韓紅の密室

てっぺい

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茜色の教室

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おっといけない、いつの間にか寝てしまったみたいだ。
今日は始業式なので午前中だけだったのだが、帰っても1人ですることもなく暇なので教室にいたのだが、気づくと寝ていた。もう日は傾きかけている。
そろそろ帰ろえろうとドアに手をかける...が、ドアには鍵がかかっていて、戸惑っていると、
「何をしているの?」
教室の後ろの方から声がする。見るとそこには、深い黒色に少し紫がかった様な綺麗な髪を揺らし椅子から立ち上がる少女、確か、朧月ろいろ?だったか、...気づかなかった...
彼女は俺に近づき、
「どうかしたの?」
「あー 鍵かけたのって朧月さんかな?」
「私は君が変な行動をとるまでずっと曲を聞きながら本を読んでいたので」
「そうか...ん?じゃあ誰か他に来たとかは?」
「あまり興味がないから見てなかったけど誰も来てないと思うわよ」
(お...おう 興味がないね)
「それよりなにかあったの?」
「あーそうそうかけた覚えがねーのに鍵かかってんだよ」
「ふーん」
(聞いといてそれかよ まぁ、いいけど)
めんどいがちょっと考えますか。
  俺が起きた時教室にいたのが俺と、朧月さんどっちも鍵はかけてないのにドアには鍵がかかっていた。その鍵は教室の中だから外からかけられたんだろう。
この場合鍵をかけれる方法は3つ
①中から鍵をかける
②中から鍵をかけ、横の欄間から外に出る
③外からマスターキーで鍵をかける

①は俺ら以外に他に誰もいなかったから除外。
②はそもそも欄間はしっかりと鍵がかけてある。
③が一番妥当だろう

だが、問題は誰が、何のために、マスターキーを使ってまで鍵をかけたかだ。
 よし、あれ使うか
彼はカバンからマスク、ヘッドフォンを出しそれを身につけポケットに手を突っ込む。
そして教室を見回す今の彼は遮断した感覚の分だけ遮断していない感覚が敏感になるつまり視覚がとてつもなく良くなっている。
(あんま変わったとこはねーな...ん?
ピンクの...猫?)
彼はドアに付いている小窓からピンク色、唐紅色の猫が見えた。
そして、人の影が廊下に伸びているそれもドアの横の寄りかかるようにして。
「なるほど!」そう言ったのは朧月ろいろ。
彼もわかった様子でドアに近づき思い切りドアを開ける...
ガラガラ...
「先生、何してんすか?」
彼がそういう先には担任の女教師、蘇芳先生が壁にもたれ掛かっている。
「よく分かったな  お姫様!」
「そのあだ名はやめてください。
まぁ、少し考えれば分かりますよ。まず外から鍵は掛けられてました、さらに教室内に鍵があったので鍵はマスターキーで閉められたことになりますから、それとそんなことをする先生はあなたしか知りません。」
「そこまで言われると言い訳のしょうもないな。」
「ところで何のようですか?」
「そうそう、お前ら2人に用があってな。」.........

 「は?」「え?」
「私もですか?」
「そうそう2人とも」
何を言い出すかと思ったら僕に委員会ですか、冗談でも笑えね~
「何で僕ら2人なんすか?」
「あーまぁ、1番あってるかなと、思ったわけだw」
「先生がそこまでおっしゃるなら私はいいですけど」
「おいおい、それじゃぁ俺が悪いみたいになるじゃんかよ」
「ありがとw」
まだ、いいって言ってねーんだけど
「って事で宜しくな!」
あー、めんどくせーけどしょうがねーなあの先生が言うことだしな、今回だけは妥協してやろう。うん、俺は心が広いからな。
にしてもさっきの猫何なんだよ...
・・・まぁ、いっか
「ってことでもう今日は帰っていいぞ!」
「分かりました、さようなら」
「帰んのはえーな、あ、サヨナラ」
「気をつけて帰れよ、あとお姫様は朧月と仲良くしろよw」
「そのあだ名はまじでやめましょ」
そんな俺たちを沈みかけの茜色の太陽は静かに照らしていた。
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