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第17話 店、大いに盛り上がる
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どこかへ行って、全然この件を知らない誰かと会ってこよう。
そんな気分だった。
目立たないように制服を私服に着替えた。大体、あの店には外部のお客さまが多い。確か、この前はハンスにネタにされた。サインまで、ばら撒いてこのざまだ。私服に限る。
もう、時間は九時を回っていた。
あの手の会議は遅くなるものと見える。バルク少佐の憔悴振りは気の毒だったが、どうしようもなかった。
店は絶好調らしく、わあわあ言ってるのが、外まで響いていた。
滅多にないほどの賑わいようで、ちょっとひるんだ。何をしているんだろう。
ドアを開けると、声が一段と耳に大きく響いた。急いで、ギルを探した。オスカーはいないかもしれないけど、ナオハラとかケムシアやバホイ、ジャクスンが一緒に違いなかった。
だが、騒ぎというのはかなりのもので、テーブルの上で上半身裸で踊ってるやつがいた。まわりは、大盛り上がりだった。
よく見たら、それはナオハラだった。
びっくりした。
あんなに絶好調では、チームの責任者にばれると、今後、ハンスの店には出入り禁止になる可能性があった。
そして、あいにく、その責任者とは私なので、これは、さすがに声をかけにくい。
というか、声をかけるわけには、いかない。
仕方ないので離れたカウンターに座った。アルバイトらしい若者が喧噪の中で注文を聞きに来た。
「なににしますか?」
「ところで、あれなに? なにしているの?」
彼はどちらかと言えば小柄な若い男で、少しうらやましそうな、一方でその客たちのことを誇っているかのような態度で説明してくれた。
「ブルー隊の人たちですよ。軍で唯一の実戦部隊ですよ」
「軍隊って、あんな真似するのかー」
ちょっと言ってみた。彼は私の言葉に少しむっとしたように見えた。
「今日はイベントとして当店がお招きしました。こういうイベントは、月に一回くらいしているんですよ。お客様は軍の人を目当てで来られたんじゃないんですか?」
「いいえ。たまたま来たの。人気があるのかな?」
私は周りを見回した。若い学生が大勢詰め掛けて喜んでいた。旅行者まで来ていた。写真を撮っている連中もいる。こういう場合、裸はまずいだろう。酔っ払った女の子たちが大喜びだったけれど。ちょっと品がないかな。
「来月からは禁止だな」
私はつぶやいた。
「えっ?」
「いや、あなたは軍に入りたいの?」
「私ですか? ええ、専門学校に行ってます。兵站部を受ける予定なんですけどね。本当は、実戦部隊に行きたかったのですが。みなさん体格が大きいですよね。私では無理です」
彼は、うらやましそうだった。
私だって、実戦部隊にいるわけだが、この男と同じ位の身長しかない。確かに軍に入るなら、体の大きさは大問題だ。それを今日ほど痛感したことはない。
「そう。確かに、みんな背が高いし、大きいね。頑張ってね」
彼は初めて笑い顔を見せた。
「はい。ジンとオレンジですね」
しかし、少しすると私服であるのにもかかわらず、ハンスに見破られてしまった。ハンスはまずいことを本能的にかぎつける男だ。そういうときの行動は迅速である。飲み物を麗々しくささげ持ちながら、お世辞たらたらやってきた。
「いやー、少尉、かねてから、美人だとは思ってましたけど、女装すると本当に細くておきれいですねぇ」
細くておきれいなのは、ここでは、まるっきり役に立たない。ハンデにしかならない。
「女装するとってなんだ。あんた、ナオハラに飲ませたね」
「あおうっっ、これは失言……いや正直なところ、店のイベントで『スナイパーと飲もう』って言うのを月に一回やってまして、今回はブルー隊の皆さんを十パーセント引きという格安でお誘いしたんでございます。
あなた様がお見えとわかっていたら、男性会員の皆様にチラシとメールをして置いたんですが、いや、もう、残念。
ジェレミー様にお尋ねしたところ、何か取り込み中と伺いましたもので」
