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第9章 世代交代への動き
15.契約【後編】
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(我は、共工、かっては、お前が憎む天に、この世の王となる様にと、選ばれたモノなり)
(しかし、奴は手のひらを返しおった)
(我のやり方が、失敗だと、我を責め、己で我に与えた権限を、アヤツは、女媧はワシから奪い返したのじゃ)
『女媧?、貴方様が言う女媧とは、まさか我ら人を創造したという、神の事か?』
(・・・・黙れ!)
『ギャア~】
趙高は、その場で頭を抱え倒れ、悶え苦しんだ。
共工の恫喝の様な言葉と同時に、趙高の頭が握りつぶされるような激しい痛みに襲われからである。
『お許しを、お許しを、お許し下され』
趙高は、正に地獄の苦しみから逃れようと、絶対的な力を持った、何かに慈悲を乞うた。
(2度目は無い、我の話を遮る事は許さん・・)
(奴は、我を封じる時、こう言った)
(人の世は、人に治めさせると・・人を越えた我に統治させた事が事態が失敗であったと)
(・・・ア奴は、自分の失敗を認めず、我に擦り付けただけじゃ・・・)
(それは、お主も知っているとおり、人間の歴史は、殺し合いばかり・・)
(我に替わり、女媧が選んだ人間の王とやらは、権力に執着する)
(我と同じでは無いか、イヤ我以上じゃ!)
(・・・それでも、女媧は、変わらず人間から、王を選ぶ・・)
(我は、人間の歴史をずっと見て来た、封印された場所からずっとじゃ)
(なぜじゃ、なぜなのじゃ、なぜ我より劣る人間どもに、その意味とは・・女媧の真意はどこにあるとずっと考えたが、・・・・・気づいたのじゃ)
(奴の真意を知る必要など無いと・・)
(我の頭に、ある日、一つの考えが閃いたからじゃ)
(・・・我が再び人界を支配できる方法が・・・)
人間の顔と大蛇の胴を持ったバケモノの思念は、其処で止まり、そして今度はユックリと趙高へ近づいて来た。
共工の顔は、趙高の顔の近くまでとまららず、息がかかる位置まで来て静止する。
『ヒィィッ』
趙高は、おぞましさ、恐怖に耐えきれず、思わず叫んでしまった。
(簡単な事じゃ・・・・我が人間に転生すれば良いのじゃ)
(我が人間に生まれ変わり、人間として、人界を支配する)
(そうすれば、女媧は我に手を出せん・・あ奴の負けじゃ)
(我は、既に転生の術を使い、転生の日を待っておったのだが、一つ大きな問題があってのう)
(転生の条件は、前世の記憶を失う事・・・我は前世の記憶を失い、唯の人間として生きるじゃろう)
(我でも、その決まりは覆らなかった・・・其処でじゃ)
(お主の力が必要じゃ・・・・趙高よ)
(お主が、転生した我をみつけ、我が忘れている記憶を呼び覚ます・・)
(その役目を、お主に与える・・・・)
『見つける?この広い世界で、どうやって見つける事ができるのでしょうか?』
『会えば、分かる、お主にはわかる様に、我が呪をかける』
『ッ・・・お声が・・・』
突然、思念から、声に変えた共工に趙高は驚いた。
『我は、約1700年後、秦ではない、国で生を受ける』
『何処の国でございますか?匈奴の国?それとも、もっと遠い国でございますか』
『今は、未だ何も無い地じゃ・・・』
『・・・確かお主らが、蓬莱の国と呼んでいた地じゃ』
『不老不死の霊薬が眠るという、あの蓬莱の国でございますか・・』
『そうじゃ、我はその地で生まれ、先ずはその地を支配し、その軍を率いて再びこの秦の地を支配しにやってくる』
『お主は、その日の為に影から我を助けよ・・・』
共工はそう言って、再び元の位置まで下がり、不気味な音共に蜷局を巻いたのである。
『・・・仰せのままに』
趙高の声には、始皇帝へ仕えていた頃のような主君への恐怖と、言葉では言えない興奮の両方が含まれていた。
彼は、新しき自分の王と役目を見つけたのである。
この世の全てを破壊するという、不吉であるがとても甘美な役目を・・秦を滅ぼした男は受けたのである。
帰蝶と信長の祝言の約1700年前の事であった。
(しかし、奴は手のひらを返しおった)
(我のやり方が、失敗だと、我を責め、己で我に与えた権限を、アヤツは、女媧はワシから奪い返したのじゃ)
『女媧?、貴方様が言う女媧とは、まさか我ら人を創造したという、神の事か?』
(・・・・黙れ!)
