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本編
16 超凄い相談相手が、向こうからやって来たよ!
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――朗報! おやつを餌に超魔術師様をどうにか引っぺがすことに成功しましたよ。
やったね! このまま離れてくれなかったら俺、どうしようかと思ったよ!
爆上げ秒読み段階だったらしい待遇は、「勘弁してください俺のノミ並みの心臓が止まりますんで今まで通りでお願いします」って、必死で拒否した。
「欲がなさすぎます」とかブチブチ言ってグズるカムロさんに、「あんまり怖いこと言うと、おやつ作りませんよ」と、俺の唯一の武器をチラつかせながら脅……ゲフンゲフン! 駄目押しをした。
すると、この世の終わりがきそうな絶望顔をして静かになった。おお、効果あり! もし困ったことがあったらこの手でいこう。超魔術師様の胃袋を掴んだ俺は、もしかしたら最強なのかもしれないぞ!
……なんて思ったけど、それはないな。ははは! って、秒で否定した。いくらなんでもなぁ。はあぁ……! 疲れた。なんかすごく疲れた。今夜はよく眠れそうだぞ!
そんなこんなで波乱を乗り越えて、10時のおやつタイムでございますよ!
「美味しいです! プティングとパウンドケーキの組み合わせも、いいですね!」
幸せそうにデラックストッピングなパウンドケーキを召し上がって、ニコニコしている魔術師様。無邪気っぷりが溢れていて、ちっちゃいお子様に見えてくる不思議。
「気に入りましたか。あと、パン系とプティングなんかも合いますよ。そのうち作ります」
「はい! ぜひお願いしますね」
なんだこの天使な笑顔っぷり! ブチ飛んだことをしでかす魔術師様は、そんな可愛いもんじゃないけど……、それでも「美味しいです」って言ってもらえると嬉しいよな。うん。なんかビビりまくった後だからか、凄く癒され……るけど、ビビった原因はこの人だから微妙な気分だなぁ……。
おやつを食べ終わったところで、一時休戦もとい解散。
「終身雇用の件、考えてくださいね」なんて、圧のある顔で言いながら、カムロさんは書斎の方へと去って行った。……やっぱり終身刑に聞こえるんですが。ぶるぶる。
あっ! 忘れてた!
実家宛ての手紙出しに行かないと。うーん、こっそり出掛けてこよう。外出してくるなんて言うと、今のカムロさんはきっと駄々っ子に逆戻りするからな。
おやつの後片付けをして、大急ぎで洗濯物を取り込んだり昼の下ごしらえをする。念のため、『実家への手紙を出しに行ってきます』の、置き手紙をば……。よしよし。これでバレても駄々こねが少しは大人しいと思いたい。
そーっと調理場の立派な勝手口から脱出する俺。
誰も見てないけど雰囲気の問題だ! ささーっとひっろい庭を走り抜けて、お屋敷のでっかい門をちょっとだけ開いて外へと抜け出す。
「よーし、早いとこ行こう」
流通網を利用して手紙を運んでくれる商会まで、猛ダッシュして往復すれば何とか昼飯の準備には間に合う! カムロさんにバレると面倒だ!
唸れ俺の両脚よ! いざ出発!
ぐっと拳を握り締めて走り出そうとした俺の目に、王都に居ないはずの人の姿が飛び込んできた。
「ク、クラさん?」
クラさんことクラノゥサ・ナイブレイド。南部ブレッデで、ご隠居様してる元英雄級騎士様だ!
この人が俺の父方の伯父さんだよ! ひっさしぶり! でも、なんでここに? ブレッデから王都まで来るのに、5日くらい掛かるんだぞ。あれか! セブナスの送り返した手紙のせいか! 父さんから話がいったんだな!
クラさんと父さんは、すごく仲がいいんだよ。父さんがお願いしたら、クラさんは即行動する。例えば、食材の肉が欲しいって言ったら巨大熊だろうが竜だろうがサクッと狩る。弟大好き兄さんなんだよ!
基本、父さんもクラさんが好きだから危険なことを頼まない。頼まないけど……、何度か熊肉とかを父さんにプレゼントしてるのを知ってるからな。「散歩中に狩った。ユリの肉料理が食べたい」なんて言って。
散歩中に、サクッと巨大熊を狩れる人は少ないと思う。ちなみに、「ユリ」はクラさんが父さんを呼ぶときに使う愛称だ。本名はユリザリン。
……そういえば、肉って言えばどっかで似たようなことをした人がいたな。あ! 俺の雇い主だった! ブチ飛び具合のベクトルが違うと思ったけど、割と近いのか?
――超凄い相談相手が、向こうからやって来たよ!