どうせジェレミーにカマをかけたんだろう。取り込み中とはうまい言葉だ。
ハンスはそそくさと出て行って、横目で観察していると、例のウェイターに何を聞かれたのか問いただしている様子だった。聞かれた方は驚いていた。私は彼に背中を向けた。
そのとき、私の後ろを通りかかった誰かが酔いすぎてよろめいてしまい、私のイスの背につかまった。
「あ、ごめんね。大丈夫?」
むしろぞんざいな位のその声に振り向いて、目が合って、凍りつくのがわかった。
ギルだった。
「少尉……!」
私は唇に指を当てた。
「もう、黙ってて。みんなが見るから、この店」
「わ、私はちょっとトイレへ……」
「ナオハラには私がいたのは、黙っといて。もう、帰るつもりだから」
「え……帰るんですか?」
ギルは隣に座った。トイレに行くんじゃなかったっけ。
しかし、ギルのこの体格はうらやましい。この体格でスナイパーですといえば、一発OKだったろうな。
「少尉、どうしたんですか? なんで、一人で飲みになんか来てるんですか? 誘ってくれたら一緒に行くのに」
「一緒に飲みに行こうと思って、ジェレミーに聞いたら、ここだって言うから来たんだけど、ナオハラがものすごく盛り上がってて、声が掛けられなかったの」
ギルの顔がほころび、大声で笑い出した。何人かがこちらを振り返った。
ナオハラの盛り上がりっぷりは、確かに笑うしかなかった。
「ライフル競技大会での成績どうだった?」
「え、ぼくですか? えと、高校の最終年次で地区優勝、大学の最高記録が準優勝です」
「いいなぁ……」
うらやましい。
座り込んで、ライフル競技について話し込んで、珍しく飲んで、結構酔った。
小一時間ほどしたら、ギルはさすがにトイレを思い出したらしく、席を外した。
その間に、私は支払いを済ませて帰ることにした。
「では、ギルには帰ったって、言っといてください」
ハンスが、珍しく妙な顔をした。
「手前どもが申し上げることではないんですが、少尉。」
「なにか?」
「それは、ギルさんに気の毒ではないですか?」
「はあ……?」
「戻ってこられてから、帰ると言ってあげたらどうですか?」
「ああ、そうだね、失礼かも。でも、さっき、もう帰るって言ったから」
「ううむ……。少尉は、相当に困った方ですね」
なに? 困った方だ? 何の話だ。飲みすぎたかな?
もしかして、何でも知っているハンスのことだ、今日、私がスナイパーテストに落ちたことを知っているのかも。
その通り。実は不愉快なんだ。困っているとも言える。
ギルが戻ってきた。
「あー、少尉、ごめんなさい。待っててくれました?」
別に待ってないけど、ハンスも待っとけって言うし。そうそう、帰るので、言っておかなくちゃ。
「そろそろ、明日に響くといけないから、帰ります」
「あっ、じゃあ、送りますよ」
「え? 軍の内部だから、大丈夫ですよ」
「珍しく酔ってますから」
ギルが微笑んだ。
酔うだけのことが実はあったんだよ。プライドに触るってことか。たいしたプライドでも、ないんだけどなあ。でも、これは悲しいよね。
「パーッと飲みたかったので」
「酔うと丁寧になるんですね」
ギルは笑い、なにか楽しそうだった。
「かもしれないですね。あ、送らなくても、多分、帰れますから、大丈夫です。ゆっくりしていってください」
「多分て、なんですか? 帰れないかもしれないってことですか?」
「大丈夫。家まで帰れます」
確信を持って語った。全然、大丈夫だ。OK。
「送りますから、もう少し、飲んでいってもいいんじゃないですか?」
「いえいえ、明日があるので。明日がなければ、つぶれるまで飲んでやる。それはそうと、今度、射撃練習場へ行きませんか? ロングコース。三十口径以上を使わせてくれないですかねー」
「それは、ちょっと認められていないはずだと…… でも、今日は一体どうしちゃったんですか?」
それは言えない。言いたくない。
ギルはあたり前のように一緒に支払いを済ませて、店を出た。ハンスと例のウェイターが最敬礼をしていた。見えてはいたが、酔っていたから、どうでもよかった。
自分たちの後ろで店のドアが閉まったとたん、どういうわけか入った時よりずっと静かになっていたハンスの店が、ワッと割れんばかりの大歓声に包まれたのを後になって思い出したが、それは私には理由がわからない珍現象だった
