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第60話 義母ではなかった
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パシンという異様な音と、なにより義母が倒れたどしんという音に驚いて、どうやら隠れて見守っていたらしいアンとステラが駆け寄ってきた。
「お母さま!」
「なんてひどい!」
二人は口々に叫んだ。
そして父に恨みがましい目つきを向けたが、私がいるのを見つけると、大声で非難し始めた。
「まあ、エレクトラだわ!」
「エレクトラ、グラント伯爵と結婚するのは私よ。今すぐ辞退の手紙を書きなさい」
「手紙を書いたら出ていきなさい。二度とこの家に来てはいけません! これは命令よ!」
「ずっと生意気で厚かましいと思っていたけど、なんなの、戻って来るだなんて」
さすがに義母を張り倒したことについて父は怒りに任せてマズいことをしたと思ったらしかったが、義姉たちの元気いっぱいの抗議には沸点が切れたらしかった。
「セバス」
父は言った。
「誰か呼んで、この人たちを別室へご案内しろ。それから、ヘイスティング侯爵にこちらへお越し願えないか聞いてみてくれ」
「はい」
セバスは急いで命令に従った。すぐにレノックス夫人がやって来て、三人を回収して行った。
「エレクトラ。書斎へ来なさい」
私は書斎に招き入れられ、父と二人きりになった。
父と向かい合うのは何ヶ月ぶりだろう。
それに昨夜は勝手に婚約を了承してしまった。
成り行きとはいえ、怒られるかもしれない。
でも、婚約者の挿げ替えなんか無理だ。モートン様が絶対承諾しない気がする。アンとステラ以外なら、可能性があるかも。
だけど、この婚約はピエール夫人が希望しているので、あ、そうか、父がダメなら婚約したままアーネスティン様のところへ戻る手もあるわ。
私は混乱した頭で、次から次へといろんなことを考えた。
「座りなさい」
父が言った。
ヤバいわ。書斎へ呼ばれた時は、叱られた覚えしかない。
私たちはテーブルを挟んでさし向かいに座った。
「エレクトラ……」
「お父さま」
二人の声がかぶった。
これ、絶対怒られるパターンだ。
私は父より先に、しゃべり出すことにした。
「夕べのこと、申し訳ございませんでした!」
私は平身低頭あやまった。父は驚いたようで私を見た。
「モートン様からの婚約の申し込みをお受けしてしまいました」
私は苦渋の表情を浮かべて、続きを言った。
モートン様、かなり好き。いや、すごく好き。顔が好き。
強引手口が気にはなるけど、私の前では紳士だし。
でも、諦めなきゃいけないかも知れない。
「勝手なことをしまして、申し訳ございません! 婚約は解消します」
「えっ? なんで?」
「アン様がモートン様との婚約をご希望なのでございましょう? すぐに事情をお伝えして、了解していただきます」
「待て。なんで、アンが希望したからって婚約を辞退するのだ?」
それはわかっているでしょう。亡くなった母や私より、義母や義姉たちの方が大切だなんて私は聞きたくなかった。そんなこと信じたくなかった。
だから、これまでずっと聞かないできたのよ。
「モートン様の希望は、お父さま、すなわち次期の外務大臣との結びつきです。婚約相手が私では話になりません」
モートン様はきっと私のことが大好きなのだと思う。でもね、アーネスティン様の婚約が、オーウェン様の熱愛だけで成り立っているわけじゃないのと同じように、モートン様の婚約申し込みも、私が好き以外の理由があると思うの。
父は不安そうな顔になった。
「意味がわからん。だったら、エレクトラしかいないではないか?」
「アン様、ステラ様がいますわ」
こんな嫌な話題したくないわ。
「私は継子ですから。身の程は弁えています。お父さまとの結びつきを期待されるなら、アン様、ステラ様と結婚しなければなりません。私と結婚しても意味がありませんので」
「エレクトラ、何を言ってるんだ?」
父が本気で訳が分からないと言う顔をした。
