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第6話 そんなわけでジャックは社交界に復帰した
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モンゴメリ卿を邪険に追い返したジャックは、後になって父に叱られた。
「この間、クラブで会ったらモンゴメリ卿が謝罪してこられた。ジャックに心ない話をしてしまったと」
ジャックも、反省していた。
これまでさんざん面倒を見てくれたモンゴメリ卿に、あんなことを言うなんて、バカじゃないかと自分でも思った。
「申し訳ないと思ってます……大人げないことをしました」
「モンゴメリ卿に失礼を働くとは、何をやっとるのだ、お前は、本当に」
父は呆れたと言った表情で言った。
「お詫びにモンゴメリ卿の今度の夜会に行って来い。必ず参加させますと、約束した」
ジャックは心の中で叫んだ。
勘弁してくれ!
そんなこんなでジャックの社交界復帰は決まった。
ただの復帰ではない。ジャック・パーシヴァル・ファンクラブへのお披露目を兼ねている。
ジャックの委縮した心情は察するにあまりある。
ジャックは出来るだけ目立たないよう、目立たない服を着て、目立たない時間を選んで、物陰を選びながら、こっそりとモンゴメリ卿の夜会にやってきた。
夏の夜の、モンゴメリ卿自慢の庭を開放してのパーティーは毎回人気だった。
「モンゴメリ卿……」
彼はのっそりと暗闇から卿に話しかけて、彼を心底驚かせた。
「わあっ……おお、なんだ、ジャックじゃないか!」
正直な話、女性関係はとにかく、卿はお人好しだった。余裕のある人物とも言われていた。
嫌がるジャックを無理に夜会に参加させるだなんてマネは、普段なら絶対にしなかったろう。
しかし今回ばかりは心底うんざりしていた。
モンゴメリ卿だって、自分に関心のある女性に取り囲まれるのはやぶさかではない。
しかし、ジャックを崇め奉る女なんかに用はない。
ぜひとも ジャック本人に会いたいとせがむ彼女たちを 本人に会わせてやって、ファンクラブ会員が 今後 直接 本人にアタック出来るようにしたかったのだ。モンゴメリ卿なんか介さずに。
「ちょうどよかった。ブリッグス嬢!」
声の届くところにいた二人連れの女性にモンゴメリ卿は声をかけた。
女たちが振り返り、キラリンとした目つきがジャックを捕らえ、周りを妙齢の女性に取り囲まれるまで一瞬だった。
「実物を見たら、みんな満足して、特に関心はなくなるだろうて」
ジャックは、全員を覚えきれなかったが、次から次へと若い女性が彼を取り囲んだ。
ジャックは、にっこり笑いかけ、持ち前の愛想の良さですらすらと答えたのだった。
「初にお目にかかります、ブリッグス嬢。なんですって? ああ、兄上のヘンリーとは同じクラブですから……お久しぶりです。エイミー嬢。あなたの目に合うネックレスですね……とんでもありません。いやあ、お恥ずかしい、残念ながらさっぱりですよ」
これは新しい恋人はできないのかと言う不躾な質問に対する答えだった。
「いえいえ、それどころか、女性と話をする機会もあまりなくて。朴念仁と言われています」
「私はそんな話、聞いたこともない」
モンゴメリ卿がすかさず小声で突っ込んだが、ジャックは無視した。
お茶会に誘われると、
「そのうち、お誘いしたいくらいです」
舞踏会への出席予定を聞かれると、
「踊り方を忘れてしまって……」
挙げ句の果てに、
「女性恐怖症なものですから」
などと言い出した。
あながち間違ってはいない。
もう、女性はたくさんだ。
「うーむ。なんか、もう気の毒なような……」
正々堂々と、ぐっさりジャックの心の傷をえぐる質問を繰り出す女性たちに取り囲まれたジャックを見て、自分で呼んでおきながら、モンゴメリ卿は、独りごちた。
「この間、クラブで会ったらモンゴメリ卿が謝罪してこられた。ジャックに心ない話をしてしまったと」
ジャックも、反省していた。
これまでさんざん面倒を見てくれたモンゴメリ卿に、あんなことを言うなんて、バカじゃないかと自分でも思った。
「申し訳ないと思ってます……大人げないことをしました」
「モンゴメリ卿に失礼を働くとは、何をやっとるのだ、お前は、本当に」
父は呆れたと言った表情で言った。
「お詫びにモンゴメリ卿の今度の夜会に行って来い。必ず参加させますと、約束した」
ジャックは心の中で叫んだ。
勘弁してくれ!
そんなこんなでジャックの社交界復帰は決まった。
ただの復帰ではない。ジャック・パーシヴァル・ファンクラブへのお披露目を兼ねている。
ジャックの委縮した心情は察するにあまりある。
ジャックは出来るだけ目立たないよう、目立たない服を着て、目立たない時間を選んで、物陰を選びながら、こっそりとモンゴメリ卿の夜会にやってきた。
夏の夜の、モンゴメリ卿自慢の庭を開放してのパーティーは毎回人気だった。
「モンゴメリ卿……」
彼はのっそりと暗闇から卿に話しかけて、彼を心底驚かせた。
「わあっ……おお、なんだ、ジャックじゃないか!」
正直な話、女性関係はとにかく、卿はお人好しだった。余裕のある人物とも言われていた。
嫌がるジャックを無理に夜会に参加させるだなんてマネは、普段なら絶対にしなかったろう。
しかし今回ばかりは心底うんざりしていた。
モンゴメリ卿だって、自分に関心のある女性に取り囲まれるのはやぶさかではない。
しかし、ジャックを崇め奉る女なんかに用はない。
ぜひとも ジャック本人に会いたいとせがむ彼女たちを 本人に会わせてやって、ファンクラブ会員が 今後 直接 本人にアタック出来るようにしたかったのだ。モンゴメリ卿なんか介さずに。
「ちょうどよかった。ブリッグス嬢!」
声の届くところにいた二人連れの女性にモンゴメリ卿は声をかけた。
女たちが振り返り、キラリンとした目つきがジャックを捕らえ、周りを妙齢の女性に取り囲まれるまで一瞬だった。
「実物を見たら、みんな満足して、特に関心はなくなるだろうて」
ジャックは、全員を覚えきれなかったが、次から次へと若い女性が彼を取り囲んだ。
ジャックは、にっこり笑いかけ、持ち前の愛想の良さですらすらと答えたのだった。
「初にお目にかかります、ブリッグス嬢。なんですって? ああ、兄上のヘンリーとは同じクラブですから……お久しぶりです。エイミー嬢。あなたの目に合うネックレスですね……とんでもありません。いやあ、お恥ずかしい、残念ながらさっぱりですよ」
これは新しい恋人はできないのかと言う不躾な質問に対する答えだった。
「いえいえ、それどころか、女性と話をする機会もあまりなくて。朴念仁と言われています」
「私はそんな話、聞いたこともない」
モンゴメリ卿がすかさず小声で突っ込んだが、ジャックは無視した。
お茶会に誘われると、
「そのうち、お誘いしたいくらいです」
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「踊り方を忘れてしまって……」
挙げ句の果てに、
「女性恐怖症なものですから」
などと言い出した。
あながち間違ってはいない。
もう、女性はたくさんだ。
「うーむ。なんか、もう気の毒なような……」
正々堂々と、ぐっさりジャックの心の傷をえぐる質問を繰り出す女性たちに取り囲まれたジャックを見て、自分で呼んでおきながら、モンゴメリ卿は、独りごちた。
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