22 / 28
サプライズ
しおりを挟む
小鳥のお世話を終えた直後、ソシアがルナールを探しに来た。
ソシアの言葉を聞く限り、ルナールが勝手にどこかに行ってしまったことに対してちょっぴりご立腹らしい。
ルナールもソシアが生意気だとか言っていたけれど、やっぱりソシアがいるとどこか安心しているようにも見える。
可愛い双子だな、なんて微笑ましく思っていると、ソシアが私を見て満面の笑みを浮かべた。
「楽しみにしててね」
なんて言いながら。
「何を?」
という私の問いかけには、さっきと同じ満面の笑みを浮かべるだけで答えてくれなかった。
なんだか分からないけれどとっても楽しそうなソシアは、ルナールを連れて駆け足で去っていく。
残された私はしばらくその場で首を傾げていた。
そうしてしばらく立ち止まっていたけれど、時が止まってくれるわけではない。
次は薔薇たちのお世話だ。勇者様をお待たせするわけにはいかないので、急いで薔薇園に行かなくては。
「あ、セリーヌさーん」
待たせてた!
「お待たせいたしましたタイキ様」
「いやいや俺も今来たとこだけどね」
今の絵に描いたようなデート前の待ち合わせみたいだったなー! 軽率に心臓が止まるところだったなー!
「よーし、早速薔薇の世話をしよう」
勇者様はどこか急ぐように薔薇園へと入っていく。
おかしいな、いつもならもう少し雑談をしてくれるのに。今日は、というか今は目もほとんど合わなかった。朝まではそんなことなかったのに。
「今日も綺麗に咲いてるね」
と、やっぱりいつもならこちらを見ながら言ってくれるような言葉なのに、絶対にこっちを見てくれない。
とはいえ、怒っているようには見えない。
変な勇者様だな、と思いつつ、ちょこちょこと勇者様の背後から側に近寄って、そっと勇者様の顔を見上げてみる。するとやっと目が合った。
「ど、どどどどうしたの?」
驚くほど焦っている。ちょっと挙動不審なくらい焦っている。
「タイキ様、何かありました?」
「な、何もないけど」
何かある顔をしている。
「本当に、何もないのでしょうか?」
「う、えー……、うん。何もないことはないよ。ちょっと、待ってね。セリーヌさん、ここに立ってて」
やっぱり目を合わせてくれない勇者様は、何かを決意したように、瞳に強い光を灯す。
そして、大きな両手で私の両肩をぽんぽんと叩いてその場で立っているようにと言う。よく分からないけれど、勇者様の言うことは聞かなければ、と私はその場にじっと立っていることにした。
私が立たされた場所は、薔薇園のほぼ中央。この場所には今、薄紫色の薔薇が咲いている。
勇者様は深呼吸をして、なぜか私の目の前で跪く。
……ん? 何してるんだろう?
「セリーヌさん」
「はい」
状況が理解出来ずにきょとんとしていると、不意に勇者様が口を開いた。
「俺、実はずっと前からあなたのことが好きでした。俺と結婚してください」
「え、あ……、え? あ、あの、はい、喜んで」
跪いた状態で、勇者様がポケットから小さな箱を取り出したと思えば、その箱を開け、中にあったのはシンプルな指輪だった。
これは、これはもしかして、プロポーズ、なのでは……!?
そう気が付いた瞬間、私の瞳から涙が溢れてきた。あまりにも嬉しすぎて。
そして私の返事を聞いた勇者様は小さな声で「良かった」と呟きながら私の左てを取って、薬指に指輪を嵌めてくれている。幸せ過ぎて死にそう。死んだかもしれない。え、死んでない? 私生きてる? 大丈夫?
その瞬間、私たちの頭上でポン、と何かが弾けるような音が数度響く。驚いて見上げてみたら、上空からキラキラした何かが舞い降りてきた。クリスタルで作った薔薇の花びらみたいな、とても綺麗な何か。手を出して受け止めてみたら、手に触れた瞬間キラキラと光を放って霧散する。
これは、魔法……?
「俺が元いた世界では、プロポーズって言って、求婚の時にはこうやって指輪を渡すみたいな、なんか儀式みたいなのがあったんだ」
知ってる~!
