55 / 97
第55話 山羊髭先生との論戦
しおりを挟む
私は山羊先生をじっとりと見つめた。
「あなたが研究者? 全然信用ならないんですけど……」
本当に研究なんかしているのか?
研究者と言えば、俗世には無関係で、平民蔑視なんかに凝り固まっていないイメージがあるんですけど。
「いや、あの、その節は……」
先生は冷や汗を流していた。
「それはどうでもいいんですが。なにしろ、この一件が終わり次第、ベリー公爵夫人と殿下が学校の体制を改められると言っておられますので」
ホントはよく知らんけど。
まあ、これくらい脅しておいて、ちょうどいいんじゃないかしら。それに、脅かしてでも、きっちり仕事だけはしてもらわないと。だって、この山羊髭が悪獣の研究の第一人者だって言うんだもの。全然、そうは見えないんだけど。
山羊髭を教室に呼びつけて、私は尋問した。
「それで。悪獣が好む食品はありますか?」
「人肉」
それはダメだ。そんなもの、調達できない。
「他は?」
「ええと、山羊の肉。羊の肉」
山羊先生の肉はどストライクですね。人肉だし、山羊だし。
「毒として効く物は?」
山羊先生は困った顔になった。
「うーん。悪獣とは言え、別に特にほかの動物と違う訳ではないんだよね。だから、効果がありそうな毒も一緒だ。毒まんじゅうを作って撒いたところで、悪獣以外の動物が見つけて喜んで食べてしまう可能性が高い」
「動物全部を虐殺したいわけではありませんわ」
どこかの動物愛護団体から、訴えられたら困る。
「毒を食べればそいつらは死ぬ。別に食べない理由はないから、悪獣含めて他の動物たちも喜んで肉を食うだろう。そして、死ぬ。食物連鎖ならぬ死亡連鎖だ。そうなると、食糧事情が更に悪化する訳で、人肉を求めて、悪獣たちがますますやって来ると」
ダメな理由なんか聞いてない。
「悪獣だけが好んで食べるものは?」
「そんなものないよ。彼らは雑食性なんだ。なんでも食べる。種族の特性とか何にもないよ」
山羊先生は、誰だって考えることさ、今更、大発明みたいに聞きに来られてもねえ、まあ、生徒の浅知恵だよねとか余計な感想を述べて、私を激高させた。
「種族の特性ですか」
私は考えに沈んだ。
「そうだ。ムスクみたいなやつ?」
「何?」
「種族ごとに魅力的な匂いがあるかもしれない。そうです、先生、媚薬がいい。媚薬を作りましょう!」
「媚薬?」
「興奮剤みたいなものですよ!」
先生は懐疑的だった。
「種族ごとに特別な好みがあるでしょう? 他の種類と交雑しないためとか」
「交雑は多いよね。特に魔獣じゃない元の種類とか。ヒトもねえ、平民と公爵家の令息とか」
そんなことを聞いてるんじゃないわ。
「悪獣の種類別の誘引剤みたいなものを探したいってことだろうけど、全然わからん。第一、似たものを作るのに、何年かかるか。無駄だと思うよ」
「へえ、長年研究してきたくせに、わからないんですか。最初から無駄だとか言っていたら、そりゃいつまで経っても何も出来ないって結果になりますよね」
私は嘲った。これまでのお返しである。
女公爵に勝てると思うか? 形勢逆転だ。
山羊先生はみるみる真っ赤になった。
ま、最初から公爵家の誰かだと言うことで現れたのだったらとにかく、初めは平民の設定だったから、今でもそんな気分が抜けていないのだろう。
