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第84話 グラクイの秘密
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私はローレンス博士に土の話をしなかった。
私が土の話をした相手は、オーツ中佐だった。広告もローレンス博士のテレビ出演も全部すんでから、私はオーツ中佐にお願いと言う形で面会してもらったのだ。
オーツ中佐は上機嫌で承諾してくれた。彼は、私には迷惑をかけたと思っているらしかった。彼は自分も座りながら、私に椅子を勧めた。
「君たちの結婚とかそういう話かね?」
「いや、少佐には何も言ってないんですが」
「なにか私に相談か? もうすぐ結婚するなり同居するなりするんだろう? 私も、バルク少佐の生活は寂しすぎると常々考えていたんだ。でも、適当な人がいなくてね。家族と言えば前の妻の連れ子がいるにはいたんだが、割と疎遠だったと思う。それに、もう結婚して中央へ行ってしまったし、彼は今、本当に一人ぼっちだ」
それは全然知らなかった。とはいえ、本当に余計なお世話だろう。
「なにしろ、少佐はおとり事件で少々有名になってしまって。これで君に振られたらかわいそうだよ。少佐にも君にも、とても苦労させたと思っている。私に出来ることなら、何でもしよう。」
確かに少佐は気の毒だった。読みが甘かったという言い方も出来るかもしれないが、私の方の決断が遅くなって、申し訳なかった。
「少佐も呼んでこよう。確か、今の時間は空いているはずだ。私も防音室で君とふたりきりで面会して、彼に誤解されたくないしね。あれで結構気にするほうだから。」
中佐はからからと笑った。
「それは多分大丈夫だと思いますが……」
私は聞こえないように小さい声で言った。中佐はせかせかと席を立ち、うれしそうに少佐を呼び出した。
少佐は実は少し驚いていたようだったが、例によって退屈そうにやってきた。
でも、私は、中佐が考えているような話をしに来たのではないのだ。
私は彼ら二人に、とつとつと順を追ってグラクイがある種の土を食べていること、普通の食物ではなく、土を食べた場合のみ、スコットのいわゆる『悪魔のような呼気』を吐くことを伝えた。
中佐と少佐の表情が変わっていった。
「重大発見だが、我々にとっては、それのどこが重要なんだろう」
中佐は私に問いただした。
「グラクイの害悪性を簡単に立証できます。原因が土とわかれば、死んだグラクイの胃の中を調べれば土の種類は簡単に特定できる。ひとつ調べればすみます。土の種類を特定し、その成分を分析する。実験動物のグラクイにそれを食べさせ、体内から出てくるガスを特定します。そのガスが大気中に放出された場合の化学反応を調べれば、立証が可能です」
「それで……」
「立証できれば、グラクイは完全にクロです。軍がグラクイを駆逐する完璧な理由が出来ます」
中佐は、あまり、ピンとこなかったようだ。
「今までだって、似たようなものじゃないか。今となっては、グラクイを皆殺しにしたって、どこからも苦情は出ないよ。それにそんなことは、どこかの大学が研究すればいい話だ。我々が係わり合いになる必要はないよ」
「駆逐する理由は、この前の殺害事件でたっぷりできてしまって、十分なのかもしれないけれど、それ以上に、もっと重要なことがある。グラクイを兵器として使うことが出来る」
中佐は驚いて私の顔を見た。
「兵器として使う? あいつらをか?」
「どこかの悪党が、先に研究して兵器として使う誰かに売り飛ばしたらどうしますか? 卵から孵せば、問答無用に忠実で、どんなことでもやり遂げる連中です。
ある種の土を食べさせれば、悪魔のような呼気を吐く。
やつらの卵を大量に集めて一箇所で飼育し、呼気だけを集めてどこかの国にぶちまけに行ったらどうしますか?」
少佐の顔つきが変わった。唇がゆがんだ。
「それは……しかし、即効性のある武器じゃない……」
中佐が言った。少佐は黙っていた。
「なにもグラクイを使う必要はないかもしれない。分析の結果、簡単に作れる物質なのかもしれない。
最新型の毒ガスみたいなものですよ。少なくとも最初は作り方は秘密です。そのうち、細菌兵器みたいに誰でも作れるようになってしまうのかもしれませんが。でも、グラクイの『悪魔のような呼気』の秘密を誰が握るのか……」
「秘密を握る?」
「そう。スコットがあれほど欲しがっていた、『グラクイの秘密』」
「スコットは、それを欲しがっていたのかな?」
「そうでしょうね。彼は分析を急いでいた。まだ、完成していなかったに違いない。それさえ出来上がれば……どうしたと思います?」
「本来なら、ばら撒くより、空を暗くしている原因を取り除く研究をした方がよい。農業のできる地域が広がるからね。この場合は、化学系の企業や、大学の場合もあり得るが……
だが、グラクイの場合、むしろ、どこかの権力……ならず者国家や、犯罪的な組織と結びつく可能性もあるだろう。悪用する方が簡単だからね。空を暗くするガスの拡散は、どの国もお断りだろう。そのまま飢餓に直結するケースもある。今までさんざん見てきた例だ。しかも、一旦撒かれたら、改善がほぼ不可能だ。脅しには最適だな」
低い声で少佐が補足した。
「どこかの権力って、どこと結びつくといいですか?」
私は聞いてみた。ふたりは黙った。
「私は、なかなかいい権力を知っている。その組織で十分だと思っている……」
私は言い、中佐は当惑したようだった。
「一体、何の話をしているのかね。ローレンス博士に解析を頼めば……彼と彼の大学なら……」
私はそれを手で制した。
「人員と予算を使うことのできる、大きな機関……毒ガスを実際に兵器として使ったり、暗殺したり、あるいはどこかのならず者の国家と渡り合うことができるほどの組織……」
突然、いらいらした様子になった少佐が割り込んだ。
「思わせぶりな言い方は止めてもらおうか。それで、君は決めたんだな?」
「最初に、グラクイの秘密の回答を言った以上、そうなるでしょうね」
少佐は私の顔を見つめた。
「分析は君がやるのか?」
「軍の依頼でやむなく……」
私はニヤリとした。
「待ってくれ。なんで少尉がそんなことをするんだ? 軍は分析屋なんかじゃない。そんな設備なんかない。ローレンス博士に頼めば……」
なにか険悪なムードが漂いかけた少佐と私の様子に戸惑った中佐が口を挟んだ。
「設備は特には要らないでしょう。どこかの機関に依頼すればいいだけだ。ローレンス博士の大学以外の機関にね。ローレンス博士が軍に忠実だなんて、タマラ少将は考えないでしょうから」
「タマラ少将に何の関係があるんだね?」
「大ありですよ。中佐が今から少将を呼び出すんです」
「え?」
「ローレンス博士は、知りすぎている。土の話をしてしまえば、ローレンス博士が全てのカードを握ることになる。ローレンス博士と大学が、グラクイを握るかもしれません」
「グラクイを握る?」
「スコットが振るいたがったグラクイの力を掌握することです。今はヒントだけしかない。しかし、軍の力を持って研究すれば、グラクイの制御の方法と空を暗くする土の成分の分析が出来るでしょう。この二つがそろえば、グラクイを使って大きな力を手に入れることが出来る」
人のよいオーツ中佐は、目を丸くして聞いていた。少佐は暗い目つきで黙って聞いていた。
「ローレンス博士がこの重大なヒントを知れば、彼は自力で大学内で研究を始めるでしょう。彼が二つの要素を両方とも完全に掌握することが出来る。軍が主導権を握りたければ、ローレンス博士ではない別の機関に、土の件は解析を依頼することです。発注者は軍になる。二つの成果は別々に軍に報告され、両方ともを知りえるのは軍だけになる」
「私には、君の言うことがどうもわからないな」
「私達は、軍で生きていくしかない。タマラ少将も、もともと文官です。彼が我々の成果を取り上げてしまって、別の機関に持ち込むことがないと保証できるなら、タマラ少将に話して戦略を練るべきです」