「アン様やステラ様にとって私は邪魔なだけです。義母に、モートン様と結婚するなら、平民になるのだから洗濯や水仕事をしなさいと洗濯場に連れていかれました。それから、義母の侍女は、使用人たちに私はもう、お嬢様ではない、この家の本当のお嬢様はアン様とステラ様だけだ、これからは私のことは呼び捨てにするよう命じました。だから家を出ました」
今しか父に言う機会がないかもしれない。私は被害届を出し続けた。使用人が、革命を起こしてくれて、その後の待遇が格段に良くなったことは黙っておこう。
父は顔色を変えた。顎がだらりと下がり、目を大きく見張った。
「誰が義母……」
とりあえず私の被害届を聞いて欲しい。
「お義母さまは私に縁談を持ち込み、結婚させられそうでした」
「ちょっと! 縁談って誰と?」
父が叫んだ。
「ルテイン伯爵の嫡子のルイス様です。でも、実はよくない噂のある方で、結婚するのには問題があると思いました。なんでも、隣国との間で麻薬の取引に手を染めているそうです」
私は上目遣いに父の様子を窺った。性癖の噂の方はとにかく、麻薬取引に関しては父の方が絶対詳しい。
デマに惑わされていると言われたら、その通りだろう。
「ルテイン家……あんな家と。密輸に絡んでいたのだぞ」
父は絶句した。やっぱり。アーネスティン様たちの情報は確かなんだわ。
「申し訳ございません。義母がルイス様をこの家へ呼ぶので、そのままでは本当に婚約しなくてはならなくなるかもしれません。それもあって仕方なく家を出ました」
「エレクトラ、さっきから義母って言っているが、一体、誰のことを言っているのだ?」
私は目を丸くした。
「お父様の再婚相手ですわ。元ヘイスティング侯爵夫人です」
父がなんだか目をむいた。
「何、バカなことを言っている。義母じゃないぞ。アンとステラも、義姉ではないぞ?」
「えっ? だって、ここへ来られた時、今日から私がこの家の全てを取り仕切りますからって」
父もさっき義母からフィリップと名前呼びされていた。やっぱり親しいのだと思うと悲しかった。平手打ちをかましていたけど。夫婦喧嘩?
「なんだと?」
父の目がギラリと光った。
「アン様もステラ様も、私の持ち物やお母さまの宝石を自分のものにされていましたよ?」
「なんだって?」
父の顔色が変わった。今度は真っ赤になった。
「お母さま!」
「なんてひどい!」
二人は口々に叫んだ。
そして父に恨みがましい目つきを向けたが、私がいるのを見つけると、大声で非難し始めた。
「まあ、エレクトラだわ!」
「エレクトラ、グラント伯爵と結婚するのは私よ。今すぐ辞退の手紙を書きなさい」
「手紙を書いたら出ていきなさい。二度とこの家に来てはいけません! これは命令よ!」
「ずっと生意気で厚かましいと思っていたけど、なんなの、戻って来るだなんて」
さすがに義母を張り倒したことについて父は怒りに任せてマズいことをしたと思ったらしかったが、義姉たちの元気いっぱいの抗議には沸点が切れたらしかった。
「セバス」
父は言った。
「誰か呼んで、この人たちを別室へご案内しろ。それから、ヘイスティング侯爵にこちらへお越し願えないか聞いてみてくれ」
「はい」
セバスは急いで命令に従った。すぐにレノックス夫人がやって来て、三人を回収して行った。
「エレクトラ。書斎へ来なさい」
私は書斎に招き入れられ、父と二人きりになった。
父と向かい合うのは何ヶ月ぶりだろう。
それに昨夜は勝手に婚約を了承してしまった。
成り行きとはいえ、怒られるかもしれない。
でも、婚約者の挿げ替えなんか無理だ。モートン様が絶対承諾しない気がする。アンとステラ以外なら、可能性があるかも。
だけど、この婚約はピエール夫人が希望しているので、あ、そうか、父がダメなら婚約したままアーネスティン様のところへ戻る手もあるわ。
私は混乱した頭で、次から次へといろんなことを考えた。
「座りなさい」
父が言った。
ヤバいわ。書斎へ呼ばれた時は、叱られた覚えしかない。
私たちはテーブルを挟んでさし向かいに座った。
「エレクトラ……」
「お父さま」
二人の声がかぶった。
これ、絶対怒られるパターンだ。
私は父より先に、しゃべり出すことにした。
「夕べのこと、申し訳ございませんでした!」
