本当の聖女は私です〜偽物聖女の結婚式のどさくさに紛れて逃げようと思います〜

ルフト帰宅

「アイシャさん、ルフト様がもうすぐ帰って来ますよ！」

嬉しそうにシュテルンは私に手紙を渡してくれた。

ここで幸せな生活をできている。
やっとルフト様にお礼伝えられるのかと思い緊張とやっと会える喜びでグチャグチャだ。

シュテルンにお礼を言い自室へ戻ることにした。

「アイシャ様、シュテルンから聞きましたか？　」

「はい。聞きました。もうすぐお帰りになるそうですね。」

「はい。帰られるまでの時間でアイシャ様を磨きあげますので遠慮はしてられませんで心してください。」

「へっ？」

間抜けな声を上げた私は３人組よって湯浴みれ連行された。

いつもより倍の時間をかけてゆっくり丁寧に磨き上げられた。

頭から爪先に至るまでピカピカになった。

ドレスも何度も着替えて３人はあれじゃないこれじゃないと言い合う物を探していた。

やっと解放されたかと思うと一旦の休憩で次はアクセサリーを選んだ。

ついに終わった。

「これが私たちの全力です。」
と３人とも息が切れて疲れていた。

「ありがとうね。リーナ、ララ、ディル」

「勿体無いお言葉ありがとうございます。」

「名前呼んでくれたー！」

「うるさい」

ララとディルはいつものように戯れ始めた。
リーナは困ったように顔に手を当てていたけどどことなく感じる冷気に2人はぴたりとやめた。
「そろそろ玄関のホールで待ちましょうか」

「「はい。」」
と2人は大人しくホールへ向かった。

「アイシャ様はまだ大丈夫ですよ。」

「でも……」

「私たちはまだやることがございますので」

「わかりました。」

リーナは部屋から出て行った。
私はすることがなかったのでこの国のことを勉強して過ごしていると下が騒がしくなった。

私は慌ててホールへ向かう階段を降りているとルフト様が見えた。

目を見開いていたが私はそれより早くお礼と挨拶をしたかったので慌てて降りた。

「ルフト様このような扱いをしていただきありがとうございます。」

「気に入ってもらえたらよかった。にしてもかなり綺麗になったな。」

「はい。お付きにしてもらったメイドがすごくて髪も肌も綺麗になったんですよ。」

「いいや、君自体が生き生きして前より綺麗だ。」

カーッと顔に熱が集中しているのがわかる。

恥ずかしくなり小声でありがとうございますと言ったら上機嫌で一緒にお茶でもといわれたのでご一緒することになった。

メイド３人組にお茶を用意してもらってテラスでお茶をすることにした。

するとルフト様が真面目な顔をして結婚式の様子を教えてくれた。

誰も偽物だということには気づいておらずこの五日間はパーティーだったので聖力を使う機会がなかったが、普通の日常に戻ると私がいてないことに気がつくと思うのと、こちらへ来たことはバレていないという内容だった。

おおかた予想はしていたけど五日間気づかないのはどうかと思う。

これからの対策と私のやるべきことをしっかり聞かなくちゃ……