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105・ヤンキーなんか死ぬほど大嫌いです!
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105・ヤンキーなんか死ぬほど大嫌いです!
「うぅ……このさぶい年末に買い物へ娘を放り出すとかお母さんは極悪人」
わたしは薄暗くてつめたく寒い中をスーパーに向かってトボトボ歩いていた。
「お、巨乳じゃん! おい巨乳!」
不意に後ろからデカい声が聞こえた。ここで反射的に振り返らないとかできないわけで、振り返ったらクラスメートのヤンキーってバカが自転車に乗っていた。
(こいつ……)
わたしはこいつが真剣に嫌いだったりする。だってこいつ以前において、わたしに告白しただけならまだしも断れたからって彼氏の光に暴力を振るったやつだから。わたしの中でこのバカは永遠に罪人であり嫌われて当たり前。
「どこか行くのか巨乳」
「あのさぁ……外を歩いているときに、人に向かって巨乳って大きな声で言うのはやめてくれない?」
「なんだよ、おまえの乳がデカいのは確かだろう。それが巨乳でなかったらなんだって言うんだよ」
「お願い……橘でいいから、ふつうに名前で呼んで」
「なんだ、おまえ巨乳のくせに照れ屋なんだな。まぁ、でもおれ、照れ屋な女って好きだぞ」
うわぁ……いやだ、わたし、どうあってもこういう奴って嫌い。こういうタイプの男が好きって女子がいたら持っていって、よろこんであなたにあげますから。
「なぁ、橘」
ここでヤンキーが自転車から降りた。こいつわたしと話をする気だ。こっちはそんなのイヤなのに、年末の買い物とかお手伝いで忙しいのに、こいつはやることがないヒマ人とかくっそ最悪。
「おまえさぁ、おれの事って嫌いなままか?」
「なんで好かれると思うのか理解できない。人の彼氏を殴ったくせに、暴力しか取り柄がないヤンキーのくせに」
「でも……」
「でもなに?」
「おれ、いまのところはまだちょっとおまえの事を気にしているんだ。おまえ、まだあいつと付き合ってんの?」
「付き合ってるし、将来は結婚する気マンマンですから」
「え、じゃぁもうやったのか? 生の中出しとか……あ、まずはパイズリとかそういうところか」
「やるか……バカ!、大声で言うなバカ!」
「えぇ、まだなんにもやっていないのかよ。三ツ井ってほんとうはチンポがついていないんじゃないの? あるいはチンポが垂直になれない病気とか、もしかしたら男同士の同性愛じゃないのか」
「はぁ? なんだって!」
「おまえみたいな巨乳をすぐに食わないとか、そんなの男として認められない。おまえだって心の中では早く食われたいと願っているんだろう? 絶対そのはず」
「あんた嫌い、ヤンキーって最悪、最低、下品、人間のクズ!」
「でも、おれは知っているんだぞ。三ツ井はおれより最低なクズ野郎だってな」
「は、なんで光があんたより最低になるわけ?」
「三ツ井って小説家志望らしいじゃんかよ」
「そ、それがなに?」
「小説家とか根暗じゃんかよ」
「ヤンキーとかいうクズ人種よりずっとマシ」
「で、なんか噂によると三ツ井ってエロい小説も書いているらしいじゃんかよ」
「それはあれです、色んな話が書けるって事なんです」
「巨乳な彼女になんにもできないから、小説でオナニーとかそんなの男としてはただの根暗チンポじゃねぇかよ」
「じゃぁ、聞くけど……あんた何ができるの? そもそもいま、あんたヒマ人なんでしょう? 年末のお手伝いも何もせずフラフラして、下品な言葉を使いまくって、人がイヤがる事ばかり言って、それで才能も何もないとか言ったら、ヤンキーってこの世の汚物じゃんか。人間のクズ以外のなんでもないじゃん」
