異世界✕兄妹✕姉妹

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退屈で困る詩貴が親衛隊に入ってみたいとか言い出したけれど

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20・退屈で困る詩貴が親衛隊に入ってみたいとか言い出したけれど


 この日の夜、詩貴はポニーだけでなくエリーも混ぜて3人で食事をしたいと伝えていた。基本的に問題はないゆえ、だだっ広い食堂の一角から横長のテーブルが一時外された。代わりに純金の円形テーブルが置かれ、座った3人が向き合うというカタチで豪華な夕食が進められる。

「で、詩貴、なんでエリーを混ぜた?」

 2人でイチャラブしたかったポニーが少々不機嫌な様子を見せた。

「正直退屈だから、わたしも親衛隊に参加してみたいかなぁなんて思った……だからエリーもいた方がいいのかなと考えたんだよ」

 ポニーのワインとちがいぶどうジュースを飲む詩貴は、まずぶっちゃけ退屈していると吐く。もう時間がわからなくなりそうな深刻レベルだと続けた後、何度か横耳にした親衛隊というのに自分も入ればヒマから逃げられると言いエリーの方を見て更に続ける。

「剣とかは知らないけど、でも体力には自信がある。それにその、お兄ちゃんがわたしのために頑張っているのに退屈とか思っている自分がちょっと許せない。つまりその、わたしも何かをやっていたいってキモチになるっていうか」

 ここで詩貴の顔が不得意だって言うような感じで赤らんだ。それを見てポニーはイジワルっぽく、どこか楽しそうにこう切り返した。詩貴が親衛隊に入ったら、もし兄と戦えって展開になったらどうするのかな? と。

「いや……そのときは逃げるっていうか……」

「ダメダメ、逃がさないよ詩貴。そういう流れになったらわたしが詩貴の心身をその場でもらっちゃうから」

「む、ぅ……ま、まぁ、お兄ちゃんがわたしを傷つけに戦いを終わらせてくれるから大丈夫かな」

「詩貴、いまのあんたはわたしのモノなんだからね。早いとこブラコンを止めて女同士の愛に興味を持ちなさい!」

 女同士の愛なんかイヤだ……と、拗ねた感じの詩貴がエリーを見る。でも2,3秒後にたエリーから却下されてしまう。右手の平を立てて見せられたあげく、いらない! と跳ね返されてしまった。

「なんで、どうして!」

「わたしも最初は詩貴を親衛隊に入れたらどうなんだろうと思ってた。でも今は違うなと思ってる。感性というのか肌色、それらが合わないと感じる。それにいま親衛隊はとりあえずの3人がまとまらなきゃいけない。そこに詩貴が入ってもうまくいかない気がする。そして最後、親衛隊のメンバーもこのわたしも詩貴をゆっくり育成するヒマとか余裕なし」

 そう言った後エリーは赤ワインを一口飲んだ唇を拭いた後、面倒を見てあげたらどうですか? とポニーに振る。これにより詩貴はポニーと話をするしかないわけで、ポニーのヤキモチも少しは和らぐだろうって考え。

「ま、好みの女である詩貴を育成するっていうのも面白いかしらね。親衛隊とか後回しにして、とりあえずヒマつぶしにやってみたらいいかも。そうすれば詩貴がわたしにホレる可能性だって高まる。高まったらいてもたってもいられなくなって、心身重ねて愛し合うって物語に発展するかもしれない」

「ポニーって愛し合うって話ばっかり……」

「当たり前、詩貴って肝心なところで子どもっぽいからちょっと腹が立つ」

 詩貴はポニーの話をちょっとキモい……なんて思ったものの、あんまりにも退屈して心身が腐るよりはマシだから、とにかく動いておきたいのだとつぶやく。兄が自分のためにがんばっているのだから、妹がダラダラ過ごすわけにはいかないって意識もあるんだと素直に認めてから、ポニーによろしくお願いしますと言う。

「言っとくけど詩貴、わたしやさしいけれど少々きついよ。好きな者のがんばる姿って大好きなんだけどさ、へたばりそうなところで根性を見せるって姿はもっと好き。だからたまには詩貴をいたぶるかもしれない。それでもだいじょうぶですか?」

 同じ年の女子を子ども扱いして笑うような目がポニーに浮かぶ。だから詩貴はムッとして言い返してやった。

「いたぶるならいたぶればいいわ。わたしはそんな簡単にくたばらないから」

 詩貴のこの声と表情を受け取ると、ポニーはワインを飲みながら顔を赤らめた。そしてやわらかい唇を拭きながらつぶやく。

「いいわぁ、詩貴のそういう強気な声とか表情……いま一瞬背中がブルッと来ちゃったわよ。特訓して強くなってわたしへの理解が深まって、行く末は愛し合うようになって結ばれるって流れにしてあげる」

 言ってニンマリやるポニー、明日からがたのしみとうっとり顔。対する詩貴は頭を軽く書きながら、ポニーのとは違う経路の鳥肌を背中に立ててしまった。
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