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第ニ章
白
しおりを挟む朝になり、いよいよ最後の文化祭の2日前・・・
「テンションブチあげだぜフウウウウウウウウウウ!ってそんなワケねえだろ!!」
「暗いな。」
「うるせえ!!だって日曜登校て!いくら2日前だからって登校させる!?」
気持ちは超分かるぜ。いくら時間が迫ってるからってこんな朝からわざわざ・・・
「あーもーやってらんねえよ!よし、サボるわ。」
「俺もっす。」
「こらそこ何文句言ってんだ!さっさと自分の場所に付け!」
「「さーせん!!」」
あーあ、ぶっちゃけ田所と一緒にサボりたかったなー・・・面倒くせえし。でも今1番考えられる理由は・・・
「おはよ。」
「・・・おはよう。」
相川やな。
昨日の夜、お互いあんな事した後だからあんまり話せなかったな。
『あなたとああいうこと出来て、びっくりしたけど嬉しかった。』
ってさ。でもそいつは相川にとって俺じゃない。俺じゃない他の誰かなんや。あ、リアルに泣きそうや。
「・・・好きな人と上手くいってる?」
俺は涙を振り切るようにして相川に聞いた。
「・・・滅茶苦茶上手くいってるよ!もう本当に信じられないくらい!まさかここまで上手くいくなんて自分でも思わなかった!」
「・・・あっそ。」
「そっちは上手くいってる?」
「まあな!てか、あいつは常にあんな感じだからこれからも絶対上手くいくよ!」
「あーあ、ご愁傷様。」
「余計なお世話。」
俺はいつもの太い絵筆を水にチャポチャポと浸した。
「・・・ねえ、渡辺、私たちさ、大人になってもずっと一緒にいるのかと思ってた。」
「どうしたんや急に。」
「でもさ、やっぱりおっきくなるにつれてバラバラになっちゃうんだね。」
「・・・・・・。」
「まあ、前ほど会えなくなっちゃうかもしれないけどお互い新しく愛せる人が見つかったんだし、これで良かったんだよね!今すっごい楽しいし!」
「・・・そっか!なら良かったのかもな!」
相川はもう俺の事を好きじゃない。俺にも形は歪んでいるけど恋人がいる。もしかしたら、これが本来のあるべき姿だったのかもしれない。幼馴染だという事に固執して俺たちはおかしくなってたんや。
「お互い上手くいくと良いな。」
「・・・そうだね。ほら、もうラストスパートだよ。最後の文化祭頑張ろ!」
「おう!頑張ろうぜ!」
俺は残りの余白にペタッと白い絵の具を塗った。
相川との関係は終わりにしよう。もうこいつは周りの奴らと何ら変わらない普通の同級生なんや。
こうして俺たちは最後の時間を埋めるかのようにお互い話をしながら旗を塗っていった。
そして・・・
「・・・よし!塗り終わったな!せーの・・・」
「「「かんせーーーーーい!!」」」
昼。いよいよ文化祭のでっかい旗が完成した。
「やったああ!」
「良かったな!相川!」
俺と相川は手を取り合って喜んだ。大丈夫。星野は学校サボったから。
こうして二人で過ごすのもおそらく最後。受け入れよう。開き直ろう。
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