戦神(せんじん)の魂と経験共有で強くなる~白き戦神の冒険譚~

ルキノア

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代表戦編inランドレウス

アルノアの魔法

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相手陣営から、リュネアの生命魔法による巨大な蔦の槍が生成される。それを見てすぐさま、後方のエリオットが風魔法を纏わせて速度を強化し、アルノア目掛けて放った。

「逃がさないわ!」
リュネアが続けざまに、風で鋭く切り裂く小型の刃を無数に放つ。風と生命魔法の連携で、アルノアに逃げ場を与えないように追い詰める動きだ。

だが、アルノアが動こうとした瞬間、目の前にアリシアが立ち塞がった。

「ここは任せて。」

アリシアが軽く手を上げると、地面が揺れ、岩の壁が一瞬で生成される。巨大な蔦の槍と無数の風の刃が岩にぶつかり、爆風と共に弾け飛んだ。破片と魔力の衝撃が周囲を包み込むが、アリシアは微動だにせず、悠然と立っている。

「……さすが、全然効いてない。」
エリオットが舌打ちしながら構えを直す。

アリシアは岩壁を軽く指先で弾き飛ばすと、振り返りざまにアルノアを見つめた。その瞳には自信と余裕が浮かんでいる。

「アルノア、強い魔法勝負も少し見せてあげたらどう?ここまで防いでばかりじゃつまらないでしょう。」

「……別に隠すつもりはないけど、使わなくても勝てると思ったんだ。」

「それでも、ね。観客たちはあなたの本当の力を見たいと思っているわ。」
アリシアが軽く微笑むと、岩壁の破片を蹴散らして一歩前に進んだ。

「私が前衛の相手はしてあげるから、後衛の魔法勝負であなたの力を見せつけてあげなさい。」

その言葉に観客席から大きなどよめきが起こる。今まで抑えられていたアルノアの魔法への期待が再び高まったのだ。

「そう言うなら……やってみるよ。」

アルノアは大鎌を軽く振り、エーミラティスの力を大鎌の刃に纏わせる。白銀のオーラが波打つ中、彼の目がゼファーたちの後衛に向けられた。

「少しだけ、本気をだそうかな。」

 アルノアは静かに息を整え、手に持つ大鎌を高々と掲げる。そして冷たく響く声で一言――

白雷氷刃

その瞬間、大鎌全体に雷光と冷気が絡みつく。蒼白い稲妻が刃先を駆け巡り、冷気が霜をまとわせるように形を変えていく。観客席からも驚きの声が漏れ始めた。

「な、なんだあの魔力の圧力は……!」
「雷と氷……それを同時に扱うなんて!」

アルノアは淡々とした表情のまま大鎌を大きく振り下ろす。すると、雷撃を纏った氷の斬撃が放たれ、まっすぐ相手チームの後衛――リュネアとゼファーへと迫る。蒼白く輝く斬撃は鋭く、地面を切り裂きながら疾走した。

「生命の炎よ――燃え盛れ!」

ゼファーは動揺することなく、すかさず生命魔法で強化した炎魔法を放つ。リュネアの魔力が注がれたことで、赤黒い炎はさらに巨大化し、周囲の空気を焼き尽くすように唸りを上げて斬撃に向かっていった。

ドォォォン――!!

氷の斬撃と炎の魔法が激突し、爆発音と共に凄まじい衝撃波が会場全体に広がる。雷光と炎が絡み合い、辺りに冷気と熱気が同時に漂った。

「……すごい威力だ。けどまだ終わってないわ!」

「止められると思うなよ。」

アルノアの大鎌が再び振るわれ、次なる斬撃が放たれる準備が整う。一方、ゼファーとリュネアも息を合わせ、さらなる連携魔法を繰り出す体勢に入っていた。
 

アルノアは視線を相手チームに向けたまま、アリシアの言葉を頭の中で反芻していた。

「魔法勝負も見せてあげたら?」

今、このタイミングで接近戦に持ち込めば優位に立てる。だが、アリシアが言うようにここで魔法を見せつけることで、観客や相手チームに自分の全力ではない力を印象づけることができる。

「……まぁ、少しだけ遊んでみるか。」

アルノアは大鎌を軽く振り、力を込めると、大鎌の周囲に魔法陣がいくつも浮かび上がった。

「基本の五属性、見せてやる。」

アルノアはその場から動かずに、簡易的な魔法を次々と放ち始めた。火の玉、水の矢、土の槍、風の刃、そして雷撃――五属性の魔法が途切れることなく連射される。そのスピードと精度は見る者を圧倒し、観客席から驚きの声が上がった。

「こ、こんなに短い詠唱で連発してるのか……!」
「いや、詠唱なんてしてないぞ! あれは瞬間発動だ!」

相手チームの前衛3人もすぐに対応を開始したが、魔法の連射が絶妙なタイミングで攻め続け、隙を作らせない。

「くそっ、この量を全て防ぐのは厳しい!」
土の盾を展開しながら叫ぶ。しかし、アルノアの放つ魔法は盾を迂回するように角度を変えながら襲いかかる。

「ただの連射じゃない……軌道を操っているのか!」
リュネアが魔法の流れを見て驚愕する。

アルノアは無表情のまま魔法を放ち続けていた。彼の目的は攻撃で優位に立つことではない。これはあくまで牽制――そして、自分の実力の一端を見せるパフォーマンスだった。

「さて、そろそろ相手も手を打つ頃だな。」

アルノアは次の手を準備しながら、相手の反撃の出方を冷静に見極めていた。

 アリシアは冷静な微笑みを浮かべながら、アルノアの魔法連射を横目に見ていた。彼の力を引き出すために前衛を抑えているが、それだけでは物足りないと感じたのか、相手チームの動きに目を向ける。

「アルノアは強いわよ?」
静かにそう口にすると、目の前に立ちはだかるエアリアスの前衛3人へ視線を移した。

「でも、彼が少し力を見せている間、あなた達には私と遊んでもらえるかしら?」

その言葉と同時に、アリシアの足元から複雑な模様を持つ魔法陣が広がっていく。それは普通の魔法陣ではなく、鉱物のように輝く紋様であり、力強さと美しさを兼ね備えていた。

「煌岩創造(オルディナリウム)。」

アリシアの軽やかな声に呼応するように、大地が揺れ動き、足元から巨大な鉱石の柱が突き出した。その鉱石は青白く輝き、表面に雷のような模様が走っている。

「これは……なんだ?」
前衛の1人が後ずさりしながら目の前の光景を見上げる。

「ただの岩じゃない……魔力を帯びた特別な鉱物だ。」
リュネアが冷静に分析する。

アリシアは肩を軽くすくめながら、片手を振り上げると、鉱石の柱が空中で砕け散り、鋭い鉱石の破片が飛び散り始めた。

「煌礫雨陣(こうれきうじん)。」

破片はまるで弾丸のように相手チームを狙い、次々と降り注ぐ。前衛のセスは土の盾を作り、防御に専念したが、破片の一つが盾を貫通し、肩を掠める。

「ぐっ……なんて硬度だ!」

後衛のリュネアとゼファーも応戦し、炎と風で鉱石の破片を焼き払おうとするが、破片は簡単には砕けない。

「アリシアさん……どれだけの魔力を込めてるんだ……?」
リュネアが驚愕の表情を浮かべた。

アリシアは静かに歩みを進め、まるで余裕があるかのように微笑みを浮かべていた。

「まだ遊びの範囲よ。もう少し楽しませてくれるかしら?」

その言葉に、エアリアスのチームは焦りを感じつつも、さらに連携を深めて対応を始める。だが、アリシアの余裕のある立ち振る舞いが、相手に確かなプレッシャーを与えていた。
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