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第2話:クリス・バハムートと言う少年
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エルトンドの国を治めるバハムート一族。現国王の名はルーカス・バハムートと言い、誰よりも国民とこの世界を愛す慈愛に満ちた国王であった。そのため、彼を慕う国民は数え切れないほど存在する。
そして、後の国王となる彼の子息の名はクリス・バハムート。彼の絹のように白い髪、そして琥珀色の瞳は神聖だとされ、その紳士的な振る舞いから彼を慕う国民も数知れず。
しかし、彼のそんな一面は表の物に過ぎない。
誰も知る者は居なかった。そんな紳士的な彼に絶望的な程の裏の顔があることを。そして、歴史を揺るがすあんな事件が起きるとは、この時は誰も思いはしていなかった。
クリスは城に完備されている図書館で読書に耽っていた。ランプの灯を頼りに本を机の上に積み重ね、それを読み込んでいく。
「クリス、勉強か? 」
クリスは慌てて顔を上げると、そこには微笑みを浮かべた自分の父親のルーカスが入口に居るのを確認する。
「はい。僕はいずれこのエルトンドの国王となる身。少しでも国のことや、国政のことを知っておきたいのです」
「大した心がけじゃな。クリスや、私がもし死んだりしたらこの国を任せたぞ」
「そんな悲しいことを仰らないでください。でも、この国をより良くしていくことをお約束します」
二人はそんな会話を交わし、ルーカスは図書館を後にする。足音が遠くなるのを確認したクリスは深く溜息を吐いて眉間を指で押さえる。
「危ないところだった…」
彼は本と本の間に隠した薄い数ページの本を取り出すと、それを開き読み始める。
タイトルは【世界の毒草・毒薬・毒族魔獣】。
「何が国民の為だ。そんな物の為に何かをして俺に見返りが返ってくるのか?本当に馬鹿げている」
クリス・バハムートは、確かに紳士的な少年ではある。しかしその反面、彼には唯我独尊と言っても過言では無い性格がある。
いや、この表現には語弊がある。そんな性格などと言う甘いものでは無い。
彼には共感するということができず、自分本意な感情の捉え方しかできないのだ。
「悪意の塊」
クリス・バハムートと言う少年を一言で表すならば、この言葉が適切だ。
「いずれはエルトンドだけでは無い、この世界そのものを俺の物にしてみせる」
少年はそう言って琥珀色の瞳をギラつかせ、嬉々とした表情で本を読み込んでいった。
そして、後の国王となる彼の子息の名はクリス・バハムート。彼の絹のように白い髪、そして琥珀色の瞳は神聖だとされ、その紳士的な振る舞いから彼を慕う国民も数知れず。
しかし、彼のそんな一面は表の物に過ぎない。
誰も知る者は居なかった。そんな紳士的な彼に絶望的な程の裏の顔があることを。そして、歴史を揺るがすあんな事件が起きるとは、この時は誰も思いはしていなかった。
クリスは城に完備されている図書館で読書に耽っていた。ランプの灯を頼りに本を机の上に積み重ね、それを読み込んでいく。
「クリス、勉強か? 」
クリスは慌てて顔を上げると、そこには微笑みを浮かべた自分の父親のルーカスが入口に居るのを確認する。
「はい。僕はいずれこのエルトンドの国王となる身。少しでも国のことや、国政のことを知っておきたいのです」
「大した心がけじゃな。クリスや、私がもし死んだりしたらこの国を任せたぞ」
「そんな悲しいことを仰らないでください。でも、この国をより良くしていくことをお約束します」
二人はそんな会話を交わし、ルーカスは図書館を後にする。足音が遠くなるのを確認したクリスは深く溜息を吐いて眉間を指で押さえる。
「危ないところだった…」
彼は本と本の間に隠した薄い数ページの本を取り出すと、それを開き読み始める。
タイトルは【世界の毒草・毒薬・毒族魔獣】。
「何が国民の為だ。そんな物の為に何かをして俺に見返りが返ってくるのか?本当に馬鹿げている」
クリス・バハムートは、確かに紳士的な少年ではある。しかしその反面、彼には唯我独尊と言っても過言では無い性格がある。
いや、この表現には語弊がある。そんな性格などと言う甘いものでは無い。
彼には共感するということができず、自分本意な感情の捉え方しかできないのだ。
「悪意の塊」
クリス・バハムートと言う少年を一言で表すならば、この言葉が適切だ。
「いずれはエルトンドだけでは無い、この世界そのものを俺の物にしてみせる」
少年はそう言って琥珀色の瞳をギラつかせ、嬉々とした表情で本を読み込んでいった。
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