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本編
21 伯父上のお墨付き、頂きました!
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――クラさんとしては気になるのかもだけど、職場面談になっちゃうのはいかがなものかと!
なんて、おれがアワアワていると、「ナイブレイド、そんな話をしている場合ではないでしょう」って、カムロさんから待ったの声が掛かった! よっし! カムロさんありがとう!
「これも大切なことだ。少しばかり時間を割いたとて、構うまい」
「しかし、今ではなくとも……」
なんとも気まずそうな言い方だ。ちらっとカムロさんの方を向くと、声の感じの数倍は気まずそうなお顔がそこに。気持ちは分かる。普段があれだからな。ははは。
――俺の薬指に外れない指輪を嵌めたり、デザートを飯前につまみ食いしようとしたり、俺が外出するのを嫌がって、駄々っ子になったりするんだよ! 挙句に出て行かないで欲しいってしがみつくし! まったくこの魔術師様はっ!
なんて、絶対に言わないし、言えない!
確実にマズい展開になる! 軌道修正もしたいけど、ここはフォローを最優先だ。
「……あの、クラさん大丈夫だよ。俺、カムロさんに拾ってもらえて運が良かった。一緒に食事を食べさせてくれて、毎日俺の料理を褒めてくれるんだ。1ヵ月務めたお祝いに、凄く美味い肉をプレゼントしてくれたりしたし。そういうのが全部、ありがたかったから……」
プレゼントの肉が、めっちゃ危険な魔物の肉でビビりまくってたことは伏せておこう。持て余すくらい広くて贅沢な部屋を使わせてくれてるけど、寝室が扉で繋がってて「夜這いしてもいいですよ」なんて言われたこととか……。まあ冗談だったけど。
「この人に、このお屋敷に住まわせてもらって、甘やかされてなかったら、俺はとっくに潰れてた。だから凄く感謝してる。俺にとって、カムロさんは家族みたいに身近な人だよ」
……割と言葉を選んだつもりだった。だけど、実際に口に出してみるとびっくりするくらい自然で正直な気持ちが出てきた。この気持ちを、直接カムロさんに言ったことってあったかな? 覚えてないな。
今度、改めてしっかり感謝の気持ちを込めて言おう。この人は俺の恩人だ。
「ほう、そうか……」
片眉を吊り上げてカムロさんに視線を投げたクラさんが、少し笑った。
え。なんだなんだ? その笑いはなんですか! 猛烈に気になって、勢いよくカムロさんの方へ顔を向けると、眩しいご尊顔のすべすべのほっぺが赤くなっているではありませんか!
ど、どうなさったんですか魔術師様! お熱でもおありでございますか! も、もしや、照れていらっしゃるのでしょうか!
「ははは! お互いに、やぶさかではないのだな。安心したぞ」
クラさんが肩を揺らして笑った。安心してくれてなによりでっす! お互いやぶさかではないってニュアンスとしてどうなんだろうね? 確かに、2人で暮らしていて嫌だと思うことはないから当て嵌るのかな。
にしてもだ、「ハスはこんなところに置いてはおけぬ!」なんて判定にならなくてよかったああああ! そしたら、口論バトル再勃発待ったなしだ。超魔術師様が、駄々っ子に変身するぞ!
「私の甥が、知らぬ間に随分と世話になっていたようだ。ディザート殿、礼を言う」
「貴方に礼を言われるようなことは、一切していないですよ」
「そうであろうかな」
「家政夫として働いてもらっているだけです。それ以上でも、以下でもありません」
えっ、なにこのツンデレ感。お礼の言葉は、素直に受け取ってもいいんじゃないかなぁ。
「単なる使用人に対するものとは思えぬ、身内のような扱いは貴殿の想いの現れであろう」
「どういう想いですか。何も特別なことなんて、していませんよ」
つんとした態度を崩さないカムロさんは、もんのすごく顔が真っ赤だ。さっきよりも赤い! 茹で上がるんじゃないって心配なくらいの火照り具合だ。ほんとに熱でも出てるんじゃないだろうな……?
「大丈夫ですか。顔真っ赤で暑そうですよ。冷たいおやつでもいります?」って、俺が顔を覗き込みながら聞くと、「あ、暑くなんかありませんっ! みっ、見ないで下さい!」なんて言って、口元を隠しながら横を向いた。
ツンデレ焦りまくりだ。ほんと、カムロさんって素直じゃないですね。はははは!
「……くく。まあ、よかろう。この話はこれで仕舞いとするか」
しょ、職場面談終了だああ!
やったぞ! なんとかやり過ごせた! ふはぁあ、よかった! カムロさん、いつまで顔赤くしてるんですか。ツンデレ照れ屋さんめ。しっかりしてくださいよ!
――伯父上のお墨付き、頂きました!