こっちの世界にはプロポーズなんかなかったから、こんなことをしてもらえるだなんて思ってもみなかった。
「だから、ちょっとやってみたくて。ちゃんと気持ちを伝える前に婚約が決まっちゃったし」
キラキラとした光を浴びながら照れ臭そうに笑う勇者様があまりにもかわいくてかわいくて、今すぐにでも彼の胸に飛び込みたいという衝動に襲われる。
普段の私なら、きっとそんな衝動は我慢出来ていた。でも、今はもう無理だ。だって、それだけ勇者様のことが好きなんだもん。
「ありがとうございますタイキ様、私、嬉しいです!」
と、本当に勇者様の胸に飛び込んだわけだけど、慣れてないから……というか、初めてやったから、結構な勢いで突っ込んでしまった。完全にタックル。
それでも勇者様はバランスを崩すことなく私を受け止めてくれる。超カッコイイ。
「セリーヌさんが喜んでくれると俺も嬉しい」
勇者様はそう言って抱きしめ返してくれた。ぎゅっ、と強く抱きしめられた後、少し力が緩められたと思ったら、勇者様の顔が私の顔の位置まで下がってくる。
それから勇者様は自分の額と私の額をくっつけながら、もう一度私の左手を取った。
「この指輪、小さいモリオンとサファイアが嵌まってるんだ」
「先日頂いた髪飾りと一緒ですね」
「そう。宝物だって言ってくれたから、これも宝物の仲間に入れてもらおうと思って」
「タイキ様から頂いた物は全て宝物です」
勇者様ごとぜーんぶ宝物だけどね! なんて、内心デレデレしている。
「これ、実は俺のもあるんだ。お揃いで」
「わぁ! あ、じゃあ私もさっきタイキ様がしてくれたみたいにしたいです」
「え、俺の指に? いいの? じゃあお願いしまーす」
やったね、なんて呟きながら、勇者様は左手を差し出してくれる。私はその手を取って、薬指にそっと指輪を嵌めた。
はぁ、推しにプロポーズしてもらえただけでなく、指輪の交換まで出来るなんて夢みたいだ。夢じゃないよね? ……今までの全部が夢だったらどうしよう。相手は前世の推しと瓜二つだし、なんかもう私にとって都合が良すぎるし、全て私の妄想である可能性もないとは言い切れない……。
だって勇者様、ずっと前から好きでしたって……ん? ずっと前からって言った?
ソシアの言葉を聞く限り、ルナールが勝手にどこかに行ってしまったことに対してちょっぴりご立腹らしい。
ルナールもソシアが生意気だとか言っていたけれど、やっぱりソシアがいるとどこか安心しているようにも見える。
可愛い双子だな、なんて微笑ましく思っていると、ソシアが私を見て満面の笑みを浮かべた。
「楽しみにしててね」
なんて言いながら。
「何を?」
という私の問いかけには、さっきと同じ満面の笑みを浮かべるだけで答えてくれなかった。
なんだか分からないけれどとっても楽しそうなソシアは、ルナールを連れて駆け足で去っていく。
残された私はしばらくその場で首を傾げていた。
そうしてしばらく立ち止まっていたけれど、時が止まってくれるわけではない。
次は薔薇たちのお世話だ。勇者様をお待たせするわけにはいかないので、急いで薔薇園に行かなくては。
「あ、セリーヌさーん」
待たせてた!
「お待たせいたしましたタイキ様」
「いやいや俺も今来たとこだけどね」
今の絵に描いたようなデート前の待ち合わせみたいだったなー! 軽率に心臓が止まるところだったなー!
「よーし、早速薔薇の世話をしよう」
勇者様はどこか急ぐように薔薇園へと入っていく。
おかしいな、いつもならもう少し雑談をしてくれるのに。今日は、というか今は目もほとんど合わなかった。朝まではそんなことなかったのに。
「今日も綺麗に咲いてるね」
と、やっぱりいつもならこちらを見ながら言ってくれるような言葉なのに、絶対にこっちを見てくれない。
とはいえ、怒っているようには見えない。
変な勇者様だな、と思いつつ、ちょこちょこと勇者様の背後から側に近寄って、そっと勇者様の顔を見上げてみる。するとやっと目が合った。
「ど、どどどどうしたの?」
驚くほど焦っている。ちょっと挙動不審なくらい焦っている。
「タイキ様、何かありました?」
「な、何もないけど」
何かある顔をしている。
「本当に、何もないのでしょうか?」
「う、えー……、うん。何もないことはないよ。ちょっと、待ってね。セリーヌさん、ここに立ってて」
やっぱり目を合わせてくれない勇者様は、何かを決意したように、瞳に強い光を灯す。
そして、大きな両手で私の両肩をぽんぽんと叩いてその場で立っているようにと言う。よく分からないけれど、勇者様の言うことは聞かなければ、と私はその場にじっと立っていることにした。
私が立たされた場所は、薔薇園のほぼ中央。この場所には今、薄紫色の薔薇が咲いている。
勇者様は深呼吸をして、なぜか私の目の前で跪く。
……ん? 何してるんだろう?
