セカンド・ワールドの魔王

魔王なおチュウ(魔闇直樹)

文字の大きさ
3 / 38
① 魔王の始まり

1-3 落ち込む小悪魔と笑う少女

しおりを挟む
「あぁ……結果こうなるのか」

 ついに夢にまで見た念願の、SWセカンド・ワールドに入ることが可能になり、望んでいた種族になることが出来た真理守。だが、望んでいた姿と違っていることに少なからず落ち込んでいる。

「まぁ、何かこの黒い感じは良いんだが現実とあまり変わんないこの身長、おまけに小悪魔感が引き立って可愛くなってる……

 彼は頭を抱え、嘆きがが止まらない用だ。

 しかも、追い討ちをかけるように、

「おーい、まりりん。葵だよ~」

 前々からSWセカンド・ワールドで一緒に冒険する約束をしていた幼馴染の【花色 葵】(はないろ あおい)が声をかけてくる。

「ゲッッ」

 会うことはわかっていたが心の準備ができていない真理守。それを彼女はいつも通りの感じで、

「あっ、まりりんかわいいやっぱり悪魔か~」

 真理守にのみ邪神の一撃のごとく恐ろしい一言を放つ。

「ぐっ……」
[やべぇ、泣きたい]

 わかってはいたが落ち込む真理守。そんな彼にあえて気にしない葵は、

「あっまりりんここでは、SWNセカンド・ワールド・ネーム呼んでね! 私はあおりんだよ~! そ・れ・と・も~あおちゃんって呼ぶ?」

 かわいらしい笑顔で葵、もとい【あおりん】が問う。

「あおりんで良いです」

 彼はすかさず答えた。

「つーか、あお……りんは何でまりりん何だ? 俺の名前見ろ!」

 真理守は文句を言ってみた。

「あっ、真しんが魔法の(ま)だ。でも、現実でも同じ・ま・り・す・だから大丈夫だよ。」

 だからどうしたと言わんばかりにあおりんが答える。

「いやいや、そういう事じゃなくて、その女みたいな可愛らしい名前で呼ぶのは……」

「男の子がそんな事気にしたらかっこ悪いよ~」

 真理守、もとい魔理守が必死に抵抗するが、あおりんが笑顔で返してた。

「そんな事言われましてもだな……」
[あっかわいい……って何考えてるんだ、俺!]

 なんとか照れる気持ちを押し殺し、平常心を保とうとする魔理守。

「それでまりりん、レベル上げどうする?行く?」

「ああ、行く!!」

 ケロッと楽しみにしていたレベル上げを出来ると喜ぶ魔理守。

~~~始まりの森~~~

 最初にいた町【始まりの村を】出て森へ行った二人。

「何でここなんだ?獣の森や、力の草原とかじゃねぇの?」

 知ってはいるが、ノリであおりんに聞いてみた。

「速攻でやられるよ~獣の森は熊や蛇いるし、今のまりりんじゃあのリスとハムスターに瞬殺だし、奥までいったら、パラディンドックいるし、パラウルフ来たら、絶望だよ~!」

 魔理守は、分かってはいたが、言いたい放題言われている。

「力の草原なんか行ったら、フルボッコにな……」

「了解わかった。ここで良いです」

 魔理守はあおりんの口を抑えた。

 そうこうしていると、二人の前に二匹のモンスターが現れた。

「こいつは確か、【キャンディーボール】ってやつか! レベルは1と2か。よし倒すか」

 魔理守は嬉しそうに言う。

「やられ掛けたら私も参戦するね」

「じゃ出番はないな、俺が倒すから」

 魔理守は、あおりんとの会話を終わらせ、腹に力を入れる。

「さぁ、俺のデビュー戦だ!!」

 魔理守は気分良く大声で言い放った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

処理中です...