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第ニ章
統合
しおりを挟む「・・・あーあ。見事に真っ黒ねえ。」
俺は自分の心を何気なく声に表した。改めて旗を見渡すと、あんなに色鮮やかだった旗はゴキブリみたいに真っ黒け。
「てな訳で、相川ちゃーん、どうする?」
「私に聞かれても困るんだけど!?」
相川は信じられないくらいに絶望的な表情を浮かべている。
「ていうかこれ最初から作り直すとか無理だよね?そもそも上から塗りつぶしちゃってるし。」
「じゃあ今から描き直す?」
「無理に決まってるでしょ!?だってもう明日だよ!?」
「うーん・・・」
昨日あんな事があったのに明るく振る舞えるとか。小さい頃あんなに弱っちかったのに俺の見てないところで結構強くなってたんや。
「そういえばさあ、昔もこうやって二人ででっかい絵とか描いてたよな!」
「・・・え?」
「画用紙の上クレヨンでいっぱいにしてさ!あ、途中でどっちが何色のクレヨン使うかで大ゲンカになった事もあったよな!」
「渡辺・・・」
強がってるけど相手は間違い無く心の中で怯えきってる筈。だから何とかして元気付けないと。あとは相手がこころを開いてくれるか。
「そ・・・そういえばさ、幼稚園の頃にもこんな真っ黒い絵描いたよね。」
『りなこ!おまえはこれをきれいにできるじしんはあるか?』
『ありましゅ!たいちょお!』
「ああ、桐みたいなので上から削るやつ?なんか2人で訳わかんない事言ってたよね。」
「そうそう、下からカラフルに塗ったクレヨンが出てきて花火みたいに・・・」
「「それだ!!」」
「相川、俺倉庫から桐何本か持って来るから待ってろ!」
「うん!」
そや、あの真っ黒いやつの下はそのままカラフルな層が残ってるから上から綺麗に消せばいい!邪魔なものは消し去ればええ!
「ただいま!」
「ねえ渡辺!これクレヨンじゃなくて絵の具だよ!出来るかな?」
「無理にでもやるんや!まだあいつが帰ってから時間は経ってないからまだ間に合う筈!」
「花火みたいにするの?」
「いや違う!黒いの全部削るんや!みんなで描いたやつ全部取り戻す!」
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