「でもおれは根暗じゃないからな、小説なんか書かないけれど、その代わり真っ直ぐでかっこういい男だからな」
「たんに真っ直ぐなバカってだけでしょう」
「おまえ、三ツ井の小説がどこにあるか教えろよ」
「教えてどうなるわけ?」
「ムカつくから荒らしてやる」
「あ、やっぱりそんなこと考えるんだ? ヤンキーって例外なくそういう人間のクズばっかり、あんたも例外じゃない。がんばっている人のジャマをするとか如何にもヤンキーが思いつきそうなことだもんね」
「そんなに三ツ井がいいのかよ! おれではダメなのかよ!」
「当たり前のことを力説するのやめてくれない?」
「くぅ、人がやさしく振る舞っていればつけ上がりやがって」
「どこがやさしいの……だからヤンキーってイヤ」
「ケッ! おまえみたいに乳がデカい以外になんの取り柄がない女は不幸になって死にやがれ! もうおまえの事なんか好きじゃないからな、おまえのこと嫌いになったからな」
「やった! 嫌ってくれてありがとう!」
「チッ……車に撥ねられて死んでしまえブス巨乳が!」
ヤンキーは自転車に乗ったらさっと立ち去ったのだけれど、何回かこっちを振り返ってブスとか言う辺り、もうほんとうに嫌なんですけれど。
「あぁ……嫌だ、ものすごく疲れた……これからいっぱい買い物しなきゃいけないのに」
わたしは歩きながら思った。この世にはヤンキーに惚れる女もけっこういるという。だからそういう女子がうちの学校にやってきて、あのヤンキーと付き合うみたいな話が起こらないかなぁって。
いや……いま一瞬ちょっとだけ思った。たまには性格の悪いことを考えてもいいはずだとして思った。あのヤンキーが曲がり角でトラックにはねられ、地面で頭を打って即死。そして学校に言ったらヤンキーの席に死に花を飾って、先生とみんなが悲しそうな顔をしているとき、わたしだけ心の中で、やった、やった! と大喜びするって、そんな物語が発生しないかなぁと。
「うぅ……このさぶい年末に買い物へ娘を放り出すとかお母さんは極悪人」
わたしは薄暗くてつめたく寒い中をスーパーに向かってトボトボ歩いていた。
「お、巨乳じゃん! おい巨乳!」
不意に後ろからデカい声が聞こえた。ここで反射的に振り返らないとかできないわけで、振り返ったらクラスメートのヤンキーってバカが自転車に乗っていた。
(こいつ……)
わたしはこいつが真剣に嫌いだったりする。だってこいつ以前において、わたしに告白しただけならまだしも断れたからって彼氏の光に暴力を振るったやつだから。わたしの中でこのバカは永遠に罪人であり嫌われて当たり前。
「どこか行くのか巨乳」
「あのさぁ……外を歩いているときに、人に向かって巨乳って大きな声で言うのはやめてくれない?」
「なんだよ、おまえの乳がデカいのは確かだろう。それが巨乳でなかったらなんだって言うんだよ」
「お願い……橘でいいから、ふつうに名前で呼んで」
「なんだ、おまえ巨乳のくせに照れ屋なんだな。まぁ、でもおれ、照れ屋な女って好きだぞ」
うわぁ……いやだ、わたし、どうあってもこういう奴って嫌い。こういうタイプの男が好きって女子がいたら持っていって、よろこんであなたにあげますから。
「なぁ、橘」
ここでヤンキーが自転車から降りた。こいつわたしと話をする気だ。こっちはそんなのイヤなのに、年末の買い物とかお手伝いで忙しいのに、こいつはやることがないヒマ人とかくっそ最悪。
「おまえさぁ、おれの事って嫌いなままか?」
「なんで好かれると思うのか理解できない。人の彼氏を殴ったくせに、暴力しか取り柄がないヤンキーのくせに」
「でも……」
「でもなに?」
「おれ、いまのところはまだちょっとおまえの事を気にしているんだ。おまえ、まだあいつと付き合ってんの?」
