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第六章 帰って早々、呆気なくフィリス聖王国調査を始めました。
第十六幕 未熟だなと殲滅せよ!
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馬で駆けること2時間半。あと少しとというところまで来た三日月の剣騎。
あと少し、頼むから生きていてくれ。と内心神に祈りを捧げるライラたち。しかし、非情にも目的地である村の村のあたりから黒い煙がモクモクと立ち昇る。
「っ! お前達もっと速度を上げろ!」
「しかし、それでは馬が疲弊してしまいます!」
「構わん! 村の中では機動力は発揮することは無理だ。それなら一刻も早く村に到着に村人達を一人でも多く助けるのだ!」
「「「「「「はっ!」」」」」」
ライラの一言に騎士たちは大声で返答する。
(魔族襲来で焦り、思考を鈍らせているかと思っていたがそうでもなかったな。流石は七聖剣が一人だな)
村人を助けることに意思統一されている中、和也だけは自分の目的だけは考えていた。
旗から見れば非常だと言われかねないが、それが和也であり千夜なのだ。
(他人までも助けるほど俺は善人ではないからな)
内心そんな事を思いながら徐々に大きくなる黒煙を見詰める。
和也の冷淡さなど知る由もないライラは真っ直ぐ目的地を見詰めていると、
「生存者だ! ちっ! 先に行く! お前達は後からついて来い!」
馬から飛び降り、こちらへ死に物狂いで走ってくる少女の許へと向かう。しかし、ライラの表情には焦りと怒りが浮かび上がっている。
少女が死なないことを祈り、後方から下卑た笑みを浮かべる魔族に怒気と殺意を向ける。
ライラの殺気に気づいた魔族は更に笑みを深める。向こうから玩具がやってくると思っているのだろう。
そんな光景を後方から傍観している和也は内心呆れていた。
(どの世界も、いや、どの種族も同じだな。相手の力量を見た目だけで判断するのは)
相手に対して怯えるよりかは、自信がある方が良い。しかし、慢心も驕りもけしてだめだ。それは相手の力量を見誤る原因になるからだ。
相手の力量を完全に見誤った魔族は下卑た笑みを浮かべたまま、一瞬にして断罪された。
(愚かだな)
断罪される寸前傍観していた和也が心のそこから思った。
「大丈夫か?」
「あ、ありがとうございます! それよりも早く村の皆を!」
「分かっている。おい! 第3部隊は付近の川辺に仮設本部を設置し、村人の救護にあたれ! 他のものは私と共に村に残っている村人の救助及び魔族討伐に向かう!」
「「「「「「はっ!」」」」」」
ライラの命令に従い二手に分かれた。
ライラ率いる三日月の剣騎は6千の騎士で構成されており、全部で六つの部隊がある。もちろん部隊によって役目や専門的なことは少々変わってくるが、全員がLV160超えの兵達である。
進軍を再開したライラたちの目的地である村は目と鼻の先。先ほどかでは黒煙だけしか見えなかったが今は悲鳴や嘲笑う声に破壊音が届き始めていた。
まだ視認は出来なくとも響く悲鳴がライラたち騎士の心に焦りを募らせる。
「冷静さを忘れるなよ」
依頼を達成することが和也の目的。そのためライラたちには死んで貰っては困る和也は心配や善因からではけしてない忠告。しかし、それは騎士たちにとっては憤りを増幅させるでけにすぎなかった。
「こんな状況で冷静でいられるわけないだろ!」
「お前はこないだまで冒険者だったから冒険者気分が抜けないのかもしれないがな、俺達は騎士だ! 人間を護り他種族を討伐する騎士だ! そんな俺達が宿敵である魔族に大切な民が人間が蹂躙されているんだぞ! そんな状況で冷静でいられると思うなよ!」
怒気を飛ばしてくる騎士たち、そんな騎士たちの思いが分からない和也ではない。
(俺だってエリーゼたちが危機的状況に陥って冷静にいられるか分からないからな……だが)
淡々と強者として経験者として和也は言い放つ。
「未熟だな」
「なんだと!」
「止めないか!」
