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第95話 事後処理それぞれ
スプリンバーグ家のいざこざは、ちょっとした行き違いだとみなされ、王家から特に咎めだてが行くような大問題にならなかった。
王家は静観を選んだことで、何も手を下さず公爵家の自滅を誘うことにしたらしい。
王子殿下の訪問は本来なら名誉なことである。婚約者を伴ったことは、婚約しているのなら当然だし、婚約後の最初の訪問先に縁のある公爵家を選ぶのは、自然な話で公爵家としては名誉のはず。
公爵夫妻が王子を王子と認識していなかったのがまず大問題。ちょっと常識を疑うレベルのミスだ。
ただし、これまで王子は変装していた。なぜだかは知らないけど。だから顔を知られていない。
ただ、そこを割り引いても、一応、名前は名乗ったのに、なんとなく聞いていなかったと言うのは、スプリンバーグ公爵夫妻らしいと言えば、公爵夫妻らしいミス。
高位貴族なので、相手によっては笑ってすましてもらえるかもしれない。
フィリップ殿下は、笑わなかったが、無視することにした。
一方で、ハンナ嬢を見るや否や、罵倒し皮肉を浴びせかけたのは、ジョージ。そのうえ王子のご学友に選ばれたにも関わらず、王子を王子と認識できなかった。
これには公爵家含め、世人も全く納得いかなかった。
なぜだ。
それに(自分の側の都合で)婚約を白紙に戻した女性に、多少は気を遣えばいいのに、『私に振られて、顔だけ三文役者を連れて意趣返しに来たのか』って、どういう自信過剰かわからない。
ただ、こちらは、フィリップ殿下から誰が三文役者だと詰め寄られた。とはいえ、その場で言われただけである。
ハミルトン一家は不気味な沈黙を守った。
割と非難しにくい悪口だったからだ。
「レベルが低すぎて、相手にしにくい」とはハミルトン伯爵が妻に語った言葉だった。表向きには、わずかにこう言っただけだった。
「当初、ご学友に選ばれていたにもかかわらず、肝心のフィリップ殿下の顔を知らなかったと言うのは、訳が分からない」
なかなかに痛恨の一撃だった。
評判が地に落ちたジョージだったが、あれほど派手に園遊会などで披露してしまったので、婚約を覆すことは難しかった。
キャンベル家にとってはもっけの幸いだったが、スプリンバーグ家にとっては不名誉な話だ。ハンナを追い払って、婚約者の座から追い落したと得意がっていたが、こうなってみると、婚約が危うくする名人である。ハンナではなくジョージに根本的に問題があるのではないかと思われるようになった。
この話を聞いて、アレクサンドラ殿下は声をたてて笑った。だが、パース公爵夫人は渋い顔をしていた。ハンナはそれを見て、何もやらかさなかったのだが、肩身が狭そうな顔をした。
アレクサンドラ殿下が、慰めてくれた。
「気にしなくていいわ。パース夫人だって、内心では痛快がっているのよ」
パース公爵夫人の一見渋そうな顔を見て、殿下はこっそり教えてくれた。
やはりヒルダ嬢のスプリンバーグ家は、決して評判が良い一家という訳ではなかったようだ。
「公爵家という身分を笠に着て、だらだら暮らしているだけなのですもの」
アレクサンドラ殿下の結婚式の準備はつつがなく進んでいるようだ。
ハンナも、今日みたいに、時々呼ばれて意見を求められたりする。とはいえ、ハンナは高々伯爵家の令嬢に過ぎない。ましてや他国との婚礼のしきたりなど知るわけでもない。なんとなくアレクサンドラ殿下のおそばにいるだけだ。
「いいのよ、それで」
アレクサンドラ殿下は言う。
「あなたがいると気が休まるわ。だから、隣国に連れていくつもりだったの」
ハンナはびっくりした。
アレクサンドラ殿下はすねたように言った。
「外国語が得意だし、空気が読める。そつがない。観察力があるしね。パース夫人も太鼓判を押してくれた。ただ、あなたのご実家の伯爵家はただの伯爵家ではないわ。多業種多国籍の大商家で、あなたをとてもかわいがっているわ」
両親は確かにハンナをかわいがってくれている。でも、それはどこの家でも同じではなのか?
アレクサンドラ殿下は首を振った。
「王妃様の専属侍女は権力者よ。でも、大変な仕事だわ。あなたのご実家は、王都の社交界にはわざわざ出てこなかった。申し訳程度に顔出しするだけだった。面倒を嫌って、田舎の大邸宅に住まないで、家庭的な気楽な小さな屋敷に住んでいたって聞いたわ。プライベートを大事にする家なのよ。それだけの財力と権力があるしね。私の侍女になんて、とんでもなかった」
ハンナは驚いた。
「でも、私の両親はフィリップ殿下との婚約には賛成でしたわ」
それどころか、結構喜んでいたと思う。
「フィリップは国外に出ないもの。田舎の公爵領を拝領するつもりらしいわ。商売にも手を出すと言っている。公爵家くらいなら問題ないわ。それなら、国家の威光も利用できるでしょ? 王子が事業に失敗したら困るけど、ハミルトン伯爵が付いていればそんな心配もいらないし」
あなたのご実家と手を結んだらお互いに利益になるものねと、アレクサンドラ殿下は、少し寂しそうに笑った。
「本当は、本当にあなたに来て欲しかったの。でも、フィリップが猛反対するから」
ハンナは驚いた。
「覚えてる? 最初に私のご学友になって、学校の食堂でランチを食べた時のこと」
覚えている。異様な風体の王子様に驚いた時だ。
「フィリップはあのころからあなたに関心があったわ。あの格好を見ても、全く驚かないあなたに、逆に興味津々になったらしいわ」
アレクサンドラ殿下は微笑んだ。
「それからは、ずっとジョージの婚約をぶっ潰す方に全力を尽くしていたわね」
あああ。
ハンナは思った。
この双子の王子王女に振り回されたハンナの学園生活……。
一体どうしたらいいのか。
社交界と学園は、別々でいるようで、強い関係を持っている。
あのパーティ以来、フィリップ殿下は、何かに執念を燃やし始めた。
アレクサンドラ殿下は、学園に行きたがっていたが、さすがに隣国の王太子妃という身分が決定した今は学園に来ることも出来なくなった。しかしフィリップ殿下は、学園にせっせと通いつめ、堂々とイチャラブを始めたのだ。
殿下! やめましょうよ!
王家は静観を選んだことで、何も手を下さず公爵家の自滅を誘うことにしたらしい。
王子殿下の訪問は本来なら名誉なことである。婚約者を伴ったことは、婚約しているのなら当然だし、婚約後の最初の訪問先に縁のある公爵家を選ぶのは、自然な話で公爵家としては名誉のはず。
公爵夫妻が王子を王子と認識していなかったのがまず大問題。ちょっと常識を疑うレベルのミスだ。
ただし、これまで王子は変装していた。なぜだかは知らないけど。だから顔を知られていない。
ただ、そこを割り引いても、一応、名前は名乗ったのに、なんとなく聞いていなかったと言うのは、スプリンバーグ公爵夫妻らしいと言えば、公爵夫妻らしいミス。
高位貴族なので、相手によっては笑ってすましてもらえるかもしれない。
フィリップ殿下は、笑わなかったが、無視することにした。
一方で、ハンナ嬢を見るや否や、罵倒し皮肉を浴びせかけたのは、ジョージ。そのうえ王子のご学友に選ばれたにも関わらず、王子を王子と認識できなかった。
これには公爵家含め、世人も全く納得いかなかった。
なぜだ。
それに(自分の側の都合で)婚約を白紙に戻した女性に、多少は気を遣えばいいのに、『私に振られて、顔だけ三文役者を連れて意趣返しに来たのか』って、どういう自信過剰かわからない。
ただ、こちらは、フィリップ殿下から誰が三文役者だと詰め寄られた。とはいえ、その場で言われただけである。
ハミルトン一家は不気味な沈黙を守った。
割と非難しにくい悪口だったからだ。
「レベルが低すぎて、相手にしにくい」とはハミルトン伯爵が妻に語った言葉だった。表向きには、わずかにこう言っただけだった。
「当初、ご学友に選ばれていたにもかかわらず、肝心のフィリップ殿下の顔を知らなかったと言うのは、訳が分からない」
なかなかに痛恨の一撃だった。
評判が地に落ちたジョージだったが、あれほど派手に園遊会などで披露してしまったので、婚約を覆すことは難しかった。
