4 / 9
町に服を買いに行って、美少女に出会いました
しおりを挟む
町もズートピアみたいだった。
町中、動物だらけで、全員、顔は人だった。
そしてデカかった。
みんながジロジロ見てくる。小さくなって歩いていると、バグスに励まされた。
「みんな、見とれてるんだよ」
「えっ、何に!?」
「お前にさ。だって、こんなにかわいいんだもん」
とろけそうな笑顔で言われて、心底、胃が痛くなった。ほんとはかわいくもないし、少年でもない。
町の服屋も顔色が変わった。
「これはまたお美しい……」
服屋は丸メガネをかけた羊だった。
ヤツは上から下まで舐め回すように見つめると、ゴソゴソと何点か服を引っ張り出してきた。
ここらでは、ピッタリした半ズボンと派手な上着が粋らしい。そうなの?
「とりあえず、試してみませんか?」
買う金がないので困ったが、バグスがニマニマしながらうなずいている。
仕方ないから服屋に安いのにしてくれと頼んだ。羊はとんでもない、みたいな顔をしていたが、自分の金じゃないのでと言うと、感激して泣きそうになった。
とりあえず、出来るだけ地味な、安いのにしてもらって着て出ると、バグスは、何を着ても似合うなと言いながら、もっと別の服もあったはずなのにとか余計なことを羊と相談し始めた。
「薄い青の生地のがあったと思うんだが」
「ございました」
「あっちの方が似合うんじゃないか?」
「手前もそう思いましたのですが、お客様が地味な方がよいとおっしゃられまして……」
「そんなことはどうでもいい! とにかく着せてみてやってくれ」
えー、なんか面倒くさいことになってるような。しかし、その時、私は目が、もう本当に点になった。
店内に、とんでもない美少女を見つけてしまったからだ。
「こんなん、着たくない!」
純粋なブロンドの髪に白い肌、ほっそりとした美しい手足、まるで人形のようだ。
ピンクと白のレースのドレスを着せられた美少女が、背中の曲がったラクダのオヤジに、駄々をこねている。
羊のパートナーと思しき、首の周りに巻尺を垂らした山羊っぽいのが、しきりとなだめていた。
「お嬢様は、こちらはお気に召しませんでしたか?」
「そんなに可愛いのに、何を言ってるんだ」
ラクダは少し苛立った様子だったが、赤らんだ頬の美少女がチラ見すると、たちまち顔がほころんだ。
私が驚いたのは、だが、そこじゃない。
お嬢様の脱ぎ捨てた服だ。
ウチの学校の制服だった。
町中、動物だらけで、全員、顔は人だった。
そしてデカかった。
みんながジロジロ見てくる。小さくなって歩いていると、バグスに励まされた。
「みんな、見とれてるんだよ」
「えっ、何に!?」
「お前にさ。だって、こんなにかわいいんだもん」
とろけそうな笑顔で言われて、心底、胃が痛くなった。ほんとはかわいくもないし、少年でもない。
町の服屋も顔色が変わった。
「これはまたお美しい……」
服屋は丸メガネをかけた羊だった。
ヤツは上から下まで舐め回すように見つめると、ゴソゴソと何点か服を引っ張り出してきた。
ここらでは、ピッタリした半ズボンと派手な上着が粋らしい。そうなの?
「とりあえず、試してみませんか?」
買う金がないので困ったが、バグスがニマニマしながらうなずいている。
仕方ないから服屋に安いのにしてくれと頼んだ。羊はとんでもない、みたいな顔をしていたが、自分の金じゃないのでと言うと、感激して泣きそうになった。
とりあえず、出来るだけ地味な、安いのにしてもらって着て出ると、バグスは、何を着ても似合うなと言いながら、もっと別の服もあったはずなのにとか余計なことを羊と相談し始めた。
「薄い青の生地のがあったと思うんだが」
「ございました」
「あっちの方が似合うんじゃないか?」
「手前もそう思いましたのですが、お客様が地味な方がよいとおっしゃられまして……」
「そんなことはどうでもいい! とにかく着せてみてやってくれ」
えー、なんか面倒くさいことになってるような。しかし、その時、私は目が、もう本当に点になった。
店内に、とんでもない美少女を見つけてしまったからだ。
「こんなん、着たくない!」
純粋なブロンドの髪に白い肌、ほっそりとした美しい手足、まるで人形のようだ。
ピンクと白のレースのドレスを着せられた美少女が、背中の曲がったラクダのオヤジに、駄々をこねている。
羊のパートナーと思しき、首の周りに巻尺を垂らした山羊っぽいのが、しきりとなだめていた。
「お嬢様は、こちらはお気に召しませんでしたか?」
「そんなに可愛いのに、何を言ってるんだ」
ラクダは少し苛立った様子だったが、赤らんだ頬の美少女がチラ見すると、たちまち顔がほころんだ。
私が驚いたのは、だが、そこじゃない。
お嬢様の脱ぎ捨てた服だ。
ウチの学校の制服だった。
0
あなたにおすすめの小説
腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。
灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。
彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。
タイトル通りのおっさんコメディーです。
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
私が美女??美醜逆転世界に転移した私
鍋
恋愛
私の名前は如月美夕。
27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。
私は都内で独り暮らし。
風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。
転移した世界は美醜逆転??
こんな地味な丸顔が絶世の美女。
私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。
このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。
※ゆるゆるな設定です
※ご都合主義
※感想欄はほとんど公開してます。
『異世界転生してカフェを開いたら、庭が王宮より人気になってしまいました』
ヤオサカ
恋愛
申し訳ありません、物語の内容を確認しているため、一部非公開にしています
この物語は完結しました。
前世では小さな庭付きカフェを営んでいた主人公。事故により命を落とし、気がつけば異世界の貧しい村に転生していた。
「何もないなら、自分で作ればいいじゃない」
そう言って始めたのは、イングリッシュガーデン風の庭とカフェづくり。花々に囲まれた癒しの空間は次第に評判を呼び、貴族や騎士まで足を運ぶように。
そんな中、無愛想な青年が何度も訪れるようになり――?
花嫁召喚 〜異世界で始まる一妻多夫の婚活記〜
文月・F・アキオ
恋愛
婚活に行き詰まっていた桜井美琴(23)は、ある日突然異世界へ召喚される。そこは女性が複数の夫を迎える“一妻多夫制”の国。
花嫁として召喚された美琴は、生きるために結婚しなければならなかった。
堅実な兵士、まとめ上手な書記官、温和な医師、おしゃべりな商人、寡黙な狩人、心優しい吟遊詩人、几帳面な官僚――多彩な男性たちとの出会いが、美琴の未来を大きく動かしていく。
帰れない現実と新たな絆の狭間で、彼女が選ぶ道とは?
異世界婚活ファンタジー、開幕。
子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました
もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる