DRAGONS

ぜろせろり

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第2章

15話 氷帝

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────ドアのノック音。
レイストン邸には常に特殊な能力がかけられている。例えばココの知り合いではない者が扉に触れると吹きとばされるという椿が体験した仕掛けや、ある程度の攻撃を加えない限り壁や天井が傷一つつかないという「結界」。
そしてこの、ノックが屋敷全体に響くというのもその1つだ。
「婆様。お客様がいらっしゃいました。」
今日はガイアと椿が食品の買い出しに行っている。もうすぐ帰る頃だろうが今屋敷にいるのはココとサユリの2人だ。
「名前と用件を告げるが良い。」
扉の前に立ちココはそう言う。
「...久しぶりココ。私、メルトよ。」
「おぉ、メルトか!わざわざ遠くからよく来たのぉ。」
メルトと呼ばれた女は扉を開きココに歩み寄る。青色のドレスを纏い、ゆったりと足を進める。
「メルト・ミルヘス様、ようこそおいでなさいました。」
「改めてお久しぶり、ココ、サユリちゃん。」
「うむ。今日は何の用で来たのかね?」
「そうそう、今日は来月に開催される交流会についてのことでね。」
「交流会...ふむ。なるほどな。」
「今後も氷龍陣営と神龍陣営は良好な関係を保っていきたいと思ってるのよね。」
そう、メルト・ミルヘスは九神龍の序列第7位、氷龍の遣いである。
神龍の遣いと氷龍の遣いは昔から友好関係にあり、年に1度交流会という形で情報交換をしているのだ。
「メルト、その前に一つだけ話さねばならぬことがある。少し待っていておくれ。」
「えぇ、わかったわ。その間私はサユリちゃんをかわいがってあげるとしましょうか♪」
「結構です......」



「それで...氷龍のメルトさん?」
「えぇ、そうよ。あなたがその滅龍遣いね。」
「はい。まだ未熟者ですけどね。」
「そして、さらにガイアくんまでいるとはねぇ?」
「来るなら来るって言ってくれれば良かったのによぉ。ババア。」
「ん?聞き間違いかしら?お姉さんだよね?」
2人が帰ってきてから神龍陣営に滅龍と地龍が加わったことについて話したのである。
「九神龍の遣いが4人も集結すると偉大なものですね。自分の力の無さにうんざりします。」
「サユリは十分いい治癒龍遣いだと思うぜ?そんな落ち込まなくたっていいだろ。」
「...そ、そう。別に励ましてもらわなくてもいいわよ。」
「ふーん。で、サユリちゃんと滅龍の椿くん?はどんな関係なのかな?」
「ん?関係、ですか?先輩後輩って感じじゃないですかね。タメ口で話してますけど。」
「へぇーそっかぁ...あれ、サユリちゃん椿くんに褒められて顔ちょっと赤くなって...」
「うるさいです!!それよりもっと大切なお話があるのでしょう!!」
「まったくぅサユリちゃんはかわいいなぁ~。」


「それで交流会なんだけど...くる?2人も」
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