※カムロ氏と伯父上、実は似た者同士の可能性が浮上しました。ブチ飛び×2。大丈夫なんですかそれは。
やったね! このまま離れてくれなかったら俺、どうしようかと思ったよ!
爆上げ秒読み段階だったらしい待遇は、「勘弁してください俺のノミ並みの心臓が止まりますんで今まで通りでお願いします」って、必死で拒否した。
「欲がなさすぎます」とかブチブチ言ってグズるカムロさんに、「あんまり怖いこと言うと、おやつ作りませんよ」と、俺の唯一の武器をチラつかせながら脅……ゲフンゲフン! 駄目押しをした。
すると、この世の終わりがきそうな絶望顔をして静かになった。おお、効果あり! もし困ったことがあったらこの手でいこう。超魔術師様の胃袋を掴んだ俺は、もしかしたら最強なのかもしれないぞ!
……なんて思ったけど、それはないな。ははは! って、秒で否定した。いくらなんでもなぁ。はあぁ……! 疲れた。なんかすごく疲れた。今夜はよく眠れそうだぞ!
そんなこんなで波乱を乗り越えて、10時のおやつタイムでございますよ!
「美味しいです! プティングとパウンドケーキの組み合わせも、いいですね!」
幸せそうにデラックストッピングなパウンドケーキを召し上がって、ニコニコしている魔術師様。無邪気っぷりが溢れていて、ちっちゃいお子様に見えてくる不思議。
「気に入りましたか。あと、パン系とプティングなんかも合いますよ。そのうち作ります」
「はい! ぜひお願いしますね」
なんだこの天使な笑顔っぷり! ブチ飛んだことをしでかす魔術師様は、そんな可愛いもんじゃないけど……、それでも「美味しいです」って言ってもらえると嬉しいよな。うん。なんかビビりまくった後だからか、凄く癒され……るけど、ビビった原因はこの人だから微妙な気分だなぁ……。
おやつを食べ終わったところで、一時休戦もとい解散。
「終身雇用の件、考えてくださいね」なんて、圧のある顔で言いながら、カムロさんは書斎の方へと去って行った。……やっぱり終身刑に聞こえるんですが。ぶるぶる。
あっ! 忘れてた!
実家宛ての手紙出しに行かないと。うーん、こっそり出掛けてこよう。外出してくるなんて言うと、今のカムロさんはきっと駄々っ子に逆戻りするからな。
おやつの後片付けをして、大急ぎで洗濯物を取り込んだり昼の下ごしらえをする。念のため、『実家への手紙を出しに行ってきます』の、置き手紙をば……。よしよし。これでバレても駄々こねが少しは大人しいと思いたい。
そーっと調理場の立派な勝手口から脱出する俺。
誰も見てないけど雰囲気の問題だ! ささーっとひっろい庭を走り抜けて、お屋敷のでっかい門をちょっとだけ開いて外へと抜け出す。
「よーし、早いとこ行こう」
流通網を利用して手紙を運んでくれる商会まで、猛ダッシュして往復すれば何とか昼飯の準備には間に合う! カムロさんにバレると面倒だ!
唸れ俺の両脚よ! いざ出発!
ぐっと拳を握り締めて走り出そうとした俺の目に、王都に居ないはずの人の姿が飛び込んできた。
「ク、クラさん?」
クラさんことクラノゥサ・ナイブレイド。南部ブレッデで、ご隠居様してる元英雄級騎士様だ!
この人が俺の父方の伯父さんだよ! ひっさしぶり! でも、なんでここに? ブレッデから王都まで来るのに、5日くらい掛かるんだぞ。あれか! セブナスの送り返した手紙のせいか! 父さんから話がいったんだな!
クラさんと父さんは、すごく仲がいいんだよ。父さんがお願いしたら、クラさんは即行動する。例えば、食材の肉が欲しいって言ったら巨大熊だろうが竜だろうがサクッと狩る。弟大好き兄さんなんだよ!
基本、父さんもクラさんが好きだから危険なことを頼まない。頼まないけど……、何度か熊肉とかを父さんにプレゼントしてるのを知ってるからな。「散歩中に狩った。ユリの肉料理が食べたい」なんて言って。
散歩中に、サクッと巨大熊を狩れる人は少ないと思う。ちなみに、「ユリ」はクラさんが父さんを呼ぶときに使う愛称だ。本名はユリザリン。
……そういえば、肉って言えばどっかで似たようなことをした人がいたな。あ! 俺の雇い主だった! ブチ飛び具合のベクトルが違うと思ったけど、割と近いのか?
――超凄い相談相手が、向こうからやって来たよ!
※カムロ氏と伯父上、実は似た者同士の可能性が浮上しました。ブチ飛び×2。大丈夫なんですかそれは。
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