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夢想
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友達がミハルの家に揃ってから、予定通りみんなでゲームをすることになった。
「おー!スマ◯ラある!」
「マ◯パもあんぜ!」
友達はミハルの家のゲームに夢中になっていた。そして、当然のようにミハルもその輪に入っていた。
「ねー!何やる?」
「やっぱ最初はマ◯カじゃね?」
「おー、いいな!」
「じゃ、マ◯カ入れるよー!」
「サンキュー」
「ヤベー!ワクワクしてきたー」
「子供かよ!」
ガヤガヤと盛り上がる。
ミハルも楽しそうだし、みんな楽しそうだ。この空間には笑顔しかない。
その後は、一通りゲームをして盛り上がった。
「そーいえばさ、みんな将来の夢って考えた?」
友達の1人が思い出したように言う。
「宿題で出たじゃん」
「あー、あったな、そーいうの」
今日の授業の宿題で、将来の夢について作文を書いてくる、というものがあった。
陽太もあるにはあったが、作文に書くかどうかは迷っていた。笑われる気がしていたから。
「俺はサッカー選手かな!」
ちょっとお調子者タイプの友達の1人が自慢げに言う。
「そんでロナと同じピッチに立つ!」
「いや先に引退してるだろ」
「俺はプロ野球選手だなー!」
「カズなら行けそー」
みんな、思い思いに夢を語っている。
大人なんて来るか来ないかも分からない未来について、明確に語ることなんて出来ない。
ずっと子供のまま生きていくような、そんな感覚さえある。
大人になるまでには、中学生、高校生、大学生、とまだまだステップがある。
大人になる日なんて、来るのだろうか。
「陽太はー?」
友達の1人に聞かれる。
「陽太、頭良いもんな!なんか凄いこと考えてそー!」
「あー、わかる」
「いや.....俺は別に.....」
答えあぐねていると、自分の隣でミハルが大きく手を挙げた。
「はい!私、夢があります!」
ミハルの宣言に場が盛り上がる。
「どんな?」
「私の夢は、アイドルになること!」
ミハルの言葉に、みんなが笑う。
その反応にミハルが顔を膨らませる。
「えー?ちょっと!笑うとこじゃないよ!」
「えーだって?アイドルだろー?なれるわけないって」
「なれるよ。サッカー選手よりはなれる」
「いえてるw」
「何だとこんにゃろ」
ミハルが友達たちと話してるのを見ながら、素直に凄いなと思った。自分の想いをはっきり言えることに。
「私、体が弱くてさ、今のままじゃ、全然なれないからさ。病院でリハビリして、病気治して、アイドルになるんだ!」
「じゃー、いつか応援に行かなきゃな!」
「だな!」
「俺の応援にも来いよ!」
「お前はなれない」
「何で!?」
ミハルのお陰で場の雰囲気がガラッと変わった。
それと同時に自分の夢を言わなくて済んだから内心ホッとしてしまった。
それに、夢なんて大層なものでもない。
ミハルの笑顔を見ながら、この想いは胸にしまっておこう、そう思った。
「おー!スマ◯ラある!」
「マ◯パもあんぜ!」
友達はミハルの家のゲームに夢中になっていた。そして、当然のようにミハルもその輪に入っていた。
「ねー!何やる?」
「やっぱ最初はマ◯カじゃね?」
「おー、いいな!」
「じゃ、マ◯カ入れるよー!」
「サンキュー」
「ヤベー!ワクワクしてきたー」
「子供かよ!」
ガヤガヤと盛り上がる。
ミハルも楽しそうだし、みんな楽しそうだ。この空間には笑顔しかない。
その後は、一通りゲームをして盛り上がった。
「そーいえばさ、みんな将来の夢って考えた?」
友達の1人が思い出したように言う。
「宿題で出たじゃん」
「あー、あったな、そーいうの」
今日の授業の宿題で、将来の夢について作文を書いてくる、というものがあった。
陽太もあるにはあったが、作文に書くかどうかは迷っていた。笑われる気がしていたから。
「俺はサッカー選手かな!」
ちょっとお調子者タイプの友達の1人が自慢げに言う。
「そんでロナと同じピッチに立つ!」
「いや先に引退してるだろ」
「俺はプロ野球選手だなー!」
「カズなら行けそー」
みんな、思い思いに夢を語っている。
大人なんて来るか来ないかも分からない未来について、明確に語ることなんて出来ない。
ずっと子供のまま生きていくような、そんな感覚さえある。
大人になるまでには、中学生、高校生、大学生、とまだまだステップがある。
大人になる日なんて、来るのだろうか。
「陽太はー?」
友達の1人に聞かれる。
「陽太、頭良いもんな!なんか凄いこと考えてそー!」
「あー、わかる」
「いや.....俺は別に.....」
答えあぐねていると、自分の隣でミハルが大きく手を挙げた。
「はい!私、夢があります!」
ミハルの宣言に場が盛り上がる。
「どんな?」
「私の夢は、アイドルになること!」
ミハルの言葉に、みんなが笑う。
その反応にミハルが顔を膨らませる。
「えー?ちょっと!笑うとこじゃないよ!」
「えーだって?アイドルだろー?なれるわけないって」
「なれるよ。サッカー選手よりはなれる」
「いえてるw」
「何だとこんにゃろ」
ミハルが友達たちと話してるのを見ながら、素直に凄いなと思った。自分の想いをはっきり言えることに。
「私、体が弱くてさ、今のままじゃ、全然なれないからさ。病院でリハビリして、病気治して、アイドルになるんだ!」
「じゃー、いつか応援に行かなきゃな!」
「だな!」
「俺の応援にも来いよ!」
「お前はなれない」
「何で!?」
ミハルのお陰で場の雰囲気がガラッと変わった。
それと同時に自分の夢を言わなくて済んだから内心ホッとしてしまった。
それに、夢なんて大層なものでもない。
ミハルの笑顔を見ながら、この想いは胸にしまっておこう、そう思った。
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