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第23話 侍女と女中頭に再会
馬車を降りて、騎士様のお屋敷に入ると、二人の女が待ち構えていて走り寄ってきた。
「お嬢様!」
「よくぞご無事で!」
走ってきたのは、私の侍女と女中頭だった。
「あ、あなたたち!」
私はびっくりした。
「お仕事はどうしたの?」
「辞めてきました!」
侍女のキティは嬉しそうに宣言し、女中頭のポートマス夫人は「半日お休みをいただいてまいりました」と答えた。
「これはどういうことですか?」
私はロアン様に説明を求めた。
ロアン様は得意そうに答えた。
「こっそりドネルに計画を話したのさ。ドネルがバリー家の忠実な使用人に根回しした。バリー夫妻が無事で帰ってくると言うなら、もう心配はいらない。ただ二週間の間、お前を守らなきゃならない。忠実な使用人は大事だ」
「わたくしは、その間もお屋敷を守らなければなりません。ですから辞めるわけにはいきません。それに、これまで通り、ロアン様に家中のことを逐一報告する必要がありますから」
毅然として、女中頭の有能ポートマス夫人は言った。
「これまで通り?」
「はい。伯爵様に言いつかりました。もっとも、ロアン様を通じてですけれど。報告はすべてロアン様にするようにと」
私はこっそりロアン様の様子を窺い見た。そうなの?
「私は辞めても何の問題もありません。あのエリザベスやリンダには、うんざりです!」
侍女のキティは唇を歪めて言った。
「エリザベスは、ケチな上に気位ばかり高くて、気難しくて何をしても気に入らないんです。リンダはしょっちゅうお嬢様のドレスや宝石をかき回していました。まるで自分のものみたいに! そしてセンスがないとか地味だとか文句ばっかり言ってました。そのくせダンスパーティになると着て行くんです。お嬢様のドレスですよ?」
「なんですって?」
許せない。私のドレスよ!
「お嬢様のドレスをめぐって、最近はジェローム様と大喧嘩になっていましたわ! ジェローム様は、お友達のバーバラ様に着せるドレスを選びに来られるのです」
「お友達のバーバラ様?」
誰だろう?
二人の女はフンと鼻を鳴らして、口々に言った。
「どこかで拾ってきた素性のしれない女ですよ。ローズ様と名乗らせています。派手好きで、男慣れしてますわ。お嬢様とは似ても似つかぬ女です」
「ジェローム様はその女にゾッコン惚れ込んでるんです。お嬢様が行方不明なことをいいことに、ローズと名乗らせてあちこちで紹介しているようです。そのために、お嬢様のドレスが必要なんです。それでリンダ様とドレス争いになっているんです」
キティが興奮気味に言い、ポーツマス夫人も憮然とした様子で解説した。
「お嬢様に成り済ますために、お嬢様のドレスを着せているんです」
うーむ。人の留守をいいことにしたい放題。
「ローズの方がずっときれいで気品がある」
突然、ロアン様が割り込んだ。
「そんなことは……」
「絶対ある! 比較する相手がひどい」
上げて落とす。ロアン様の話を聞いていると、上げては落とされている気がしてきた。まあ、その分、常識的だなと思うけど。私が絶世の美女って訳じゃないしね。
「ま、そんなわけだ。さあ、今こそ君たちの出番だ。ローズ嬢を絶世の美女に仕立ててくれたまえ!」
「お嬢様!」
「よくぞご無事で!」
走ってきたのは、私の侍女と女中頭だった。
「あ、あなたたち!」
私はびっくりした。
「お仕事はどうしたの?」
「辞めてきました!」
侍女のキティは嬉しそうに宣言し、女中頭のポートマス夫人は「半日お休みをいただいてまいりました」と答えた。
「これはどういうことですか?」
私はロアン様に説明を求めた。
ロアン様は得意そうに答えた。
「こっそりドネルに計画を話したのさ。ドネルがバリー家の忠実な使用人に根回しした。バリー夫妻が無事で帰ってくると言うなら、もう心配はいらない。ただ二週間の間、お前を守らなきゃならない。忠実な使用人は大事だ」
「わたくしは、その間もお屋敷を守らなければなりません。ですから辞めるわけにはいきません。それに、これまで通り、ロアン様に家中のことを逐一報告する必要がありますから」
毅然として、女中頭の有能ポートマス夫人は言った。
「これまで通り?」
「はい。伯爵様に言いつかりました。もっとも、ロアン様を通じてですけれど。報告はすべてロアン様にするようにと」
私はこっそりロアン様の様子を窺い見た。そうなの?
「私は辞めても何の問題もありません。あのエリザベスやリンダには、うんざりです!」
侍女のキティは唇を歪めて言った。
「エリザベスは、ケチな上に気位ばかり高くて、気難しくて何をしても気に入らないんです。リンダはしょっちゅうお嬢様のドレスや宝石をかき回していました。まるで自分のものみたいに! そしてセンスがないとか地味だとか文句ばっかり言ってました。そのくせダンスパーティになると着て行くんです。お嬢様のドレスですよ?」
「なんですって?」
許せない。私のドレスよ!
「お嬢様のドレスをめぐって、最近はジェローム様と大喧嘩になっていましたわ! ジェローム様は、お友達のバーバラ様に着せるドレスを選びに来られるのです」
「お友達のバーバラ様?」
誰だろう?
二人の女はフンと鼻を鳴らして、口々に言った。
「どこかで拾ってきた素性のしれない女ですよ。ローズ様と名乗らせています。派手好きで、男慣れしてますわ。お嬢様とは似ても似つかぬ女です」
「ジェローム様はその女にゾッコン惚れ込んでるんです。お嬢様が行方不明なことをいいことに、ローズと名乗らせてあちこちで紹介しているようです。そのために、お嬢様のドレスが必要なんです。それでリンダ様とドレス争いになっているんです」
キティが興奮気味に言い、ポーツマス夫人も憮然とした様子で解説した。
「お嬢様に成り済ますために、お嬢様のドレスを着せているんです」
うーむ。人の留守をいいことにしたい放題。
「ローズの方がずっときれいで気品がある」
突然、ロアン様が割り込んだ。
「そんなことは……」
「絶対ある! 比較する相手がひどい」
上げて落とす。ロアン様の話を聞いていると、上げては落とされている気がしてきた。まあ、その分、常識的だなと思うけど。私が絶世の美女って訳じゃないしね。
「ま、そんなわけだ。さあ、今こそ君たちの出番だ。ローズ嬢を絶世の美女に仕立ててくれたまえ!」
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