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第1章
6話 鎌使い
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椿が屋敷で働き始めて3日が過ぎた。
特に日常生活に支障はなく、学校にも普通に通っている。
部活もしていないので学校が終わると屋敷へ戻り、執事服のような真っ黒な制服に着替え、まずは各部屋の掃除に取り掛かる。
今日はサユリが食材の買い出しに行っているため帰りは少し遅くなるそうだ。
1階の全ての部屋の掃除をひとまず終わらせ2階へ。
レイストン家の屋敷は2階構造で部屋数は20。
部屋の構造は大体同じものが多く椿の部屋も他の部屋と大差はないだろう。構造が違うといえば当主ココ・レイストンの部屋とその孫娘、サユリ・レイストン。そして椿はまだ行ったことのない展望室と呼ばれている部屋。
「そして今掃除してんのが展望室の隣の部屋、と。」
「ふぅ...終わった...やっぱ結構しんどいなぁ...」
サユリの話によると展望室には入らない方がいいという。
「まぁ、昨日話してたあの子がいるんだろうな。怖すぎて入れねぇよそんなの...」
そんな独り言を呟きながら部屋を出て展望室とは逆方向、1階へ続く階段へと向かおうとしていたその瞬間。
────突然、椿の真横を赤黒い大鎌が通り過ぎ、椿の目線の先にあった壁に突き刺さった。
「...!?」
咄嗟に椿は床にしゃがみ後ろを向いた。
────するとそこに立っていたのは、
薄いピンクのワンピースを着た、真っ赤な目の少女。
「おにぃさん...わるいひと?」
「いや、その...?」
さっきまで壁に突き刺さっていた鎌が少女の手元へ戻っている。
「さすがにこれはやばいかも」
そんな独り言を呟いた瞬間また少女の大鎌が迫る。
避ける隙もないほどに的確に椿を目掛けて回転する大鎌。
椿は死を覚悟したが────
「ミカヅキ!!」
「.........あ、サユねぇ」
その、短いやり取りが聞こえ大鎌は突然動きを止め床に落下。
「ミカヅキ、その人は悪い人じゃないわ。」
「そぉ...なんだぁ...ごめんね。おにぃさん。」
「本気で死ぬかと思った...」
「それはそうと椿。あれほど展望室には入るなと言ったでしょう?」
「いや、入ってはないんだけどな。どちらかというとあの子があの部屋の前に立ってて突然襲われた形。」
「...はぁ。なるほど、ミカヅキ、部屋から出て何をするつもりだったの?」
「ぁ...ひさしぶりに...ばあばとごはんたべたくて。」
「それだけなのね...それだけなのに鎌投げ飛ばしてくるあたり...」
「婆様なら下におられるわ。行ってきなさい。」
「はぁい、サユねぇありがとぉ。」
さっきまでの殺意に満ちた姿とは取って代わったかのように笑顔で階段を降りていく。
「さてと...ほんとに心配したのよ。あの鎌が当たってたら確実に死んでたわ。」
「おっしゃる通りすぎて何も言えねぇ。」
と言って立ち上がろうとした時右腕の上腕あたりに激痛が走った。
「痛ってえええ...ってええぇ...」
「いちいち騒がしいのよ、どうかした?」
「さっきまで目の前の光景に驚きすぎて傷に気付かなかったとは...」
先ほどのミカヅキが放った鎌が右腕を掠っていたのだ。
「そのくらいの軽い傷なら治癒能力で軽く直せるから、ほらじっとしてて」
サユリは右手を椿の傷口にかざし目を閉じる。
するとサユリの体から龍の力を使用した際に体から放出されるウォーナが出ていた。
軽く直せる、とは言ったものの何故か5分ほど時間がかかってしまったが、
「おし、ありがとなサユリ」
「当然のことをしたまでよ。感謝されるほどでもないわ。」
それから椿はメンバーが1人増えた食卓でいつもの食事をとり、皿洗いをし、少し読書をした後、早めの就寝をした。
