60 / 97
第60話 集団陳謝
しおりを挟む
「ポーシャ。ずっとこうしていたい」
耳元で熱く囁く。
殿下はすごく嬉しそうだったが、あいにくドアをノックする音がした。
「帰ってきたのかい?」
ガチャリ。
セス様だった。
助かった!
「セス様あー。助けてー」
セス様はドアの前で固まった。
「おのれ、セス! 人の婚約者と婚約するとは!」
私の叫びと、殿下の唸り声が同時だった。
「あ? えーと? 殿下?」
セス様が突然挙動不審になった。
「デート、楽しめましたー?」
いつもより甲高い声で、セス様が聞いた。
「これからって時に! お前さえ割り込んでこなければ、順調だったのに!」
順調? 何が順調?
「あ、そう。そうなんです! すっごく順調なんですよ、殿下!」
少々うわずった感じがするセス様の声が響いた。
「ぜひとも報告しなくちゃと思ってですね、取り急ぎ参上した次第です。もうそろそろポーシャ嬢がご帰還の時間だと思いましたので!」
セス様が窓の外を指すので見ると、早くももう夕方だった。
私たち、何をしてたんだろうか。
「なにしろ、本当に悪獣の襲撃が減ってきてまして!」
え?
「あんな毒が効くなんて思ってもなかったですよ! 子どもの遊びかなー?なんて」
「なんだとお?」
私は殿下の腕の中から、抜け出して、セス様に向かって言った。
「効くに決まってるでしょう!」
殿下のこの有様を見てちょうだい!
かっこいい戦士が、女性の首にしがみついて、デロデロの体たらく。
被害届を出したいくらいよ!
媚薬を作った犯人が自分だから、出せないだけよ!
「正直、殿下の骨休みのつもりでしたから。二人でデレデレ出来たでしょう?」
「そんなことしてない!」
「デレデレ出来たのは今日の午後半日だけだ!」
「言わなくていいから!」
セス様がニヤリとしたのを私は見た。
もしかして、これは……
「殿下、真面目な話、あの毒は効果抜群でした。すごいです」
殿下は鼻息も荒くうなずいた。
「その通りだ!」
「私の報告は以上です。それでは、お楽しみのところ、失礼しました。なお、ポーシャ様は婚約したなどとほざいておられますが、私は承諾してませんので!」
「裏切る気なの?」
私はつきまとう殿下の手をなんとか振り払いながら叫んだ。
しかし、セス様は無慈悲にもドアをガチャリと閉めて出て行ってしまった。
「ポーシャ」
殿下がサッと振り返った。ダメだ。まだ、媚薬が効いている。
「邪魔者は居なくなった。大好きだ、ポーシャ。わかって欲しい……」
殿下は移動式の絨毯をガッツリ握りしめていたが、この家には普通の絨毯がちゃんとある。
「だああああッ」
私は意味不明な大声をあげて、殿下がちょっとひるんだところを飛び出した。
寮だ、寮! 男子禁制!
絨毯が設置されていさえすれば、どこへでも殿下は出入りできるはずだが、あそこだけはストップが掛けられている。
私だって、普通の絨毯なら簡単に操作できるもの。
「え? あ? 待って、待ってー! どこ行くの? ポーシャアアアー」
そして、私は寮に舞い戻った。
寮は静かで……何事もなかったかのようだった。
私はペタリと床に座り込んだ。
なんてことだ。
殿下の手の感触、なにより首筋に押しつけられた鼻と頬の感触が、ゾクゾクする。
推しこそは遠きにありて見ゆるもの。そして密かに想うもの。作:ポーシャ
無理矢理抱かれて、ゴリゴリ接近されたらものすごく困るじゃないか。
私、どうしたらいいの?
尊びたいと、切に願っているのにも関わらず、売れ残り商品の最安値たたき売りみたいに、向こうから押せ押せで買ってくださいって、私の殿下はそんなに安くないッ。決して手が届かない崇め奉る高額商品なんだって!
