した。昨今のストーカーは事件の多さと悪質さは目に余るモノがあり、早めに芽を摘むという方向に動いているのだと。
「うぁぁぁぁぁ!!」
絶叫、壮大な取り乱し、哀れなり! という女を演じた雪、ついには自分の両親に迎えに来てもらうという醜態を晒す。
夜、家に帰った雪はまた新たなショックを受けることになる。
「まぁ、雪はどこかワガママなところがあったから大いに反省するしかない」
父がそう言った、娘をしっかり護らねばならない存在がそんな事を言った! と、雪のハートはブレイクショットを食らってしまう。
「で、でも……お父さん」
「ん、なんだ?」
「幸せになるのは女だけでいいんだよ」
「雪、おまえ……なんか悪いマンガでも読んだか? あんまりがっかりさせないでくれ」
雪はこのとき、中1のときから抱えていた自分の数こうなる意識が他人に理解されないという特大ショックに打ちひしがれる。
「幸せを独り占めしようなんて、そんなのは義務教育で終わりにしなきゃいけないのよ。まったく情けない、そんな女だとは思いもしなかったわ」
母のこの一言はトドメに匹敵する激烈なモノだった。だから部屋に戻った雪、クローゼットを開けると大切な書としていたマンガを引っ張り出す。それは中1に時に読んで、幸せになるのは女だけでいいと雪に教えたモノ。
「うそつき! ずっとずっと信じていたのに、話がちがうじゃん、人をその気にさせておいて、実は全然ちがうって極悪じゃん。あんたどうやって責任取ってくれるの?」
雪、目にたっぷりの涙を浮かべながらマンガをビリビリ破っていくのだった。
夜、警察から解放された雪がいた。そしてショックを受ける。
「先に帰った?」
一足早く解放されていた彼氏の直進が帰っていた、つまり雪を待っていなかった。
「ふざけるな!」
すぐさまスマホを取り出したが、そこで画面に直進からメールがあると見た。そして開いてみると実にシンプルな一言がつづられていたのだ。
―さようならー
「え?」
一瞬ドキッとした雪、警察署の外に出ていないというのに取り乱しながらスマホで電話。すると着信拒否されていると知って2回目のショック。
「うあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
発狂して叫んだりしたあげく、近くにあるモノを破壊するような行動に出たからダメだ。今さっき解放されたのが取り消され、一晩のお泊りとなってしまう。
「ウソだ、わたしが……女が男にフラれるなんて、そんなことあるはずがないんだ」
一晩中、みじめなところの隅っこにうずくまったまま、女が男にフラれるなどあってはいけないと呪文みたいに言い続けた。
そして朝、雪は厳重注意を受けて外に出されたが、やる事はひとつ。
「直進がわたしを捨てるなど許さない」
爆進するような勢いで直進の家に向かっていた。そして直進の家に到着すると、バカみたいにインターホンを連打。
「はい?」
「直進! 出てきて、話をしよう」
「おまえとはもう終わったんだ」
「はい? なによ、なに偉そうなこと言ってんの? 出てきなさいよ」
直進は雪と付き合いだしたとき、雪のことは雪と呼ぶようになっていた。おまえって言い方をしたことは一度もなかった。ゆえに3回目のショック。
「おのれ……」
雪、だまって引き下がるわけがないだろうと門を開けて敷地内に侵入。そして玄関ドアを開けようとしたがカギがかかっている。
「開けろ、開けなさい!」
命令調を発しドンドンとドアを内側から声が聞こえた。それは直進と母親の声であり、絶対に出たらダメとか言っている。
「直進!」
横に回った雪、居間のガラス戸が割れそうなほど激しく叩く。
「ひぇぇ……」
青ざめる直進と母親、カーテンを閉めて見えないようにした。
「卑怯者!」
雪がガラスに向かって石を投げつけ始めた。どうやら本気でガラスを砕き、家の中に入ろうと考えているようだ。
「警察に電話しないと」
