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プロローグ
そこで全てを失った
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役目を終えて、空中と言う地平線上を高速浮遊している状況に何もせず、ただただ身を任せている自分。
常識人が僕を見たら遠い空の彼方の流れ星か何かに見えるかも知れない。
そんな自分の瞳からは綺麗な空と壮大な大地の間でさ迷っている様な気分。
落ちるのか否か、今はそれすら気にならない。
しかし、自分自身がこの時間に対し心地良く、暖かく、温もりを感じている。
その一方で、死なないで....と何処からテレパシーの様に言葉が伝わってくる。
誰かの声が聞こえる、女の子の声だ。
死なないで....
諦めないで....
希望を捨てないで....
死んじゃダメ....
キット助かる...
負けないで....
生きて....
生きて…
生きて…
説教なのか励ましなのか、そんな声が幾度と無く繰り返し自分に言い続ける。
でも自分は大切な恋人を失い、大切な仲間と街までも失いかけた。
その為に命を投げ出した、いや捧げた。
あれ、今話掛けてくれている女の子、誰だっけ....?
コード.....ルビ......カリヨ.......クロノ....
思い出せない....
自分の街は何処だ?
自分の大切な仲間....誰なんだ.....?
........................
そんな状態から世界を何処まで進んだのかさえ分からず、気が付けば自分は森林区域に大きな傷跡を残して地上へ落下していた。
即死してない...なぜ....
ただ体中が過労で衰弱している気がする。
立ち上がるどころか体を起こす気力すら湧かない。
意識がもうろうとしている僕の目の前には紅竜が居て、僕を見つめている。
紅竜を目の前にして食べられる、焼かれる、そんな恐怖心は一切無く、むしろ心が落ち着いていた。
終わると言う感覚でもなく、始まると言う感覚でもない。
「君は大切な人だから、僕の身体が失おうと、僕との思い出を失おうと、何時までも君の側でずっと...ずーっと僕が見守ってあげる」
紅竜から僕に語りかけてきている。
一体何の話なんだろう...
でも僕は、紅竜から何かしてもらった覚えも無いし、何かをした覚えも無い。
忘れているだけなのだろうか...
そんな事より、君は誰なんだ...?
そんな君もそうだけど、僕も...一体誰なんだ...?
そして僕と紅竜、僕達の関係は...?
「一つだけの命を大切に、僕の分まで幸せに生きていて欲しいから...大好きだよ....ずっと....いつ..までも....永..遠....に....」
その声は僕の意識が薄れていただけか、それとも自分が見ている紅竜が幻でそれが薄れていたのかは分からない。
それでも、大切な何かを握っている気がする。
そして、大切な何かを忘れている気がする。
今自分が紅竜へと伸ばしている右手を下ろすと、何もかもを失う気がした。
そう考えると、僕の瞳から涙がこぼれてきた。
「行かないでくれ...頼む、僕の前から消えないでくれっ!」
何を言っているんだろう、自分自身でも分かっていながらも自分のから言葉で紅竜に歩み寄る。
しかし紅竜に言葉が届いていないのか、更に紅竜は姿を薄めていく。
「クロノォオオオオ!!!」
闇雲に僕は何度もそれを叫んだ。
とても辛い、怖い、寂しい、悲しい...
そんな感情が、紅竜の姿が薄れていく度にいっそう強くなっていく。
しかし紅竜に自分の言葉は通じず、間もなく姿が消えてしまう。
その時、紅竜の顔が自分の顔に近付いて来る。
そして.....