和也の言葉に怒りを爆発させ、剣を抜こうとするが、ライラによって制止させられる。
「我々の敵は魔族であって人間同士ではない! ましてや見方同士で殺り合うなど言語道断だ!」
「申し訳ありません……」
剣から手を離す騎士は深く反省している様子だったが、一瞬だけ和也に敵意を込めて睨み飛ばしていた。
「カズヤ、貴公もだ。こんな状況で味方同士で争うような事を口にするな」
「こんな時だからだからだよ」
「なに?」
訝しげ問うライラ。その口調に怒気は含まれていなかった。
「別に怒るなとは言わない。逆にその気持ちは大切だと俺は思う。だけど、怒りに飲み込まれて冷静さを失えば連携などまともに機能しない。目の前の憎き敵に集中しすぎれば、その間、危機的状況に陥った味方、村人が死ぬ。だからこそ冷静さを失っては駄目なんだ」
和也の言葉に全員が苦虫を噛み締めたような表情をしていた。ライラもまた心当たりがあるのか何も言い返してこなかった。
「貴公の言うとおりだ。早く大切な村人たちを助けたいあまり、冷静さを欠いていたようだ。すまない」
「別に謝る必要はないと思うが」
「いや、これは私達騎士の性分なのだ」
「そういう事ね。なら証明してみせてくれ」
「証明だと」
突然の言葉に訝しげな視線を向けてくる。
「許して欲しければ、一人でも多く救って見せろ。許して欲しければ魔族どもを殲滅してみせろ。お前達は人々を護るための騎士なのだろ。三日月の剣騎なのだろ。だったら証明して見せろ」
和也の言葉に全員が無言で見詰める。
「無理か?」
「ふっ、私を誰だと思っている! 私は七聖剣が一人、ライラ・オネストであり、三日月の剣騎の隊長だぞ! 無理なわけないだろ!」
「そうだ! 俺達は三日月の剣騎の騎士だ!」
「新入りに舐められてたまるか!」
「「「「そうだ!」」」」
魔族との戦闘寸前騎士たちの士気が上がる。口々に叫ぶ内容はプライドの塊だが、騎士たちの表情に焦りや怒りといったものはなく、逆に殺る気に満ち溢れた笑みを浮かべていた。
士気が下がることなく村に突撃する。
「突撃だ! 魔族を殲滅せよ!」
「「「「「「おおおおおぉぉ!!」」」」」」
こうして魔族との戦いが始まる。
あと少し、頼むから生きていてくれ。と内心神に祈りを捧げるライラたち。しかし、非情にも目的地である村の村のあたりから黒い煙がモクモクと立ち昇る。
「っ! お前達もっと速度を上げろ!」
「しかし、それでは馬が疲弊してしまいます!」
「構わん! 村の中では機動力は発揮することは無理だ。それなら一刻も早く村に到着に村人達を一人でも多く助けるのだ!」
「「「「「「はっ!」」」」」」
ライラの一言に騎士たちは大声で返答する。
(魔族襲来で焦り、思考を鈍らせているかと思っていたがそうでもなかったな。流石は七聖剣が一人だな)
村人を助けることに意思統一されている中、和也だけは自分の目的だけは考えていた。
旗から見れば非常だと言われかねないが、それが和也であり千夜なのだ。
(他人までも助けるほど俺は善人ではないからな)
内心そんな事を思いながら徐々に大きくなる黒煙を見詰める。
和也の冷淡さなど知る由もないライラは真っ直ぐ目的地を見詰めていると、
「生存者だ! ちっ! 先に行く! お前達は後からついて来い!」
馬から飛び降り、こちらへ死に物狂いで走ってくる少女の許へと向かう。しかし、ライラの表情には焦りと怒りが浮かび上がっている。
少女が死なないことを祈り、後方から下卑た笑みを浮かべる魔族に怒気と殺意を向ける。
ライラの殺気に気づいた魔族は更に笑みを深める。向こうから玩具がやってくると思っているのだろう。
そんな光景を後方から傍観している和也は内心呆れていた。
(どの世界も、いや、どの種族も同じだな。相手の力量を見た目だけで判断するのは)
相手に対して怯えるよりかは、自信がある方が良い。しかし、慢心も驕りもけしてだめだ。それは相手の力量を見誤る原因になるからだ。
相手の力量を完全に見誤った魔族は下卑た笑みを浮かべたまま、一瞬にして断罪された。
(愚かだな)
断罪される寸前傍観していた和也が心のそこから思った。
「大丈夫か?」
「あ、ありがとうございます! それよりも早く村の皆を!」
「分かっている。おい! 第3部隊は付近の川辺に仮設本部を設置し、村人の救護にあたれ! 他のものは私と共に村に残っている村人の救助及び魔族討伐に向かう!」
「「「「「「はっ!」」」」」」
ライラの命令に従い二手に分かれた。
ライラ率いる三日月の剣騎は6千の騎士で構成されており、全部で六つの部隊がある。もちろん部隊によって役目や専門的なことは少々変わってくるが、全員がLV160超えの兵達である。
進軍を再開したライラたちの目的地である村は目と鼻の先。先ほどかでは黒煙だけしか見えなかったが今は悲鳴や嘲笑う声に破壊音が届き始めていた。
まだ視認は出来なくとも響く悲鳴がライラたち騎士の心に焦りを募らせる。
「冷静さを忘れるなよ」
依頼を達成することが和也の目的。そのためライラたちには死んで貰っては困る和也は心配や善因からではけしてない忠告。しかし、それは騎士たちにとっては憤りを増幅させるでけにすぎなかった。
「こんな状況で冷静でいられるわけないだろ!」
「お前はこないだまで冒険者だったから冒険者気分が抜けないのかもしれないがな、俺達は騎士だ! 人間を護り他種族を討伐する騎士だ! そんな俺達が宿敵である魔族に大切な民が人間が蹂躙されているんだぞ! そんな状況で冷静でいられると思うなよ!」
怒気を飛ばしてくる騎士たち、そんな騎士たちの思いが分からない和也ではない。
(俺だってエリーゼたちが危機的状況に陥って冷静にいられるか分からないからな……だが)
淡々と強者として経験者として和也は言い放つ。
「未熟だな」
「なんだと!」
「止めないか!」
和也の言葉に怒りを爆発させ、剣を抜こうとするが、ライラによって制止させられる。
「我々の敵は魔族であって人間同士ではない! ましてや見方同士で殺り合うなど言語道断だ!」
「申し訳ありません……」
剣から手を離す騎士は深く反省している様子だったが、一瞬だけ和也に敵意を込めて睨み飛ばしていた。
「カズヤ、貴公もだ。こんな状況で味方同士で争うような事を口にするな」
「こんな時だからだからだよ」
「なに?」
訝しげ問うライラ。その口調に怒気は含まれていなかった。
「別に怒るなとは言わない。逆にその気持ちは大切だと俺は思う。だけど、怒りに飲み込まれて冷静さを失えば連携などまともに機能しない。目の前の憎き敵に集中しすぎれば、その間、危機的状況に陥った味方、村人が死ぬ。だからこそ冷静さを失っては駄目なんだ」
和也の言葉に全員が苦虫を噛み締めたような表情をしていた。ライラもまた心当たりがあるのか何も言い返してこなかった。
「貴公の言うとおりだ。早く大切な村人たちを助けたいあまり、冷静さを欠いていたようだ。すまない」
「別に謝る必要はないと思うが」
「いや、これは私達騎士の性分なのだ」
「そういう事ね。なら証明してみせてくれ」
「証明だと」
突然の言葉に訝しげな視線を向けてくる。
「許して欲しければ、一人でも多く救って見せろ。許して欲しければ魔族どもを殲滅してみせろ。お前達は人々を護るための騎士なのだろ。三日月の剣騎なのだろ。だったら証明して見せろ」
和也の言葉に全員が無言で見詰める。
「無理か?」
「ふっ、私を誰だと思っている! 私は七聖剣が一人、ライラ・オネストであり、三日月の剣騎の隊長だぞ! 無理なわけないだろ!」
「そうだ! 俺達は三日月の剣騎の騎士だ!」
「新入りに舐められてたまるか!」
「「「「そうだ!」」」」
魔族との戦闘寸前騎士たちの士気が上がる。口々に叫ぶ内容はプライドの塊だが、騎士たちの表情に焦りや怒りといったものはなく、逆に殺る気に満ち溢れた笑みを浮かべていた。
士気が下がることなく村に突撃する。
「突撃だ! 魔族を殲滅せよ!」
「「「「「「おおおおおぉぉ!!」」」」」」
こうして魔族との戦いが始まる。
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