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第1章
7話 展望室と夜
しおりを挟む────ある日の夜。
椿は2階にある自分の部屋に向かっていた。
一通り仕事を終え疲れていた椿は目を半分閉じたまま歩いていた。シンプルな仕事とはいえ毎日の掃除は部屋数が多いだけあってかなり体力を削られる。
そして椿が自分の部屋の前に着いた時膝のあたりに何かが当たった。
「おにぃさん...ひどい...きづかないなんて...」
「あぁ!!ごめんごめん!!つい、ぼーっとしてて...えっとミカヅキ...だっけ?」
「うん、わたし、ミカヅキ。」
「それで...どうかしたの?」
「おにぃさんにようじ」
「俺に?」
「うん、ついてきて」
そう言われ、椿はミカヅキの後に続く。
そして少し歩いた後に辿り着いたのは
「展望室...」
「わたしのおへや」
「入っていいのか?」
「はいって...いい。おにぃさん、いいひと」
扉が開かれ中に入ると、部屋は案外シンプルで奥にある窓に大きな望遠鏡が置いてある。
「そこに...すわって」
椿はミカヅキの指さした白い椅子に腰掛け、話を始める。
「それで...俺に用事ってなんだ?」
「あの...このまえは...めいわくかけちゃって...ごめんなさい。」
「ん?あ、あぁ大丈夫大丈夫!ちょっと掠っちゃったけどサユリに治してもらったし。」
突然謝られてしまったが、椿はミカヅキが悪いとは思っていない。
「それに、俺が知らずにあそこに近づいちゃったのが悪いから、さ?」
「おにぃさん...やさしい。」
「優しさなら世界でトップ10くらいには入ってる自信あるぜ」
「おにぃさん...あれ...おにぃさんのなまえってなんだっけ」
「茅崎 椿。椿でいいよ」
「わかった。つばき。ありがと。」
どうやら用事とはただこのまえの件について謝りたいということだけだったそうだ。
そして椿は再び自分の部屋に戻り、眠りに入った。
────一方その頃。
サユリはココの部屋の前にいた。
「婆様。お時間ございますでしょうか。」
「いらっしゃい。ゆっくり話をしようじゃないか。」
サユリはココの座る椅子の前に立ち、話を始める。
「椿のことなのですが...」
「そうじゃと思ったよ。」
「...椿の体には違和感を感じます。彼がミカヅキとの一件の時に受けた攻撃の傷は大変浅いものだったのですが、私の治癒能力を使っているのにも関わらず完全回復には時間がかかりました。」
「...ふむ。そうか、ならばサユリはどう考えるか」
サユリは息を吐き出し、肩の力を抜いて言った。
「────九神龍の『滅』の龍。」
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