そんな気分だった。
目立たないように制服を私服に着替えた。大体、あの店には外部のお客さまが多い。確か、この前はハンスにネタにされた。サインまで、ばら撒いてこのざまだ。私服に限る。
もう、時間は九時を回っていた。
あの手の会議は遅くなるものと見える。バルク少佐の憔悴振りは気の毒だったが、どうしようもなかった。
店は絶好調らしく、わあわあ言ってるのが、外まで響いていた。
滅多にないほどの賑わいようで、ちょっとひるんだ。何をしているんだろう。
ドアを開けると、声が一段と耳に大きく響いた。急いで、ギルを探した。オスカーはいないかもしれないけど、ナオハラとかケムシアやバホイ、ジャクスンが一緒に違いなかった。
だが、騒ぎというのはかなりのもので、テーブルの上で上半身裸で踊ってるやつがいた。まわりは、大盛り上がりだった。
よく見たら、それはナオハラだった。
びっくりした。
あんなに絶好調では、チームの責任者にばれると、今後、ハンスの店には出入り禁止になる可能性があった。
そして、あいにく、その責任者とは私なので、これは、さすがに声をかけにくい。
というか、声をかけるわけには、いかない。
仕方ないので離れたカウンターに座った。アルバイトらしい若者が喧噪の中で注文を聞きに来た。
「なににしますか?」
「ところで、あれなに? なにしているの?」
彼はどちらかと言えば小柄な若い男で、少しうらやましそうな、一方でその客たちのことを誇っているかのような態度で説明してくれた。
「ブルー隊の人たちですよ。軍で唯一の実戦部隊ですよ」
「軍隊って、あんな真似するのかー」
ちょっと言ってみた。彼は私の言葉に少しむっとしたように見えた。
「今日はイベントとして当店がお招きしました。こういうイベントは、月に一回くらいしているんですよ。お客様は軍の人を目当てで来られたんじゃないんですか?」
「いいえ。たまたま来たの。人気があるのかな?」
私は周りを見回した。若い学生が大勢詰め掛けて喜んでいた。旅行者まで来ていた。写真を撮っている連中もいる。こういう場合、裸はまずいだろう。酔っ払った女の子たちが大喜びだったけれど。ちょっと品がないかな。
「来月からは禁止だな」
私はつぶやいた。
「えっ?」
「いや、あなたは軍に入りたいの?」
「私ですか? ええ、専門学校に行ってます。兵站部を受ける予定なんですけどね。本当は、実戦部隊に行きたかったのですが。みなさん体格が大きいですよね。私では無理です」
彼は、うらやましそうだった。
私だって、実戦部隊にいるわけだが、この男と同じ位の身長しかない。確かに軍に入るなら、体の大きさは大問題だ。それを今日ほど痛感したことはない。
「そう。確かに、みんな背が高いし、大きいね。頑張ってね」
彼は初めて笑い顔を見せた。
「はい。ジンとオレンジですね」
しかし、少しすると私服であるのにもかかわらず、ハンスに見破られてしまった。ハンスはまずいことを本能的にかぎつける男だ。そういうときの行動は迅速である。飲み物を麗々しくささげ持ちながら、お世辞たらたらやってきた。
「いやー、少尉、かねてから、美人だとは思ってましたけど、女装すると本当に細くておきれいですねぇ」
細くておきれいなのは、ここでは、まるっきり役に立たない。ハンデにしかならない。
「女装するとってなんだ。あんた、ナオハラに飲ませたね」
「あおうっっ、これは失言……いや正直なところ、店のイベントで『スナイパーと飲もう』って言うのを月に一回やってまして、今回はブルー隊の皆さんを十パーセント引きという格安でお誘いしたんでございます。
あなた様がお見えとわかっていたら、男性会員の皆様にチラシとメールをして置いたんですが、いや、もう、残念。
ジェレミー様にお尋ねしたところ、何か取り込み中と伺いましたもので」
どうせジェレミーにカマをかけたんだろう。取り込み中とはうまい言葉だ。
ハンスはそそくさと出て行って、横目で観察していると、例のウェイターに何を聞かれたのか問いただしている様子だった。聞かれた方は驚いていた。私は彼に背中を向けた。
そのとき、私の後ろを通りかかった誰かが酔いすぎてよろめいてしまい、私のイスの背につかまった。
「あ、ごめんね。大丈夫?」
むしろぞんざいな位のその声に振り向いて、目が合って、凍りつくのがわかった。
ギルだった。
「少尉……!」
私は唇に指を当てた。
「もう、黙ってて。みんなが見るから、この店」
「わ、私はちょっとトイレへ……」
「ナオハラには私がいたのは、黙っといて。もう、帰るつもりだから」
「え……帰るんですか?」
ギルは隣に座った。トイレに行くんじゃなかったっけ。
しかし、ギルのこの体格はうらやましい。この体格でスナイパーですといえば、一発OKだったろうな。
「少尉、どうしたんですか? なんで、一人で飲みになんか来てるんですか? 誘ってくれたら一緒に行くのに」
「一緒に飲みに行こうと思って、ジェレミーに聞いたら、ここだって言うから来たんだけど、ナオハラがものすごく盛り上がってて、声が掛けられなかったの」
ギルの顔がほころび、大声で笑い出した。何人かがこちらを振り返った。
ナオハラの盛り上がりっぷりは、確かに笑うしかなかった。
「ライフル競技大会での成績どうだった?」
「え、ぼくですか? えと、高校の最終年次で地区優勝、大学の最高記録が準優勝です」
「いいなぁ……」
うらやましい。
座り込んで、ライフル競技について話し込んで、珍しく飲んで、結構酔った。
小一時間ほどしたら、ギルはさすがにトイレを思い出したらしく、席を外した。
その間に、私は支払いを済ませて帰ることにした。
「では、ギルには帰ったって、言っといてください」
ハンスが、珍しく妙な顔をした。
「手前どもが申し上げることではないんですが、少尉。」
「なにか?」
「それは、ギルさんに気の毒ではないですか?」
「はあ……?」
「戻ってこられてから、帰ると言ってあげたらどうですか?」
「ああ、そうだね、失礼かも。でも、さっき、もう帰るって言ったから」
「ううむ……。少尉は、相当に困った方ですね」
なに? 困った方だ? 何の話だ。飲みすぎたかな?
もしかして、何でも知っているハンスのことだ、今日、私がスナイパーテストに落ちたことを知っているのかも。
その通り。実は不愉快なんだ。困っているとも言える。
ギルが戻ってきた。
「あー、少尉、ごめんなさい。待っててくれました?」
別に待ってないけど、ハンスも待っとけって言うし。そうそう、帰るので、言っておかなくちゃ。
「そろそろ、明日に響くといけないから、帰ります」
「あっ、じゃあ、送りますよ」
「え? 軍の内部だから、大丈夫ですよ」
「珍しく酔ってますから」
ギルが微笑んだ。
酔うだけのことが実はあったんだよ。プライドに触るってことか。たいしたプライドでも、ないんだけどなあ。でも、これは悲しいよね。
「パーッと飲みたかったので」
「酔うと丁寧になるんですね」
ギルは笑い、なにか楽しそうだった。
「かもしれないですね。あ、送らなくても、多分、帰れますから、大丈夫です。ゆっくりしていってください」
「多分て、なんですか? 帰れないかもしれないってことですか?」
「大丈夫。家まで帰れます」
確信を持って語った。全然、大丈夫だ。OK。
「送りますから、もう少し、飲んでいってもいいんじゃないですか?」
「いえいえ、明日があるので。明日がなければ、つぶれるまで飲んでやる。それはそうと、今度、射撃練習場へ行きませんか? ロングコース。三十口径以上を使わせてくれないですかねー」
「それは、ちょっと認められていないはずだと…… でも、今日は一体どうしちゃったんですか?」
それは言えない。言いたくない。
ギルはあたり前のように一緒に支払いを済ませて、店を出た。ハンスと例のウェイターが最敬礼をしていた。見えてはいたが、酔っていたから、どうでもよかった。
自分たちの後ろで店のドアが閉まったとたん、どういうわけか入った時よりずっと静かになっていたハンスの店が、ワッと割れんばかりの大歓声に包まれたのを後になって思い出したが、それは私には理由がわからない珍現象だった
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