「セリーヌさん」
「はい」
状況が理解出来ずにきょとんとしていると、不意に勇者様が口を開いた。
「俺、実はずっと前からあなたのことが好きでした。俺と結婚してください」
「え、あ……、え? あ、あの、はい、喜んで」
跪いた状態で、勇者様がポケットから小さな箱を取り出したと思えば、その箱を開け、中にあったのはシンプルな指輪だった。
これは、これはもしかして、プロポーズ、なのでは……!?
そう気が付いた瞬間、私の瞳から涙が溢れてきた。あまりにも嬉しすぎて。
そして私の返事を聞いた勇者様は小さな声で「良かった」と呟きながら私の左てを取って、薬指に指輪を嵌めてくれている。幸せ過ぎて死にそう。死んだかもしれない。え、死んでない? 私生きてる? 大丈夫?
その瞬間、私たちの頭上でポン、と何かが弾けるような音が数度響く。驚いて見上げてみたら、上空からキラキラした何かが舞い降りてきた。クリスタルで作った薔薇の花びらみたいな、とても綺麗な何か。手を出して受け止めてみたら、手に触れた瞬間キラキラと光を放って霧散する。
これは、魔法……?
「俺が元いた世界では、プロポーズって言って、求婚の時にはこうやって指輪を渡すみたいな、なんか儀式みたいなのがあったんだ」
知ってる~!
こっちの世界にはプロポーズなんかなかったから、こんなことをしてもらえるだなんて思ってもみなかった。
「だから、ちょっとやってみたくて。ちゃんと気持ちを伝える前に婚約が決まっちゃったし」
キラキラとした光を浴びながら照れ臭そうに笑う勇者様があまりにもかわいくてかわいくて、今すぐにでも彼の胸に飛び込みたいという衝動に襲われる。
普段の私なら、きっとそんな衝動は我慢出来ていた。でも、今はもう無理だ。だって、それだけ勇者様のことが好きなんだもん。
「ありがとうございますタイキ様、私、嬉しいです!」
と、本当に勇者様の胸に飛び込んだわけだけど、慣れてないから……というか、初めてやったから、結構な勢いで突っ込んでしまった。完全にタックル。
それでも勇者様はバランスを崩すことなく私を受け止めてくれる。超カッコイイ。
「セリーヌさんが喜んでくれると俺も嬉しい」
勇者様はそう言って抱きしめ返してくれた。ぎゅっ、と強く抱きしめられた後、少し力が緩められたと思ったら、勇者様の顔が私の顔の位置まで下がってくる。
それから勇者様は自分の額と私の額をくっつけながら、もう一度私の左手を取った。
「この指輪、小さいモリオンとサファイアが嵌まってるんだ」
「先日頂いた髪飾りと一緒ですね」
「そう。宝物だって言ってくれたから、これも宝物の仲間に入れてもらおうと思って」
「タイキ様から頂いた物は全て宝物です」
勇者様ごとぜーんぶ宝物だけどね! なんて、内心デレデレしている。
「これ、実は俺のもあるんだ。お揃いで」
「わぁ! あ、じゃあ私もさっきタイキ様がしてくれたみたいにしたいです」
「え、俺の指に? いいの? じゃあお願いしまーす」
やったね、なんて呟きながら、勇者様は左手を差し出してくれる。私はその手を取って、薬指にそっと指輪を嵌めた。
はぁ、推しにプロポーズしてもらえただけでなく、指輪の交換まで出来るなんて夢みたいだ。夢じゃないよね? ……今までの全部が夢だったらどうしよう。相手は前世の推しと瓜二つだし、なんかもう私にとって都合が良すぎるし、全て私の妄想である可能性もないとは言い切れない……。
だって勇者様、ずっと前から好きでしたって……ん? ずっと前からって言った?
23
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された際もらった慰謝料で田舎の土地を買い農家になった元貴族令嬢、野菜を買いにきたベジタリアン第三王子に求婚される
さら
恋愛
婚約破棄された元伯爵令嬢クラリス。
慰謝料代わりに受け取った金で田舎の小さな土地を買い、農業を始めることに。泥にまみれて種を撒き、水をやり、必死に生きる日々。貴族の煌びやかな日々は失ったけれど、土と共に過ごす穏やかな時間が、彼女に新しい幸せをくれる――はずだった。
だがある日、畑に現れたのは野菜好きで有名な第三王子レオニール。
「この野菜は……他とは違う。僕は、あなたが欲しい」
そう言って真剣な瞳で求婚してきて!?