「なんだとう! 人をバカにする気か! 平民のくせに」
「女公爵」
ここは訂正せねば。それに山羊先生のプライドなんかに構ってる時間はないのよ。
「今すぐ成果を持ってらっしゃい。先生は第一人者なんでしょ? 他の人に負けるわけにはいかないでしょ?」
山羊先生にライバルがいるのかなんてわからない。
だが、この一言は、妙に効いた。
「チクショー、アイツか! なんでそんな卑怯な手を使うんだ、このドブス平民!」
「(美人)女公爵!」
私は力を込めて否定した。今日は保護魔法をかけてないのに、何言ってるのかしら。
「早く成果を出しなさい。成果だけよ、家柄も身分も関係ないわ!」
公爵だからって、押し込みにかかってますけどね、今の私。でも、自分に都合がよかったら、少々の論理破綻は気にしませんわ! ホーッホッホッホッ
という訳で、モンフォール十八番地に舞い戻った私は、図書館からガッツリ借りてきた本にのめり込んだ。山羊髭からは、報告書が届くはずだ。
本からでも知識は得られるかもしれない。
三日三晩、本にかじりついた私は慣れないことに疲れ果て、目は充血し、頭が痛くなってきた。
睡眠も少しは取ったのにな。
「仕方ない。ここで倒れては元も子もないわ。ゆっくり寝ましょう」
夢の中では殿下が戦っていた。
彼は効率的に休みを取り、仲間が大勢動いている時間帯には寝ていた。
『夜の方が、勘が冴える』
細く、赤く見える月が中空に浮かんでいた。
『あっちだ』
殿下のいう方角が少々変でも、助手は決して逆らわなかった。殿下に間違いはなかった。
殿下のやることは彼にはわからない。だが成果だけはわかる。
そして、今、殿下だけが踏ん張っている状態だったのだ。
「殿下ッ」
一声叫んで、私は起きた。
いつもの、何の変化もないモンフォール街十八番地だった。
静かで物音ひとつしない。まるで何事も起きていないかのようだ。
そんなことはなかった。
遠いはるか彼方のエッセンの村では、いつ果てるともない砲撃戦が繰り返されている。
私はやらなきゃいけないことがある。これがダメなら別な方法を。
私は魔術書の媚薬の項目を開いた。あと、動物の繁殖方法のページも。
「もう混ぜたらいいじゃん、全部」
天才ポーション作りなんだからどうにかなるよね。
翌朝、山羊髭から手紙が届いた。なんだかものすごく読みにくい字でよろよろと書いてある。
「よし、これも混ぜちゃえ」
私は危険を承知で混ぜ薬を作りまくった。どうせ、使うのは悪獣相手だ。悪獣を呼び寄せるため、意味不明の媚薬のごったまぜと、ポーシャ様お得意の毒の生成だ。
媚薬の方は知らんけど、毒の方は猛烈に効く。
しかも効果は長い。
まあ、最終的には消えるけど。
人が食べたらダメなので、毒が回って死んだ動物の肉はあざやかな緑のドット入りの、ビビットピンクに染まるよう心遣いした。
これを食べる人がいたら色彩センスを疑うわ。多分、毒キノコをキレイとか言ってシチューに入れる手合いだ。どうせ長生きできないタイプだから、気にしなくていいや。
私は、デカいボロ袋に毒ポーションを山ほど詰め込み、単身でレイビックへ渡り、例の翼亭に向かった。
「あなたが研究者? 全然信用ならないんですけど……」
本当に研究なんかしているのか?
研究者と言えば、俗世には無関係で、平民蔑視なんかに凝り固まっていないイメージがあるんですけど。
「いや、あの、その節は……」
先生は冷や汗を流していた。
「それはどうでもいいんですが。なにしろ、この一件が終わり次第、ベリー公爵夫人と殿下が学校の体制を改められると言っておられますので」
ホントはよく知らんけど。
まあ、これくらい脅しておいて、ちょうどいいんじゃないかしら。それに、脅かしてでも、きっちり仕事だけはしてもらわないと。だって、この山羊髭が悪獣の研究の第一人者だって言うんだもの。全然、そうは見えないんだけど。
山羊髭を教室に呼びつけて、私は尋問した。
「それで。悪獣が好む食品はありますか?」
「人肉」
それはダメだ。そんなもの、調達できない。
「他は?」
「ええと、山羊の肉。羊の肉」
山羊先生の肉はどストライクですね。人肉だし、山羊だし。
「毒として効く物は?」
山羊先生は困った顔になった。
「うーん。悪獣とは言え、別に特にほかの動物と違う訳ではないんだよね。だから、効果がありそうな毒も一緒だ。毒まんじゅうを作って撒いたところで、悪獣以外の動物が見つけて喜んで食べてしまう可能性が高い」
「動物全部を虐殺したいわけではありませんわ」
どこかの動物愛護団体から、訴えられたら困る。
「毒を食べればそいつらは死ぬ。別に食べない理由はないから、悪獣含めて他の動物たちも喜んで肉を食うだろう。そして、死ぬ。食物連鎖ならぬ死亡連鎖だ。そうなると、食糧事情が更に悪化する訳で、人肉を求めて、悪獣たちがますますやって来ると」
ダメな理由なんか聞いてない。
「悪獣だけが好んで食べるものは?」
「そんなものないよ。彼らは雑食性なんだ。なんでも食べる。種族の特性とか何にもないよ」
山羊先生は、誰だって考えることさ、今更、大発明みたいに聞きに来られてもねえ、まあ、生徒の浅知恵だよねとか余計な感想を述べて、私を激高させた。
「種族の特性ですか」
私は考えに沈んだ。
「そうだ。ムスクみたいなやつ?」
「何?」
「種族ごとに魅力的な匂いがあるかもしれない。そうです、先生、媚薬がいい。媚薬を作りましょう!」
「媚薬?」
「興奮剤みたいなものですよ!」
先生は懐疑的だった。
「種族ごとに特別な好みがあるでしょう? 他の種類と交雑しないためとか」
「交雑は多いよね。特に魔獣じゃない元の種類とか。ヒトもねえ、平民と公爵家の令息とか」
そんなことを聞いてるんじゃないわ。
「悪獣の種類別の誘引剤みたいなものを探したいってことだろうけど、全然わからん。第一、似たものを作るのに、何年かかるか。無駄だと思うよ」
「へえ、長年研究してきたくせに、わからないんですか。最初から無駄だとか言っていたら、そりゃいつまで経っても何も出来ないって結果になりますよね」
私は嘲った。これまでのお返しである。
女公爵に勝てると思うか? 形勢逆転だ。
山羊先生はみるみる真っ赤になった。
ま、最初から公爵家の誰かだと言うことで現れたのだったらとにかく、初めは平民の設定だったから、今でもそんな気分が抜けていないのだろう。
「なんだとう! 人をバカにする気か! 平民のくせに」
「女公爵」
ここは訂正せねば。それに山羊先生のプライドなんかに構ってる時間はないのよ。
「今すぐ成果を持ってらっしゃい。先生は第一人者なんでしょ? 他の人に負けるわけにはいかないでしょ?」
山羊先生にライバルがいるのかなんてわからない。
だが、この一言は、妙に効いた。
「チクショー、アイツか! なんでそんな卑怯な手を使うんだ、このドブス平民!」
「(美人)女公爵!」
私は力を込めて否定した。今日は保護魔法をかけてないのに、何言ってるのかしら。
「早く成果を出しなさい。成果だけよ、家柄も身分も関係ないわ!」
公爵だからって、押し込みにかかってますけどね、今の私。でも、自分に都合がよかったら、少々の論理破綻は気にしませんわ! ホーッホッホッホッ
という訳で、モンフォール十八番地に舞い戻った私は、図書館からガッツリ借りてきた本にのめり込んだ。山羊髭からは、報告書が届くはずだ。
本からでも知識は得られるかもしれない。
三日三晩、本にかじりついた私は慣れないことに疲れ果て、目は充血し、頭が痛くなってきた。
睡眠も少しは取ったのにな。
「仕方ない。ここで倒れては元も子もないわ。ゆっくり寝ましょう」
夢の中では殿下が戦っていた。
彼は効率的に休みを取り、仲間が大勢動いている時間帯には寝ていた。
『夜の方が、勘が冴える』
細く、赤く見える月が中空に浮かんでいた。
『あっちだ』
殿下のいう方角が少々変でも、助手は決して逆らわなかった。殿下に間違いはなかった。
殿下のやることは彼にはわからない。だが成果だけはわかる。
そして、今、殿下だけが踏ん張っている状態だったのだ。
「殿下ッ」
一声叫んで、私は起きた。
いつもの、何の変化もないモンフォール街十八番地だった。
静かで物音ひとつしない。まるで何事も起きていないかのようだ。
そんなことはなかった。
遠いはるか彼方のエッセンの村では、いつ果てるともない砲撃戦が繰り返されている。
私はやらなきゃいけないことがある。これがダメなら別な方法を。
私は魔術書の媚薬の項目を開いた。あと、動物の繁殖方法のページも。
「もう混ぜたらいいじゃん、全部」
天才ポーション作りなんだからどうにかなるよね。
翌朝、山羊髭から手紙が届いた。なんだかものすごく読みにくい字でよろよろと書いてある。
「よし、これも混ぜちゃえ」
私は危険を承知で混ぜ薬を作りまくった。どうせ、使うのは悪獣相手だ。悪獣を呼び寄せるため、意味不明の媚薬のごったまぜと、ポーシャ様お得意の毒の生成だ。
媚薬の方は知らんけど、毒の方は猛烈に効く。
しかも効果は長い。
まあ、最終的には消えるけど。
人が食べたらダメなので、毒が回って死んだ動物の肉はあざやかな緑のドット入りの、ビビットピンクに染まるよう心遣いした。
これを食べる人がいたら色彩センスを疑うわ。多分、毒キノコをキレイとか言ってシチューに入れる手合いだ。どうせ長生きできないタイプだから、気にしなくていいや。
私は、デカいボロ袋に毒ポーションを山ほど詰め込み、単身でレイビックへ渡り、例の翼亭に向かった。
16
あなたにおすすめの小説
聖女様と間違って召喚された腐女子ですが、申し訳ないので仕事します!
碧桜
恋愛
私は花園美月。20歳。派遣期間が終わり無職となった日、馴染の古書店で顔面偏差値高スペックなイケメンに出会う。さらに、そこで美少女が穴に吸い込まれそうになっていたのを助けようとして、私は古書店のイケメンと共に穴に落ちてしまい、異世界へ―。実は、聖女様として召喚されようとしてた美少女の代わりに、地味でオタクな私が間違って来てしまった!
落ちたその先の世界で出会ったのは、私の推しキャラと見た目だけそっくりな王(仮)や美貌の側近、そして古書店から一緒に穴に落ちたイケメンの彼は、騎士様だった。3人ともすごい美形なのに、みな癖強すぎ難ありなイケメンばかり。
オタクで人見知りしてしまう私だけど、元の世界へ戻れるまで2週間、タダでお世話になるのは申し訳ないから、お城でメイドさんをすることにした。平和にお給料分の仕事をして、異世界観光して、2週間後自分の家へ帰るつもりだったのに、ドラゴンや悪い魔法使いとか出てきて、異能を使うイケメンの彼らとともに戦うはめに。聖女様の召喚の邪魔をしてしまったので、美少女ではありませんが、地味で腐女子ですが出来る限り、精一杯頑張ります。
ついでに無愛想で苦手と思っていた彼は、なかなかいい奴だったみたい。これは、恋など始まってしまう予感でしょうか!?
*カクヨムにて先に連載しているものを加筆・修正をおこなって掲載しております
不貞の子を身籠ったと夫に追い出されました。生まれた子供は『精霊のいとし子』のようです。
桧山 紗綺
恋愛
【完結】嫁いで5年。子供を身籠ったら追い出されました。不貞なんてしていないと言っても聞く耳をもちません。生まれた子は間違いなく夫の子です。夫の子……ですが。 私、離婚された方が良いのではないでしょうか。
戻ってきた実家で子供たちと幸せに暮らしていきます。
『精霊のいとし子』と呼ばれる存在を授かった主人公の、可愛い子供たちとの暮らしと新しい恋とか愛とかのお話です。
※※番外編も完結しました。番外編は色々な視点で書いてます。
時系列も結構バラバラに本編の間の話や本編後の色々な出来事を書きました。
一通り主人公の周りの視点で書けたかな、と。
番外編の方が本編よりも長いです。
気がついたら10万文字を超えていました。
随分と長くなりましたが、お付き合いくださってありがとうございました!
婚約破棄歴八年、すっかり飲んだくれになった私をシスコン義弟が宰相に成り上がって迎えにきた
鳥羽ミワ
恋愛
ロゼ=ローラン、二十四歳。十六歳の頃に最初の婚約が破棄されて以来、数えるのも馬鹿馬鹿しいくらいの婚約破棄を経験している。
幸い両親であるローラン伯爵夫妻はありあまる愛情でロゼを受け入れてくれているし、お酒はおいしいけれど、このままではかわいい義弟のエドガーの婚姻に支障が出てしまうかもしれない。彼はもう二十を過ぎているのに、いまだ縁談のひとつも来ていないのだ。
焦ったロゼはどこでもいいから嫁ごうとするものの、行く先々にエドガーが現れる。
このままでは義弟が姉離れできないと強い危機感を覚えるロゼに、男として迫るエドガー。気づかないロゼ。構わず迫るエドガー。
エドガーはありとあらゆるギリギリ世間の許容範囲(の外)の方法で外堀を埋めていく。
「パーティーのパートナーは俺だけだよ。俺以外の男の手を取るなんて許さない」
「お茶会に行くんだったら、ロゼはこのドレスを着てね。古いのは全部処分しておいたから」
「アクセサリー選びは任せて。俺の瞳の色だけで綺麗に飾ってあげるし、もちろん俺のネクタイもロゼの瞳の色だよ」
ちょっと抜けてる真面目酒カス令嬢が、シスコン義弟に溺愛される話。
※この話はカクヨム様、アルファポリス様、エブリスタ様にも掲載されています。
※レーティングをつけるほどではないと判断しましたが、作中性的ないやがらせ、暴行の描写、ないしはそれらを想起させる描写があります。
ゲームには参加しません! ―悪役を回避して無事逃れたと思ったのに―
冬野月子
恋愛
侯爵令嬢クリスティナは、ここが前世で遊んだ学園ゲームの世界だと気づいた。そして自分がヒロインのライバルで悪役となる立場だと。
のんびり暮らしたいクリスティナはゲームとは関わらないことに決めた。設定通りに王太子の婚約者にはなってしまったけれど、ゲームを回避して婚約も解消。平穏な生活を手に入れたと思っていた。
けれど何故か義弟から求婚され、元婚約者もアプローチしてきて、さらに……。
※小説家になろう・カクヨムにも投稿しています。
いくら政略結婚だからって、そこまで嫌わなくてもいいんじゃないですか?いい加減、腹が立ってきたんですけど!
夢呼
恋愛
伯爵令嬢のローゼは大好きな婚約者アーサー・レイモンド侯爵令息との結婚式を今か今かと待ち望んでいた。
しかし、結婚式の僅か10日前、その大好きなアーサーから「私から愛されたいという思いがあったら捨ててくれ。それに応えることは出来ない」と告げられる。
ローゼはその言葉にショックを受け、熱を出し寝込んでしまう。数日間うなされ続け、やっと目を覚ました。前世の記憶と共に・・・。
愛されることは無いと分かっていても、覆すことが出来ないのが貴族間の政略結婚。日本で生きたアラサー女子の「私」が八割心を占めているローゼが、この政略結婚に臨むことになる。
いくら政略結婚といえども、親に孫を見せてあげて親孝行をしたいという願いを持つローゼは、何とかアーサーに振り向いてもらおうと頑張るが、鉄壁のアーサーには敵わず。それどころか益々嫌われる始末。
一体私の何が気に入らないんだか。そこまで嫌わなくてもいいんじゃないんですかね!いい加減腹立つわっ!
世界観はゆるいです!
カクヨム様にも投稿しております。
※10万文字を超えたので長編に変更しました。
【受賞&書籍化】先視の王女の謀(さきみのおうじょのはかりごと)
神宮寺 あおい
恋愛
謎解き×恋愛
女神の愛し子は神託の謎を解き明かす。
月の女神に愛された国、フォルトゥーナの第二王女ディアナ。
ある日ディアナは女神の神託により隣国のウィクトル帝国皇帝イーサンの元へ嫁ぐことになった。
そして閉鎖的と言われるくらい国外との交流のないフォルトゥーナからウィクトル帝国へ行ってみれば、イーサンは男爵令嬢のフィリアを溺愛している。
さらにディアナは仮初の皇后であり、いずれ離縁してフィリアを皇后にすると言い出す始末。
味方の少ない中ディアナは女神の神託にそって行動を起こすが、それにより事態は思わぬ方向に転がっていく。
誰が敵で誰が味方なのか。
そして白日の下に晒された事実を前に、ディアナの取った行動はーー。
カクヨムコンテスト10 ファンタジー恋愛部門 特別賞受賞。
【完結】王位に拘る元婚約者様へ
凛 伊緒
恋愛
公爵令嬢ラリエット・ゼンキースア、18歳。
青みがかった銀の髪に、金の瞳を持っている。ラリエットは誰が見ても美しいと思える美貌の持ち主だが、『闇魔法使い』が故に酷い扱いを受けていた。
虐げられ、食事もろくに与えられない。
それらの行為の理由は、闇魔法に対する恐怖からか、或いは彼女に対する嫉妬か……。
ラリエットには、5歳の頃に婚約した婚約者がいた。
名はジルファー・アンドレイズ。このアンドレイズ王国の王太子だった。
しかし8歳の時、ラリエットの魔法適正が《闇》だということが発覚する。これが、全ての始まりだった──
婚約破棄された公爵令嬢ラリエットが名前を変え、とある事情から再び王城に戻り、王太子にざまぁするまでの物語──
※ご感想・ご指摘 等につきましては、近況ボードをご確認くださいませ。
公爵令息様を治療したらいつの間にか溺愛されていました
Karamimi
恋愛
マーケッヒ王国は魔法大国。そんなマーケッヒ王国の伯爵令嬢セリーナは、14歳という若さで、治癒師として働いている。それもこれも莫大な借金を返済し、幼い弟妹に十分な教育を受けさせるためだ。
そんなセリーナの元を訪ねて来たのはなんと、貴族界でも3本の指に入る程の大貴族、ファーレソン公爵だ。話を聞けば、15歳になる息子、ルークがずっと難病に苦しんでおり、どんなに優秀な治癒師に診てもらっても、一向に良くならないらしい。
それどころか、どんどん悪化していくとの事。そんな中、セリーナの評判を聞きつけ、藁をもすがる思いでセリーナの元にやって来たとの事。
必死に頼み込む公爵を見て、出来る事はやってみよう、そう思ったセリーナは、早速公爵家で治療を始めるのだが…
正義感が強く努力家のセリーナと、病気のせいで心が歪んでしまった公爵令息ルークの恋のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる