モンスターコア

ざっくん

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学校生活

27話 初授業.2

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「爆発オチとかサイテー」

 カイトは聞き覚えのない声を聞いてその方を見た。

「何やってんのよ!?ナック!?」

ゴツン!

 女子が、一人駆け寄ってきてナックの頭を殴った。

「ごめんね、コイツ人生ノリで生きてるの、後で殴っておいていいから」

 女子はカイトに手を伸ばした。

「おぉ、ありがとな」

 カイトは女子の手を取り起き上がった。

「助かった。お前、名前何なんて言うんだ?」

 カイトが服に着いた土を払いながら聞いた。

「えっ?私?私はリンよ、あのバカの幼馴染なの」

「俺はカイトだ。よろしくな、そういや俺にも幼馴染のダチがいるんだが、今何処にいるんだか…」

カイトは生徒の相手をしているリオンの方を見て言った。

「そういえば殴っていいんだったよな。なに、過払い金は返金しとかないとな、って話だ」

カイトがナックに向けて構えた。

「おっ?やんのか?相手してやんよ」

 ナックがカイトに構えを向けた。

「いいなそれ!俺も混ぜてくれ教員に色々言われて溜まってるんだ。ストレス発散と行こうぜ!」

 クイナが乱入しようとして声をかけて来た。

「あなた達舐めな…、…ッ!右!」

 リンが言葉を言いかけ、何か見て叫んだ。

チュドーーン!!

 リオンがとてつもないスピードで女子の前を横切った。3人は持ち前の反射神経でかろうじて避けることには成功したが移動による風圧で吹き飛ばされてしまった。

「助かった、それで今の何なんだ?」

 カイトはリンの前で身をかがめて着地し聞いた。

「声魔法と意識魔法の合わせ技よ。結構便利なの」

 リンが答えた。

「なぁ、ちょっと調子乗りすぎじゃないか?敵を目の前に仲間割れとか、集めておいて言うのもなんなんだけど、お前ら個性強すぎんだろ!」

リオンが砂埃から顔をだして言った。

「えっ?どう言うことなの?それ、」

リンが不思議そうに尋ねた。これに対してある一人を除いて全員が足を止めた。

「は?普通今聞くか?まあ言ってやんよ、それはだな…はっ!?」

リオンが答える途中で何かに気づいた。

ボン!

リオンがナックの攻撃を拳を掴み受け止めた。

「(すげえな意識魔法、どうでもいい事でも意識引っ張られる)」

カイトは『意識魔法』の力に驚き関心する。

「おっ、やるねぇナック」

 どうやらリンの『意識魔法』には気づいていないらしい。際ほどの不意打ちをナックの独力と勘違いしていた。

(な~んか変なんだよな~)

 この辺りからカイトが違和感を感じ始めた。しかし、そんな妙な感覚に構っている暇はない。カイトの頭は、

(俺も一発当てたいな~)

に、支配されていた。

「リン協力を頼めるか?」

「いいわよ、どうするの?」

 カイトはリンと作戦を共有した。

「分かったわ。でも、それだけでいいの?あと、私の判断でナックを巻き込むわ。合わせてね」

 リンが確認を取る。

「オッケイ、他はコッチでなんとかする」

カイトが突撃する。

そこでは、ちょうど、クイナ、ナック、サリア、アヤメが接近戦を仕掛けていた。遠距離攻撃も飛んできていたが、フレンドリーファイヤを警戒してか数が少ない。
 それぞれ受験時には使っていなかった魔法も使っていて、アヤメに至っては腕が二本増えていた。

「カオスだな…あそこに混ざるのか」

  カイトはリオン周りの混沌とした状況に若干引いていた。サリアとアヤメはほぼモンスターである

ガシッ!

「ぐぬぬぬぬぬ…」

アヤメが四つの手でガッチリ拘束した。

生徒間の連携が形になってきて、リオンは手数の多さに手間取っている様子だ。

ドン!

「ブフゥ!」

アヤメを始め接近戦を繰り広げていた生徒たちが吹き飛ばされた。

(衝撃魔法!?いや違うな、素の力でこれか…)

リュートに頼り切り実力を見極める力が弱いカイトであったが、力の差を感じ取り震撼した。

「怪我したく無い奴は下がれ、死にたい奴は無防備にかかってこい」

 リオンが周りに張り詰めた空気を放った。

「悪いが、さっきのは無しだ。こんなの思い切りやらなちゃ勿体無いな」

「分かったわ、拙い連携よりも普段通りってことね」

「…まぁ、そんな感じだな」

少し意味が間違って伝わっているがカイトはスルーした。

ビュン!

「お前が一番か?」

リオンが急にカイトの目の前に現れた。

「はぁ!?」

ビュシュ!

 リオンの拳がカイトの顔を掠める。その後、追撃の蹴りがカイトを襲う。

(し、死ぬ!?)

 カイトはここで確信した。この教員は生徒の実力を本来の力よりかなり高く見積もっている。
 その時リオンの足が沈み、軸がズレ足の軌道がそれた。

「先せ…」

「待てリュート」

カイトがリュートの言葉を遮った。

(やばい、命の危機なのに(しかも、しょうもない勘違いでの)、ゾクゾクしてきた。)

「親友を見殺しにする気はあるか?」

カイトがリュートに尋ねる。

「もしかしてカイト…」

まさかの提案にリュートが絶句する。

リュート:「…分かった」

カイト:「勝算は、」

リュート:「今のままなら。」

リュート:「岩、固定、座標、硬化、軟化。予備、加速、身体回復、煙」

カイト:「水、潤滑、壁、常時加速、身体反応速度。予備無し」

確認を終え二人は教員に挑んだ。
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