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第11話 訳ありレアもの物件のおすすめ
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逃走事件の翌朝、いつもと同じように黙りこくって学校に行った私は、いつもと違うクラスの雰囲気にびっくりした。
いつもなら、机かイス程度の存在感なのに、クラス中がねめつけてくる。
昨日の事件が、案の定、広がりまくったのだった。どんな話になって広がったのやら、怖くて聞けない。みんなの視線が怖い。
特に女子。
上から下まで、値踏みするようなその視線。
男性もしっかり確認しに来ましたけどもね。最後にせせら笑うのはやめて欲しいな。
ルーカス王子の審美眼についてモノ申したいのはわかるけど、私だって、それは一緒ですから!
「ちょっと、お昼をご一緒してくださらない?」
入学して以来、初めて話しかけられた!
「嫌だとは言わせないわよ?」
五、六人の同じクラスの令嬢たちが、午前中、事あるたびに私の方を見ながらごそごそ話し込んでいたが、昼休み前に挑戦状をたたきつけに来た。
「お待ちしておりました」
私は目をキラキラさせながら答えた。
私にだって考えがある。ルーカス殿下が、被害者を私に仕立て上げたいなら、なんとかお断りするだけだ。
私は裏庭のバラ園で彼女たちをお迎えした。
彼女達は食堂での公開尋問を要求してきて、私が断ると平民ごときが何を要求と笑い飛ばそうとしたが、アランソン公爵令嬢が……の一言でピタリと黙った。
公開尋問の途中でアランソン姉妹がなだれ込んできたら、何がどう転ぶかわからない。私が炎上するだけならともかく、彼女達だってただでは済まないかもしれない。
そんなわけで、のんびり感漂うバラ園で、私は事情を一通り説明した。
「そのようなわけですので、私は被害者なのです!」
私は胸を張って、被害者ぶった。
あんたたちが考えているような事態じゃないのよ。単なる生贄よ、生贄。
「それは確かに言われてみれば……」
彼女達はお互いの顔を見かわしていたが、一人が恐る恐る言い出した。
「アランソン公爵家の本当の一人娘は失踪している。死んでると言われているけど、万一、生きていたりしたら、公爵家は難しいことになるかもしれないわ」
「王子殿下との結婚をあれほど切望しているのには、訳があったのね」
「そしてルーカス殿下は、アランソン家の令嬢方と結婚したくないと……」
「そうなんです。そこです、問題は!」
私は強調した。
彼女達は比較的下位の貴族令嬢なので、アランソン公爵家の後継問題なんかよく知らなかった。
単に、無知な平民の娘が、顔面の整った第二王子に惹かれて、身の程知らずにも近づいたのだと考えたのだろう。そして、親切にも、身の程をわきまえさせてやろうと思っただけなのだ。
その親切心はちょっと怖いけど。
だが、真実はもっと怖い。
「噂程度に存じ上げていただけですので」
彼女達の口調が急に丁寧になった。事情が呑み込めたのだ。たまたま選ばれたのは平民だが、話の内容はなかなか深刻で、彼女達の世界、貴族社会の物語なのだ。
私はお願い口調になった。
「そんな事情で、ルーカス殿下は私のことを好きだなんてわけじゃないんですよ。ただ、状況的にアランソン家以外の婚約者を血眼で探していらっしゃるのは事実。ねえ、皆さま、ここは狙い目ですわ!」
さあさあ! 今こそ皆さま、打って出るべきところですわよ! ぜひとも我勝ちに名乗り出られてはいかがかしら? ワケありレア物件ですのよ? 今、動かなかったら婚活令嬢の名が泣きますわ!
「でも。ねえ」
尻込みする彼女たちを相手に、私はもう一度、叱咤激励鼓舞勧奨することにした。
「私なんかは平民も平民、超平民ですわ。もう取り返しがつかないくらい平民。毒殺されそうな勢いですわ。ですけど、ちょっとでもご実家の力があれば、そこまでの事態にはならないと思いますの。皆様いかが? 殿下が守ってくださるなら、アランソン公爵家もおそるるに足らずですわ。殿下はなかなかイケメンですし」
説得、あと一歩。
校舎裏のバラ園に悩める乙女が数人集っている。手を振れれば散ってしまいそうな美しくかぐわしい花のよう。……実は、ターゲットの値踏みと成功率を計算しているだけだけど。
だが、そこへ闖入者が猛然と現れた。
「ポーシャアアア!」
「まずい。殿下だ」
殿下は意外に足が速かった。ずらかろうと走り出したがドレスが邪魔で……とかやっているうちにあっという間に、殿下が令嬢たちの真ん中に飛び込んできた。
「ポーシャ、僕の手紙、読んだ?」
殿下は汗まみれだった。
「あ、鳥のフンの」
「人聞き悪いな。図書館で待ってたのに。二時間」
「私、平民ですので、字が読めませんの!」
うっかり下手なウソをついてしまった。こないだ二十位とったとこだったっけ。
殿下はどさくさに紛れて私を抱きしめた。ぎゃー。助けてー。こいつ、痴漢です。
「君のことを待っていたのに。どうして来てくれないの?」
殿下の青い瞳が私を見つめる。唇が震えている。意外と演技派だなっ?
「手紙でお願いしたのに」
呼んだら来ると思っている。そんなはずはない。犬に芸を仕込んでいるわけじゃあるまいし。誰かこいつにものの道理を教えてやって欲しい。
「ポーシャ様」
令嬢たちのうちの一人がスッと立ち上がった。
「殿下は、誰でもいい訳ではないのでは?」
「何言ってるの。僕が大切にしたいのは、ポーシャ、君だけだ。どうしてわかってくれない」
殿下が叫んだ。
チッ。せっかくのチャンスをダメにしやがって。こいつ。
私は、令嬢ぶるのを忘れて、思わず舌打ちしそうになった。
いつもなら、机かイス程度の存在感なのに、クラス中がねめつけてくる。
昨日の事件が、案の定、広がりまくったのだった。どんな話になって広がったのやら、怖くて聞けない。みんなの視線が怖い。
特に女子。
上から下まで、値踏みするようなその視線。
男性もしっかり確認しに来ましたけどもね。最後にせせら笑うのはやめて欲しいな。
ルーカス王子の審美眼についてモノ申したいのはわかるけど、私だって、それは一緒ですから!
「ちょっと、お昼をご一緒してくださらない?」
入学して以来、初めて話しかけられた!
「嫌だとは言わせないわよ?」
五、六人の同じクラスの令嬢たちが、午前中、事あるたびに私の方を見ながらごそごそ話し込んでいたが、昼休み前に挑戦状をたたきつけに来た。
「お待ちしておりました」
私は目をキラキラさせながら答えた。
私にだって考えがある。ルーカス殿下が、被害者を私に仕立て上げたいなら、なんとかお断りするだけだ。
私は裏庭のバラ園で彼女たちをお迎えした。
彼女達は食堂での公開尋問を要求してきて、私が断ると平民ごときが何を要求と笑い飛ばそうとしたが、アランソン公爵令嬢が……の一言でピタリと黙った。
公開尋問の途中でアランソン姉妹がなだれ込んできたら、何がどう転ぶかわからない。私が炎上するだけならともかく、彼女達だってただでは済まないかもしれない。
そんなわけで、のんびり感漂うバラ園で、私は事情を一通り説明した。
「そのようなわけですので、私は被害者なのです!」
私は胸を張って、被害者ぶった。
あんたたちが考えているような事態じゃないのよ。単なる生贄よ、生贄。
「それは確かに言われてみれば……」
彼女達はお互いの顔を見かわしていたが、一人が恐る恐る言い出した。
「アランソン公爵家の本当の一人娘は失踪している。死んでると言われているけど、万一、生きていたりしたら、公爵家は難しいことになるかもしれないわ」
「王子殿下との結婚をあれほど切望しているのには、訳があったのね」
「そしてルーカス殿下は、アランソン家の令嬢方と結婚したくないと……」
「そうなんです。そこです、問題は!」
私は強調した。
彼女達は比較的下位の貴族令嬢なので、アランソン公爵家の後継問題なんかよく知らなかった。
単に、無知な平民の娘が、顔面の整った第二王子に惹かれて、身の程知らずにも近づいたのだと考えたのだろう。そして、親切にも、身の程をわきまえさせてやろうと思っただけなのだ。
その親切心はちょっと怖いけど。
だが、真実はもっと怖い。
「噂程度に存じ上げていただけですので」
彼女達の口調が急に丁寧になった。事情が呑み込めたのだ。たまたま選ばれたのは平民だが、話の内容はなかなか深刻で、彼女達の世界、貴族社会の物語なのだ。
私はお願い口調になった。
「そんな事情で、ルーカス殿下は私のことを好きだなんてわけじゃないんですよ。ただ、状況的にアランソン家以外の婚約者を血眼で探していらっしゃるのは事実。ねえ、皆さま、ここは狙い目ですわ!」
さあさあ! 今こそ皆さま、打って出るべきところですわよ! ぜひとも我勝ちに名乗り出られてはいかがかしら? ワケありレア物件ですのよ? 今、動かなかったら婚活令嬢の名が泣きますわ!
「でも。ねえ」
尻込みする彼女たちを相手に、私はもう一度、叱咤激励鼓舞勧奨することにした。
「私なんかは平民も平民、超平民ですわ。もう取り返しがつかないくらい平民。毒殺されそうな勢いですわ。ですけど、ちょっとでもご実家の力があれば、そこまでの事態にはならないと思いますの。皆様いかが? 殿下が守ってくださるなら、アランソン公爵家もおそるるに足らずですわ。殿下はなかなかイケメンですし」
説得、あと一歩。
校舎裏のバラ園に悩める乙女が数人集っている。手を振れれば散ってしまいそうな美しくかぐわしい花のよう。……実は、ターゲットの値踏みと成功率を計算しているだけだけど。
だが、そこへ闖入者が猛然と現れた。
「ポーシャアアア!」
「まずい。殿下だ」
殿下は意外に足が速かった。ずらかろうと走り出したがドレスが邪魔で……とかやっているうちにあっという間に、殿下が令嬢たちの真ん中に飛び込んできた。
「ポーシャ、僕の手紙、読んだ?」
殿下は汗まみれだった。
「あ、鳥のフンの」
「人聞き悪いな。図書館で待ってたのに。二時間」
「私、平民ですので、字が読めませんの!」
うっかり下手なウソをついてしまった。こないだ二十位とったとこだったっけ。
殿下はどさくさに紛れて私を抱きしめた。ぎゃー。助けてー。こいつ、痴漢です。
「君のことを待っていたのに。どうして来てくれないの?」
殿下の青い瞳が私を見つめる。唇が震えている。意外と演技派だなっ?
「手紙でお願いしたのに」
呼んだら来ると思っている。そんなはずはない。犬に芸を仕込んでいるわけじゃあるまいし。誰かこいつにものの道理を教えてやって欲しい。
「ポーシャ様」
令嬢たちのうちの一人がスッと立ち上がった。
「殿下は、誰でもいい訳ではないのでは?」
「何言ってるの。僕が大切にしたいのは、ポーシャ、君だけだ。どうしてわかってくれない」
殿下が叫んだ。
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