私は平身低頭あやまった。父は驚いたようで私を見た。
「モートン様からの婚約の申し込みをお受けしてしまいました」
私は苦渋の表情を浮かべて、続きを言った。
モートン様、かなり好き。いや、すごく好き。顔が好き。
強引手口が気にはなるけど、私の前では紳士だし。
でも、諦めなきゃいけないかも知れない。
「勝手なことをしまして、申し訳ございません! 婚約は解消します」
「えっ? なんで?」
「アン様がモートン様との婚約をご希望なのでございましょう? すぐに事情をお伝えして、了解していただきます」
「待て。なんで、アンが希望したからって婚約を辞退するのだ?」
それはわかっているでしょう。亡くなった母や私より、義母や義姉たちの方が大切だなんて私は聞きたくなかった。そんなこと信じたくなかった。
だから、これまでずっと聞かないできたのよ。
「モートン様の希望は、お父さま、すなわち次期の外務大臣との結びつきです。婚約相手が私では話になりません」
モートン様はきっと私のことが大好きなのだと思う。でもね、アーネスティン様の婚約が、オーウェン様の熱愛だけで成り立っているわけじゃないのと同じように、モートン様の婚約申し込みも、私が好き以外の理由があると思うの。
父は不安そうな顔になった。
「意味がわからん。だったら、エレクトラしかいないではないか?」
「アン様、ステラ様がいますわ」
こんな嫌な話題したくないわ。
「私は継子ですから。身の程は弁えています。お父さまとの結びつきを期待されるなら、アン様、ステラ様と結婚しなければなりません。私と結婚しても意味がありませんので」
「エレクトラ、何を言ってるんだ?」
父が本気で訳が分からないと言う顔をした。
「アン様やステラ様にとって私は邪魔なだけです。義母に、モートン様と結婚するなら、平民になるのだから洗濯や水仕事をしなさいと洗濯場に連れていかれました。それから、義母の侍女は、使用人たちに私はもう、お嬢様ではない、この家の本当のお嬢様はアン様とステラ様だけだ、これからは私のことは呼び捨てにするよう命じました。だから家を出ました」
今しか父に言う機会がないかもしれない。私は被害届を出し続けた。使用人が、革命を起こしてくれて、その後の待遇が格段に良くなったことは黙っておこう。
父は顔色を変えた。顎がだらりと下がり、目を大きく見張った。
「誰が義母……」
とりあえず私の被害届を聞いて欲しい。
「お義母さまは私に縁談を持ち込み、結婚させられそうでした」
「ちょっと! 縁談って誰と?」
父が叫んだ。
「ルテイン伯爵の嫡子のルイス様です。でも、実はよくない噂のある方で、結婚するのには問題があると思いました。なんでも、隣国との間で麻薬の取引に手を染めているそうです」
私は上目遣いに父の様子を窺った。性癖の噂の方はとにかく、麻薬取引に関しては父の方が絶対詳しい。
デマに惑わされていると言われたら、その通りだろう。
「ルテイン家……あんな家と。密輸に絡んでいたのだぞ」
父は絶句した。やっぱり。アーネスティン様たちの情報は確かなんだわ。
「申し訳ございません。義母がルイス様をこの家へ呼ぶので、そのままでは本当に婚約しなくてはならなくなるかもしれません。それもあって仕方なく家を出ました」
「エレクトラ、さっきから義母って言っているが、一体、誰のことを言っているのだ?」
私は目を丸くした。
「お父様の再婚相手ですわ。元ヘイスティング侯爵夫人です」
父がなんだか目をむいた。
「何、バカなことを言っている。義母じゃないぞ。アンとステラも、義姉ではないぞ?」
「えっ? だって、ここへ来られた時、今日から私がこの家の全てを取り仕切りますからって」
父もさっき義母からフィリップと名前呼びされていた。やっぱり親しいのだと思うと悲しかった。平手打ちをかましていたけど。夫婦喧嘩?
「なんだと?」
父の目がギラリと光った。
「アン様もステラ様も、私の持ち物やお母さまの宝石を自分のものにされていましたよ?」
「なんだって?」
父の顔色が変わった。今度は真っ赤になった。
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