兄の代わりを務めたら嫌われものでした

レタ

文字の大きさ
34 / 57

33

食事はあんまり取れないけど少しだけ頑張って食べている。
追試は日程的にもう受けないといけないらしくて、特例で医務室での受験になった。

ここ最近勉強してないから不安だったけどまあまあ解けた気はする。



優木先生はずっと優しくて僕に害をなすことをしないって身体が覚えてきたお陰か先生が話しかけたり僕に触れてもパニックが起こらなくなった。先生からは、「少しづつリハビリしていきたいね、でも焦る必要は全然ないよ」って言われてる。こんな状態が続いてると両親に知られて連れ戻されたりすぐ追い出されちゃうかもしれない。早く元に戻らないと。そうは思ってるんだけどどうしたらいいのか分からない。気持ちがなかなか受け付けない。



夕方、いつもはぐっすり昼寝をしちゃっているけど今日はうつらうつらして半分くらい意識が残っていた。


ガラガラ


誰か来た。もしかして皇様かな?
半分起きてるのに体は眠っているのか目は開かない。


「西園寺......」

そう言って手のひらが頬に触れる感触がする。
怖くて逃げ出したいけど動けない。


「ここに来るの許してくれてありがとう...どうしても近くにいたくて.....こんなに痩せちゃって......俺のせいだよな。ほんとにごめん..........名前、碧っていうんだね。碧くんがそんな子じゃない、ほんとに苦しんでるんだって短い期間だけど一緒の部屋で過ごして分かってたはずなのに......」


だんだん皇様の声が震えてきて、しばらくすると鼻がすする音が聞こえてくる。

泣いてる...?

さっきまで触られてることへの恐怖感が心の中を占めていたけど気づいたらそんな気持ち忘れていた。


その後しばらく皇様は僕の頭を撫で続けていた。

だんだん身体も目が覚めてきた。目を開けると皇様はパッと僕から手を離して慌ててベットの近くから離れる。その時一瞬見えた皇様の目は赤くなっていた。

「また来るね。」

それだけ言って帰っていく。

サイドテーブルを見るとフルーツや飲み物やお花が綺麗に並べて置いてあって近くには僕の荷物が置いてある。今日も持ってきてくれたんだ....


「先生....」

「どうしたの?」

「あの、皇様って、いつもお見舞いに来てくれる時、あんな感じなんですか...?」

「あれ?起きてたの?」

「身体は動かなかったけど意識だけはあって....」

「そうだったんだ。あるよね、そういうこと。そうだよ、いつも悠人くんはあんな感じ。いつもグスグスしちゃってね。あんな悠人くん初めて見たよ。碧くんが寝てるときだけ喋りかけてね。」

「そうだったんですね..」

なんだか今度は少しお話できる気がして、次来てくれた時にはちょっとだけ喋りかけてみよう、そう思った。


翌日は昼寝しないように勉強をして待っていた。

感想 41

あなたにおすすめの小説

【完結】それ以上近づかないでください。

ぽぽ
BL
「誰がお前のことなんか好きになると思うの?」 地味で冴えない小鳥遊凪は、ずっと憧れていた蓮見馨に勢いで告白してしまう。 するとまさかのOK。夢みたいな日々が始まった……はずだった。 だけど、ある出来事をきっかけに二人の関係はあっけなく終わる。 過去を忘れるために転校した凪は、もう二度と馨と会うことはないと思っていた。 ところが、ひょんなことから再会してしまう。 しかも、久しぶりに会った馨はどこか様子が違っていた。 「今度は、もう離さないから」 「お願いだから、僕にもう近づかないで…」

なぜ処刑予定の悪役子息の俺が溺愛されている?

詩河とんぼ
BL
 前世では過労死し、バース性があるBLゲームに転生した俺は、なる方が珍しいバットエンド以外は全て処刑されるというの世界の悪役子息・カイラントになっていた。処刑されるのはもちろん嫌だし、知識を付けてそれなりのところで働くか婿入りできたらいいな……と思っていたのだが、攻略対象者で王太子のアルスタから猛アプローチを受ける。……どうしてこうなった?

貧乏Ωが御曹司αの将来のために逃げた話。

ミカン
BL
オメガバース

総長の彼氏が俺にだけ優しい

桜子あんこ
BL
ビビりな俺が付き合っている彼氏は、 関東で最強の暴走族の総長。 みんなからは恐れられ冷酷で悪魔と噂されるそんな俺の彼氏は何故か俺にだけ甘々で優しい。 そんな日常を描いた話である。

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

運命の番は僕に振り向かない

ゆうに
BL
大好きだったアルファの恋人が旅先で運命の番と出会ってしまい、泣く泣く別れた経験があるオメガの千遥。 それ以来、ずっと自分の前にも運命の番があらわれることを切に願っていた。 オメガひとりの生活は苦しく、千遥は仕方なく身体を売って稼ぐことを決心する。 ネットで知り合った相手と待ち合わせ、雑踏の中を歩いている時、千遥は自分の運命の番を見つけた。 ところが視線が確かに合ったのに運命の番は千遥を避けるように去っていく。彼の隣には美しいオメガがいた。 ベータのような平凡な見た目のオメガが主人公です。 ふんわり現代、ふんわりオメガバース、設定がふんわりしてます。 完結しました!ありがとうございました。

たとえば、俺が幸せになってもいいのなら

夜月るな
BL
全てを1人で抱え込む高校生の少年が、誰かに頼り甘えることを覚えていくまでの物語――― 父を目の前で亡くし、母に突き放され、たった一人寄り添ってくれた兄もいなくなっていまった。 弟を守り、罪悪感も自責の念もたった1人で抱える新谷 律の心が、少しずつほぐれていく。 助けてほしいと言葉にする権利すらないと笑う少年が、救われるまでのお話。

言い逃げしたら5年後捕まった件について。

なるせ
BL
 「ずっと、好きだよ。」 …長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。 もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。 ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。  そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…  なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!? ーーーーー 美形×平凡っていいですよね、、、、