『ギャア~】
趙高は、その場で頭を抱え倒れ、悶え苦しんだ。
共工の恫喝の様な言葉と同時に、趙高の頭が握りつぶされるような激しい痛みに襲われからである。
『お許しを、お許しを、お許し下され』
趙高は、正に地獄の苦しみから逃れようと、絶対的な力を持った、何かに慈悲を乞うた。
(2度目は無い、我の話を遮る事は許さん・・)
(奴は、我を封じる時、こう言った)
(人の世は、人に治めさせると・・人を越えた我に統治させた事が事態が失敗であったと)
(・・・ア奴は、自分の失敗を認めず、我に擦り付けただけじゃ・・・)
(それは、お主も知っているとおり、人間の歴史は、殺し合いばかり・・)
(我に替わり、女媧が選んだ人間の王とやらは、権力に執着する)
(我と同じでは無いか、イヤ我以上じゃ!)
(・・・それでも、女媧は、変わらず人間から、王を選ぶ・・)
(我は、人間の歴史をずっと見て来た、封印された場所からずっとじゃ)
(なぜじゃ、なぜなのじゃ、なぜ我より劣る人間どもに、その意味とは・・女媧の真意はどこにあるとずっと考えたが、・・・・・気づいたのじゃ)
(奴の真意を知る必要など無いと・・)
(我の頭に、ある日、一つの考えが閃いたからじゃ)
(・・・我が再び人界を支配できる方法が・・・)
人間の顔と大蛇の胴を持ったバケモノの思念は、其処で止まり、そして今度はユックリと趙高へ近づいて来た。
共工の顔は、趙高の顔の近くまでとまららず、息がかかる位置まで来て静止する。
『ヒィィッ』
趙高は、おぞましさ、恐怖に耐えきれず、思わず叫んでしまった。
(簡単な事じゃ・・・・我が人間に転生すれば良いのじゃ)
(我が人間に生まれ変わり、人間として、人界を支配する)
(そうすれば、女媧は我に手を出せん・・あ奴の負けじゃ)
(我は、既に転生の術を使い、転生の日を待っておったのだが、一つ大きな問題があってのう)
(転生の条件は、前世の記憶を失う事・・・我は前世の記憶を失い、唯の人間として生きるじゃろう)
(我でも、その決まりは覆らなかった・・・其処でじゃ)
(お主の力が必要じゃ・・・・趙高よ)
(お主が、転生した我をみつけ、我が忘れている記憶を呼び覚ます・・)
(その役目を、お主に与える・・・・)
『見つける?この広い世界で、どうやって見つける事ができるのでしょうか?』
『会えば、分かる、お主にはわかる様に、我が呪をかける』
『ッ・・・お声が・・・』
突然、思念から、声に変えた共工に趙高は驚いた。
『我は、約1700年後、秦ではない、国で生を受ける』
『何処の国でございますか?匈奴の国?それとも、もっと遠い国でございますか』
『今は、未だ何も無い地じゃ・・・』
『・・・確かお主らが、蓬莱の国と呼んでいた地じゃ』
『不老不死の霊薬が眠るという、あの蓬莱の国でございますか・・』
『そうじゃ、我はその地で生まれ、先ずはその地を支配し、その軍を率いて再びこの秦の地を支配しにやってくる』
『お主は、その日の為に影から我を助けよ・・・』
共工はそう言って、再び元の位置まで下がり、不気味な音共に蜷局を巻いたのである。
『・・・仰せのままに』
趙高の声には、始皇帝へ仕えていた頃のような主君への恐怖と、言葉では言えない興奮の両方が含まれていた。
彼は、新しき自分の王と役目を見つけたのである。
この世の全てを破壊するという、不吉であるがとても甘美な役目を・・秦を滅ぼした男は受けたのである。
帰蝶と信長の祝言の約1700年前の事であった。
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