兄の代わりを務めたら嫌われものでした

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(悠人side)

碧くんと過ごしたあとを消したくなかったけど、しばらくして敦が来ると聞いて急いで部屋を片付ける。

自分の荷物を取り、一緒に使ってたものも元の自分の部屋に引き上げる。


風紀にも許可を得て寮は自分の生徒会専用の所に戻ることにした。


碧くんの部屋にはきっとあの日着ていく予定だった洋服が掛けられていたり、勉強していた跡だったりがそのまま残されていてそれを見る度胸が締め付けられる。




いつも通り朝教室に行くと、そこには敦がいた。

碧くんと確かに顔は似ているのかもしれないが、よく見なくても全然違うのが遠くから見ても分かる。



「悠人様~!」


見かけた途端駆け寄ってくるその姿に虫唾が走る。


「僕、記憶が戻ったんです!」



「そうか。」



付きまとってくる敦の相手をせずあしらう。

クラスメイトは今までの碧くんとの変わり具合に驚いていた。
そして、俺の態度の変わり方にも驚いていた。






敦は前までのようにまた横暴な態度をとり始めた。





次の土日、また外泊届を出し捜索に行った。


車から降ろされた場所を中心に探している。

当たって欲しくは無いが、夜のお店に聞き込みをする。


「あの、すみません。この子、知りませんか?」

持っている碧くんの写真を見せる。


「いや、知らないね。」


なかなかあたらない。いや、当たらない方がいい。


何件か聞いて回っているときだった。



「あれ、悠人くん?」


「蘭さん...!」

急に声をかけられ誰か思いきや、蓮の年の離れたお兄さんの蘭さんだった。


「久しぶり!こんなとこで何してんの?未成年は来ちゃダメでしょ!」

「お久しぶりです。違うんです。人探ししてて......」

「人探し...?」

「この子なんですけど.....」

写真を見せる。

「...この子...なんで探してるの?」

なんだか蘭さんの様子がおかしい。もしかして何か知ってるのか?

「蘭さん、何か知ってるんですか??」

「いや、そういう訳じゃないよ。ただ人探しって普通中々ないからなんでかなと思って。」

「大事な人なんです。詳しくは言えないんですけど、本当に大切な人なんです。気持ちを伝える前に事情があって会えなくなっちゃって...」

「そっか。見つかるといいね.....僕も何か分かったら連絡するね。」

「すみません、お願いします。」

何か知っていそうな感じもするけど、これ以上何を言ってもどうしようもなさそうでとりあえず今日は引く。


とにかく元気に安全に過ごしてくれていたらそれでいい。

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