【完結】公爵令嬢の育て方~平民の私が殿下から溺愛されるいわれはないので、ポーション開発に励みます。

buchi

文字の大きさ
35 / 97

第35話 婚約話のいきさつ

しおりを挟む
私は意気揚々とハウエル商会を出て、学校に戻った。

よかった。話をちゃんと聞いてもらえたし、貴族との縁を匂わせてくれたり、特Sがずらりと並ぶ成績表を出して見せてくれたバスターくんのおかげなのも知れないが、高く評価してもらえたみたいだ。少なくとも、正当に取引しようと言う姿勢だった。

それで、つい殿下のことはきれいに忘れていた。


殿下が寮の周りを徘徊していた。

しまった。後で会いましょうとか、無責任なことを言ってしまった。忘れてた。

きっと、学内のどこを探しても私がいないので、寮に行き着いたのだろう。

殿下が、授業後、護衛を連れて、ゾロゾロ平民女子寮に行く様子はみんなの注目を浴びまくっただろうけど、私は知らない。関係ない。

こっそり寮に忍び込もうとしたが、目を爛々らんらんと輝かせた側近の誰かに捕まり、私はあきらめて殿下を寮に入れた。

そうはいっても、時間は有効活用されたらしく、側近は交代していたし、殿下は新しい服に着替えていた。よかった。

側近どもは、寮の建物の中まで入ることは許されたが、私の部屋の中までは入ってこなかった。

そして、防音魔法をかけて、殿下は手紙を渡してくれた。

「まず、これ」

それはおばあさまからとセス様からの返事だった。

おばあさまは、手紙に手紙鳥の作り方を書いていた。例によって、最初は丁寧に書いてあったが途中から飽きたらしく、あとは本を読んでねで終わっていた。

「手があき次第、そちらへ行くわ」

セス様は、走り書きでものすごく忙しいこと、手が回らなくてすまなかったこと、最後にお金を送ったことを書き添えていた。

殿下は真剣に頼んできた。

「頼むから、他所で泊まり歩くような真似はやめてほしい」

「どうして?」

「僕の心臓がもたない」

私は首を傾げた。殿下は若いし心臓の持病なんて持っていないはずだ。

「僕は君が好きなんだ」

「はい」

私はびっくりして返事した。

プライドが高い殿下にしては珍しい。直球だ。

「これまで、いろいろ理由をつけて、一緒にいたけど、ますます好きになってしまった」

「そんな感じでしたねえ」

あまり機嫌を悪くさせたくない。
私は話を合わせた。

殿下がまだらに赤くなった顔で睨んできた。

「これまでは、しょっちゅうここへ来れたけど、君のおばあさまが出禁にしてしまったのだ」

「それは……仕方ないのでは」

まあ、普通、男性王族の、女子寮への出入りなんか誉められたものではないと思う。

「で、だから、会える方法を確立してほしい」

そんな面倒臭い。

「セスからのお金は僕が預かっている」

そういうと殿下は重そうな皮袋を取り出した。中身がジャラジャラいっている。

「えっ?」

私は目をむいた。

「それって、私のお金ではないのですか?」

殿下がうなずいた。

「金が欲しくば、僕に会え」

「なんで、自分のお金を取りに行くのに、殿下を経由しなくてはいけないのですか?」

「僕が君を好きだからだ」

「理由になっていません」

「なんとでも言え。会いたい。好きなんだ。昔からだ。君はどうしてそんなに僕を拒否るの?」

「拒否っていませんよ。殿下だって、たくさんのご令嬢方に囲まれて大人気だったではありませんか」

「ヤキモチか」

ヤキモチを妬かれるくらいだったら、会うのに不自由はないと思うけど。

私はお金に手を伸ばしたけれど、サッと殿下が取り上げた。

残念ながら、彼の方が私より背も高いし、リーチも長い。力もありそうだ。戦っても勝てそうにない。
まだ、私は魔法の練習途上。魔剣や火焔魔法を使えるわけでもない。
今後の課題だ。こう言う場合、相手を叩きのめす魔法を勉学しておくべきだ。課題が増えた。


「何をしているの?」

その時、呆れたような声が響いた。

ドアがガチャリと開いて、おばあさまが入ってきた。

「あ、おばあさま! 殿下がセス様が送ってきたお金を渡してくれないんです」

「何をしているの、ルーカス。意味がわからないわ」

呼び捨てだった。

「あら。それになんていう顔をしているの? どうかしたの?」

殿下はうつむいた。

「おばあさま、殿下は私の婚約者なんかじゃないでしょう?」

私はおばあさまに確認した。

だって、お役目ご苦労様と言っていたもの。

「あらあら。ポーシャは殿下を嫌いになったの?」

嫌いになったの?って、学校に入って初めてお知り合いになっただけなんですけど?

「子どもの頃、あんなに仲良く遊んでいたのに。お人形さん遊びとか、いろいろ」

「殿下と一緒にですか?」

私はびっくりした。全然記憶がない。

「そうよ。王都の屋敷で遊んでいた頃はまだ小さすぎて覚えていないかもしれないけど、婚約者だったので、田舎の屋敷にもよくきてもらったわ。夏なんか特にね。とってもかわいい子どもだったわ、殿下は」

おばあさまは、にっこりと思い出し笑いした。

「ところで、ここではお茶も何も出ないのかしら?」

大慌てで私は、王宮の厨房の方から、最高級のお茶とお菓子を調達した。
おばあさま相手に安物なんか出したら、後で何を言われるかわからない。いや、それどころではなくて、この寮の建物の外に新しく厨房が増設されて、ポーシャさま専用のお菓子作り職人とかが集められたら面倒だ。

おばあさまは、ゆっくりとお茶を飲みながら話を続けた。

殿下は気まずそうにしている。

そういえば殿下はおばあさまのことを誰もが恐れる大魔術師だと言っていた。

確かにそうだ。

私だって、恐れているといえば、恐れている。何をしでかすかわからないそのエネルギーに。

「ルーカスは小さい頃はすごく綺麗な金髪だったの。今は栗色ですけどね」

まあ、子どもの頃は、みんな毛の色は薄いよね。

「今のポーシャそっくりだったわ。可愛くって、よく女装していたの」

「え……」

「あら、いやだ。今は無理よ」

わたしは殿下を上から下まで眺めた。
女装……。想像もつかない。

確かに殿下はとても綺麗な顔立ちだった。それに線が細い方かもしれない。ただ体つきの方は、今やかなりがっちりしていた。私は、初めてしみじみと殿下を観察した。

「あなた方はすぐに意気投合して、お人形さん遊びを始めたの。どちらが遠くまでお人形さんを投げられるかとか、どちらが魔力でお人形さんを大きくできるかとか。巨大魔神兵と呼んでたわ。お人形さんがかわいそうよね」

それは、いわゆるお人形さん遊びではないのでは?

男の子が混じると、使っているツールがお人形さんでも、そういう遊びに変化させるから困るよね。

「変化させたのはあなたよ。ルーカスは普通にお茶会をしたがったり、お着替えさせたがったりしていたのに、ポーシャがぶん投げ競争とか、メタモルフォーゼさせたがったりするから」

私か。

「でも、ポーシャはルーカスのことをお姉様って呼んでたから、ヤンチャな妹ってとこかな?」

お姉様?

ルーカスっていう男の子は知らないけど、大好きな優しいお姉様はいた。

「あの、おばあさま、私のお姉さまは、両親と一緒に病気で亡くなったのですよね?」

「何言ってるの。あなたは一人っ子よ」

「だって、亡くなったので一人っ子なんだと……」

「一緒に遊んでいたのは僕だ」

ブスッと殿下が口を挟んだ。

「ポーシャ、君は一人っ子だ。僕が保証する」

「ルーカスは、あの屋敷に来ると必ず大喜びでドレスに着替えて遊んでいたわ」

「ドレスに着替えないと遊んでもらえないと思っていたから」

殿下が言い訳した。

「あら。ドレスが好きだったんだと思ってたわ」

そういえば、率先して私のドレスを注文しに行っていたわ。まさか、あの時も自分用のドレスを注文しに?

「そんな趣味はない! でも、でも、君が楽しそうにしてくれるから」

「まあ、男の子なんか見たことないから、ポーシャも、ちょっと警戒気味だったのよねえ、最初」

「そうだ。でも、ジョン・アランソンが妙なものを送りつけて来るようになったので、危ないとお母様に止められるようになって、ここ数年、田舎のアランソンの屋敷に行けなくなってしまったんだ」

あー。なんとなく納得できる。

「この子は魔力が多くて、魔法の絨毯を平気で使うから、いつでも行きたい時に来ていたの。外から来るわけではなくて、家の中から現れるから、姉だと思われても仕方ないわね」

記憶は、大好きだったお姉様ということだけしかない。

二歳の差は大きい。彼の記憶の方がずっと鮮明なのだろう。

私は、その後、おばあさまと二人きりで暮らしていたので、他の人からの情報はほぼ遮断された状態だった。だが、殿下は王宮で暮らしていた。
私の噂も聞いて知っていただろう。
現に私は自分の家族のことさえ、よくわからないまま育ってしまったのだ。

「あまりにも仲良しだから、婚約しましょうかなんて冗談で言っていただけよ」

「あ。そうなのですか」

なんだ。冗談か。

「ええ。ただ、あまりにも似合いの二人だったので話が一人歩きした部分はあるわね。ルーカスも否定しないし。誰一人否定しなかったわ。そのうちに既定路線みたいになってしまって、すっかり王家も私もそのつもりだったの。あなたの保護魔法が解けたら、正式に発表しようと思っていたの」

私はあごが外れそうになった。マジか。

「だけど、ルーカスが自由になりたいなら仕方ないわね」
しおりを挟む
感想 74

あなたにおすすめの小説

聖女様と間違って召喚された腐女子ですが、申し訳ないので仕事します!

碧桜
恋愛
私は花園美月。20歳。派遣期間が終わり無職となった日、馴染の古書店で顔面偏差値高スペックなイケメンに出会う。さらに、そこで美少女が穴に吸い込まれそうになっていたのを助けようとして、私は古書店のイケメンと共に穴に落ちてしまい、異世界へ―。実は、聖女様として召喚されようとしてた美少女の代わりに、地味でオタクな私が間違って来てしまった! 落ちたその先の世界で出会ったのは、私の推しキャラと見た目だけそっくりな王(仮)や美貌の側近、そして古書店から一緒に穴に落ちたイケメンの彼は、騎士様だった。3人ともすごい美形なのに、みな癖強すぎ難ありなイケメンばかり。 オタクで人見知りしてしまう私だけど、元の世界へ戻れるまで2週間、タダでお世話になるのは申し訳ないから、お城でメイドさんをすることにした。平和にお給料分の仕事をして、異世界観光して、2週間後自分の家へ帰るつもりだったのに、ドラゴンや悪い魔法使いとか出てきて、異能を使うイケメンの彼らとともに戦うはめに。聖女様の召喚の邪魔をしてしまったので、美少女ではありませんが、地味で腐女子ですが出来る限り、精一杯頑張ります。 ついでに無愛想で苦手と思っていた彼は、なかなかいい奴だったみたい。これは、恋など始まってしまう予感でしょうか!? *カクヨムにて先に連載しているものを加筆・修正をおこなって掲載しております

【12月末日公開終了】有能女官の赴任先は辺境伯領

たぬきち25番
恋愛
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26) ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。 そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。 そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。   だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。 仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!? そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく…… ※お待たせしました。 ※他サイト様にも掲載中

婚約破棄歴八年、すっかり飲んだくれになった私をシスコン義弟が宰相に成り上がって迎えにきた

鳥羽ミワ
恋愛
ロゼ=ローラン、二十四歳。十六歳の頃に最初の婚約が破棄されて以来、数えるのも馬鹿馬鹿しいくらいの婚約破棄を経験している。 幸い両親であるローラン伯爵夫妻はありあまる愛情でロゼを受け入れてくれているし、お酒はおいしいけれど、このままではかわいい義弟のエドガーの婚姻に支障が出てしまうかもしれない。彼はもう二十を過ぎているのに、いまだ縁談のひとつも来ていないのだ。 焦ったロゼはどこでもいいから嫁ごうとするものの、行く先々にエドガーが現れる。 このままでは義弟が姉離れできないと強い危機感を覚えるロゼに、男として迫るエドガー。気づかないロゼ。構わず迫るエドガー。 エドガーはありとあらゆるギリギリ世間の許容範囲(の外)の方法で外堀を埋めていく。 「パーティーのパートナーは俺だけだよ。俺以外の男の手を取るなんて許さない」 「お茶会に行くんだったら、ロゼはこのドレスを着てね。古いのは全部処分しておいたから」 「アクセサリー選びは任せて。俺の瞳の色だけで綺麗に飾ってあげるし、もちろん俺のネクタイもロゼの瞳の色だよ」 ちょっと抜けてる真面目酒カス令嬢が、シスコン義弟に溺愛される話。 ※この話はカクヨム様、アルファポリス様、エブリスタ様にも掲載されています。 ※レーティングをつけるほどではないと判断しましたが、作中性的ないやがらせ、暴行の描写、ないしはそれらを想起させる描写があります。

「転生したら推しの悪役宰相と婚約してました!?」〜推しが今日も溺愛してきます〜 (旧題:転生したら報われない悪役夫を溺愛することになった件)

透子(とおるこ)
恋愛
読んでいた小説の中で一番好きだった“悪役宰相グラヴィス”。 有能で冷たく見えるけど、本当は一途で優しい――そんな彼が、報われずに処刑された。 「今度こそ、彼を幸せにしてあげたい」 そう願った瞬間、気づけば私は物語の姫ジェニエットに転生していて―― しかも、彼との“政略結婚”が目前!? 婚約から始まる、再構築系・年の差溺愛ラブ。 “報われない推し”が、今度こそ幸せになるお話。

婚約破棄を突き付けてきた貴方なんか助けたくないのですが

夢呼
恋愛
エリーゼ・ミレー侯爵令嬢はこの国の第三王子レオナルドと婚約関係にあったが、当の二人は犬猿の仲。 ある日、とうとうエリーゼはレオナルドから婚約破棄を突き付けられる。 「婚約破棄上等!」 エリーゼは喜んで受け入れるが、その翌日、レオナルドは行方をくらました! 殿下は一体どこに?! ・・・どういうわけか、レオナルドはエリーゼのもとにいた。なぜか二歳児の姿で。 王宮の権力争いに巻き込まれ、謎の薬を飲まされてしまい、幼児になってしまったレオナルドを、既に他人になったはずのエリーゼが保護する羽目になってしまった。 殿下、どうして私があなたなんか助けなきゃいけないんですか? 本当に迷惑なんですけど。 拗らせ王子と毒舌令嬢のお話です。 ※世界観は非常×2にゆるいです。     文字数が多くなりましたので、短編から長編へ変更しました。申し訳ありません。  カクヨム様にも投稿しております。 レオナルド目線の回は*を付けました。

【完結】勤労令嬢、街へ行く〜令嬢なのに下働きさせられていた私を養女にしてくれた侯爵様が溺愛してくれるので、国いちばんのレディを目指します〜

鈴木 桜
恋愛
貧乏男爵の妾の子である8歳のジリアンは、使用人ゼロの家で勤労の日々を送っていた。 誰よりも早く起きて畑を耕し、家族の食事を準備し、屋敷を隅々まで掃除し……。 幸いジリアンは【魔法】が使えたので、一人でも仕事をこなすことができていた。 ある夏の日、彼女の運命を大きく変える出来事が起こる。 一人の客人をもてなしたのだ。 その客人は戦争の英雄クリフォード・マクリーン侯爵の使いであり、ジリアンが【魔法の天才】であることに気づくのだった。 【魔法】が『武器』ではなく『生活』のために使われるようになる時代の転換期に、ジリアンは戦争の英雄の養女として迎えられることになる。 彼女は「働かせてください」と訴え続けた。そうしなければ、追い出されると思ったから。 そんな彼女に、周囲の大人たちは目一杯の愛情を注ぎ続けた。 そして、ジリアンは少しずつ子供らしさを取り戻していく。 やがてジリアンは17歳に成長し、新しく設立された王立魔法学院に入学することに。 ところが、マクリーン侯爵は渋い顔で、 「男子生徒と目を合わせるな。微笑みかけるな」と言うのだった。 学院には幼馴染の謎の少年アレンや、かつてジリアンをこき使っていた腹違いの姉もいて──。 ☆第2部完結しました☆

転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。

琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。 ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!! スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。 ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!? 氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。 このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。

公爵令息様を治療したらいつの間にか溺愛されていました

Karamimi
恋愛
マーケッヒ王国は魔法大国。そんなマーケッヒ王国の伯爵令嬢セリーナは、14歳という若さで、治癒師として働いている。それもこれも莫大な借金を返済し、幼い弟妹に十分な教育を受けさせるためだ。 そんなセリーナの元を訪ねて来たのはなんと、貴族界でも3本の指に入る程の大貴族、ファーレソン公爵だ。話を聞けば、15歳になる息子、ルークがずっと難病に苦しんでおり、どんなに優秀な治癒師に診てもらっても、一向に良くならないらしい。 それどころか、どんどん悪化していくとの事。そんな中、セリーナの評判を聞きつけ、藁をもすがる思いでセリーナの元にやって来たとの事。 必死に頼み込む公爵を見て、出来る事はやってみよう、そう思ったセリーナは、早速公爵家で治療を始めるのだが… 正義感が強く努力家のセリーナと、病気のせいで心が歪んでしまった公爵令息ルークの恋のお話です。

処理中です...