兄の代わりを務めたら嫌われものでした

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部屋に入ると再び抱きしめられる。


「もう会えないかと思って不安だった。」

抱きしめられると悠人くんがいるって実感できる。


どことなくふたり顔を見合わせ、近づいてくる、と思った時には唇が重なっていた。


前のことがあってからこういった接触は無理かもと思っていたけど自然と受け入れられている。



いったん唇を離すと、


「口開けて」


そう言われてポカンとしてると再び重なる。


ヌルッとしたものが口の中に入ってきてて、気づいた時には食べられてるような気持ちになって、
それは僕の息が苦しくなるまで続いた。


苦しくなって、悠人くんの胸元を力なく叩くと離してくれた。


その瞬間力が抜けて立ってられなくなって、すぐに悠人くんが抱きとめてくれた。

「かわいい。腰抜けちゃった?」


恥ずかしくて顔が真っ赤になる。


「もう、悠人くんのバカ」


「ごめんごめん。」

そのまま抱きかかえられてベッドに乗せられる。



「ここ壁薄いし今日はまだしないでおこうね。碧くんもこういうことにこわい気持ち残ってるかもしれないし、ゆっくり進めていきたい。」


「うん。ありがとう。」


もしかして、と思ってドキドキしてたけど、僕のことを考えてゆっくり進めてくれるっていう悠人くんのことが大好きだ。


「ねぇ、碧くんのこと、碧って呼んでもいい?」


「うん。」



碧って呼ばれると距離が縮まった感じがしてますますドキドキする。


「碧は悠人って呼んでくれないの?」


「それは....もうちょっと慣れてから.....」


「ははっ、全然いいよ。悠人くんって呼ばれるのも気に入ってるからね。」




コンコン


「悠人くん、碧くん。お風呂もう湧いてるから好きな時に入ってね。」


「はい。」

蘭さんがドアの外から伝えてくれる。


「悠人くん、お先にどうぞ。僕もうちょっと落ち着いてから入りたい...」

「いいの?じゃあ遠慮なく。」



悠人くんが部屋を出ていった瞬間大きく息を吐く。

あまりに怒涛の展開にこれは現実なんだろうかという気持ちになってくる。


ほっぺたをつねってみるけど痛い。


これからずっと悠人くんと一緒なんだよね?
僕のために色々お家の方にまでお話してくれてて、プロポーズまでしてもらったってことだよね?


薬指をみてみるとそこには綺麗な光る銀色の指輪が輝いている。

改めて考えるとすごいこと過ぎて頭が追いつかない。

そんなふうに1人で頭の中でわたわたしてると悠人くんが戻ってきた。


「碧、お風呂上がったよ。もう落ち着いた?」

久しぶりに見たお風呂上がりの悠人くんは髪から水が滴っていて色気がすごい。

「あ、うん、入ってくるね。」


なんか直視出来なくて、逃げるようにお風呂に向かった。
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