【完結】薬草摘みのトトセは、狩人レンドが大嫌い?

ゆらり

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9 お父さんのお話

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 レンドと口をきかなくなってから何日かして、お父さんと森に行ったよ。食べられるキノコや葉っぱを教えてもらいながら、森の奥の祠まで来た。

「……お父さんが戻ってこれたのは、トトセのお陰だよ」

 ニコニコ顔のお父さんが、祠を撫でながら言った。

「そうなの?」
「お父さんは、ここに閉じ込められていたんだ」
「えっ、誰がそんなことしてたの」
「私の父だよ。神の中でも強くて偉い人なんだよ。トトセにとってはおじいちゃんになるね」

 そのせいで、お父さんとお母さんは離れ離れになっていたってことだよね。偉くて強いなら何をしてもいいのかな? それもちょっとどうかと思うけれど。おじいちゃん酷い。

「どうしてそんなことしたの。いくら偉くても酷いよ」
「はは。トトセがそう思うのも仕方ないかもしれないね。ただ、トトセが生まれるずっと前に、良くないことがあったから父は心配だったんだよ。悪い人間を好きになった子がいて、その人間の言いなりになってしまったせいで、沢山の人や神が迷惑したことがあったんだ」
「……お母さんは悪い人じゃないよ」
「うん。私もそう思うよ」

 悪い人とお母さんをひとまとめで見ないで欲しいよね。悪い人は悪い人だもの。いくら心配だからって閉じ込めるなんて、やっぱり酷い。

「父に何を言われても、ルルナと一緒にずっと暮らすつもりだった。……言う事を聞かない私に怒った父は、トトセが生まれた頃に私を祠へ閉じ込めてしまったんだ。でも、トトセがここを見つけてくれて、心からのお祈りとお供え物をしてくれたから、出ることができたんだよ」

 レンドに怒って森の奥まで来なかったら、祠を見つけられなかったんだよね。レンドのお陰、って言うとなんだかちょっと違う気がするけれど、そういうことになるのかな? 

 とにかく、お父さんが僕のお祈りとお供え物で出られたのは良かったよ。

「また閉じ込められたりしないの? 僕、もうお父さんが居なくなるの嫌だよ」
「大丈夫。父は許してくれたから」

 ほんとかなぁ。

 もしまた閉じ込められたら、おじいちゃんなんか大嫌いだよってお祈りしちゃおう。今度お父さんがいなくなったら、お母さんはきっと病気になっちゃうし、僕も毎日泣いてしまうよ。

「――おじいちゃん、お父さんをもう閉じ込めないでください。そんなことしたら大嫌いになるからね。ぜったいダメです!」

 大きな声でお祈りをしたら、お父さんはちょっとびっくりした顔をしたけれど、そのあとは「ありがとうトトセ。きっとそのお願いは聞いてもらえるよ」って言って、凄く嬉しそうに笑いながら僕の頭を撫でてくれたよ。
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