兄の代わりを務めたら嫌われものでした

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「西園寺、お前、、記憶がないんだっけ?それもほんとなのかどうやら。まあどうでもいいが、とりあえず付いてこい。」




無愛想に唐突に告げられたその言葉の冷たさに何も声が出なかった。



付いてこいと言われたからとりあえず歩幅の広い彼に置いていかれないように小走りで荷物を引きずりながらついて行く。


これから初めて寮にはいるから荷物は大量で、華奢な碧には辛いものがあった。




一瞬前を歩く彼がこっちを振り返り眉をひそめた。すぐに前を向いてしまったが少しだけ歩くスピードが遅くなったような気がした。





寮まではだいぶ距離があり、15分ほど歩いたらやっとそれっぽい建物が見えた。



入学式間近ということもありほとんどの人が既に入寮を終えているようで、生徒が何人もウロウロしているのが見えた。



なんだか視線を感じるが、まあ階段から落ちて意識不明の末記憶喪失だったら注目浴びるのも無理ないよなと思ってひとり納得していた。



ただその視線はただの興味だけでなく冷めたような目で見ている人や睨むような目、または怯えているような目が多く、碧自身もなんとなく嫌な雰囲気を感じており、幸先悪そうだと少しビクビクしていた。
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