※……絶妙に話の噛み合わなさを感じるのは、なんでだろうね?
なんて、おれがアワアワていると、「ナイブレイド、そんな話をしている場合ではないでしょう」って、カムロさんから待ったの声が掛かった! よっし! カムロさんありがとう!
「これも大切なことだ。少しばかり時間を割いたとて、構うまい」
「しかし、今ではなくとも……」
なんとも気まずそうな言い方だ。ちらっとカムロさんの方を向くと、声の感じの数倍は気まずそうなお顔がそこに。気持ちは分かる。普段があれだからな。ははは。
――俺の薬指に外れない指輪を嵌めたり、デザートを飯前につまみ食いしようとしたり、俺が外出するのを嫌がって、駄々っ子になったりするんだよ! 挙句に出て行かないで欲しいってしがみつくし! まったくこの魔術師様はっ!
なんて、絶対に言わないし、言えない!
確実にマズい展開になる! 軌道修正もしたいけど、ここはフォローを最優先だ。
「……あの、クラさん大丈夫だよ。俺、カムロさんに拾ってもらえて運が良かった。一緒に食事を食べさせてくれて、毎日俺の料理を褒めてくれるんだ。1ヵ月務めたお祝いに、凄く美味い肉をプレゼントしてくれたりしたし。そういうのが全部、ありがたかったから……」
プレゼントの肉が、めっちゃ危険な魔物の肉でビビりまくってたことは伏せておこう。持て余すくらい広くて贅沢な部屋を使わせてくれてるけど、寝室が扉で繋がってて「夜這いしてもいいですよ」なんて言われたこととか……。まあ冗談だったけど。
「この人に、このお屋敷に住まわせてもらって、甘やかされてなかったら、俺はとっくに潰れてた。だから凄く感謝してる。俺にとって、カムロさんは家族みたいに身近な人だよ」
……割と言葉を選んだつもりだった。だけど、実際に口に出してみるとびっくりするくらい自然で正直な気持ちが出てきた。この気持ちを、直接カムロさんに言ったことってあったかな? 覚えてないな。
今度、改めてしっかり感謝の気持ちを込めて言おう。この人は俺の恩人だ。
「ほう、そうか……」
片眉を吊り上げてカムロさんに視線を投げたクラさんが、少し笑った。
え。なんだなんだ? その笑いはなんですか! 猛烈に気になって、勢いよくカムロさんの方へ顔を向けると、眩しいご尊顔のすべすべのほっぺが赤くなっているではありませんか!
ど、どうなさったんですか魔術師様! お熱でもおありでございますか! も、もしや、照れていらっしゃるのでしょうか!
「ははは! お互いに、やぶさかではないのだな。安心したぞ」
クラさんが肩を揺らして笑った。安心してくれてなによりでっす! お互いやぶさかではないってニュアンスとしてどうなんだろうね? 確かに、2人で暮らしていて嫌だと思うことはないから当て嵌るのかな。
にしてもだ、「ハスはこんなところに置いてはおけぬ!」なんて判定にならなくてよかったああああ! そしたら、口論バトル再勃発待ったなしだ。超魔術師様が、駄々っ子に変身するぞ!
「私の甥が、知らぬ間に随分と世話になっていたようだ。ディザート殿、礼を言う」
「貴方に礼を言われるようなことは、一切していないですよ」
「そうであろうかな」
「家政夫として働いてもらっているだけです。それ以上でも、以下でもありません」
えっ、なにこのツンデレ感。お礼の言葉は、素直に受け取ってもいいんじゃないかなぁ。
「単なる使用人に対するものとは思えぬ、身内のような扱いは貴殿の想いの現れであろう」
「どういう想いですか。何も特別なことなんて、していませんよ」
つんとした態度を崩さないカムロさんは、もんのすごく顔が真っ赤だ。さっきよりも赤い! 茹で上がるんじゃないって心配なくらいの火照り具合だ。ほんとに熱でも出てるんじゃないだろうな……?
「大丈夫ですか。顔真っ赤で暑そうですよ。冷たいおやつでもいります?」って、俺が顔を覗き込みながら聞くと、「あ、暑くなんかありませんっ! みっ、見ないで下さい!」なんて言って、口元を隠しながら横を向いた。
ツンデレ焦りまくりだ。ほんと、カムロさんって素直じゃないですね。はははは!
「……くく。まあ、よかろう。この話はこれで仕舞いとするか」
しょ、職場面談終了だああ!
やったぞ! なんとかやり過ごせた! ふはぁあ、よかった! カムロさん、いつまで顔赤くしてるんですか。ツンデレ照れ屋さんめ。しっかりしてくださいよ!
――伯父上のお墨付き、頂きました!
※……絶妙に話の噛み合わなさを感じるのは、なんでだろうね?
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