「ま、まあ。あの殿下は殿下じゃない」
私は鏡に向かって弁解した。
「殿下は媚薬で狂っていて、手あたり次第、女性でありさえすればよかったみたいだし」
つまり私、女性だったの?
鏡の中の私が、ちょっぴり赤くなっている。いやだああ。私は鏡を裏向けた。
「よし、寝よう」
とにかく食べて、風呂に入って、歯を磨いて、それから寝た。疲れていたので、あれほどいろんなことが勃発した日だったのにも関わらず、私は眠ることが出来た。
翌日から、私は冒険心や国を救おうだとか、壮大で、身の程知らずなことは考えないことに決めた。
例えば、殿下のお手伝いをしようとか、そんな大それたことには、手を出さない。
私だって、殿下を陰から(ここ重要)援助しようと思ってたのに、主役の殿下が、突然、飛び込んできたもんで、ドキドキして、何が何だか分からなくなって、自分が自分でなくなってしまう程、大混乱してしまったの。
今後は、大人しく、ただの貴族として分相応な生活に勤しむ。
殿下に見つからないように努めて、殿下に忘れてもらって、そして心穏やかに、遠くから殿下にときめいて、無責任に陰でステキとか褒め称えていたい。でないと心臓がもたない。
そう。私の次の目標は、その他大勢になること。
その他大勢は目立たない。でも、自由だと思う。
心の安寧のためには、必要なことだ。
そのために、問題は起こさない。山羊先生を脅してみたり、セス様と婚約してみたり、そんなことはもうしない。
バスター君は雇うけど。
私は残りの夏休み、寮に立て篭もり、時々モンフォール街十八番地まで行って、ポーションを作ったり、食料品を買い込んで料理してみたりした。学校の食堂はまだ閉まっていたからだ。
ちょっとだけ働いた翼亭の料理は美味しかったけど今まで食べたことのない味わいだったので、その再現を試みたり。
ポーションは、折角なので、体内に取り込めば瞬殺系(即効性の毒薬)と、気化したものを吸い込んだら瞬殺系(毒ガス)も作ってみた。
実際に目にした時の悪獣の恐ろしさときたらもう、一挙に全員、この世から退出していただきたくなってしまったわ。
平和で穏やかな残りの夏休みを過ごすうちに、ぽつぽつ生徒たちが寮に戻って来た。
学校が始まる前、私は山羊先生の呼び出しを受けた。
うむ。
まずい。
その他大勢&目立たないを信条とすると決めたのだ。
この前は、先生を脅しまくってしまった。女公爵たる私を平民扱いして退学を求めたりして、そのうち、先生にも処分が及ぶかも知れませんことよー、オーホッホッホ(高笑い)とかやってしまった。
少々、方針が変わったのだ。今後は大人しくて目立たないご令嬢を目指す所存である。
だが、山羊先生の部屋に行って、驚いた。
だって、山羊先生のほかにも何人か他の先生たちが、ぎっしり整列していたからだ。
「一体、なにがあったのですか?」
これだけの人数が入ると、結構広いと思っていた山羊先生の部屋が、狭苦しく思えるほどだ。
そして先生方の顔を見ると、全員、思い詰めたような表情をしていた。
「アランソン公爵閣下」
彼らはうやうやしく声をそろえた。
は?
今まで、ポーシャって呼び捨てだったのに?
「これまでの私どもの公爵閣下に対する数々の無礼をどうかお許しくださいますよう」
代表らしい年配の先生がそう言うと、全員が一斉に頭を下げた。
代表の先生を年配かなと思ったのは、頭を下げると、黒々とした艶のある巻き毛の髪が、ファサと顔の周りに縦ロールとなって垂れ下がり、脳天を中心にこれまたツヤツヤした栄養のよさそうな地肌が輝いているのが見えたからだ。
あっけに取られた。
「あ、どういうことです? それに、も、もし、あやまると言うなら、学校長から一言もらえば済む話ですわ。こんなところで……」
すると、さっきの代表の先生が大慌てで弁解を始めた。
「誠に申し訳ございません。公爵閣下のおっしゃる通りでございます。まず、学校長ですが、この度の事態を起こした責任を取って退職いたしました」
「え……」
学校長って誰だったっけ? 顔が思い出せない。
「そして、私が新しく後任となりました。ボウルマンと申します」
そして改めて深々と頭を下げた。顔がまた覚えられないままで終わってしまいそう。だってさっきから頭を下げっぱなしなんだもの。
「頭を上げてくださいな。顔がわかりませんわ?」
学校長は更に深く頭を下げた。脳天しか見えない。艶々しいな。お肌も髪も。
「また、こんな場所にお呼び立ていたしまして、本当に申し訳ございません。ですが、私どもが女性の寮に押しかけるわけにはまいりません。そうかといって、教室でお詫びしても、食堂でお詫びしても、お越しいただくことに変わりはありませんので、寮から一番近いチーゲスト先生の部屋にお越しいただきました」
すごくどうでもいいんだけど。
しかし教師陣は本当に相当数が入れ替わったらしく、全員が懸命に自分の名前を名乗って、私に好印象を持ってもらおうと必死だった。変われば変わるものである。
「閣下にご無礼を働くことなど二度とないよう、かつ誠心誠意、公平で平等、生徒の成長にのみ良心的に尽くすことを誓います!」
誓いの言葉の後、全員がうやうやしく一礼して部屋を出て行った。
その後には、山羊先生一人だけが残った。
耳元で熱く囁く。
殿下はすごく嬉しそうだったが、あいにくドアをノックする音がした。
「帰ってきたのかい?」
ガチャリ。
セス様だった。
助かった!
「セス様あー。助けてー」
セス様はドアの前で固まった。
「おのれ、セス! 人の婚約者と婚約するとは!」
私の叫びと、殿下の唸り声が同時だった。
「あ? えーと? 殿下?」
セス様が突然挙動不審になった。
「デート、楽しめましたー?」
いつもより甲高い声で、セス様が聞いた。
「これからって時に! お前さえ割り込んでこなければ、順調だったのに!」
順調? 何が順調?
「あ、そう。そうなんです! すっごく順調なんですよ、殿下!」
少々うわずった感じがするセス様の声が響いた。
「ぜひとも報告しなくちゃと思ってですね、取り急ぎ参上した次第です。もうそろそろポーシャ嬢がご帰還の時間だと思いましたので!」
セス様が窓の外を指すので見ると、早くももう夕方だった。
私たち、何をしてたんだろうか。
「なにしろ、本当に悪獣の襲撃が減ってきてまして!」
え?
「あんな毒が効くなんて思ってもなかったですよ! 子どもの遊びかなー?なんて」
「なんだとお?」
私は殿下の腕の中から、抜け出して、セス様に向かって言った。
「効くに決まってるでしょう!」
殿下のこの有様を見てちょうだい!
かっこいい戦士が、女性の首にしがみついて、デロデロの体たらく。
被害届を出したいくらいよ!
媚薬を作った犯人が自分だから、出せないだけよ!
「正直、殿下の骨休みのつもりでしたから。二人でデレデレ出来たでしょう?」
「そんなことしてない!」
「デレデレ出来たのは今日の午後半日だけだ!」
「言わなくていいから!」
セス様がニヤリとしたのを私は見た。
もしかして、これは……
「殿下、真面目な話、あの毒は効果抜群でした。すごいです」
殿下は鼻息も荒くうなずいた。
「その通りだ!」
「私の報告は以上です。それでは、お楽しみのところ、失礼しました。なお、ポーシャ様は婚約したなどとほざいておられますが、私は承諾してませんので!」
「裏切る気なの?」
私はつきまとう殿下の手をなんとか振り払いながら叫んだ。
しかし、セス様は無慈悲にもドアをガチャリと閉めて出て行ってしまった。
「ポーシャ」
殿下がサッと振り返った。ダメだ。まだ、媚薬が効いている。
「邪魔者は居なくなった。大好きだ、ポーシャ。わかって欲しい……」
殿下は移動式の絨毯をガッツリ握りしめていたが、この家には普通の絨毯がちゃんとある。
「だああああッ」
私は意味不明な大声をあげて、殿下がちょっとひるんだところを飛び出した。
寮だ、寮! 男子禁制!