キャンベル家にとってはもっけの幸いだったが、スプリンバーグ家にとっては不名誉な話だ。ハンナを追い払って、婚約者の座から追い落したと得意がっていたが、こうなってみると、婚約が危うくする名人である。ハンナではなくジョージに根本的に問題があるのではないかと思われるようになった。
この話を聞いて、アレクサンドラ殿下は声をたてて笑った。だが、パース公爵夫人は渋い顔をしていた。ハンナはそれを見て、何もやらかさなかったのだが、肩身が狭そうな顔をした。
アレクサンドラ殿下が、慰めてくれた。
「気にしなくていいわ。パース夫人だって、内心では痛快がっているのよ」
パース公爵夫人の一見渋そうな顔を見て、殿下はこっそり教えてくれた。
やはりヒルダ嬢のスプリンバーグ家は、決して評判が良い一家という訳ではなかったようだ。
「公爵家という身分を笠に着て、だらだら暮らしているだけなのですもの」
アレクサンドラ殿下の結婚式の準備はつつがなく進んでいるようだ。
ハンナも、今日みたいに、時々呼ばれて意見を求められたりする。とはいえ、ハンナは高々伯爵家の令嬢に過ぎない。ましてや他国との婚礼のしきたりなど知るわけでもない。なんとなくアレクサンドラ殿下のおそばにいるだけだ。
「いいのよ、それで」
アレクサンドラ殿下は言う。
「あなたがいると気が休まるわ。だから、隣国に連れていくつもりだったの」
ハンナはびっくりした。
アレクサンドラ殿下はすねたように言った。
「外国語が得意だし、空気が読める。そつがない。観察力があるしね。パース夫人も太鼓判を押してくれた。ただ、あなたのご実家の伯爵家はただの伯爵家ではないわ。多業種多国籍の大商家で、あなたをとてもかわいがっているわ」
両親は確かにハンナをかわいがってくれている。でも、それはどこの家でも同じではなのか?
アレクサンドラ殿下は首を振った。
「王妃様の専属侍女は権力者よ。でも、大変な仕事だわ。あなたのご実家は、王都の社交界にはわざわざ出てこなかった。申し訳程度に顔出しするだけだった。面倒を嫌って、田舎の大邸宅に住まないで、家庭的な気楽な小さな屋敷に住んでいたって聞いたわ。プライベートを大事にする家なのよ。それだけの財力と権力があるしね。私の侍女になんて、とんでもなかった」
ハンナは驚いた。
「でも、私の両親はフィリップ殿下との婚約には賛成でしたわ」
それどころか、結構喜んでいたと思う。
「フィリップは国外に出ないもの。田舎の公爵領を拝領するつもりらしいわ。商売にも手を出すと言っている。公爵家くらいなら問題ないわ。それなら、国家の威光も利用できるでしょ? 王子が事業に失敗したら困るけど、ハミルトン伯爵が付いていればそんな心配もいらないし」
あなたのご実家と手を結んだらお互いに利益になるものねと、アレクサンドラ殿下は、少し寂しそうに笑った。
「本当は、本当にあなたに来て欲しかったの。でも、フィリップが猛反対するから」
ハンナは驚いた。
「覚えてる? 最初に私のご学友になって、学校の食堂でランチを食べた時のこと」
覚えている。異様な風体の王子様に驚いた時だ。
「フィリップはあのころからあなたに関心があったわ。あの格好を見ても、全く驚かないあなたに、逆に興味津々になったらしいわ」
アレクサンドラ殿下は微笑んだ。
「それからは、ずっとジョージの婚約をぶっ潰す方に全力を尽くしていたわね」
あああ。
ハンナは思った。
この双子の王子王女に振り回されたハンナの学園生活……。
一体どうしたらいいのか。
社交界と学園は、別々でいるようで、強い関係を持っている。
あのパーティ以来、フィリップ殿下は、何かに執念を燃やし始めた。
アレクサンドラ殿下は、学園に行きたがっていたが、さすがに隣国の王太子妃という身分が決定した今は学園に来ることも出来なくなった。しかしフィリップ殿下は、学園にせっせと通いつめ、堂々とイチャラブを始めたのだ。
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