「タマラ少将は、軍の経歴が長い。その心配は無いだろう。もし、君の心配がそのことなら」
急に少佐が口を挟んだ。
「では、タマラ少将を」
私は言った。
「私が呼んでこよう」
中佐は、少したってから言い、急いで部屋を出て行った。
私が土の話をした相手は、オーツ中佐だった。広告もローレンス博士のテレビ出演も全部すんでから、私はオーツ中佐にお願いと言う形で面会してもらったのだ。
オーツ中佐は上機嫌で承諾してくれた。彼は、私には迷惑をかけたと思っているらしかった。彼は自分も座りながら、私に椅子を勧めた。
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「いや、少佐には何も言ってないんですが」
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それは全然知らなかった。とはいえ、本当に余計なお世話だろう。
「なにしろ、少佐はおとり事件で少々有名になってしまって。これで君に振られたらかわいそうだよ。少佐にも君にも、とても苦労させたと思っている。私に出来ることなら、何でもしよう。」
確かに少佐は気の毒だった。読みが甘かったという言い方も出来るかもしれないが、私の方の決断が遅くなって、申し訳なかった。
「少佐も呼んでこよう。確か、今の時間は空いているはずだ。私も防音室で君とふたりきりで面会して、彼に誤解されたくないしね。あれで結構気にするほうだから。」
中佐はからからと笑った。
「それは多分大丈夫だと思いますが……」
私は聞こえないように小さい声で言った。中佐はせかせかと席を立ち、うれしそうに少佐を呼び出した。
少佐は実は少し驚いていたようだったが、例によって退屈そうにやってきた。
でも、私は、中佐が考えているような話をしに来たのではないのだ。
私は彼ら二人に、とつとつと順を追ってグラクイがある種の土を食べていること、普通の食物ではなく、土を食べた場合のみ、スコットのいわゆる『悪魔のような呼気』を吐くことを伝えた。
中佐と少佐の表情が変わっていった。
「重大発見だが、我々にとっては、それのどこが重要なんだろう」
中佐は私に問いただした。
「グラクイの害悪性を簡単に立証できます。原因が土とわかれば、死んだグラクイの胃の中を調べれば土の種類は簡単に特定できる。ひとつ調べればすみます。土の種類を特定し、その成分を分析する。実験動物のグラクイにそれを食べさせ、体内から出てくるガスを特定します。そのガスが大気中に放出された場合の化学反応を調べれば、立証が可能です」
「それで……」
「立証できれば、グラクイは完全にクロです。軍がグラクイを駆逐する完璧な理由が出来ます」
中佐は、あまり、ピンとこなかったようだ。
「今までだって、似たようなものじゃないか。今となっては、グラクイを皆殺しにしたって、どこからも苦情は出ないよ。それにそんなことは、どこかの大学が研究すればいい話だ。我々が係わり合いになる必要はないよ」
「駆逐する理由は、この前の殺害事件でたっぷりできてしまって、十分なのかもしれないけれど、それ以上に、もっと重要なことがある。グラクイを兵器として使うことが出来る」
中佐は驚いて私の顔を見た。
「兵器として使う? あいつらをか?」
「どこかの悪党が、先に研究して兵器として使う誰かに売り飛ばしたらどうしますか? 卵から孵せば、問答無用に忠実で、どんなことでもやり遂げる連中です。
ある種の土を食べさせれば、悪魔のような呼気を吐く。
やつらの卵を大量に集めて一箇所で飼育し、呼気だけを集めてどこかの国にぶちまけに行ったらどうしますか?」
少佐の顔つきが変わった。唇がゆがんだ。
「それは……しかし、即効性のある武器じゃない……」
中佐が言った。少佐は黙っていた。
「なにもグラクイを使う必要はないかもしれない。分析の結果、簡単に作れる物質なのかもしれない。
最新型の毒ガスみたいなものですよ。少なくとも最初は作り方は秘密です。そのうち、細菌兵器みたいに誰でも作れるようになってしまうのかもしれませんが。でも、グラクイの『悪魔のような呼気』の秘密を誰が握るのか……」
「秘密を握る?」
「そう。スコットがあれほど欲しがっていた、『グラクイの秘密』」
「スコットは、それを欲しがっていたのかな?」
「そうでしょうね。彼は分析を急いでいた。まだ、完成していなかったに違いない。それさえ出来上がれば……どうしたと思います?」
「本来なら、ばら撒くより、空を暗くしている原因を取り除く研究をした方がよい。農業のできる地域が広がるからね。この場合は、化学系の企業や、大学の場合もあり得るが……
だが、グラクイの場合、むしろ、どこかの権力……ならず者国家や、犯罪的な組織と結びつく可能性もあるだろう。悪用する方が簡単だからね。空を暗くするガスの拡散は、どの国もお断りだろう。そのまま飢餓に直結するケースもある。今までさんざん見てきた例だ。しかも、一旦撒かれたら、改善がほぼ不可能だ。脅しには最適だな」
低い声で少佐が補足した。
「どこかの権力って、どこと結びつくといいですか?」
私は聞いてみた。ふたりは黙った。
「私は、なかなかいい権力を知っている。その組織で十分だと思っている……」
私は言い、中佐は当惑したようだった。
「一体、何の話をしているのかね。ローレンス博士に解析を頼めば……彼と彼の大学なら……」
私はそれを手で制した。
「人員と予算を使うことのできる、大きな機関……毒ガスを実際に兵器として使ったり、暗殺したり、あるいはどこかのならず者の国家と渡り合うことができるほどの組織……」
突然、いらいらした様子になった少佐が割り込んだ。
「思わせぶりな言い方は止めてもらおうか。それで、君は決めたんだな?」
「最初に、グラクイの秘密の回答を言った以上、そうなるでしょうね」
少佐は私の顔を見つめた。
「分析は君がやるのか?」
「軍の依頼でやむなく……」
私はニヤリとした。
「待ってくれ。なんで少尉がそんなことをするんだ? 軍は分析屋なんかじゃない。そんな設備なんかない。ローレンス博士に頼めば……」
なにか険悪なムードが漂いかけた少佐と私の様子に戸惑った中佐が口を挟んだ。
「設備は特には要らないでしょう。どこかの機関に依頼すればいいだけだ。ローレンス博士の大学以外の機関にね。ローレンス博士が軍に忠実だなんて、タマラ少将は考えないでしょうから」
「タマラ少将に何の関係があるんだね?」
「大ありですよ。中佐が今から少将を呼び出すんです」
「え?」
「ローレンス博士は、知りすぎている。土の話をしてしまえば、ローレンス博士が全てのカードを握ることになる。ローレンス博士と大学が、グラクイを握るかもしれません」
「グラクイを握る?」
「スコットが振るいたがったグラクイの力を掌握することです。今はヒントだけしかない。しかし、軍の力を持って研究すれば、グラクイの制御の方法と空を暗くする土の成分の分析が出来るでしょう。この二つがそろえば、グラクイを使って大きな力を手に入れることが出来る」
人のよいオーツ中佐は、目を丸くして聞いていた。少佐は暗い目つきで黙って聞いていた。
「ローレンス博士がこの重大なヒントを知れば、彼は自力で大学内で研究を始めるでしょう。彼が二つの要素を両方とも完全に掌握することが出来る。軍が主導権を握りたければ、ローレンス博士ではない別の機関に、土の件は解析を依頼することです。発注者は軍になる。二つの成果は別々に軍に報告され、両方ともを知りえるのは軍だけになる」
「私には、君の言うことがどうもわからないな」
「私達は、軍で生きていくしかない。タマラ少将も、もともと文官です。彼が我々の成果を取り上げてしまって、別の機関に持ち込むことがないと保証できるなら、タマラ少将に話して戦略を練るべきです」
「タマラ少将は、軍の経歴が長い。その心配は無いだろう。もし、君の心配がそのことなら」
急に少佐が口を挟んだ。
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