絨毯が設置されていさえすれば、どこへでも殿下は出入りできるはずだが、あそこだけはストップが掛けられている。
私だって、普通の絨毯なら簡単に操作できるもの。
「え? あ? 待って、待ってー! どこ行くの? ポーシャアアアー」
そして、私は寮に舞い戻った。
寮は静かで……何事もなかったかのようだった。
私はペタリと床に座り込んだ。
なんてことだ。
殿下の手の感触、なにより首筋に押しつけられた鼻と頬の感触が、ゾクゾクする。
推しこそは遠きにありて見ゆるもの。そして密かに想うもの。作:ポーシャ
無理矢理抱かれて、ゴリゴリ接近されたらものすごく困るじゃないか。
私、どうしたらいいの?
尊びたいと、切に願っているのにも関わらず、売れ残り商品の最安値たたき売りみたいに、向こうから押せ押せで買ってくださいって、私の殿下はそんなに安くないッ。決して手が届かない崇め奉る高額商品なんだって!
「ま、まあ。あの殿下は殿下じゃない」
私は鏡に向かって弁解した。
「殿下は媚薬で狂っていて、手あたり次第、女性でありさえすればよかったみたいだし」
つまり私、女性だったの?
鏡の中の私が、ちょっぴり赤くなっている。いやだああ。私は鏡を裏向けた。
「よし、寝よう」
とにかく食べて、風呂に入って、歯を磨いて、それから寝た。疲れていたので、あれほどいろんなことが勃発した日だったのにも関わらず、私は眠ることが出来た。
翌日から、私は冒険心や国を救おうだとか、壮大で、身の程知らずなことは考えないことに決めた。
例えば、殿下のお手伝いをしようとか、そんな大それたことには、手を出さない。
私だって、殿下を陰から(ここ重要)援助しようと思ってたのに、主役の殿下が、突然、飛び込んできたもんで、ドキドキして、何が何だか分からなくなって、自分が自分でなくなってしまう程、大混乱してしまったの。
今後は、大人しく、ただの貴族として分相応な生活に勤しむ。
殿下に見つからないように努めて、殿下に忘れてもらって、そして心穏やかに、遠くから殿下にときめいて、無責任に陰でステキとか褒め称えていたい。でないと心臓がもたない。
そう。私の次の目標は、その他大勢になること。
その他大勢は目立たない。でも、自由だと思う。
心の安寧のためには、必要なことだ。
そのために、問題は起こさない。山羊先生を脅してみたり、セス様と婚約してみたり、そんなことはもうしない。
バスター君は雇うけど。
私は残りの夏休み、寮に立て篭もり、時々モンフォール街十八番地まで行って、ポーションを作ったり、食料品を買い込んで料理してみたりした。学校の食堂はまだ閉まっていたからだ。
ちょっとだけ働いた翼亭の料理は美味しかったけど今まで食べたことのない味わいだったので、その再現を試みたり。
ポーションは、折角なので、体内に取り込めば瞬殺系(即効性の毒薬)と、気化したものを吸い込んだら瞬殺系(毒ガス)も作ってみた。
実際に目にした時の悪獣の恐ろしさときたらもう、一挙に全員、この世から退出していただきたくなってしまったわ。
平和で穏やかな残りの夏休みを過ごすうちに、ぽつぽつ生徒たちが寮に戻って来た。
学校が始まる前、私は山羊先生の呼び出しを受けた。
うむ。
まずい。
その他大勢&目立たないを信条とすると決めたのだ。
この前は、先生を脅しまくってしまった。女公爵たる私を平民扱いして退学を求めたりして、そのうち、先生にも処分が及ぶかも知れませんことよー、オーホッホッホ(高笑い)とかやってしまった。
少々、方針が変わったのだ。今後は大人しくて目立たないご令嬢を目指す所存である。
だが、山羊先生の部屋に行って、驚いた。
だって、山羊先生のほかにも何人か他の先生たちが、ぎっしり整列していたからだ。
「一体、なにがあったのですか?」
これだけの人数が入ると、結構広いと思っていた山羊先生の部屋が、狭苦しく思えるほどだ。
そして先生方の顔を見ると、全員、思い詰めたような表情をしていた。
「アランソン公爵閣下」
彼らはうやうやしく声をそろえた。
は?
今まで、ポーシャって呼び捨てだったのに?
「これまでの私どもの公爵閣下に対する数々の無礼をどうかお許しくださいますよう」
代表らしい年配の先生がそう言うと、全員が一斉に頭を下げた。
代表の先生を年配かなと思ったのは、頭を下げると、黒々とした艶のある巻き毛の髪が、ファサと顔の周りに縦ロールとなって垂れ下がり、脳天を中心にこれまたツヤツヤした栄養のよさそうな地肌が輝いているのが見えたからだ。
あっけに取られた。
「あ、どういうことです? それに、も、もし、あやまると言うなら、学校長から一言もらえば済む話ですわ。こんなところで……」
すると、さっきの代表の先生が大慌てで弁解を始めた。
「誠に申し訳ございません。公爵閣下のおっしゃる通りでございます。まず、学校長ですが、この度の事態を起こした責任を取って退職いたしました」
「え……」
学校長って誰だったっけ? 顔が思い出せない。
「そして、私が新しく後任となりました。ボウルマンと申します」
そして改めて深々と頭を下げた。顔がまた覚えられないままで終わってしまいそう。だってさっきから頭を下げっぱなしなんだもの。
「頭を上げてくださいな。顔がわかりませんわ?」
学校長は更に深く頭を下げた。脳天しか見えない。艶々しいな。お肌も髪も。
「また、こんな場所にお呼び立ていたしまして、本当に申し訳ございません。ですが、私どもが女性の寮に押しかけるわけにはまいりません。そうかといって、教室でお詫びしても、食堂でお詫びしても、お越しいただくことに変わりはありませんので、寮から一番近いチーゲスト先生の部屋にお越しいただきました」
すごくどうでもいいんだけど。
しかし教師陣は本当に相当数が入れ替わったらしく、全員が懸命に自分の名前を名乗って、私に好印象を持ってもらおうと必死だった。変われば変わるものである。
「閣下にご無礼を働くことなど二度とないよう、かつ誠心誠意、公平で平等、生徒の成長にのみ良心的に尽くすことを誓います!」
誓いの言葉の後、全員がうやうやしく一礼して部屋を出て行った。
その後には、山羊先生一人だけが残った。
14
あなたにおすすめの小説
聖女様と間違って召喚された腐女子ですが、申し訳ないので仕事します!
碧桜
恋愛
私は花園美月。20歳。派遣期間が終わり無職となった日、馴染の古書店で顔面偏差値高スペックなイケメンに出会う。さらに、そこで美少女が穴に吸い込まれそうになっていたのを助けようとして、私は古書店のイケメンと共に穴に落ちてしまい、異世界へ―。実は、聖女様として召喚されようとしてた美少女の代わりに、地味でオタクな私が間違って来てしまった!
落ちたその先の世界で出会ったのは、私の推しキャラと見た目だけそっくりな王(仮)や美貌の側近、そして古書店から一緒に穴に落ちたイケメンの彼は、騎士様だった。3人ともすごい美形なのに、みな癖強すぎ難ありなイケメンばかり。
オタクで人見知りしてしまう私だけど、元の世界へ戻れるまで2週間、タダでお世話になるのは申し訳ないから、お城でメイドさんをすることにした。平和にお給料分の仕事をして、異世界観光して、2週間後自分の家へ帰るつもりだったのに、ドラゴンや悪い魔法使いとか出てきて、異能を使うイケメンの彼らとともに戦うはめに。聖女様の召喚の邪魔をしてしまったので、美少女ではありませんが、地味で腐女子ですが出来る限り、精一杯頑張ります。
ついでに無愛想で苦手と思っていた彼は、なかなかいい奴だったみたい。これは、恋など始まってしまう予感でしょうか!?
*カクヨムにて先に連載しているものを加筆・修正をおこなって掲載しております
竜帝に捨てられ病気で死んで転生したのに、生まれ変わっても竜帝に気に入られそうです
みゅー
恋愛
シーディは前世の記憶を持っていた。前世では奉公に出された家で竜帝に気に入られ寵姫となるが、竜帝は豪族と婚約すると噂され同時にシーディの部屋へ通うことが減っていった。そんな時に病気になり、シーディは後宮を出ると一人寂しく息を引き取った。
時は流れ、シーディはある村外れの貧しいながらも優しい両親の元に生まれ変わっていた。そんなある日村に竜帝が訪れ、竜帝に見つかるがシーディの生まれ変わりだと気づかれずにすむ。
数日後、運命の乙女を探すためにの同じ年、同じ日に生まれた数人の乙女たちが後宮に召集され、シーディも後宮に呼ばれてしまう。
自分が運命の乙女ではないとわかっているシーディは、とにかく何事もなく村へ帰ることだけを目標に過ごすが……。
はたして本当にシーディは運命の乙女ではないのか、今度の人生で幸せをつかむことができるのか。
短編:竜帝の花嫁 誰にも愛されずに死んだと思ってたのに、生まれ変わったら溺愛されてました
を長編にしたものです。
不貞の子を身籠ったと夫に追い出されました。生まれた子供は『精霊のいとし子』のようです。
桧山 紗綺
恋愛
【完結】嫁いで5年。子供を身籠ったら追い出されました。不貞なんてしていないと言っても聞く耳をもちません。生まれた子は間違いなく夫の子です。夫の子……ですが。 私、離婚された方が良いのではないでしょうか。
戻ってきた実家で子供たちと幸せに暮らしていきます。
『精霊のいとし子』と呼ばれる存在を授かった主人公の、可愛い子供たちとの暮らしと新しい恋とか愛とかのお話です。
※※番外編も完結しました。番外編は色々な視点で書いてます。
時系列も結構バラバラに本編の間の話や本編後の色々な出来事を書きました。
一通り主人公の周りの視点で書けたかな、と。
番外編の方が本編よりも長いです。
気がついたら10万文字を超えていました。
随分と長くなりましたが、お付き合いくださってありがとうございました!
いくら政略結婚だからって、そこまで嫌わなくてもいいんじゃないですか?いい加減、腹が立ってきたんですけど!
夢呼
恋愛
伯爵令嬢のローゼは大好きな婚約者アーサー・レイモンド侯爵令息との結婚式を今か今かと待ち望んでいた。
しかし、結婚式の僅か10日前、その大好きなアーサーから「私から愛されたいという思いがあったら捨ててくれ。それに応えることは出来ない」と告げられる。
ローゼはその言葉にショックを受け、熱を出し寝込んでしまう。数日間うなされ続け、やっと目を覚ました。前世の記憶と共に・・・。
愛されることは無いと分かっていても、覆すことが出来ないのが貴族間の政略結婚。日本で生きたアラサー女子の「私」が八割心を占めているローゼが、この政略結婚に臨むことになる。
いくら政略結婚といえども、親に孫を見せてあげて親孝行をしたいという願いを持つローゼは、何とかアーサーに振り向いてもらおうと頑張るが、鉄壁のアーサーには敵わず。それどころか益々嫌われる始末。
一体私の何が気に入らないんだか。そこまで嫌わなくてもいいんじゃないんですかね!いい加減腹立つわっ!
世界観はゆるいです!
カクヨム様にも投稿しております。
※10万文字を超えたので長編に変更しました。
断罪される前に市井で暮らそうとした悪役令嬢は幸せに酔いしれる
葉柚
恋愛
侯爵令嬢であるアマリアは、男爵家の養女であるアンナライラに婚約者のユースフェリア王子を盗られそうになる。
アンナライラに呪いをかけたのはアマリアだと言いアマリアを追い詰める。
アマリアは断罪される前に市井に溶け込み侯爵令嬢ではなく一市民として生きようとする。
市井ではどこかの王子が呪いにより猫になってしまったという噂がまことしやかに流れており……。
【完結】勤労令嬢、街へ行く〜令嬢なのに下働きさせられていた私を養女にしてくれた侯爵様が溺愛してくれるので、国いちばんのレディを目指します〜
鈴木 桜
恋愛
貧乏男爵の妾の子である8歳のジリアンは、使用人ゼロの家で勤労の日々を送っていた。
誰よりも早く起きて畑を耕し、家族の食事を準備し、屋敷を隅々まで掃除し……。
幸いジリアンは【魔法】が使えたので、一人でも仕事をこなすことができていた。
ある夏の日、彼女の運命を大きく変える出来事が起こる。
一人の客人をもてなしたのだ。
その客人は戦争の英雄クリフォード・マクリーン侯爵の使いであり、ジリアンが【魔法の天才】であることに気づくのだった。
【魔法】が『武器』ではなく『生活』のために使われるようになる時代の転換期に、ジリアンは戦争の英雄の養女として迎えられることになる。
彼女は「働かせてください」と訴え続けた。そうしなければ、追い出されると思ったから。
そんな彼女に、周囲の大人たちは目一杯の愛情を注ぎ続けた。
そして、ジリアンは少しずつ子供らしさを取り戻していく。
やがてジリアンは17歳に成長し、新しく設立された王立魔法学院に入学することに。
ところが、マクリーン侯爵は渋い顔で、
「男子生徒と目を合わせるな。微笑みかけるな」と言うのだった。
学院には幼馴染の謎の少年アレンや、かつてジリアンをこき使っていた腹違いの姉もいて──。
☆第2部完結しました☆
ボロボロになるまで働いたのに見た目が不快だと追放された聖女は隣国の皇子に溺愛される。……ちょっと待って、皇子が三つ子だなんて聞いてません!
沙寺絃
恋愛
ルイン王国の神殿で働く聖女アリーシャは、早朝から深夜まで一人で激務をこなしていた。
それなのに聖女の力を理解しない王太子コリンから理不尽に追放を言い渡されてしまう。
失意のアリーシャを迎えに来たのは、隣国アストラ帝国からの使者だった。
アリーシャはポーション作りの才能を買われ、アストラ帝国に招かれて病に臥せった皇帝を助ける。
帝国の皇子は感謝して、アリーシャに深い愛情と敬意を示すようになる。
そして帝国の皇子は十年前にアリーシャと出会った事のある初恋の男の子だった。
再会に胸を弾ませるアリーシャ。しかし、衝撃の事実が発覚する。
なんと、皇子は三つ子だった!
アリーシャの幼馴染の男の子も、三人の皇子が入れ替わって接していたと判明。
しかも病から復活した皇帝は、アリーシャを皇子の妃に迎えると言い出す。アリーシャと結婚した皇子に、次の皇帝の座を譲ると宣言した。
アリーシャは個性的な三つ子の皇子に愛されながら、誰と結婚するか決める事になってしまう。
一方、アリーシャを追放したルイン王国では暗雲が立ち込め始めていた……。
【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる