【完結】騎士団をクビになった俺、美形魔術師に雇われました。運が良いのか? 悪いのか?

ゆらり

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本編

18 この変な修羅場みたいな状況、早く終わってくれ!

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 ――突然湧いて出たカムロさんに抱き締め……いや、羽交い絞めにされた俺。

「私の可愛いハスをこの腕から奪うとは、随分と無粋なことをするものだな……、ディザート殿は」
「わ、私の……とは、どういう意味ですか! ナイブレイド! 貴方は一体、ハス君の何なんですかっ!」

 ――ブチ飛んだ2人が、ブチ飛んだ展開を繰り広げ始めちゃったぞ!

 にしても、名前を呼び合ってるってことは初対面じゃないのかな。そういえばこの2人、数年前の戦争に出てるんだよ。カムロさんが英雄の筆頭だけど、クラさんも同じ戦争で英雄級まで昇格した騎士だ。知り合いでもおかしくないな。

「答える義理などない。ハスとの久々の再会、邪魔をしないで頂きたいのだが」
「お断りです! ハス君に、二度と触れないでください!」

 クラさんは戦争のことはあんまり喋らなくて、そういうの聞いてないんだよなぁ……。んんー、こうやって口喧嘩するくらいに仲いいなんて、知らなかったよ。ちょっと複雑だぞ。

 なんて、呑気に考えてる間にも、2人は言い合いを続けている。

「はは。私を慕うハスがそれを望むのならば、だが。了承致しかねる」
「くっ! ハス君が貴方を慕っている? 冗談を言わないで下さい!」
「私は虚言など申さぬ。貴殿こそハスに触れるべきではない。さも我が物の如くにハスを扱い、的外れな暴言をも吐くその所業、ハスに相応しくはない」

 ……なんだろうね。この、俺を取り合ってるみたいな口喧嘩。恥ずかしいからやめてくれ! 絶世の美女とかならまだしも、俺だよ? 地味顔の家政夫を挟んでするような喧嘩ではございませんですよ!

 だいたい、俺にカムロさんが相応しくないって言い方、間違ってませんかクラさん。俺がカムロさんに相応しくないって言われた方が、まだしっくりくる! 

「ふ、相応しくないなんて! 貴方に言われる筋合いはありませんっ! 何を根拠にそんなことを言うんですか!」
「己が立ち居振る舞いを、振り返ることを貴殿に勧める。……いかに聞き苦しく、見苦しいかをまざまざと痛感することになるであろうからな」
「なっ! このっ……!」

 ナイブレイド氏! 眉一つ動かさず冷静だ! そして貫禄の猛攻! 負けじと応戦する王国筆頭魔術師ディザート氏! やや押され気味だっ! この勝負、元英雄級騎士クラノゥサ・ナイブレイドの勝利で終わるのか? 最後まで目が離せませんね! 

 ……なんてな! 

 もう聞くのも疲れてきたんだよ! 少しくらいふざけないとやってられんわっ! さっきから、ずっとカムロさんに羽交い絞め状態で抱き締められてる。いい加減、放して欲しいなぁ。なんか駄々っ子に抱っこされたぬいぐるみの気分だ……。

 こんな道端でギャーギャー騒いだら、ご近所さんの迷惑ですよ! めっ! 

 とか思ったけど、道幅も広くて庭もひっろい庭持ちのお屋敷が多いから、中にまでは聞こえてないかなぁ……。俺が一番の被害者っぽいな! 

 魔術師様、どうか耳元で叫ばないでくださいませんか。鼓膜が破れそうでございますよ!




 ――この変な修羅場みたいな状況、早く終わってくれ!
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