中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ

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47・夢を追いかける者は泣いてもいいんだよ

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 47・夢を追いかける者は泣いてもいいんだよ


「光、いっしょに帰ろうか」

 今日、学校が終わるとわたしは光を捕獲するように腕をつかんだ。きっと周りからすれば不穏みたいに見えると思う。でもこれは他でもない光が悪いんだよ。

「今日は……」

 そうなんだ、いま光は心不安定みたいな顔をしたけれど、今日は朝からずっとそんな感じ。わたしに対しても心ここにあらずってオーラを隠さない。そうなると彼女としてはだまっていられないわけで、学校が終わったらゆっくり裁判しようって話になっちゃう。

 とりあえずわたしは無言で歩いた。そのとき光の手を掴んでいるけれど、イチャラブモードでの行動じゃない。それは疑わしき者を裁判所に連行する人みたいモノ。だってあれだもん、もし光が走って逃げたりしたら追いつけるわけがない。中1でEカップって巨乳なわたしが、全力で走る男子に追いつけたら逆にどうなのよ? って感じだ。

「さて、話をしようか、光くん」

 〇〇公園にたどり着いたら光をベンチに座らせた。

「ん……」

 光はまったくもって表情が暗い。なんか悩みがあるような感じであるから、だったら彼女のわたしに相談して欲しいんですけれど……と思わずにいられない。

「あのさぁ……」

「なに?」

「ちょっと自販機でジュースを買ってもいい?」

 光はそういうと公園内にある自販機へ右の人差し指を向けた。なんか落ち着きたいってメッセージが浮かんだら、認めてあげるしかなくなってしまう。

「いいけど、カバンはわたしが預かる!」

 すかさずカバンを奪い取ったのは、光が逃亡したりするのを防ぐため。男子はごくたまに女子を裏切る生き物だとわたしは思っているから、女子は常に警戒するべし! と胸に書き込んでいる。

「はい」

 自販機でジュースを2本買った光はひとつをわたしに差し出してくれた。

「あ、ありがとう」

 なんだろうね、この感じ……不安って2文字が大きくなってしまうよ。

「昨日、来たんだ……」

 突然に光がぽつりとさみし気っぽい声でつぶやいた。

「来たって誰が?」

 わたしが受け答えすると、それは人ではなく通知書だという。結果発表という表現を含んだモノとのこと。

「前に〇〇大賞っていうのがあって、それに出した小説の結果通知。寸評もいっしょにきた」

「で、どうだったの?」

「ん……落選……一次審査も通らなかった……」

 光いわく一次審査があって二次審査があって最終審査があってと、そういうのを通り抜けて合格となるらしく、合格になったら紙と電子の双方で書籍化されるって。

「そ、そう……」

 わたしは今まで胸に抱えていた不安とかイライラがいきなり消されてしまった。そうか、そういう事か……と残念な物語を理解し、なんと言えばいいのやらってキモチに縛られる。

「あのさぁ、光……」

「なに?」

「その……」

「いいよ、もう話始めたんだから今さら……」

「落選って初めての経験?」

「いや……これで4回目」

 わたしは光が4回目と言ったとき、まだ4回じゃんか! と言って、それから励ます流れを取ろうと思った。だけどそれより早く光が落ち込みのつぶやきをやるから遮られてしまう。

「いっつもこうなんだ……」

「こうって?」

「書いている時って、普段の練習成果が反映されて以前よりは絶対にうまくなったとか、まちがいなくこれはおもしろい! とか、すごい燃えながら書くんだ。そういう時って他のことなんか本当にどうでもよくて、家族と旅行するって事すらすごくうざいとか思ってしまうんだ。言うなれば輝く太陽に手が届きそうって……バカみたいに興奮しているって感じなんだ。だけど……」

「だけど?」

「やっぱり……ダメだった。表向きはさ、別に結果なんか気にしないとか思いつつ、内側では封筒開けるのが怖くてたまらなかった」

「その……寸評っていうのにはどう書いてあったの?」

「一番下のFってアルファベットがあって、へたくそって書いてあって、何が言いたいのかさっぱりわからないって書いてあって、送るならもっとがんばるべきじゃないですか? とか」

 聞いていたら、何その寸評、きっつ! と思ったけれど、それは仕方のない事なのかなぁと思って飲み込む。

「だいたい……いっつもすぐには復活できないんだ。3か月くらい無我夢中になって小説を書いたら、それが完成して送り終えたら7日くらいは放心状態で、落選したら14日くらいは折れたまんま。さぁ、次に進もうか! って爆進したこって一度もない」

 光はここで少しだけわたしと距離を開け、その隙間に缶を置いてからうつ向いてしまう。

「せめて一日空いていたらよかったんだけれど、昨日のショックが消せないから、だから今日はそれが出ちゃって、マリーにイヤな思いをさせちゃった。ごめんな……」

 光は泣いていないけれど、いつ泣いてもおかしくないって感じだ。ここがわたしの部屋とかだったら……人目が避けられる場所とかだったら、泣いてもいいんだよ? とか言ってあげたい。

「光……」

 わたしは2人の間に置かれているくっそ邪魔な缶を移動させたら、光の片手を取ってやんわり握りながら言った。

「わたしがいるから……光が普段がんばっているときも、つらい展開になってしまったときも、どんな時だって誰よりわたしが光を思うから。だからしばし休憩したら……またゆっくりと動き出してよ。わたしほんとうに心から光を応援するよ、世界で一番」

 こんな言い方しかできないと思ったけれど、心はたっぷり詰め込んだ。すると光がちょっと泣いている……という感じになった。

 あぁ、ここが見晴らし良すぎる公園とかでなければ、わたしは光の頭をこの胸にソッと抱き寄せたりしてあげたい。なぜそれをしないのか? なんて思うほどにやりたい。

 でも……こうやって真横にいて手をにぎるはやり続ける。そして声にはしないけれど、がんばる人は泣いてもいいんだって心の声を流し込む。光のキモチが落ち着いて自ら顔を上げるまでは、何も言わずこのままでいる事にする。
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