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第1話:黒魔女の誕生
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肌を焼く様な日差しと熱風の中、少女はただ立ち尽くしていた。眼前には燃え尽きていく数体の魔獣と、その周りで腰を抜かしている人や、刀を自らに向けている人々。
「こ、この餓鬼…。 今、マナを消費しないで魔術を使ったぞ…? 」
「ま、魔女だ…。化物だ!! 」
何故こうなったのか。時は数時間前に遡る。
***********
世界の主要国のエルトンド。その国はとても豊かで、大地に眠るマナの量も豊富なことから生産物も豊富で、貿易国としても有名だ。
その国を治めるのは、バハムート一族。現国王であるルーカス・バハムートは絵に描いた様な心優しい国王で、国民を最優先に考えることから国民から親しまれている。
そして、彼の一人息子であるクリス・バハムート。綺麗な白い髪に琥珀色の瞳の彼は四つという齢ながらも絵に描いた様な紳士で、誰からも愛される王子である。
城から少し離れた場所にレイラ・アルトリアと言う、黒い髪に綺麗な赤い瞳をした、また誰からも愛される齢四つの女児が存在した。
しかし、レイラには誰にも秘密にしていることがあった。それは
“ マナを消費しないで魔術を使うことが出来ること ”
元々魔術は大気中に漂っている気化したマナを消費して初めて使えるものであって、マナを消費しないで魔術を使うことが出来るのは本来ならば有り得ないことなのだ。
レイラは幼くもそれバレてしまうことがいけないことだと判断しており、わざとマナを消費して魔術を使って生活をしていた。
「レイラちゃん。今日もおつかい? 偉いわね! 」
レイラはその日母から頼まれて、魚を買いに来ていた。藁で編まれた籠を肩から下げ、レースのフリルが付いた黒と赤のワンピースを揺らしてスキップをして歩く。
「今日はママのお誕生日なの! だからレイラもご飯作るのをお手伝いするのよ! 」
「レイラちゃんはお母さん思いの良い子だね。じゃあ、このお野菜も持って行きなさい! 」
「ありがとう! 」
レイラは野菜屋から野菜が沢山入った袋を笑顔で受け取ると、そのまま魚屋で魚を買い家路を急いだ筈だった。
彼女の眼前に広がるのは自宅周辺で魔獣に喰い殺されていく先程まで談笑していた人々、そして燃え上がる家々。
彼女は自分の頭の中が真っ白になるのを感じていた。
“ 私がやらなくちゃいけない ”
“ 私が皆を守る ”
その言葉が彼女の身体を突き動かす。
「紅蓮の雨⋯⋯ッ!! 」
彼女の頭上に掲げられた大きな火の塊が弾け、雨の様に数体の魔獣らに降り注ぐ。そして、人々はマナが減る感覚が無かったことに対して驚きと困惑を覚え、レイラを畏れるものを見るような目で見つめる。
その一撃で魔獣たちは倒れ、ただ立ち尽くす彼女とそれを取り囲む人々を肌を焼く様な日差しと熱風が包んでいる。
「こ、この餓鬼…。 今、マナを消費しないで魔術を使ったぞ…? 」
「ま、魔女だ…。化物だ!! 」
レイラはただ一点を見つめながら涙を一筋流す。その視線の先には血に濡れた、母がいつも身に付けていた家族写真が入ったハート型のロケットの付いたネックレスが落ちていた。
「化物は此所から出て行け!! 」
「魔女は本当に居たんだ…!! 嗚呼、恐ろしい!! 」
「あんなに良い子だと思っていたのにねえ… 」
石や水を掛けられながらレイラはそのネックレスを拾い、国の中心部からかなり外れた誰も来ない様な小汚い小屋に住むことを決めた。
魔女とは、災厄を招くとされる忌み嫌われる存在であり、マナを消費しなくとも魔術を使える存在だ。
