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31・光の隠されていた部分と努力のありかた2
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31・光の隠されていた部分と努力のありかた2
「こら!」
「う、うわ……びっくりした!」
わたしに声をかけられおどろいた光、何かを持つって手を後ろに回した。それは、どうして男子ってそんなに単純なんだろうってアクションでしかない。
「何を隠したの?」
「なんでもないよ……」
「彼女であるわたしに見せられないモノなの?」
「えっとその……」
「あと10秒以内に見せなかったら別れる」
「そんな!」
「じゃぁ見せなさい、早く!」
「わ、わかったよ……」
まるで年上の女子に怒られシュンとなった年下男子みたいな感じで、光が持っているモノをわたしに見せた。
「えぇ、なにそれ……」
光が手にもっているのは、なんかこう……女のわたしには呆れとか萎えって表現を誘うものでしかない。
「これ……」
光は商品名を言うのが恥ずかしかったのかもしれない。だから空いている側の手指を名札向ける。
「おっぱいボール……」
わたしは光が恥じらって言えなかった商品名をつぶやいてから、まさか買う気だったわけ? と言ってみる。
「い、いや、どんなモノなのかなぁと思っただけ」
「でもカゴにひとつ入っているじゃんか」
「ぐ……」
「わたしって巨乳女子を差し置くほど……それってすばらしいの?」
「いや、だからそれは……」
「どれ、わたしも触ってみる」
言って光から受け取ったモノを、わたしは手で揉んでみて深いためいきを抑え込むことができなかった。
「ほんとうにもう……ドッと疲れが出ちゃうなぁ」
「で、なに、おっぱいマウスパッドまで買うの?」
「ま、まぁ……社会勉強しようかかなと思って」
「バカ……」
わたしはテンションを大いに下げられた。なんかこう、これは知らなかった光の一面であると同時に、知らない方がよかったって思ったりもしたから。
「あ、でも本命はここじゃないから」
「いいよもう、今さから偽らなくても、あの巨乳Tシャツとかも買いたいんじゃないの? 買えば?」
「あんなの男が着れるわけないだろう……」
光はカゴを持って歩き出す。わたしは後をついていき、本命とはいったい何? と冷ややかな目を後姿に向けてやる。
「中古コーナー」
「うん、ぶっちゃけ中古でいいんだ。絵が欲しいだけだから」
光はそういうと中古の品、キーホルダーだのクリアファイルだの何だの新品とはまったく比較にならない捨て値で売られているモノを色々見つめたりする。
「え、何々どういうこと? 知りたいからちゃんと教えて」
「だからさぁ、小説とか書こうしたらさ、いろんなキャラを作らないといけないじゃん?」
「まぁ、そうだよね。でも光はいっぱいキャラを作っているじゃん、そういう風に思うけれど」
「そうなんだけど、最初のイメージがむずかしいんだ」
「イメージ?」
「たとえば、こういうピンク色の髪の毛女子、ちょっとツンデレっぽいのを見てピーンときたら、この絵をツンデレキャラとして頭に入れて、後はいろいろ動かしてみるんだ。最初にこういう顔とか絵を見て脳にインプットすれば、後はさほど苦労しないで動かせる。言葉遣いとかクセもだいたい自然と出るって感じかな。一回作っちゃえば忘れない。そんな感じでどんどん手持ちのキャラを増やして行くんだ。同じツンデレでも少しちがうって感じで大量に。そうすればどんな小説でも、どれほどのキャラを要求されてもこなせる」
「え、そのために通っているの? だけどほら、アニメキャラとかそういうのってネットで画像を拾えばいいじゃん」
「それはやりまくっているよ、アニメから画像をもらいまくっているよ。でもアニメで見られないような絵とかも欲しいから。特に女の子のキャラクターは大量のバリエーションが必要。あと現物を眺めるとスーッとイメージが浮かびやすくなることも時々あるから」
「そこまでするんだ……小説のために……」
「するよぉ」
「なぜ?」
「他に一生懸命やりたいことなんてないから」
「うわ……かっこういい!」
「い、いやそれほどでも」
「おっぱいボールとか買うようなバカだけれどね」
「ぅ……」
わたしは光の知らない一面を見て、そして創作活動のためにバカみたいな努力をやっている光にまた胸を感じさせられてしまった。これでおっぱいボールとかおっぱいマウスパッドなんて話がなかったら100点満点をつけてあげられたんだけどな。
「こら!」
「う、うわ……びっくりした!」
わたしに声をかけられおどろいた光、何かを持つって手を後ろに回した。それは、どうして男子ってそんなに単純なんだろうってアクションでしかない。
「何を隠したの?」
「なんでもないよ……」
「彼女であるわたしに見せられないモノなの?」
「えっとその……」
「あと10秒以内に見せなかったら別れる」
「そんな!」
「じゃぁ見せなさい、早く!」
「わ、わかったよ……」
まるで年上の女子に怒られシュンとなった年下男子みたいな感じで、光が持っているモノをわたしに見せた。
「えぇ、なにそれ……」
光が手にもっているのは、なんかこう……女のわたしには呆れとか萎えって表現を誘うものでしかない。
「これ……」
光は商品名を言うのが恥ずかしかったのかもしれない。だから空いている側の手指を名札向ける。
「おっぱいボール……」
わたしは光が恥じらって言えなかった商品名をつぶやいてから、まさか買う気だったわけ? と言ってみる。
「い、いや、どんなモノなのかなぁと思っただけ」
「でもカゴにひとつ入っているじゃんか」
「ぐ……」
「わたしって巨乳女子を差し置くほど……それってすばらしいの?」
「いや、だからそれは……」
「どれ、わたしも触ってみる」
言って光から受け取ったモノを、わたしは手で揉んでみて深いためいきを抑え込むことができなかった。
「ほんとうにもう……ドッと疲れが出ちゃうなぁ」
「で、なに、おっぱいマウスパッドまで買うの?」
「ま、まぁ……社会勉強しようかかなと思って」
「バカ……」
わたしはテンションを大いに下げられた。なんかこう、これは知らなかった光の一面であると同時に、知らない方がよかったって思ったりもしたから。
「あ、でも本命はここじゃないから」
「いいよもう、今さから偽らなくても、あの巨乳Tシャツとかも買いたいんじゃないの? 買えば?」
「あんなの男が着れるわけないだろう……」
光はカゴを持って歩き出す。わたしは後をついていき、本命とはいったい何? と冷ややかな目を後姿に向けてやる。
「中古コーナー」
「うん、ぶっちゃけ中古でいいんだ。絵が欲しいだけだから」
光はそういうと中古の品、キーホルダーだのクリアファイルだの何だの新品とはまったく比較にならない捨て値で売られているモノを色々見つめたりする。
「え、何々どういうこと? 知りたいからちゃんと教えて」
「だからさぁ、小説とか書こうしたらさ、いろんなキャラを作らないといけないじゃん?」
「まぁ、そうだよね。でも光はいっぱいキャラを作っているじゃん、そういう風に思うけれど」
「そうなんだけど、最初のイメージがむずかしいんだ」
「イメージ?」
「たとえば、こういうピンク色の髪の毛女子、ちょっとツンデレっぽいのを見てピーンときたら、この絵をツンデレキャラとして頭に入れて、後はいろいろ動かしてみるんだ。最初にこういう顔とか絵を見て脳にインプットすれば、後はさほど苦労しないで動かせる。言葉遣いとかクセもだいたい自然と出るって感じかな。一回作っちゃえば忘れない。そんな感じでどんどん手持ちのキャラを増やして行くんだ。同じツンデレでも少しちがうって感じで大量に。そうすればどんな小説でも、どれほどのキャラを要求されてもこなせる」
「え、そのために通っているの? だけどほら、アニメキャラとかそういうのってネットで画像を拾えばいいじゃん」
「それはやりまくっているよ、アニメから画像をもらいまくっているよ。でもアニメで見られないような絵とかも欲しいから。特に女の子のキャラクターは大量のバリエーションが必要。あと現物を眺めるとスーッとイメージが浮かびやすくなることも時々あるから」
「そこまでするんだ……小説のために……」
「するよぉ」
「なぜ?」
「他に一生懸命やりたいことなんてないから」
「うわ……かっこういい!」
「い、いやそれほどでも」
「おっぱいボールとか買うようなバカだけれどね」
「ぅ……」
わたしは光の知らない一面を見て、そして創作活動のためにバカみたいな努力をやっている光にまた胸を感じさせられてしまった。これでおっぱいボールとかおっぱいマウスパッドなんて話がなかったら100点満点をつけてあげられたんだけどな。
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