「ありがと....大好きだよ...」
「僕もだ!僕も───────」
言葉を言い切る前に、紅竜の姿は無くなっていた。
消え去った紅竜に対し、僕は泣き崩れた。
そして次第に、他の記憶を失い、果てには今現在、泣いている理由すらも分からなくなっていた。
このまま、自分はどうなってしまうのだろう。
さっきまで心地良かったのに、今は凄く悲しくて寂しい。
そして、回りには誰も居ない。
そんな風に休む事無く長時間泣き崩れ続けたら自分は、その場で眠ってしまっていた。
次第に僕は記憶を失くしてしまっていた。
常識人が僕を見たら遠い空の彼方の流れ星か何かに見えるかも知れない。
そんな自分の瞳からは綺麗な空と壮大な大地の間でさ迷っている様な気分。
落ちるのか否か、今はそれすら気にならない。
しかし、自分自身がこの時間に対し心地良く、暖かく、温もりを感じている。
その一方で、死なないで....と何処からテレパシーの様に言葉が伝わってくる。
誰かの声が聞こえる、女の子の声だ。
死なないで....
諦めないで....
希望を捨てないで....
死んじゃダメ....
キット助かる...
負けないで....
生きて....
生きて…
生きて…
説教なのか励ましなのか、そんな声が幾度と無く繰り返し自分に言い続ける。
でも自分は大切な恋人を失い、大切な仲間と街までも失いかけた。
その為に命を投げ出した、いや捧げた。
あれ、今話掛けてくれている女の子、誰だっけ....?
コード.....ルビ......カリヨ.......クロノ....
思い出せない....
自分の街は何処だ?
自分の大切な仲間....誰なんだ.....?
........................
そんな状態から世界を何処まで進んだのかさえ分からず、気が付けば自分は森林区域に大きな傷跡を残して地上へ落下していた。
即死してない...なぜ....
ただ体中が過労で衰弱している気がする。
立ち上がるどころか体を起こす気力すら湧かない。
意識がもうろうとしている僕の目の前には紅竜が居て、僕を見つめている。
紅竜を目の前にして食べられる、焼かれる、そんな恐怖心は一切無く、むしろ心が落ち着いていた。
終わると言う感覚でもなく、始まると言う感覚でもない。
「君は大切な人だから、僕の身体が失おうと、僕との思い出を失おうと、何時までも君の側でずっと...ずーっと僕が見守ってあげる」
紅竜から僕に語りかけてきている。
一体何の話なんだろう...
でも僕は、紅竜から何かしてもらった覚えも無いし、何かをした覚えも無い。
忘れているだけなのだろうか...
そんな事より、君は誰なんだ...?
そんな君もそうだけど、僕も...一体誰なんだ...?
そして僕と紅竜、僕達の関係は...?
「一つだけの命を大切に、僕の分まで幸せに生きていて欲しいから...大好きだよ....ずっと....いつ..までも....永..遠....に....」
その声は僕の意識が薄れていただけか、それとも自分が見ている紅竜が幻でそれが薄れていたのかは分からない。
それでも、大切な何かを握っている気がする。
そして、大切な何かを忘れている気がする。
今自分が紅竜へと伸ばしている右手を下ろすと、何もかもを失う気がした。
そう考えると、僕の瞳から涙がこぼれてきた。
「行かないでくれ...頼む、僕の前から消えないでくれっ!」
何を言っているんだろう、自分自身でも分かっていながらも自分のから言葉で紅竜に歩み寄る。
しかし紅竜に言葉が届いていないのか、更に紅竜は姿を薄めていく。
「クロノォオオオオ!!!」
闇雲に僕は何度もそれを叫んだ。
とても辛い、怖い、寂しい、悲しい...
そんな感情が、紅竜の姿が薄れていく度にいっそう強くなっていく。
しかし紅竜に自分の言葉は通じず、間もなく姿が消えてしまう。
その時、紅竜の顔が自分の顔に近付いて来る。
そして.....
「ありがと....大好きだよ...」
「僕もだ!僕も───────」
言葉を言い切る前に、紅竜の姿は無くなっていた。
消え去った紅竜に対し、僕は泣き崩れた。
そして次第に、他の記憶を失い、果てには今現在、泣いている理由すらも分からなくなっていた。
このまま、自分はどうなってしまうのだろう。
さっきまで心地良かったのに、今は凄く悲しくて寂しい。
そして、回りには誰も居ない。
そんな風に休む事無く長時間泣き崩れ続けたら自分は、その場で眠ってしまっていた。
次第に僕は記憶を失くしてしまっていた。
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