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第1章
5話 初仕事
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「長い間お世話になりました。」
短くも重く響くそんな言葉をかけた椿は、施設の人達に見送られながら長年居座ったこの場所を旅立った。
施設にはこれからは一人暮らしをするとだけ伝え、できるだけ心配はかけないようにしておいた。
「それにしても...」
「あなたが迎えに来るとはまた意外な...」
「何か不満でもございますでしょうか?」
施設から少し出たところで椿を待っていたのは屋敷の金髪少女サユリだった。
「いや...むしろ嬉しいんですけども」
特に会話も弾まず2人は歩き出す。
橙色の空にゆっくりと雲が流れる。こうやって夕方に空を眺めながら歩いたのはいつ以来だろうか。
「あの...」
「何か」
「サユリさんって...おいくつですか?」
「普通女性にそういうことを聞くのはおかしいと思いますが」
「重々承知しております...」
「17歳ですよ。見た目より若く見えるのは私の治癒龍の効果かと思われます。」
一般的に龍というのは、火龍、水龍、風龍、治癒龍といった4種類がいてそれをベースに進化した九神龍というのもあるらしい。
「なるほど疑問が解消し...ってあれ同い年なのか」
自分より一回り年下のように見えるこの女性の実年齢がまさか自分と同じとは考えてもいなかったのだ。
「それなら、別に無理に敬語で話さなくてもいいんじゃないですか?ほら...家族?ですし」
「...そう。そういってもらえるなら気が楽だわ。正直窮屈に感じていたから。」
「あぁ、そうそうそんな感じで話してもらえるとこっちとしても助かるわ。よろしくなサユリ」
「...っ...これでも一応先輩だということは忘れないでくれる?」
「あぁ...すみません。」
互いに苦笑しながらそんな話をしていると気がついたら屋敷へ辿り着いていた。
中へ入り、もう飛ばされる心配もなくなった不思議な扉を開いた先で、ふと声をかけられる。
「おかえり。そしていらっしゃい。」
精一杯の笑顔でココさんが2人を迎えてくれたのだ。
しばらくした後歓迎の意味を込めての食事会が行われた。
「食事会」とは言ってみたものの参加者は3人。しかもほとんど無言といった様子で決して楽しいものではなかった。
食事会が終わると初仕事の皿洗いが待っていた。
今まで1人でこなしてきた仕事の1つなので椿はスムーズにこなしていったが、問題はサユリだった。
「さっきから結構皿割ってるけど大丈夫?」
「だ、大丈夫よ!!その...誰かと一緒にこうやって仕事をするのは初めてで緊張...しちゃって。」
「へぇ、いつも1人で仕事してるんだ。というか気になってたんだけどこの屋敷ってココさんとサユリ以外誰かいるのか?」
「いないわけではないわ。でも滅多に顔を出さないからほぼいないようなものよ。」
「なるほどねぇ...その人に挨拶とかできないのか?」
「あの子は自分の部屋に知らない顔が入ってきた途端に最悪殺しにかかるからやめておいたほうがいいわ。」
「おっかねぇ...」
と、その時ガッシャーンという音が聞こえた。
隣を見るとサユリが計6枚目の皿を落としていた。
「話しながら仕事をするのには向いていないみたい...」
────やはり不安しかないこの屋敷での仕事はまだ始まったばかりである。
短くも重く響くそんな言葉をかけた椿は、施設の人達に見送られながら長年居座ったこの場所を旅立った。
施設にはこれからは一人暮らしをするとだけ伝え、できるだけ心配はかけないようにしておいた。
「それにしても...」
「あなたが迎えに来るとはまた意外な...」
「何か不満でもございますでしょうか?」
施設から少し出たところで椿を待っていたのは屋敷の金髪少女サユリだった。
「いや...むしろ嬉しいんですけども」
特に会話も弾まず2人は歩き出す。
橙色の空にゆっくりと雲が流れる。こうやって夕方に空を眺めながら歩いたのはいつ以来だろうか。
「あの...」
「何か」
「サユリさんって...おいくつですか?」
「普通女性にそういうことを聞くのはおかしいと思いますが」
「重々承知しております...」
「17歳ですよ。見た目より若く見えるのは私の治癒龍の効果かと思われます。」
一般的に龍というのは、火龍、水龍、風龍、治癒龍といった4種類がいてそれをベースに進化した九神龍というのもあるらしい。
「なるほど疑問が解消し...ってあれ同い年なのか」
自分より一回り年下のように見えるこの女性の実年齢がまさか自分と同じとは考えてもいなかったのだ。
「それなら、別に無理に敬語で話さなくてもいいんじゃないですか?ほら...家族?ですし」
「...そう。そういってもらえるなら気が楽だわ。正直窮屈に感じていたから。」
「あぁ、そうそうそんな感じで話してもらえるとこっちとしても助かるわ。よろしくなサユリ」
「...っ...これでも一応先輩だということは忘れないでくれる?」
「あぁ...すみません。」
互いに苦笑しながらそんな話をしていると気がついたら屋敷へ辿り着いていた。
中へ入り、もう飛ばされる心配もなくなった不思議な扉を開いた先で、ふと声をかけられる。
「おかえり。そしていらっしゃい。」
精一杯の笑顔でココさんが2人を迎えてくれたのだ。
しばらくした後歓迎の意味を込めての食事会が行われた。
「食事会」とは言ってみたものの参加者は3人。しかもほとんど無言といった様子で決して楽しいものではなかった。
食事会が終わると初仕事の皿洗いが待っていた。
今まで1人でこなしてきた仕事の1つなので椿はスムーズにこなしていったが、問題はサユリだった。
「さっきから結構皿割ってるけど大丈夫?」
「だ、大丈夫よ!!その...誰かと一緒にこうやって仕事をするのは初めてで緊張...しちゃって。」
「へぇ、いつも1人で仕事してるんだ。というか気になってたんだけどこの屋敷ってココさんとサユリ以外誰かいるのか?」
「いないわけではないわ。でも滅多に顔を出さないからほぼいないようなものよ。」
「なるほどねぇ...その人に挨拶とかできないのか?」
「あの子は自分の部屋に知らない顔が入ってきた途端に最悪殺しにかかるからやめておいたほうがいいわ。」
「おっかねぇ...」
と、その時ガッシャーンという音が聞こえた。
隣を見るとサユリが計6枚目の皿を落としていた。
「話しながら仕事をするのには向いていないみたい...」
────やはり不安しかないこの屋敷での仕事はまだ始まったばかりである。
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