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第2章
23話 2人の記憶
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「かやさき...つばきくん?よろしくね!!」
椿と宙の出会いは小学生の頃。
小学1年生の頃、名前が同じ「か」から始まるということで出席番号が近く、席が前後だった。
当時椿は人と話すのが苦手で、必死に話しかけてくる宙は椿にとって迷惑な人だった。
それでも毎日話しかけてくる宙にある日椿は訊ねてみた。
「なんで...きみはぼくにはなしかけてくるの?」
「んー、それはねー、ともだちだから!」
「ともだち?」
「うん!ともだち!」
椿は宙の言うことがわからなかった。
その後も宙は毎日毎日椿に話しかけてきた。
捕まえた虫の話、見た景色の話、今日の天気の話、昨日のテレビの話。
どれも本当に何気ないものだった。
でも、そんな話を聞いているうちに椿は宙に興味を持ち始め、
「ね、ねぇ...きみ。なまえ...なんだっけ。」
「ん!ぼくは、そら!かいもりそらだよ!」
「じゃあ、そら。」
「うん?」
「ともだちに...なろ」
椿と宙は小学校の6年間、全て同じクラスになっただけでなく出席番号は常に前後であった。
当時椿にとって宙は、唯一信頼出来る友達だった。困った時はいつも助けてくれて、気軽に相談もできた。
そして中学に進学し、椿と宙は初めて別のクラスとなった。
「まだ慣れない?中学。」
クラスが離れても帰る時にはいつも2人で帰っていた。
「まぁ...そうかも。宙いないし。」
「いないって言ってもクラスが違うだけだよ~。心配しないで!困ったらいつでもたよっていいんだよ?」
「...迷惑かけてばっかでごめん。俺がもっとしっかりしなきゃいけないのに。」
「そんなことないよ?俺頼られるの好きだし。」
椿はいつまでたっても友達頼りの自分に不甲斐なさを感じていた。
それから2年が過ぎたころ。
この頃には2人はお互いを親友として認め合っていた。
椿と宙は同じ高校を志望し、共に受験勉強に励んだ。毎晩塾で勉強をし、夜遅くにまた2人で帰るという日々が続いていた。
そんなある日。
いつも通りの塾の帰り、塾から出て少しした他と比べ明かりが少ない所で椿は塾に筆箱を置いてきたことに気づいた。
椿はすぐに戻るとだけ言い、塾へ向かって走っていった。
暗い夜道に光る自動販売機の前に移動する宙。
すると
「おい、ガキ。お前金持ってんのか?」
ガラの悪そうな年上の男が宙に寄ってきて、金を要求してきた。
「いや...あの...塾の帰りで持ってない...ですけど」
「あ?嘘ついてんじゃねぇよ。金持ってねぇならなんで自販機の前なんかにいんだ?おい。」
宙はその男に襟を掴まれ、脅される。
「......ごめんなさい...本当に持ってなくて......。」
「だーかーらーよお!!!」
男が声を荒らげたその時、
男の顔面に懐中電灯の明かりが照らされる。
急に明かりを照らされた男は目を閉じ、怯む。
次の瞬間、男に体当たりする1つの影。
「俺の親友に手を出す奴は...誰だろうが許さねぇ。」
その声の主はたまたま懐中電灯を持っていた椿だ。そして、
「いくぞ、宙。」
「あ、あっ、うん。」
椿と宙は小走りでその場を立ち去る。
先ほどの自動販売機が見えなくなった時、
「あの...椿、ありがとね。」
「...今までさ。」
「ん?」
「宙に助けてもらってばっかだったよな。」
「...」
「そんなんじゃ宙に舐められちゃいそうでさ。いつか俺が宙を助けてあげたかった。」
「...うん。助かった。ありがとね。椿。」
────茅崎 椿と海守 宙は確かな絆で繋がっている。
椿と宙の出会いは小学生の頃。
小学1年生の頃、名前が同じ「か」から始まるということで出席番号が近く、席が前後だった。
当時椿は人と話すのが苦手で、必死に話しかけてくる宙は椿にとって迷惑な人だった。
それでも毎日話しかけてくる宙にある日椿は訊ねてみた。
「なんで...きみはぼくにはなしかけてくるの?」
「んー、それはねー、ともだちだから!」
「ともだち?」
「うん!ともだち!」
椿は宙の言うことがわからなかった。
その後も宙は毎日毎日椿に話しかけてきた。
捕まえた虫の話、見た景色の話、今日の天気の話、昨日のテレビの話。
どれも本当に何気ないものだった。
でも、そんな話を聞いているうちに椿は宙に興味を持ち始め、
「ね、ねぇ...きみ。なまえ...なんだっけ。」
「ん!ぼくは、そら!かいもりそらだよ!」
「じゃあ、そら。」
「うん?」
「ともだちに...なろ」
椿と宙は小学校の6年間、全て同じクラスになっただけでなく出席番号は常に前後であった。
当時椿にとって宙は、唯一信頼出来る友達だった。困った時はいつも助けてくれて、気軽に相談もできた。
そして中学に進学し、椿と宙は初めて別のクラスとなった。
「まだ慣れない?中学。」
クラスが離れても帰る時にはいつも2人で帰っていた。
「まぁ...そうかも。宙いないし。」
「いないって言ってもクラスが違うだけだよ~。心配しないで!困ったらいつでもたよっていいんだよ?」
「...迷惑かけてばっかでごめん。俺がもっとしっかりしなきゃいけないのに。」
「そんなことないよ?俺頼られるの好きだし。」
椿はいつまでたっても友達頼りの自分に不甲斐なさを感じていた。
それから2年が過ぎたころ。
この頃には2人はお互いを親友として認め合っていた。
椿と宙は同じ高校を志望し、共に受験勉強に励んだ。毎晩塾で勉強をし、夜遅くにまた2人で帰るという日々が続いていた。
そんなある日。
いつも通りの塾の帰り、塾から出て少しした他と比べ明かりが少ない所で椿は塾に筆箱を置いてきたことに気づいた。
椿はすぐに戻るとだけ言い、塾へ向かって走っていった。
暗い夜道に光る自動販売機の前に移動する宙。
すると
「おい、ガキ。お前金持ってんのか?」
ガラの悪そうな年上の男が宙に寄ってきて、金を要求してきた。
「いや...あの...塾の帰りで持ってない...ですけど」
「あ?嘘ついてんじゃねぇよ。金持ってねぇならなんで自販機の前なんかにいんだ?おい。」
宙はその男に襟を掴まれ、脅される。
「......ごめんなさい...本当に持ってなくて......。」
「だーかーらーよお!!!」
男が声を荒らげたその時、
男の顔面に懐中電灯の明かりが照らされる。
急に明かりを照らされた男は目を閉じ、怯む。
次の瞬間、男に体当たりする1つの影。
「俺の親友に手を出す奴は...誰だろうが許さねぇ。」
その声の主はたまたま懐中電灯を持っていた椿だ。そして、
「いくぞ、宙。」
「あ、あっ、うん。」
椿と宙は小走りでその場を立ち去る。
先ほどの自動販売機が見えなくなった時、
「あの...椿、ありがとね。」
「...今までさ。」
「ん?」
「宙に助けてもらってばっかだったよな。」
「...」
「そんなんじゃ宙に舐められちゃいそうでさ。いつか俺が宙を助けてあげたかった。」
「...うん。助かった。ありがとね。椿。」
────茅崎 椿と海守 宙は確かな絆で繋がっている。
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