ガールズHマインド(女の子だってスケベ心いっぱい)

jun( ̄▽ ̄)ノ

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怪獣が出た 2

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怪獣が出た 2

 夜、警察から解放された雪がいた。そしてショックを受ける。

「先に帰った?」

 一足早く解放されていた彼氏の直進が帰っていた、つまり雪を待っていなかった。

「ふざけるな!」

 すぐさまスマホを取り出したが、そこで画面に直進からメールがあると見た。そして開いてみると実にシンプルな一言がつづられていたのだ。

―さようならー

「え?」

 一瞬ドキッとした雪、警察署の外に出ていないというのに取り乱しながらスマホで電話。すると着信拒否されていると知って2回目のショック。

「うあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 発狂して叫んだりしたあげく、近くにあるモノを破壊するような行動に出たからダメだ。今さっき解放されたのが取り消され、一晩のお泊りとなってしまう。

「ウソだ、わたしが……女が男にフラれるなんて、そんなことあるはずがないんだ」

 一晩中、みじめなところの隅っこにうずくまったまま、女が男にフラれるなどあってはいけないと呪文みたいに言い続けた。

 そして朝、雪は厳重注意を受けて外に出されたが、やる事はひとつ。

「直進がわたしを捨てるなど許さない」

 爆進するような勢いで直進の家に向かっていた。そして直進の家に到着すると、バカみたいにインターホンを連打。

「はい?」

「直進! 出てきて、話をしよう」

「おまえとはもう終わったんだ」

「はい? なによ、なに偉そうなこと言ってんの? 出てきなさいよ」

 直進は雪と付き合いだしたとき、雪のことは雪と呼ぶようになっていた。おまえって言い方をしたことは一度もなかった。ゆえに3回目のショック。

「おのれ……」

 雪、だまって引き下がるわけがないだろうと門を開けて敷地内に侵入。そして玄関ドアを開けようとしたがカギがかかっている。

「開けろ、開けなさい!」

 命令調を発しドンドンとドアを内側から声が聞こえた。それは直進と母親の声であり、絶対に出たらダメとか言っている。

「直進!」

 横に回った雪、居間のガラス戸が割れそうなほど激しく叩く。

「ひぇぇ……」

 青ざめる直進と母親、カーテンを閉めて見えないようにした。

「卑怯者!」

 雪がガラスに向かって石を投げつけ始めた。どうやら本気でガラスを砕き、家の中に入ろうと考えているようだ。

「警察に電話しないと」

 直進が電話するとすぐさまパトカーが―サイレンを鳴らしながらやってきた。そして庭であれ狂っている女を捕獲する。

「直進!」

 魔物みたいに大声でわめきながらパトカーに放り込まれる雪だった。それからしばらくすると家に電話がかかってきて、直進が出ると警察が言った。

「直進を連れて来いと騒いで手がつけられないのです。ご足労かけますが来ていただけませんか? そこで話をして、最終的にストーカー認定するという流れでどうでしょう」

 直進はこの提案に応じた。というより、そうしないと収まるわけがないとしか思えなかった。

「直進!」

 元彼氏の姿を見ると殺意すら沸せて襲い掛かろうとする雪、それは2人の婦人警官に抑え込まれている。それは直進の目にとっても哀れでおそろしいモノに見えた。

「はぁ? ストーカー認定? ふざけるな、卑怯だぞ直進!」

 近くのモノを蹴り飛ばそうとするから、雪はますますつよく抑え込まれる。

「わたしを愛していないの? こんなのおかしいよ、だって恋人なのに」

 少しかわいい感じの声で泣きを入れる雪。でも一度切れた絆を結びなおすのは容易ではない。

「ストーカー認定してください。ヒビの入ったガラスの弁償はしなくていいから、付きまとうのを止めて欲しい」

 直進に言われた雪、涙目で警察におかしいだろうと訴えた。

「こんなに早くストーカー認定するっておかしいでしょう。こんなのがまかり通ったら、恋人がケンカできなくなるでしょう」

 しかし警察はこう返した。昨今のストーカーは事件の多さと悪質さは目に余るモノがあり、早めに芽を摘むという方向に動いているのだと。

「うぁぁぁぁぁ!!」

 絶叫、壮大な取り乱し、哀れなり! という女を演じた雪、ついには自分の両親に迎えに来てもらうという醜態を晒す。

 夜、家に帰った雪はまた新たなショックを受けることになる。

「まぁ、雪はどこかワガママなところがあったから大いに反省するしかない」

 父がそう言った、娘をしっかり護らねばならない存在がそんな事を言った! と、雪のハートはブレイクショットを食らってしまう。

「で、でも……お父さん」

「ん、なんだ?」

「幸せになるのは女だけでいいんだよ」

「雪、おまえ……なんか悪いマンガでも読んだか? あんまりがっかりさせないでくれ」

 雪はこのとき、中1のときから抱えていた自分の数こうなる意識が他人に理解されないという特大ショックに打ちひしがれる。

「幸せを独り占めしようなんて、そんなのは義務教育で終わりにしなきゃいけないのよ。まったく情けない、そんな女だとは思いもしなかったわ」

 母のこの一言はトドメに匹敵する激烈なモノだった。だから部屋に戻った雪、クローゼットを開けると大切な書としていたマンガを引っ張り出す。それは中1に時に読んで、幸せになるのは女だけでいいと雪に教えたモノ。

「うそつき! ずっとずっと信じていたのに、話がちがうじゃん、人をその気にさせておいて、実は全然ちがうって極悪じゃん。あんたどうやって責任取ってくれるの?」

 雪、目にたっぷりの涙を浮かべながらマンガをビリビリ破っていくのだった。
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