「付き合ってるし、将来は結婚する気マンマンですから」
「え、じゃぁもうやったのか? 生の中出しとか……あ、まずはパイズリとかそういうところか」
「やるか……バカ!、大声で言うなバカ!」
「えぇ、まだなんにもやっていないのかよ。三ツ井ってほんとうはチンポがついていないんじゃないの? あるいはチンポが垂直になれない病気とか、もしかしたら男同士の同性愛じゃないのか」
「はぁ? なんだって!」
「おまえみたいな巨乳をすぐに食わないとか、そんなの男として認められない。おまえだって心の中では早く食われたいと願っているんだろう? 絶対そのはず」
「あんた嫌い、ヤンキーって最悪、最低、下品、人間のクズ!」
「でも、おれは知っているんだぞ。三ツ井はおれより最低なクズ野郎だってな」
「は、なんで光があんたより最低になるわけ?」
「三ツ井って小説家志望らしいじゃんかよ」
「そ、それがなに?」
「小説家とか根暗じゃんかよ」
「ヤンキーとかいうクズ人種よりずっとマシ」
「で、なんか噂によると三ツ井ってエロい小説も書いているらしいじゃんかよ」
「それはあれです、色んな話が書けるって事なんです」
「巨乳な彼女になんにもできないから、小説でオナニーとかそんなの男としてはただの根暗チンポじゃねぇかよ」
「じゃぁ、聞くけど……あんた何ができるの? そもそもいま、あんたヒマ人なんでしょう? 年末のお手伝いも何もせずフラフラして、下品な言葉を使いまくって、人がイヤがる事ばかり言って、それで才能も何もないとか言ったら、ヤンキーってこの世の汚物じゃんか。人間のクズ以外のなんでもないじゃん」
「でもおれは根暗じゃないからな、小説なんか書かないけれど、その代わり真っ直ぐでかっこういい男だからな」
「たんに真っ直ぐなバカってだけでしょう」
「おまえ、三ツ井の小説がどこにあるか教えろよ」
「教えてどうなるわけ?」
「ムカつくから荒らしてやる」
「あ、やっぱりそんなこと考えるんだ? ヤンキーって例外なくそういう人間のクズばっかり、あんたも例外じゃない。がんばっている人のジャマをするとか如何にもヤンキーが思いつきそうなことだもんね」
「そんなに三ツ井がいいのかよ! おれではダメなのかよ!」
「当たり前のことを力説するのやめてくれない?」
「くぅ、人がやさしく振る舞っていればつけ上がりやがって」
「どこがやさしいの……だからヤンキーってイヤ」
「ケッ! おまえみたいに乳がデカい以外になんの取り柄がない女は不幸になって死にやがれ! もうおまえの事なんか好きじゃないからな、おまえのこと嫌いになったからな」
「やった! 嫌ってくれてありがとう!」
「チッ……車に撥ねられて死んでしまえブス巨乳が!」
ヤンキーは自転車に乗ったらさっと立ち去ったのだけれど、何回かこっちを振り返ってブスとか言う辺り、もうほんとうに嫌なんですけれど。
「あぁ……嫌だ、ものすごく疲れた……これからいっぱい買い物しなきゃいけないのに」
わたしは歩きながら思った。この世にはヤンキーに惚れる女もけっこういるという。だからそういう女子がうちの学校にやってきて、あのヤンキーと付き合うみたいな話が起こらないかなぁって。
いや……いま一瞬ちょっとだけ思った。たまには性格の悪いことを考えてもいいはずだとして思った。あのヤンキーが曲がり角でトラックにはねられ、地面で頭を打って即死。そして学校に言ったらヤンキーの席に死に花を飾って、先生とみんなが悲しそうな顔をしているとき、わたしだけ心の中で、やった、やった! と大喜びするって、そんな物語が発生しないかなぁと。
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