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第3章 選抜訓練
9.海の中での苦闘 前編(長い一日)79/200
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遠泳訓練の朝、久之助達は6時に起こされ、船に乗り遠泳の開始地点まで向かった。
船の上で、七郎三郎と与十郎の兄弟が久之助に話しかけてきた。
『久之助殿、今日は宜しくお願い致します!。』と先ず挨拶をしてきたのが兄の七郎三郎であった。
『七郎殿、私こそ今日は宜しく頼む。』
『しかし、与十郎と兄弟二人とも揃って、よくぞ今日まで生き残れておったの、高松城の殿(宗治)と月清殿が二人の活躍を知ったら、さぞ驚く事だろうなぁ。』と久之助は挨拶を返し、正直な感想を七郎三郎に伝えたのであった。
『ここまで来れたのだから、最後まで頑張ろうと、毎日兄者と励ましあってますよ!。』と七郎三郎の弟である与十郎の元気な声が、久之助の後ろから聞こえてきた。
5年前、七郎三郎と与十郎の兄弟は、城主宗治に引き取られ、高松城へやって来た。
二人の両親とその他の家族は、5年前の流行り病で亡くなってしまったのである。
身寄りを失った二人は、緊急措置的に村の長が面倒をみたが、二人の行く末を憂い、その長が宗治に二人の事を相談したのが縁であった。
紆余曲折をえて、宗治が二人を引き取り、高松城での仕事を二人に与えたのであった。
当時、七郎三郎は12歳、与十郎は10歳であった。
心優しき清水家の人々は、二人を只の使用人としては接せず、まるで親戚の子の様に温かく迎えたのであった。最初に彼らに与えた仕事は主に高松城の掃除が主であったが、二人は其れを一生懸命こなしたので、だんだんと二人を頼りにする様になっていった。
兄の七郎三郎は、心根が優しく、動物好きでまた動物の世話をするのが大好きであった為、今は、彼の特性を見込んで月清が、自分の馬の世話を頼んでいた。
弟の与十郎は、利発な子で視野も広く、気が利く子であった為、宗治が草履取として近くに置き、身の回りの細かい仕事を彼にさせていた。その為、宗治の腹心である久之助との接点が多く、久之助は接点をとおし彼らの人柄と能力をよく知っていた。
三人が会話を楽しんでいると、『三人とも、よく平然と楽しく会話をしておりますな、ワシなんか、昨日のサメの話が頭から離れず、昨日は、ほとんど眠れなかったので・・・。』と松田が眠たそうに目を細くしながら言い、会話に入って来たのであった。
松田の言葉に、『サメは私も怖い、ただこればかりは、出たとこ勝負ですな・・。』と久之助が返す。
覚悟の決まった様な物言いで、その声はどこか明るかった。
『松田殿、心配ござるな、お主は真ん中で泳ぐ、前から、若しくは後ろからサメが来ようとも、お主は最後じゃよ。どうだ?少しは気が楽になったじゃろ?。』と気がつけば守屋も話に加わったのである。
『ワシは、これでも昔は足守川のカワウソと呼ばれた程、泳ぎは得意なのじゃ、今日はお主の後ろを泳ぐかのう・・。』と守屋は続ける。
其れを聞いて、動物に詳しい七郎三郎が、『守屋殿、カワウソは狩りをする時に、水に少し入るだけですよ、泳ぎがそれほど上手いというわけでは・・・。』と冷静に守屋にツッコミをする。
『エ・・・、あ、そうなの、初めて知った。例えじゃ、例え・・ワシの顔も、よく見れば可愛いじゃろ、カワウソの様に?。』と誤魔化す守屋の様子が、周囲の雰囲気を和ませ、笑いが起きた。
5人がそんな話をしていると、船は目的地に到着したのであった。
船が止まり、赤組担当の若い監視員が大きな声で話始める。『此処から泳ぎ、あの向こうの島迄、泳ぐのじゃ!!。』
若い男が指で指した方向には島は見えなかった。只、その方向には、小さくポツンと浮かんでいる物が見えた気がした。
軽食が準備されているという小船だろうか、とにかく若い男が指し示す方向へ泳ぐしかなく、久之助達は服を脱ぎ、指示される順番毎に海に入ったのであった。その日は曇りであった。海に入って直ぐは、急激な温度変化の為、ヒャッと冷たく、水温になれる迄暫く時間はかかるが、慣れるとそれ程海水は冷たくなかった。それだけでも幸運に思えた久之助であった。
海に入った久之助達は、左先頭から、久之助、七郎三郎、真ん中に、松田、与十郎、後方に、守屋、庄九朗の陣形で泳ぎ始めた。
最初の休憩用の船までは、特に何の問題もなく順調であった。
最初の船は、無人ではなく、村上家の者が待機しており、『腹は減っているか?水は飲みたいか?。』と聞いて来たので、久之助が代表して『水も飲みたいが、腹も減っている、何か食べるモノが有るのか?』と答えると、村上家の男は、瓢箪3本の水と、握り飯を各人に一個ずつくれたのであった。
その時、久之助はそれ程空腹を覚えていなかったが、次何時食べられる保証は無い為、食べる選択をしたのであった。
空腹を感じていなかった久之助だが、瓢箪の水を回し飲みしながら食べた握り飯の味は、どこか特別であり、美味しかった。
自分達が応援されているような、褒美の様な味がしたのである。久之助以外の者も、同じ感覚をうけたのか、皆『美味い、美味い。』と言いながら食べたのであった。
最初の休憩を取り、再び泳ぎ始めた久之助達に、海が最初の洗礼を浴びせたのが、最初の休憩から1時間が過ぎた頃であった。
久之助が泳いでいると、前方に白クラゲの群れが浮いている事に気がついたのであった。大量の白クラゲが、久之助達の行方を塞ぐ様に浮いていたのである。
『クラゲの群れじゃ!皆止まって、私の後ろに1列に並んでくれ~!。』と久之助は大きな声で他の者達に伝えた。
久之助の声を聞き、慌てて他の者達全員が、久之助の後ろに並ぶ。一列になり、泳ぐ彼らは、まるで久之助が槍の穂先になり、一本の槍のように、白クラゲの群れを分断するように泳いでいく。
久之助は先頭になって、クラゲのいない方向を選び進んでいく。時には、クラゲとぶつかりそうになり、手が直接触れない様に、水を掻き、クラゲを水圧でどかしながら、ゆっくりと着実に前に進んだのであった。
10分ぐらいで、白クラゲの群れを越える事ができた。運よく、久之助を含めクラゲに刺される者はいなかった。
久之助は、自分達の幸運と、自分の指示を直ぐに聞いてくれた仲間達の素直さに感謝していたのであった。
それから、1時間程泳いだ後、2番目の休憩船に辿り着いたのであった。船には、最初の船同様に村上家の男が乗っており、その他、裸の男が二人乗っていた。脱落者達である事は直ぐに分った。
村上家の者が、『水は有るが、握り飯は無い、水を飲むか?』と聞いて来たので、久之助が頷くと、又3本の瓢箪を投げ渡してきた。
久之助達は船に摑まりながら、その場で瓢箪の中の水を飲み干し、3番目の休憩船を目指して出発した。
(握り飯は無かったのだろうか?それとも先頭の者達が食べきってしまい、残っていなかったのか?)と久之助は、今後の行く末を占う補給に一抹の不安を覚え泳いでいたのであった。
2番目の船から3番目の船までの間で、久之助達を待ち受けていた試練は潮の流れの速さであった。
6人が泳いでいると、真ん中で泳いでいた松田が、横からの潮の流れにおされ、進行方向から左に大きく流されそうになったのである。
松田の後ろを泳いでいた守屋が、いち早く松田が流された事に気がつき、後ろから松田に追いつき、誘導し、力技で松田を元の進路へ戻したのであった。
戻ってこれたから、良かったが、守屋が咄嗟に判断できていなければ、守屋が人知れず何処迄ながされたか予想もできず、6人全員の肝を冷やす出来事だった。
『守屋殿、スマヌ、助かった。』と松田が守屋に礼を言うと、『足守川のカワウソ面目躍如でござる。』と守屋は真面目に答えず、照れながらお道化て見せたのであった。
若い監視員の男が、集団で配置を決めて泳がせた理由が皆理解できたのであった。
3番目の休憩船には、村上家の者が乗っておらず、その代わり4人の脱落者が船には乗っていた。
船には水も、握り飯も残っていなかった。久之助達は船に摑まり、暫く休憩を取っただけで、4番目の船を目指し出発した。
船の上で、七郎三郎と与十郎の兄弟が久之助に話しかけてきた。
『久之助殿、今日は宜しくお願い致します!。』と先ず挨拶をしてきたのが兄の七郎三郎であった。
『七郎殿、私こそ今日は宜しく頼む。』
『しかし、与十郎と兄弟二人とも揃って、よくぞ今日まで生き残れておったの、高松城の殿(宗治)と月清殿が二人の活躍を知ったら、さぞ驚く事だろうなぁ。』と久之助は挨拶を返し、正直な感想を七郎三郎に伝えたのであった。
『ここまで来れたのだから、最後まで頑張ろうと、毎日兄者と励ましあってますよ!。』と七郎三郎の弟である与十郎の元気な声が、久之助の後ろから聞こえてきた。
5年前、七郎三郎と与十郎の兄弟は、城主宗治に引き取られ、高松城へやって来た。
二人の両親とその他の家族は、5年前の流行り病で亡くなってしまったのである。
身寄りを失った二人は、緊急措置的に村の長が面倒をみたが、二人の行く末を憂い、その長が宗治に二人の事を相談したのが縁であった。
紆余曲折をえて、宗治が二人を引き取り、高松城での仕事を二人に与えたのであった。
当時、七郎三郎は12歳、与十郎は10歳であった。
心優しき清水家の人々は、二人を只の使用人としては接せず、まるで親戚の子の様に温かく迎えたのであった。最初に彼らに与えた仕事は主に高松城の掃除が主であったが、二人は其れを一生懸命こなしたので、だんだんと二人を頼りにする様になっていった。
兄の七郎三郎は、心根が優しく、動物好きでまた動物の世話をするのが大好きであった為、今は、彼の特性を見込んで月清が、自分の馬の世話を頼んでいた。
弟の与十郎は、利発な子で視野も広く、気が利く子であった為、宗治が草履取として近くに置き、身の回りの細かい仕事を彼にさせていた。その為、宗治の腹心である久之助との接点が多く、久之助は接点をとおし彼らの人柄と能力をよく知っていた。
三人が会話を楽しんでいると、『三人とも、よく平然と楽しく会話をしておりますな、ワシなんか、昨日のサメの話が頭から離れず、昨日は、ほとんど眠れなかったので・・・。』と松田が眠たそうに目を細くしながら言い、会話に入って来たのであった。
松田の言葉に、『サメは私も怖い、ただこればかりは、出たとこ勝負ですな・・。』と久之助が返す。
覚悟の決まった様な物言いで、その声はどこか明るかった。
『松田殿、心配ござるな、お主は真ん中で泳ぐ、前から、若しくは後ろからサメが来ようとも、お主は最後じゃよ。どうだ?少しは気が楽になったじゃろ?。』と気がつけば守屋も話に加わったのである。
『ワシは、これでも昔は足守川のカワウソと呼ばれた程、泳ぎは得意なのじゃ、今日はお主の後ろを泳ぐかのう・・。』と守屋は続ける。
其れを聞いて、動物に詳しい七郎三郎が、『守屋殿、カワウソは狩りをする時に、水に少し入るだけですよ、泳ぎがそれほど上手いというわけでは・・・。』と冷静に守屋にツッコミをする。
『エ・・・、あ、そうなの、初めて知った。例えじゃ、例え・・ワシの顔も、よく見れば可愛いじゃろ、カワウソの様に?。』と誤魔化す守屋の様子が、周囲の雰囲気を和ませ、笑いが起きた。
5人がそんな話をしていると、船は目的地に到着したのであった。
船が止まり、赤組担当の若い監視員が大きな声で話始める。『此処から泳ぎ、あの向こうの島迄、泳ぐのじゃ!!。』
若い男が指で指した方向には島は見えなかった。只、その方向には、小さくポツンと浮かんでいる物が見えた気がした。
軽食が準備されているという小船だろうか、とにかく若い男が指し示す方向へ泳ぐしかなく、久之助達は服を脱ぎ、指示される順番毎に海に入ったのであった。その日は曇りであった。海に入って直ぐは、急激な温度変化の為、ヒャッと冷たく、水温になれる迄暫く時間はかかるが、慣れるとそれ程海水は冷たくなかった。それだけでも幸運に思えた久之助であった。
海に入った久之助達は、左先頭から、久之助、七郎三郎、真ん中に、松田、与十郎、後方に、守屋、庄九朗の陣形で泳ぎ始めた。
最初の休憩用の船までは、特に何の問題もなく順調であった。
最初の船は、無人ではなく、村上家の者が待機しており、『腹は減っているか?水は飲みたいか?。』と聞いて来たので、久之助が代表して『水も飲みたいが、腹も減っている、何か食べるモノが有るのか?』と答えると、村上家の男は、瓢箪3本の水と、握り飯を各人に一個ずつくれたのであった。
その時、久之助はそれ程空腹を覚えていなかったが、次何時食べられる保証は無い為、食べる選択をしたのであった。
空腹を感じていなかった久之助だが、瓢箪の水を回し飲みしながら食べた握り飯の味は、どこか特別であり、美味しかった。
自分達が応援されているような、褒美の様な味がしたのである。久之助以外の者も、同じ感覚をうけたのか、皆『美味い、美味い。』と言いながら食べたのであった。
最初の休憩を取り、再び泳ぎ始めた久之助達に、海が最初の洗礼を浴びせたのが、最初の休憩から1時間が過ぎた頃であった。
久之助が泳いでいると、前方に白クラゲの群れが浮いている事に気がついたのであった。大量の白クラゲが、久之助達の行方を塞ぐ様に浮いていたのである。
『クラゲの群れじゃ!皆止まって、私の後ろに1列に並んでくれ~!。』と久之助は大きな声で他の者達に伝えた。
久之助の声を聞き、慌てて他の者達全員が、久之助の後ろに並ぶ。一列になり、泳ぐ彼らは、まるで久之助が槍の穂先になり、一本の槍のように、白クラゲの群れを分断するように泳いでいく。
久之助は先頭になって、クラゲのいない方向を選び進んでいく。時には、クラゲとぶつかりそうになり、手が直接触れない様に、水を掻き、クラゲを水圧でどかしながら、ゆっくりと着実に前に進んだのであった。
10分ぐらいで、白クラゲの群れを越える事ができた。運よく、久之助を含めクラゲに刺される者はいなかった。
久之助は、自分達の幸運と、自分の指示を直ぐに聞いてくれた仲間達の素直さに感謝していたのであった。
それから、1時間程泳いだ後、2番目の休憩船に辿り着いたのであった。船には、最初の船同様に村上家の男が乗っており、その他、裸の男が二人乗っていた。脱落者達である事は直ぐに分った。
村上家の者が、『水は有るが、握り飯は無い、水を飲むか?』と聞いて来たので、久之助が頷くと、又3本の瓢箪を投げ渡してきた。
久之助達は船に摑まりながら、その場で瓢箪の中の水を飲み干し、3番目の休憩船を目指して出発した。
(握り飯は無かったのだろうか?それとも先頭の者達が食べきってしまい、残っていなかったのか?)と久之助は、今後の行く末を占う補給に一抹の不安を覚え泳いでいたのであった。
2番目の船から3番目の船までの間で、久之助達を待ち受けていた試練は潮の流れの速さであった。
6人が泳いでいると、真ん中で泳いでいた松田が、横からの潮の流れにおされ、進行方向から左に大きく流されそうになったのである。
松田の後ろを泳いでいた守屋が、いち早く松田が流された事に気がつき、後ろから松田に追いつき、誘導し、力技で松田を元の進路へ戻したのであった。
戻ってこれたから、良かったが、守屋が咄嗟に判断できていなければ、守屋が人知れず何処迄ながされたか予想もできず、6人全員の肝を冷やす出来事だった。
『守屋殿、スマヌ、助かった。』と松田が守屋に礼を言うと、『足守川のカワウソ面目躍如でござる。』と守屋は真面目に答えず、照れながらお道化て見せたのであった。
若い監視員の男が、集団で配置を決めて泳がせた理由が皆理解できたのであった。
3番目の休憩船には、村上家の者が乗っておらず、その代わり4人の脱落者が船には乗っていた。
船には水も、握り飯も残っていなかった。久之助達は船に摑まり、暫く休憩を取っただけで、4番目の船を目指し出発した。
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