王妃も兄王子たちも立ちはだかる。
「身分違いの恋」なんて笑われても、二人の気持ちは揺るがない。荒れ地を畑に変えるように、愛もまた努力で実を結ぶのか――。
冷徹と噂の辺境伯令嬢ですが、幼なじみ騎士の溺愛が重すぎます
藤原遊
恋愛
冷徹と噂される辺境伯令嬢リシェル。
彼女の隣には、幼い頃から護衛として仕えてきた幼なじみの騎士カイがいた。
直系の“身代わり”として鍛えられたはずの彼は、誰よりも彼女を想い、ただ一途に追い続けてきた。
だが政略婚約、旧婚約者の再来、そして魔物の大規模侵攻――。
責務と愛情、嫉妬と罪悪感が交錯する中で、二人の絆は試される。
「縛られるんじゃない。俺が望んでここにいることを選んでいるんだ」
これは、冷徹と呼ばれた令嬢と、影と呼ばれた騎士が、互いを選び抜く物語。
当て馬令嬢は自由を謳歌したい〜冷酷王子への愛をゴミ箱に捨てて隣国へ脱走したら、なぜか奈落の底まで追いかけられそうです〜
平山和人
恋愛
公爵令嬢エルナは、熱烈に追いかけていた第一王子シオンに冷たくあしらわれ、挙句の果てに「婚約者候補の中で、お前が一番あり得ない」と吐き捨てられた衝撃で前世の記憶を取り戻す。 そこは乙女ゲームの世界で、エルナは婚約者選別会でヒロインに嫌がらせをした末に処刑される悪役令嬢だった。
「死ぬのも王子も、もう真っ平ご免です!」
エルナは即座に婚約者候補を辞退。目立たぬよう、地味な領地でひっそり暮らす準備を始める。しかし、今までエルナを蔑んでいたはずのシオンが、なぜか彼女を執拗に追い回し始め……? 「逃げられると思うなよ。お前を俺の隣以外に置くつもりはない」 「いや、記憶にあるキャラ変が激しすぎませんか!?」
【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~
降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。
身代わり令嬢、恋した公爵に真実を伝えて去ろうとしたら、絡めとられる(ごめんなさぁぁぁぁい!あなたの本当の婚約者は、私の姉です)
柳葉うら
恋愛
(ごめんなさぁぁぁぁい!)
辺境伯令嬢のウィルマは心の中で土下座した。
結婚が嫌で家出した姉の身代わりをして、誰もが羨むような素敵な公爵様の婚約者として会ったのだが、公爵あまりにも良い人すぎて、申し訳なくて仕方がないのだ。
正直者で面食いな身代わり令嬢と、そんな令嬢のことが実は昔から好きだった策士なヒーローがドタバタとするお話です。
さくっと読んでいただけるかと思います。
【完結】私が誰だか、分かってますか?
美麗
恋愛
アスターテ皇国
時の皇太子は、皇太子妃とその侍女を妾妃とし他の妃を娶ることはなかった
出産時の出血により一時病床にあったもののゆっくり回復した。
皇太子は皇帝となり、皇太子妃は皇后となった。
そして、皇后との間に産まれた男児を皇太子とした。
以降の子は妾妃との娘のみであった。
表向きは皇帝と皇后の仲は睦まじく、皇后は妾妃を受け入れていた。
ただ、皇帝と皇后より、皇后と妾妃の仲はより睦まじくあったとの話もあるようだ。
残念ながら、この妾妃は産まれも育ちも定かではなかった。
また、後ろ盾も何もないために何故皇后の侍女となったかも不明であった。
そして、この妾妃の娘マリアーナははたしてどのような娘なのか…
17話完結予定です。
完結まで書き終わっております。
よろしくお願いいたします。
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
【完結】『推しの騎士団長様が婚約破棄されたそうなので、私が拾ってみた。』
ぽんぽこ@3/28新作発売!!
恋愛
【完結まで執筆済み】筋肉が語る男、冷徹と噂される騎士団長レオン・バルクハルト。
――そんな彼が、ある日突然、婚約破棄されたという噂が城下に広まった。
「……えっ、それってめっちゃ美味しい展開じゃない!?」
破天荒で豪快な令嬢、ミレイア・グランシェリは思った。
重度の“筋肉フェチ”で料理上手、○○なのに自由すぎる彼女が取った行動は──まさかの自ら押しかけ!?
騎士団で巻き起こる爆笑と騒動、そして、不器用なふたりの距離は少しずつ近づいていく。
これは、筋肉を愛し、胃袋を掴み、心まで溶かす姉御ヒロインが、
推しの騎士団長を全力で幸せにするまでの、ときめきと笑いと“ざまぁ”の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる