1 / 62
第1話 公爵家の跡取り令嬢のはずなのに
しおりを挟む
「もうロビア家のアンジェリーナなんて、社交界じゃ誰のことだかわからないと思うわ」
妹を名乗るエミリが、わざわざ三階の屋根裏部屋までやって来て、得意そうに言った。
アンジェリーナは、私の名前。
魔力で有名な、代々続くロビア公爵家の一人娘。親しい人たちはリナって呼ぶけど。
髪は、今はボサボサで色も汚らしい黄色だけど、元はキラキラ輝く金髪だったし、手だってアカギレだらけのこんな手じゃなかった。
今はエミリが使っている広い部屋は、元は私のものだったし、食事だって、使用人たちが食べ終わった後に、こっそり台所に降りて行って、食べ残しや固くなったパンのカケラをもらって屋根裏で齧るような生活じゃなかった。
「だって、社交界に出入りしない、変人令嬢なんですもの。ホントにお姉さまはダメね」
二年前、両親が亡くなって以来、私の立場はどんどん悪くなった。
最初に信頼していた女中頭が辞めさせられて、その後、古くからいた使用人たちは次々とクビになっていった。
新しく雇われてきた者たちは、完全に私のことを、ロビア家の遠い親戚の厄介者だと信じ込んでいる。
「ロビア夫人のお情けでおいてもらっているくせに、なんだい、あの態度は」
「もっと働いてご恩返しをすべきところだよ」
「ロビア夫人に感謝しているところを聞いたこともないよ!」
「本当に厚かましい」
「エミリ様に対する態度の大きいこと! 公爵家の本筋に当たるエミリ様に張り合うだなんて、そんな性根許せないわ。身の程知らず」
厚かましいのは、叔母のバーバラとその娘のエミリの方だ。
この家は元々、私の両親の家。義理の叔母たちは、五年前、叔父が亡くなったため、頼る先がありませんと涙ながらに両親のところに取りすがって来たのだ。
両親はいい顔をしなかった。
叔父は、若い頃に何かやらかしたらしく、家を出て行ってそれきりになっていたらしい。
「それを今更……」
父はそう言って渋ったらしい。
「そんな……母子ともども飢え死にしてしまいます。どうか、使用人としてでも、この家においてくださいませ」
とは言え、別に仕事はしなかったので、結局は居候なわけだが、とりあえずこの家に置いてもらえることになったらしい。
両親は外交官で、留守がちだった。しっかりした女中頭と執事がいて、家を切りまわしていたから安心だったのだが、両親が外国に赴任した途端、バーバラ叔母たちは、親戚だからと勝手なことを始めるようになった。
私は両親が、出来るだけ彼女たちに関わりを持たせたがらなかったので、余り親しくする予定はなかった。大体、別棟に住むことになっていたしね。でも、エミリの方から近づいてきた。
エミリは、薄い金髪の、なんとなく覇気のない顔つきをしていたが、一度主張しだしたら譲らない性格だった。
「こちらのお屋敷に、この度お世話になることになりましたエミリです」
特に挨拶は要らないんだけどな。
彼女は胸を張って、公爵令嬢の私の部屋に堂々とやって来た。果たすべきこと立派にやり遂げるために来た、と言う風情だった。
呼んでないんだけど。別に誰に行けと言われたはずもない。むしろ、行くなと言われていたんじゃなかったのかしら。
この思い付きと努力を誉めて欲しい、そして、彼女が来たことを大歓迎して欲しい。
そんな空気をひしひしと感じたが、私は、困ってしまって「そうなの」とかなんとか、割とおざなりな返事をしてしまったような覚えがある。
妙な雲行きに女中頭以下が沈黙していた。
この時は機転を利かせた、侍女頭が「アンジェリーナ様はお友達のお茶会に行く準備がございまして……」とか言って救出してくれたけど、エミリは、お茶会と言う言葉に飛びついた。
なんだか、自分が呼ばれていないことが気になったらしい。
いえいえ。呼ばれない方が気楽なお茶会も多いのよ? 全然知らない人のお茶会に行って、どうするつもりなの?
どうも彼女は、自意識過剰のきらいがあるようだ。
それにすぐ泣く。
自分が正当に扱われていない、迫害されている、虐められている、もっと先に教えてもらえいればちゃんとできたのに、教えてくれない人が悪い等々、もめ事のタネには事欠かない。
使用人たちも、内心は手を焼いていた。
エミリは、本気で泣きながら母親のバーバラのところに訴えていくのだが、母親のバーバラにしたら、状況がわからないので、一方的に娘が虐められているように感じてしまったかも。
エミリの被害妄想と、自分はもっと重要で誰からも注目される人物なのだと言う憧れにも似た執着心にはお手上げだった。
そして、最も困ったのは、年が近い私のことをつぶさに観察していることだった。
彼女の中では、だんだん、自分と私を比べては、私一人が優遇されているのは不公平だと言う思いが膨れ上がっているようだった。
公爵家の跡取り娘の私と、親族の家に住まわせてもらっている彼女では、色々と事情が違うと思うのだけど、彼女の中には不思議なプライドと高い自己評価があるみたいで、それが満たされないと、怨念みたいな感じになるらしい。
私はたまたま、両親が帰ってきた時、女中頭のギブソン夫人が訴えているところを聞いてしまった。
「エミリ様がお友達を招いてお茶会をしたいと。そのためにドレスなども新しいものを欲しいとおっしゃられまして……」
そういえば、先日、私が仲良しの何人かを呼んで、ほんとに小規模なお茶会をしたのだけど、それを見たのかしら。
「この家は、バーバラ達の家ではないのですよ。エミリは誰の費用でお茶会を開くつもりなんでしょう! しかもロビア公爵家の名前で招待状を出したいだなんて! 自分の家の名前で出したらいいじゃありませんか」
母が眉をしかめている様子が目に浮かぶようだった。
「それに……一番困ったのは、リナ様とフリージア国の王子殿下とのご婚約のお話を聞きつけたらしく、あれこれと詮索なさるのです。エミリ様は大変に気にされているご様子で」
私には婚約者がいた。
ロビア家は古くから続く名門公爵家だが、王家は王家同志の婚姻が圧倒的に多い。
国内の公爵家の娘がフリージア国のような大国の正妃になるだなんて、あり得ないはずだ。
だが、私は王太子様の婚約者だった。
だんだんとそれが本当だとわかってくると、理由よりも先にうらやましいとか、どす黒い感情を抱くようになったらしい。
「バーバラ夫人には何の関係もないでしょう」
母のイライラした声が聞こえた。
「でも、エミリ様は、アンジェリーナ様がご婚約者なら、ご自分でもおかしくないとおっしゃられて、アンジェリーナ様のドレスや宝石類を見たり、触ったりされておられます」
なんでも自分が一番だったり、誰もが自分のことを話題にしていると信じているエミリのような人物の話なんか聞きたくなかった。
「何をバカな。勘違いをしています!」
母が大きな声を出した。
そう、この婚約には理由があった。
妹を名乗るエミリが、わざわざ三階の屋根裏部屋までやって来て、得意そうに言った。
アンジェリーナは、私の名前。
魔力で有名な、代々続くロビア公爵家の一人娘。親しい人たちはリナって呼ぶけど。
髪は、今はボサボサで色も汚らしい黄色だけど、元はキラキラ輝く金髪だったし、手だってアカギレだらけのこんな手じゃなかった。
今はエミリが使っている広い部屋は、元は私のものだったし、食事だって、使用人たちが食べ終わった後に、こっそり台所に降りて行って、食べ残しや固くなったパンのカケラをもらって屋根裏で齧るような生活じゃなかった。
「だって、社交界に出入りしない、変人令嬢なんですもの。ホントにお姉さまはダメね」
二年前、両親が亡くなって以来、私の立場はどんどん悪くなった。
最初に信頼していた女中頭が辞めさせられて、その後、古くからいた使用人たちは次々とクビになっていった。
新しく雇われてきた者たちは、完全に私のことを、ロビア家の遠い親戚の厄介者だと信じ込んでいる。
「ロビア夫人のお情けでおいてもらっているくせに、なんだい、あの態度は」
「もっと働いてご恩返しをすべきところだよ」
「ロビア夫人に感謝しているところを聞いたこともないよ!」
「本当に厚かましい」
「エミリ様に対する態度の大きいこと! 公爵家の本筋に当たるエミリ様に張り合うだなんて、そんな性根許せないわ。身の程知らず」
厚かましいのは、叔母のバーバラとその娘のエミリの方だ。
この家は元々、私の両親の家。義理の叔母たちは、五年前、叔父が亡くなったため、頼る先がありませんと涙ながらに両親のところに取りすがって来たのだ。
両親はいい顔をしなかった。
叔父は、若い頃に何かやらかしたらしく、家を出て行ってそれきりになっていたらしい。
「それを今更……」
父はそう言って渋ったらしい。
「そんな……母子ともども飢え死にしてしまいます。どうか、使用人としてでも、この家においてくださいませ」
とは言え、別に仕事はしなかったので、結局は居候なわけだが、とりあえずこの家に置いてもらえることになったらしい。
両親は外交官で、留守がちだった。しっかりした女中頭と執事がいて、家を切りまわしていたから安心だったのだが、両親が外国に赴任した途端、バーバラ叔母たちは、親戚だからと勝手なことを始めるようになった。
私は両親が、出来るだけ彼女たちに関わりを持たせたがらなかったので、余り親しくする予定はなかった。大体、別棟に住むことになっていたしね。でも、エミリの方から近づいてきた。
エミリは、薄い金髪の、なんとなく覇気のない顔つきをしていたが、一度主張しだしたら譲らない性格だった。
「こちらのお屋敷に、この度お世話になることになりましたエミリです」
特に挨拶は要らないんだけどな。
彼女は胸を張って、公爵令嬢の私の部屋に堂々とやって来た。果たすべきこと立派にやり遂げるために来た、と言う風情だった。
呼んでないんだけど。別に誰に行けと言われたはずもない。むしろ、行くなと言われていたんじゃなかったのかしら。
この思い付きと努力を誉めて欲しい、そして、彼女が来たことを大歓迎して欲しい。
そんな空気をひしひしと感じたが、私は、困ってしまって「そうなの」とかなんとか、割とおざなりな返事をしてしまったような覚えがある。
妙な雲行きに女中頭以下が沈黙していた。
この時は機転を利かせた、侍女頭が「アンジェリーナ様はお友達のお茶会に行く準備がございまして……」とか言って救出してくれたけど、エミリは、お茶会と言う言葉に飛びついた。
なんだか、自分が呼ばれていないことが気になったらしい。
いえいえ。呼ばれない方が気楽なお茶会も多いのよ? 全然知らない人のお茶会に行って、どうするつもりなの?
どうも彼女は、自意識過剰のきらいがあるようだ。
それにすぐ泣く。
自分が正当に扱われていない、迫害されている、虐められている、もっと先に教えてもらえいればちゃんとできたのに、教えてくれない人が悪い等々、もめ事のタネには事欠かない。
使用人たちも、内心は手を焼いていた。
エミリは、本気で泣きながら母親のバーバラのところに訴えていくのだが、母親のバーバラにしたら、状況がわからないので、一方的に娘が虐められているように感じてしまったかも。
エミリの被害妄想と、自分はもっと重要で誰からも注目される人物なのだと言う憧れにも似た執着心にはお手上げだった。
そして、最も困ったのは、年が近い私のことをつぶさに観察していることだった。
彼女の中では、だんだん、自分と私を比べては、私一人が優遇されているのは不公平だと言う思いが膨れ上がっているようだった。
公爵家の跡取り娘の私と、親族の家に住まわせてもらっている彼女では、色々と事情が違うと思うのだけど、彼女の中には不思議なプライドと高い自己評価があるみたいで、それが満たされないと、怨念みたいな感じになるらしい。
私はたまたま、両親が帰ってきた時、女中頭のギブソン夫人が訴えているところを聞いてしまった。
「エミリ様がお友達を招いてお茶会をしたいと。そのためにドレスなども新しいものを欲しいとおっしゃられまして……」
そういえば、先日、私が仲良しの何人かを呼んで、ほんとに小規模なお茶会をしたのだけど、それを見たのかしら。
「この家は、バーバラ達の家ではないのですよ。エミリは誰の費用でお茶会を開くつもりなんでしょう! しかもロビア公爵家の名前で招待状を出したいだなんて! 自分の家の名前で出したらいいじゃありませんか」
母が眉をしかめている様子が目に浮かぶようだった。
「それに……一番困ったのは、リナ様とフリージア国の王子殿下とのご婚約のお話を聞きつけたらしく、あれこれと詮索なさるのです。エミリ様は大変に気にされているご様子で」
私には婚約者がいた。
ロビア家は古くから続く名門公爵家だが、王家は王家同志の婚姻が圧倒的に多い。
国内の公爵家の娘がフリージア国のような大国の正妃になるだなんて、あり得ないはずだ。
だが、私は王太子様の婚約者だった。
だんだんとそれが本当だとわかってくると、理由よりも先にうらやましいとか、どす黒い感情を抱くようになったらしい。
「バーバラ夫人には何の関係もないでしょう」
母のイライラした声が聞こえた。
「でも、エミリ様は、アンジェリーナ様がご婚約者なら、ご自分でもおかしくないとおっしゃられて、アンジェリーナ様のドレスや宝石類を見たり、触ったりされておられます」
なんでも自分が一番だったり、誰もが自分のことを話題にしていると信じているエミリのような人物の話なんか聞きたくなかった。
「何をバカな。勘違いをしています!」
母が大きな声を出した。
そう、この婚約には理由があった。
13
あなたにおすすめの小説
夫に捨てられた私は冷酷公爵と再婚しました
香木陽灯
恋愛
伯爵夫人のマリアーヌは「夜を共に過ごす気にならない」と突然夫に告げられ、わずか五ヶ月で離縁することとなる。
これまで女癖の悪い夫に何度も不倫されても、役立たずと貶されても、文句ひとつ言わず彼を支えてきた。だがその苦労は報われることはなかった。
実家に帰っても父から不当な扱いを受けるマリアーヌ。気分転換に繰り出した街で倒れていた貴族の男性と出会い、彼を助ける。
「離縁したばかり? それは相手の見る目がなかっただけだ。良かったじゃないか。君はもう自由だ」
「自由……」
もう自由なのだとマリアーヌが気づいた矢先、両親と元夫の策略によって再婚を強いられる。相手は婚約者が逃げ出すことで有名な冷酷公爵だった。
ところが冷酷公爵と会ってみると、以前助けた男性だったのだ。
再婚を受け入れたマリアーヌは、公爵と少しずつ仲良くなっていく。
ところが公爵は王命を受け内密に仕事をしているようで……。
一方の元夫は、財政難に陥っていた。
「頼む、助けてくれ! お前は俺に恩があるだろう?」
元夫の悲痛な叫びに、マリアーヌはにっこりと微笑んだ。
「なぜかしら? 貴方を助ける気になりませんの」
※ふんわり設定です
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯
【完結】転生地味悪役令嬢は婚約者と男好きヒロイン諸共無視しまくる。
なーさ
恋愛
アイドルオタクの地味女子 水上羽月はある日推しが轢かれそうになるのを助けて死んでしまう。そのことを不憫に思った女神が「あなた、可哀想だから転生!」「え?」なんの因果か異世界に転生してしまう!転生したのは地味な公爵令嬢レフカ・エミリーだった。目が覚めると私の周りを大人が囲っていた。婚約者の第一王子も男好きヒロインも無視します!今世はうーん小説にでも生きようかな〜と思ったらあれ?あの人は前世の推しでは!?地味令嬢のエミリーが知らず知らずのうちに戦ったり溺愛されたりするお話。
本当に駄文です。そんなものでも読んでお気に入り登録していただけたら嬉しいです!
裏切られた令嬢は、30歳も年上の伯爵さまに嫁ぎましたが、白い結婚ですわ。
夏生 羽都
恋愛
王太子の婚約者で公爵令嬢でもあったローゼリアは敵対派閥の策略によって生家が没落してしまい、婚約も破棄されてしまう。家は子爵にまで落とされてしまうが、それは名ばかりの爵位で、実際には平民と変わらない生活を強いられていた。
辛い生活の中で母親のナタリーは体調を崩してしまい、ナタリーの実家がある隣国のエルランドへ行き、一家で亡命をしようと考えるのだが、安全に国を出るには貴族の身分を捨てなければいけない。しかし、ローゼリアを王太子の側妃にしたい国王が爵位を返す事を許さなかった。
側妃にはなりたくないが、自分がいては家族が国を出る事が出来ないと思ったローゼリアは、家族を出国させる為に30歳も年上である伯爵の元へ後妻として一人で嫁ぐ事を自分の意思で決めるのだった。
※作者独自の世界観によって創作された物語です。細かな設定やストーリー展開等が気になってしまうという方はブラウザバッグをお願い致します。
【完結】悪役令嬢は何故か婚約破棄されない
miniko
恋愛
平凡な女子高生が乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまった。
断罪されて平民に落ちても困らない様に、しっかり手に職つけたり、自立の準備を進める。
家族の為を思うと、出来れば円満に婚約解消をしたいと考え、王子に度々提案するが、王子の反応は思っていたのと違って・・・。
いつの間にやら、王子と悪役令嬢の仲は深まっているみたい。
「僕の心は君だけの物だ」
あれ? どうしてこうなった!?
※物語が本格的に動き出すのは、乙女ゲーム開始後です。
※ご都合主義の展開があるかもです。
※感想欄はネタバレ有り/無しの振り分けをしておりません。本編未読の方はご注意下さい。
王太子妃専属侍女の結婚事情
蒼あかり
恋愛
伯爵家の令嬢シンシアは、ラドフォード王国 王太子妃の専属侍女だ。
未だ婚約者のいない彼女のために、王太子と王太子妃の命で見合いをすることに。
相手は王太子の側近セドリック。
ところが、幼い見た目とは裏腹に令嬢らしからぬはっきりとした物言いのキツイ性格のシンシアは、それが元でお見合いをこじらせてしまうことに。
そんな二人の行く末は......。
☆恋愛色は薄めです。
☆完結、予約投稿済み。
新年一作目は頑張ってハッピーエンドにしてみました。
ふたりの喧嘩のような言い合いを楽しんでいただければと思います。
そこまで激しくはないですが、そういうのが苦手な方はご遠慮ください。
よろしくお願いいたします。
【完結】前代未聞の婚約破棄~なぜあなたが言うの?~
暖夢 由
恋愛
「サリー・ナシェルカ伯爵令嬢、あなたの婚約は破棄いたします!」
高らかに宣言された婚約破棄の言葉。
ドルマン侯爵主催のガーデンパーティーの庭にその声は響き渡った。
でもその婚約破棄、どうしてあなたが言うのですか?
2021/7/18
HOTランキング1位 ありがとうございます。
2021/7/20
総合ランキング1位 ありがとうございます
女嫌いな騎士が一目惚れしたのは、給金を貰いすぎだと値下げ交渉に全力な訳ありな使用人のようです
珠宮さくら
恋愛
家族に虐げられ結婚式直前に婚約者を妹に奪われて勘当までされ、目障りだから国からも出て行くように言われたマリーヌ。
その通りにしただけにすぎなかったが、虐げられながらも逞しく生きてきたことが随所に見え隠れしながら、給金をやたらと値下げしようと交渉する謎の頑張りと常識があるようでないズレっぷりを披露しつつ、初対面から気が合う男性の女嫌いなイケメン騎士と婚約して、自分を見つめ直して幸せになっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる