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第44話 気が付いたこと
「ずっと好きだったんだ。だから、婚約しようって言ったんだ。でも、断られたら困るから……」
言い訳して、理屈を作って、なんだかんだ言って自分の屋敷に連れ込んだ。そうだ。
「ローズに何かあったら生きていけない。だから囲い込んでしまった。心配で心配で。それにちっとも気が付いてくれなかった」
恨みがましく、ロアン様は言った。
*****
翌朝、私はげっそりしながら起き出した。完全な寝不足。
だって、ロアン様から解放されたのがもう夜中前だったんだもの。
「アシュトン王子が本気だったらどうするんだ」
ううう。ほんと、どうしよう。
アシュトン王子と一緒に、至る所のスキャンダルを追い続ける人生はイヤだ。砂漠でミイラ探しも嫌だ。
「で、今の情勢だと、早めに俺とあなたが結婚するのが一番無事だと思うんだ」
ロアン様が早口で言い出した。
「俺も危険なんだ。マイラ王女は言い出したら聞かないからね。アシュトン王子どころじゃないよ。俺のこと、すごいイケメンだって言うんだよ」
イケメン自慢のロアン様が、自分のイケメンっぷりに本気で困っていた。
私はロアン様を眺めた。
ウチの制服ではない街の洒落たカフェで最近流行りだとか言う黒のシュッとした格好をしている。
髪も庶民風に、わざとらしくちょっと乱して何やらカッコ良さげである。
「そりゃその格好で王女様の前にわざわざ出てきたら、食いついてくださいみたいなもんでしょう。なぜ、そんなカッコして我が家に潜入したんですか?」
私の前では饒舌なロアン様が黙る。
「じゃあ、俺がマイラ王女に連れ去られても構わないって言うの?」
「え?」
えーっと……
いや、ダメ。
アシュトン王子と話しててわかった。上には上がいるもんだね。
ロアン様、とっても勝手だって思ってたけど、勝手じゃないよね。
悪口ばかり言われてた気がするけど、そうじゃないよね。
悪口だったのか、軽口だったのか。とにかく本音だった。でも、心配している気持ちがあふれてた。それは私にもわかった。
そして、マイラ王女につきまとわれてた時……本気でイラついたわ。なぜ、イラつくのかわからなかった。だけど、いなくなってくれて本当に嬉しかった。でも、同時に気が付いたことがあった。
ロアン様はかっこいい。私、今まで何を見ていたのかしら。
「こんなに次から次からライバルが出現するだなんて。ヘンリー君くらいなら、余裕だと思ってたけど、アシュトン王子までやって来た。アシュトン王子、変人臭いから大丈夫かと思ったけど、ローズの順応性が高すぎて、王子を落としちゃったの見て、俺、自信なくしたわ。俺は見た目しか取り柄ないから」
「そんなことありません! ロアン様はすてきです」
私は思わず口走って、手で口元を押さえた。しまった。言っちゃったよ。
ロアン様が目を丸くして、それからふわぁっと微笑んだのが見えた。
そこからは思い出すのも恥ずかしい。
それに誰もガゼボに迎えに(止めに)来なかった。なんでだろう。
次から次へと繰り出される愛の言葉。
暗いからって、ロアン様、何を言うの? それから責め立てられた。
「ちゃんと好きだと言って」
がっしりと手をつかまれたら、逃げ場がない。
「言葉にしないとわからないよ」
「……好きです……よ」
「よ、はいらない。もう一度」
「好きです、ロアン様」
「ローズ」
ロアン様に抱きしめられた。すごく嬉しい……のはどうしてだろう。離れたくない。
「ローズ、愛してる」
*****
朝、自分の部屋で思い出して困った。ロアン様に何回も好きだと言わされて、聞くたびにロアン様は幸せそうな顔になった。愛していると言われると、今まで知らなかった気持ちが湧いてくる。とても嬉しい、ドキドキする気持ち。
部屋から出るのも恥ずかしいな。
まあ、なんだ。これまでだって、ロアン様のお屋敷に泊めてもらったことあるし……
朝食の時間になったけど、なんだか悪いことでもしてる気分であまり行きたくなかった。でも、部屋にこもっているのはもっと変だ。
言い訳して、理屈を作って、なんだかんだ言って自分の屋敷に連れ込んだ。そうだ。
「ローズに何かあったら生きていけない。だから囲い込んでしまった。心配で心配で。それにちっとも気が付いてくれなかった」
恨みがましく、ロアン様は言った。
*****
翌朝、私はげっそりしながら起き出した。完全な寝不足。
だって、ロアン様から解放されたのがもう夜中前だったんだもの。
「アシュトン王子が本気だったらどうするんだ」
ううう。ほんと、どうしよう。
アシュトン王子と一緒に、至る所のスキャンダルを追い続ける人生はイヤだ。砂漠でミイラ探しも嫌だ。
「で、今の情勢だと、早めに俺とあなたが結婚するのが一番無事だと思うんだ」
ロアン様が早口で言い出した。
「俺も危険なんだ。マイラ王女は言い出したら聞かないからね。アシュトン王子どころじゃないよ。俺のこと、すごいイケメンだって言うんだよ」
イケメン自慢のロアン様が、自分のイケメンっぷりに本気で困っていた。
私はロアン様を眺めた。
ウチの制服ではない街の洒落たカフェで最近流行りだとか言う黒のシュッとした格好をしている。
髪も庶民風に、わざとらしくちょっと乱して何やらカッコ良さげである。
「そりゃその格好で王女様の前にわざわざ出てきたら、食いついてくださいみたいなもんでしょう。なぜ、そんなカッコして我が家に潜入したんですか?」
私の前では饒舌なロアン様が黙る。
「じゃあ、俺がマイラ王女に連れ去られても構わないって言うの?」
「え?」
えーっと……
いや、ダメ。
アシュトン王子と話しててわかった。上には上がいるもんだね。
ロアン様、とっても勝手だって思ってたけど、勝手じゃないよね。
悪口ばかり言われてた気がするけど、そうじゃないよね。
悪口だったのか、軽口だったのか。とにかく本音だった。でも、心配している気持ちがあふれてた。それは私にもわかった。
そして、マイラ王女につきまとわれてた時……本気でイラついたわ。なぜ、イラつくのかわからなかった。だけど、いなくなってくれて本当に嬉しかった。でも、同時に気が付いたことがあった。
ロアン様はかっこいい。私、今まで何を見ていたのかしら。
「こんなに次から次からライバルが出現するだなんて。ヘンリー君くらいなら、余裕だと思ってたけど、アシュトン王子までやって来た。アシュトン王子、変人臭いから大丈夫かと思ったけど、ローズの順応性が高すぎて、王子を落としちゃったの見て、俺、自信なくしたわ。俺は見た目しか取り柄ないから」
「そんなことありません! ロアン様はすてきです」
私は思わず口走って、手で口元を押さえた。しまった。言っちゃったよ。
ロアン様が目を丸くして、それからふわぁっと微笑んだのが見えた。
そこからは思い出すのも恥ずかしい。
それに誰もガゼボに迎えに(止めに)来なかった。なんでだろう。
次から次へと繰り出される愛の言葉。
暗いからって、ロアン様、何を言うの? それから責め立てられた。
「ちゃんと好きだと言って」
がっしりと手をつかまれたら、逃げ場がない。
「言葉にしないとわからないよ」
「……好きです……よ」
「よ、はいらない。もう一度」
「好きです、ロアン様」
「ローズ」
ロアン様に抱きしめられた。すごく嬉しい……のはどうしてだろう。離れたくない。
「ローズ、愛してる」
*****
朝、自分の部屋で思い出して困った。ロアン様に何回も好きだと言わされて、聞くたびにロアン様は幸せそうな顔になった。愛していると言われると、今まで知らなかった気持ちが湧いてくる。とても嬉しい、ドキドキする気持ち。
部屋から出るのも恥ずかしいな。
まあ、なんだ。これまでだって、ロアン様のお屋敷に泊めてもらったことあるし……
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