そして、国民は彼女をその見た目から“ 黒魔女 ”と呼んだ。こうして、忌み嫌われる存在である黒魔女が誕生したのである。
「こ、この餓鬼…。 今、マナを消費しないで魔術を使ったぞ…? 」
「ま、魔女だ…。化物だ!! 」
何故こうなったのか。時は数時間前に遡る。
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世界の主要国のエルトンド。その国はとても豊かで、大地に眠るマナの量も豊富なことから生産物も豊富で、貿易国としても有名だ。
その国を治めるのは、バハムート一族。現国王であるルーカス・バハムートは絵に描いた様な心優しい国王で、国民を最優先に考えることから国民から親しまれている。
そして、彼の一人息子であるクリス・バハムート。綺麗な白い髪に琥珀色の瞳の彼は四つという齢ながらも絵に描いた様な紳士で、誰からも愛される王子である。
城から少し離れた場所にレイラ・アルトリアと言う、黒い髪に綺麗な赤い瞳をした、また誰からも愛される齢四つの女児が存在した。
しかし、レイラには誰にも秘密にしていることがあった。それは
“ マナを消費しないで魔術を使うことが出来ること ”
元々魔術は大気中に漂っている気化したマナを消費して初めて使えるものであって、マナを消費しないで魔術を使うことが出来るのは本来ならば有り得ないことなのだ。
レイラは幼くもそれバレてしまうことがいけないことだと判断しており、わざとマナを消費して魔術を使って生活をしていた。
「レイラちゃん。今日もおつかい? 偉いわね! 」
レイラはその日母から頼まれて、魚を買いに来ていた。藁で編まれた籠を肩から下げ、レースのフリルが付いた黒と赤のワンピースを揺らしてスキップをして歩く。
「今日はママのお誕生日なの! だからレイラもご飯作るのをお手伝いするのよ! 」
「レイラちゃんはお母さん思いの良い子だね。じゃあ、このお野菜も持って行きなさい! 」
「ありがとう! 」
レイラは野菜屋から野菜が沢山入った袋を笑顔で受け取ると、そのまま魚屋で魚を買い家路を急いだ筈だった。
彼女の眼前に広がるのは自宅周辺で魔獣に喰い殺されていく先程まで談笑していた人々、そして燃え上がる家々。
彼女は自分の頭の中が真っ白になるのを感じていた。
“ 私がやらなくちゃいけない ”
“ 私が皆を守る ”
その言葉が彼女の身体を突き動かす。
「紅蓮の雨⋯⋯ッ!! 」
彼女の頭上に掲げられた大きな火の塊が弾け、雨の様に数体の魔獣らに降り注ぐ。そして、人々はマナが減る感覚が無かったことに対して驚きと困惑を覚え、レイラを畏れるものを見るような目で見つめる。
その一撃で魔獣たちは倒れ、ただ立ち尽くす彼女とそれを取り囲む人々を肌を焼く様な日差しと熱風が包んでいる。
「こ、この餓鬼…。 今、マナを消費しないで魔術を使ったぞ…? 」
「ま、魔女だ…。化物だ!! 」
レイラはただ一点を見つめながら涙を一筋流す。その視線の先には血に濡れた、母がいつも身に付けていた家族写真が入ったハート型のロケットの付いたネックレスが落ちていた。
「化物は此所から出て行け!! 」
「魔女は本当に居たんだ…!! 嗚呼、恐ろしい!! 」
「あんなに良い子だと思っていたのにねえ… 」
石や水を掛けられながらレイラはそのネックレスを拾い、国の中心部からかなり外れた誰も来ない様な小汚い小屋に住むことを決めた。
魔女とは、災厄を招くとされる忌み嫌われる存在であり、マナを消費しなくとも魔術を使える存在だ。
そして、国民は彼女をその見た目から“ 黒魔女 ”と呼んだ。こうして、忌み嫌われる存在である黒魔女が誕生したのである。
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