直進が電話するとすぐさまパトカーが―サイレンを鳴らしながらやってきた。そして庭であれ狂っている女を捕獲する。
「直進!」
魔物みたいに大声でわめきながらパトカーに放り込まれる雪だった。それからしばらくすると家に電話がかかってきて、直進が出ると警察が言った。
「直進を連れて来いと騒いで手がつけられないのです。ご足労かけますが来ていただけませんか? そこで話をして、最終的にストーカー認定するという流れでどうでしょう」
直進はこの提案に応じた。というより、そうしないと収まるわけがないとしか思えなかった。
「直進!」
元彼氏の姿を見ると殺意すら沸せて襲い掛かろうとする雪、それは2人の婦人警官に抑え込まれている。それは直進の目にとっても哀れでおそろしいモノに見えた。
「はぁ? ストーカー認定? ふざけるな、卑怯だぞ直進!」
近くのモノを蹴り飛ばそうとするから、雪はますますつよく抑え込まれる。
「わたしを愛していないの? こんなのおかしいよ、だって恋人なのに」
少しかわいい感じの声で泣きを入れる雪。でも一度切れた絆を結びなおすのは容易ではない。
「ストーカー認定してください。ヒビの入ったガラスの弁償はしなくていいから、付きまとうのを止めて欲しい」
直進に言われた雪、涙目で警察におかしいだろうと訴えた。
「こんなに早くストーカー認定するっておかしいでしょう。こんなのがまかり通ったら、恋人がケンカできなくなるでしょう」
しかし警察はこう返した。昨今のストーカーは事件の多さと悪質さは目に余るモノがあり、早めに芽を摘むという方向に動いているのだと。
「うぁぁぁぁぁ!!」
絶叫、壮大な取り乱し、哀れなり! という女を演じた雪、ついには自分の両親に迎えに来てもらうという醜態を晒す。
夜、家に帰った雪はまた新たなショックを受けることになる。
「まぁ、雪はどこかワガママなところがあったから大いに反省するしかない」
父がそう言った、娘をしっかり護らねばならない存在がそんな事を言った! と、雪のハートはブレイクショットを食らってしまう。
「で、でも……お父さん」
「ん、なんだ?」
「幸せになるのは女だけでいいんだよ」
「雪、おまえ……なんか悪いマンガでも読んだか? あんまりがっかりさせないでくれ」
雪はこのとき、中1のときから抱えていた自分の数こうなる意識が他人に理解されないという特大ショックに打ちひしがれる。
「幸せを独り占めしようなんて、そんなのは義務教育で終わりにしなきゃいけないのよ。まったく情けない、そんな女だとは思いもしなかったわ」
母のこの一言はトドメに匹敵する激烈なモノだった。だから部屋に戻った雪、クローゼットを開けると大切な書としていたマンガを引っ張り出す。それは中1に時に読んで、幸せになるのは女だけでいいと雪に教えたモノ。
「うそつき! ずっとずっと信じていたのに、話がちがうじゃん、人をその気にさせておいて、実は全然ちがうって極悪じゃん。あんたどうやって責任取ってくれるの?」
雪、目にたっぷりの涙を浮かべながらマンガをビリビリ破っていくのだった。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
妹の仇 兄の復讐
MisakiNonagase
青春
神奈川県の海に近い住宅街。夏の終わりが、夕焼けに溶けていく季節だった。
僕、寺内勇人は高校三年生。妹の茜は高校一年生。父と母との四人暮らし。ごく普通の家庭で、僕と茜は、ブラコンやシスコンと騒がれるほどではないが、それなりに仲の良い兄妹だった。茜は少し内気で、真面目な顔をしているが、家族の前ではよく笑う。特に、幼馴染で僕の交際相手でもある佑香が来ると、姉のように慕って明るくなる。
その平穏が、ほんの些細な噂によって、静かに、しかし深く切り裂かれようとは、その時はまだ知らなかった。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる