戦神(せんじん)の魂と経験共有で強くなる~白き戦神の冒険譚~

ルキノア

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代表戦編inランドレウス

アルノアの戦い

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《大会2日目、2回戦開始直前──実況席より》

「皆さん、お待たせしました! 昨日に続き、本日は2回戦が行われます!」
観客席から大きな歓声が上がり、闘技場の空気は熱気に包まれていた。

「昨日の初戦では、各国の1位チームが実力を見せつけました。そして敗者復活戦でフレスガドルの2位チームが圧倒的な力を発揮し勝ち上がったことも記憶に新しいですね!」

「そうですね。特にフレスガドル1位のチーム、アルノアとアリシアの二人組が、注目を集めています。たった二人のチームながら、連携の見事さとそれぞれの圧倒的な個の力で初戦を圧勝しました。特にアリシア選手の魔力の桁違いさには、昨日の会場全体が震えましたね。」

「本日、彼らがぶつかるのはエアリアス1位チームです。このチーム、中心メンバーであるリュネア選手とゼファー選手の二人は、どちらも魔法の精度と威力に定評があります。リュネア選手の生命魔法と風の魔法、そしてエルフの血を引くその高い魔力は脅威です。そしてゼファー選手は炎と風を組み合わせた、圧倒的な破壊力を持つ攻撃を得意としています。」

「ええ、さらにこの2人を補佐するサポート役の3人も非常に優秀です。昨日も見事な連携で勝利を収めていますから、チーム全体のバランスの良さはピカイチでしょう。」

「一方で、フレスガドル1位チームのアルノア選手とアリシア選手は、初戦でその圧倒的な実力を示しましたが、今回はどう戦うのでしょうか? 魔法に特化したエアリアスチーム相手に、彼らがどのように立ち向かうのか楽しみです!」

「特にアルノア選手については、ランドレウスの元同級生たちが注目しています。彼が大鎌を使った近接戦闘で相手を圧倒した姿に、過去を知る者たちは驚きの声を上げていましたが、本当に彼が魔法を捨てて武器戦闘に特化したのかどうか、その真相も気になるところですね。」

「まさに会場全体が注目する一戦! それでは、間もなく試合が開始されます!」

歓声が一層大きくなる中、選手たちが入場してきた。それぞれの陣営がフィールドに立つと、会場の熱気はさらに高まった。

 試合開始の合図とともに、エアリアス1位チームの中心メンバーが前線に立つ。エルフの血を引く女性、リュネアがまずは風の魔法を展開し、フィールド全体に風の流れを作り上げた。これは彼女の得意とする技術で、敵の動きを制限するだけでなく、味方の行動を補助する目的がある。

「動きを封じるつもりか……だが、そんなものは問題じゃない。」アルノアは低く構えながら、大鎌を具現化し一歩前へ踏み出した。相手の戦術を分析するように視線を巡らせつつも、その足取りは堂々としている。

一方、リュネアの隣に立つもう一人の中心メンバー、ゼファーは炎と風を組み合わせた強力な攻撃魔法を準備していた。火球が風に包まれることで回転しながらエネルギーを増幅し、まるで竜巻のようにアルノアたちに迫っていく。

「アリシア、任せる!」アルノアが叫ぶと、アリシアはその場から一歩も動かず、地面に手をついた。次の瞬間、巨大な岩の壁が立ち上がり、ゼファーの攻撃を完全に遮断する。

「この程度じゃ、私には届かないわよ。」アリシアの冷静な声が響く中、壁を崩していく火炎の隙間からアルノアが駆け出した。

リュネアはアルノアの動きに気づき、すかさず生命魔法を発動。アルノアの前方に無数の植物を作り出し、彼の進路を惑わせる。だが、アルノアは一切動じることなく、まっすぐにリュネアを目指して突き進む。

「見えてる……!」アルノアの目が鋭く光る。彼は地面を蹴り上げ、一気にリュネアの懐に飛び込むと、大鎌を横一文字に振り抜いた。植物は一瞬で掻き消え、リュネアは驚愕した表情を浮かべる。だが、そこにゼファーの援護が入った。

「させるか!」ゼファーが炎を纏った刃のような魔法を放ち、アルノアを後退させる。リュネアもすぐに態勢を立て直し、再び風魔法を展開して防御に入る。

「ふたりの連携、さすがに厄介ね……」アリシアは静かに状況を見守りながら、徐々に魔力を高めていく。

試合は序盤から激戦の様相を呈し、どちらが先に突破口を開くか、緊張感が会場全体を包み込んでいた。


闘技場に鳴り響くゴングと同時に、アルノアは迷いなく前に出た。

「さらに動くアルノア選手! 大鎌を具現化し、全身に魔力を纏っています!」

アルノアの大鎌が青白い輝きを放つ。大鎌の刃からほとばしる魔力が空気を切り裂き、彼は一気に敵陣へと突進した。

「はやい! アルノア選手、先制攻撃を仕掛ける!」

対するエアリアスチームの前衛3人、マリク、エリオット、カレンは即座に動き、連携してアルノアの攻撃を止めにかかる。

「ふん!」
マリクが盾を構え、正面から迫るアルノアの大鎌を受け止める。大鎌が盾に激突し、火花が散った。その隙にエリオットが槍を構え、横から突きを放つ。

「まだ甘い!」
アルノアは一瞬で槍の軌道を見極め、大鎌を回転させて防御する。だが、カレンが背後から素早く迫り、双剣で追撃を狙っていた。

「完璧な連携です! エアリアスチームの前衛3人、見事な連動でアルノア選手の動きを封じ込めています!」

「チッ、そう簡単には崩せないか……」
アルノアは苦笑いを浮かべながら、大鎌を振り上げる。その刃にさらなる魔力を注ぎ込み、一撃で状況を打開しようとするが、マリクが盾を強く押し返し、再び距離を取られる。

「エアリアスの前衛、マリク選手の防御力は驚異的です! さらにエリオット選手とカレン選手が攻撃と妨害を織り交ぜ、アルノア選手に隙を与えません!」

後方ではリュネアが生命魔法を発動し、植物の根が地面から這い出し始めていた。それを見たアルノアは歯を食いしばる。

「なるほど、後衛のサポートを活かすために、前衛で完全に時間を稼ぐつもりか……」

アリシアの方を見ると、彼女は微笑みながらアルノアの戦いを見守っている。

「アルノア、私はいつでも援護できるけど、この場を切り抜けるのはあなたの役目よ。さあ、どうするの?」

その言葉を背中に受け、アルノアは再び魔力を高めながら構え直した。
「やるしかないな。こいつらを正面から突破してやる!」

観客席からは熱い歓声が上がり、試合の緊張感がさらに高まる。

アルノアが再び大鎌を構え直そうとしたその時、前方のマリクが挑発的に笑いながら声を張り上げた。

「お前の武器戦闘能力は確かに見事だ、アルノア。少なくともこの大会で最高レベルと言っていいだろうな。しかし……」
マリクは盾を軽く叩きながら続けた。
「それだけで勝てると思うなよ。お前がここまで来れたのはアリシアの力があってこそだ。」

その言葉に観客席からざわめきが起こる。アルノアが眉をひそめる中、マリクはさらに言葉を重ねる。
「何を試しているか知らんが、アリシアが本気で前に出て来ない限り、俺たちが負けることはない。このチームの連携力を侮るな!」

エリオットとカレンもニヤリと笑い、アルノアを取り囲むように構えを取る。

「お前は確かに強いが、結局アリシアがいなければ本当の力を発揮できないんだろう?」
エリオットが挑発的に槍を回しながら言った。

「こっちに魔法でのサポートもあるし、時間をかければ自然と優位に立つのは俺たちだ。どうせお前じゃ突破できないだろう?」
カレンが双剣を軽く振りながら続ける。

アルノアは一瞬息を整え、挑発に乗るようなことはせず、ただ静かに目を閉じた。そして、大鎌の刃に再び魔力を纏わせながら口を開く。

「勝手に俺の力を決めないでくれ。」
「お前らこそ俺たちの力どれだけ引き出せるかな。」

目を開いたアルノアの視線が冷たい光を宿していた。
「お前たちのその自信、崩してやろう。」

その一言にマリクたちは表情を引き締め、観客席から再び歓声が巻き起こった。

 アルノアはマリクたちの挑発を聞き流しながら、静かに大鎌を地面に突き立てた。周囲の空気が一瞬で変わる。観客席からも「何かが起きる」と察したざわめきが広がった。

「確かに、アリシアの力がこのチームの要だと誰もが思っているだろう。それは否定しないさ。」
アルノアは目を閉じ、心の中で呼びかける。

――「エーミラティス、少しだけ力を使う。」

大鎌が低く唸りを上げるように震え、白銀色のオーラが刃から溢れ出した。それはまるで生きているかのように波打ち、周囲の空間を圧倒する気配を放ち始める。

「ただし、俺がここにいる理由はアリシアだけじゃない。俺自身の力を証明するためだ。」

アルノアが大鎌を軽く振ると、その軌道に白銀色の軌跡が残り、地面に細かな亀裂が走る。マリク、エリオット、カレンの三人が一瞬動きを止め、警戒心を強めた。

「おいおい……ただの武器じゃないってわけか?」
マリクが苦笑しながらも構えを強める。

「やる気満々みたいね。面白いじゃない。」
カレンが双剣を構え直しながら、不敵な笑みを浮かべる。

アルノアは相手を一瞥し、前方に一歩踏み出した。その瞬間、彼の動きが一変する。重厚だった大鎌の一撃が、異常な速度と正確さで三人に迫った。

エリオットが槍を振るって受け止めようとしたが、アルノアの斬撃は寸前で軌道を変え、槍を逸らしながら彼の間合いを潰す。

「くっ……!」
エリオットが後退する間に、マリクが横から攻撃を仕掛ける。炎と水を纏った剣が迫るが、アルノアは振り向きざまに大鎌を逆手で振り払う。エーミラティスの魔力が込められた刃がマリクの剣を弾き返し、衝撃でマリクを後退させた。

「なんて力……!こんなの、ただの武器戦闘じゃない!」
マリクの表情に焦りが滲む。

「まだ終わりじゃないぞ。」
アルノアが一息つき、再び前進する。エーミラティスの力を解放したことで、彼の動きと攻撃は一段と鋭さを増していた。それでもアルノアは完全に力を引き出してはいない。

――「この程度でいい。手の内を見せるのはまだ早い。」

相手がどれだけ連携を高めても、アルノアの一撃一撃がそれを崩し、三人を圧倒し始めていた。観客席からは息を呑むような静けさの中、次第に驚きと興奮の声が沸き上がる。

「これが……アルノアの本当の力なのか……?」
「いや、まだ手を抜いているようにも見える……!」

アルノアは戦いの中でも冷静さを失わず、次の動きを見据えていた。その姿に観客席だけでなく、対戦相手たちも不安を隠せなくなっていく。

 相手の主力2人はアルノアへの魔法を用意していた。
 
 
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