────そしてサユリは。
「やっぱり...なにかおかしい。」
特に日常生活に支障はなく、学校にも普通に通っている。
部活もしていないので学校が終わると屋敷へ戻り、執事服のような真っ黒な制服に着替え、まずは各部屋の掃除に取り掛かる。
今日はサユリが食材の買い出しに行っているため帰りは少し遅くなるそうだ。
1階の全ての部屋の掃除をひとまず終わらせ2階へ。
レイストン家の屋敷は2階構造で部屋数は20。
部屋の構造は大体同じものが多く椿の部屋も他の部屋と大差はないだろう。構造が違うといえば当主ココ・レイストンの部屋とその孫娘、サユリ・レイストン。そして椿はまだ行ったことのない展望室と呼ばれている部屋。
「そして今掃除してんのが展望室の隣の部屋、と。」
「ふぅ...終わった...やっぱ結構しんどいなぁ...」
サユリの話によると展望室には入らない方がいいという。
「まぁ、昨日話してたあの子がいるんだろうな。怖すぎて入れねぇよそんなの...」
そんな独り言を呟きながら部屋を出て展望室とは逆方向、1階へ続く階段へと向かおうとしていたその瞬間。
────突然、椿の真横を赤黒い大鎌が通り過ぎ、椿の目線の先にあった壁に突き刺さった。
「...!?」
咄嗟に椿は床にしゃがみ後ろを向いた。
────するとそこに立っていたのは、
薄いピンクのワンピースを着た、真っ赤な目の少女。
「おにぃさん...わるいひと?」
「いや、その...?」
さっきまで壁に突き刺さっていた鎌が少女の手元へ戻っている。
「さすがにこれはやばいかも」
そんな独り言を呟いた瞬間また少女の大鎌が迫る。
避ける隙もないほどに的確に椿を目掛けて回転する大鎌。
椿は死を覚悟したが────
「ミカヅキ!!」
「.........あ、サユねぇ」
その、短いやり取りが聞こえ大鎌は突然動きを止め床に落下。
「ミカヅキ、その人は悪い人じゃないわ。」
「そぉ...なんだぁ...ごめんね。おにぃさん。」
「本気で死ぬかと思った...」
「それはそうと椿。あれほど展望室には入るなと言ったでしょう?」
「いや、入ってはないんだけどな。どちらかというとあの子があの部屋の前に立ってて突然襲われた形。」
「...はぁ。なるほど、ミカヅキ、部屋から出て何をするつもりだったの?」
「ぁ...ひさしぶりに...ばあばとごはんたべたくて。」
「それだけなのね...それだけなのに鎌投げ飛ばしてくるあたり...」
「婆様なら下におられるわ。行ってきなさい。」
「はぁい、サユねぇありがとぉ。」
さっきまでの殺意に満ちた姿とは取って代わったかのように笑顔で階段を降りていく。
「さてと...ほんとに心配したのよ。あの鎌が当たってたら確実に死んでたわ。」
「おっしゃる通りすぎて何も言えねぇ。」
と言って立ち上がろうとした時右腕の上腕あたりに激痛が走った。
「痛ってえええ...ってええぇ...」
「いちいち騒がしいのよ、どうかした?」
「さっきまで目の前の光景に驚きすぎて傷に気付かなかったとは...」
先ほどのミカヅキが放った鎌が右腕を掠っていたのだ。
「そのくらいの軽い傷なら治癒能力で軽く直せるから、ほらじっとしてて」
サユリは右手を椿の傷口にかざし目を閉じる。
するとサユリの体から龍の力を使用した際に体から放出されるウォーナが出ていた。
軽く直せる、とは言ったものの何故か5分ほど時間がかかってしまったが、
「おし、ありがとなサユリ」
「当然のことをしたまでよ。感謝されるほどでもないわ。」
それから椿はメンバーが1人増えた食卓でいつもの食事をとり、皿洗いをし、少し読書をした後、早めの就寝をした。
────そしてサユリは。
「やっぱり...なにかおかしい。」
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